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放電対策装置

国内特許コード P09S000382
掲載日 2010年3月19日
出願番号 特願2008-520533
登録番号 特許第4815548号
出願日 平成19年6月1日(2007.6.1)
登録日 平成23年9月9日(2011.9.9)
国際出願番号 JP2007061173
国際公開番号 WO2007142133
国際出願日 平成19年6月1日(2007.6.1)
国際公開日 平成19年12月13日(2007.12.13)
優先権データ
  • 特願2006-156782 (2006.6.6) JP
発明者
  • 趙 孟佑
  • 三丸 雄也
  • 細田 聡史
  • 岩田 稔
  • 藤田 辰人
  • 久田 安正
出願人
  • 国立大学法人九州工業大学
  • 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
発明の名称 放電対策装置
発明の概要 本発明は、高エネルギーの電子がふりそそぐ環境にある導電構体及びその面上に取り付けられた電子素子が、流入する負電荷により電位が負方向に上昇して放電するのを防止する。導電構体面に貼った絶縁体テープをくりぬいて、露出した導電構体面に導電性接着剤を塗布し、さらに、該導電性接着剤の上に絶縁体フィルムを貼ると共に、該導電性接着剤を外部に露出させて構成する。高エネルギー電子に遭遇した際に絶縁体フィルムが帯電して、導電性接着剤に高電界が印加して、電界電子放出により電子を導電性接着剤から放出することにより導電構体の負方向電位上昇を防止する。
従来技術、競合技術の概要


近年の宇宙機の大電力化に伴い、宇宙プラズマによる宇宙機太陽電池アレイ上での帯電放電現象が大きな問題となってきている。宇宙機の機能は太陽電池発電によりまかなわれているため、放電によるダメージが宇宙機の全損を招くことにもなり得る。つまり太陽電池アレイでの放電を回避することが宇宙機の長寿命化に直結するのである。



図25は、宇宙機(衛星)を概念的に示す図と、その太陽電池アレイの一部を断面で示す詳細図である。太陽電池を取り付けるパネルは、表側のほぼ全面が絶縁体テープで覆われている。裏面には絶縁体テープは貼付・融着されていない。太陽電池アレイは、両側に電極を取り付けた太陽電池セルを基本単位として、多数の太陽電池セルをインタコネクタにより直並列に組み合わせて構成される。カバーガラス(絶縁体)で表面を覆った太陽電池セルは、宇宙機構体上に絶縁体テープを介して取り付けられている。静止軌道環境にある宇宙機は、太陽活動から発生する突発的なサブストーム(磁気圏嵐)に遭遇することがあり、これが、宇宙機の不具合の主な原因となる。高エネルギーの電子がふりそそぎ、宇宙機の電位は数kV以上の負電位に上昇する。宇宙機表面の絶縁体は宇宙機と異なる電位をもつことになる。宇宙機表面の真空、絶縁体、導体(=宇宙機と同電位)の接する箇所(トリプルジャンクション)に電界が集中し、放電が起こる。特に、太陽電池アレイには構造上トリプルジャンクションが多く存在しており、放電が回路の短絡を招き、電力供給を停止する事態になりうる。



非特許文献1は、絶縁体と導体の接する三重接合点を空間に露出することで、電子を放出させる技術を開示する。しかし、具体的手段を開示していない。



非特許文献2は、衛星帯電を回避するために、帯電センサーにより帯電状態を検知すると同時に高密度プラズマを噴出することで、衛星電位を上昇させると共に、衛星各部の電位差をなくす技術を開示する。しかし、センサー・プラズマ噴出器を搭載するなど、基本的に能動制御であり、センサー、電源、ガス等を搭載しなければならない。



また、特許文献1は、衛星と電気的に接続した光電陰極及びこれを励起する光源を備えて、衛星の電位を制御する技術を開示するが、上記非特許文献2と同様な問題点を有している。
【非特許文献1】
“Introducing The Passive Anode Surface Emission Cathode”, D. Cooke et al., AIAA 2002-4049
【非特許文献2】
“High Voltage Frame and Differential Charging Observed on a Geosynchronous Spacecraft”, B.K. Dichter et al, 6th Spacecraft Charging Technology Conference, 1998
【特許文献1】
特開平7-52900号公報

産業上の利用分野


本発明は、静止軌道衛星や極軌道衛星など、高エネルギー電子に晒される環境にある導電構体及びその面上に取り付けられた電子素子が、流入する負電荷により電位が負方向に上昇して放電するのを防止する放電対策装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】高エネルギーの電子がふりそそぐ環境にある導電構体及びその面上に取り付けられた電子素子が、流入する負電荷により電位が負方向に上昇して放電するのを防止する放電対策装置において、
前記導電構体面に貼った絶縁体テープをくりぬいて、露出した導電構体面に導電性接着剤を塗布し、さらに、該導電性接着剤の上に絶縁体フィルム或いは導電繊維強化プラスチックフィルムを貼ると共に、該導電性接着剤の一部を外部に露出させて構成し、
高エネルギー電子に遭遇した際に前記絶縁体フィルム或いは導電繊維強化プラスチックフィルムが帯電して、前記導電性接着剤に高電界が印加して、電界電子放出により電子を前記導電性接着剤から放出することにより前記導電構体の負方向の電位上昇を防止することから成る放電対策装置。
【請求項2】前記絶縁体テープ及び前記絶縁体フィルムは、いずれもポリイミド系高分子材料からなり、かつ、前記導電性接着剤は炭素系接着剤である請求項1に記載の放電対策装置。
【請求項3】前記外部に露出させる導電性接着剤の一部は、前記絶縁体フィルム或いは導電繊維強化プラスチックフィルムの周囲に位置する導電性接着剤の角部である請求項1に記載の放電対策装置。
【請求項4】前記外部に露出させる導電性接着剤の一部は、前記絶縁体フィルムの周囲に位置する導電性接着剤の角部、該絶縁体フィルムに穴をあけて挿入し導電性接着剤に接着した導体棒、或いは該絶縁体フィルムに空けた穴のいずれか、若しくはそれらの組み合わせである請求項1に記載の放電対策装置。
【請求項5】高エネルギーの電子がふりそそぐ環境にある導電構体及びその面上に取り付けられた電子素子が、流入する負電荷により電位が負方向に上昇して放電するのを防止する放電対策装置において、
前記導電構体面に貼った絶縁体テープの表面に固定して該導電構体と電気的に接続した導体板を導電性接着剤で覆い、さらに、該導電性接着剤の上に絶縁体フィルム或いは導電繊維強化プラスチックフィルムを貼ると共に、該導電性接着剤の一部を外部に露出させて構成し、
高エネルギー電子に遭遇した際に前記絶縁体フィルム或いは導電繊維強化プラスチックフィルムが帯電して、前記導電性接着剤に高電界が印加して、電界電子放出により電子を前記導電性接着剤から放出することにより前記導電構体の負方向の電位上昇を防止することから成る放電対策装置。
【請求項6】前記絶縁体テープ及び前記絶縁体フィルムは、いずれもポリイミド系高分子材料からなり、かつ、前記導電性接着剤は炭素系接着剤である請求項5に記載の放電対策装置。
【請求項7】前記外部に露出させる導電性接着剤の一部は、前記絶縁体フィルム或いは導電繊維強化プラスチックフィルムの周囲に位置する導電性接着剤の角部である請求項5に記載の放電対策装置。
【請求項8】前記外部に露出させる導電性接着剤の一部は、前記絶縁体フィルムの周囲に位置する導電性接着剤の角部、該絶縁体フィルムに穴をあけて挿入し導電性接着剤に接着した導体棒、或いは該絶縁体フィルムに空けた穴のいずれか、若しくはそれらの組み合わせである請求項5に記載の放電対策装置。
【請求項9】高エネルギーの電子がふりそそぐ環境にある導電構体及びその面上に取り付けられた電子素子が、流入する負電荷により電位が負方向に上昇して放電するのを防止する放電対策装置において、
前記導電構体面に貼った絶縁体テープをくりぬいて、露出した導電構体面に導電性接着剤を塗布し、この導電性接着剤を介して導電構体と電気的に接続される導電板を、絶縁体テープの表面に固定し、
前記導電板の上面は、一部を外部に露出させた状態で、絶縁体フィルム或いは導電繊維強化プラスチックフィルムを貼り、
高エネルギー電子に遭遇した際に前記絶縁体フィルム或いは導電繊維強化プラスチックフィルムが帯電して、前記導電板に高電界が印加して、電界電子放出により電子を前記導電板から放出することにより前記導電構体の負方向の電位上昇を防止することから成る放電対策装置。
【請求項10】前記導電板は、導電性接着剤により導電構体に固定される平板状の基部と、該基部中央から垂直方向に立ち上がる柱状部とから構成される請求項9に記載の放電対策装置。
【請求項11】前記導電板は、少なくともその側面が覆われる状態で、絶縁性接着剤により導電構体上面の絶縁体テープに対して接着される請求項9に記載の放電対策装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2008520533thum.jpg
出願権利状態 登録
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