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イネ属の植物を形質転換する方法

国内特許コード P10A015369
掲載日 2010年4月9日
出願番号 特願2008-212554
公開番号 特開2010-046010
登録番号 特許第5334098号
出願日 平成20年8月21日(2008.8.21)
公開日 平成22年3月4日(2010.3.4)
登録日 平成25年8月9日(2013.8.9)
発明者
  • 小沢 憲二郎
出願人
  • 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明の名称 イネ属の植物を形質転換する方法
発明の概要

【課題】 ‘有用品種を含む多くのイネ品種に適用が可能(普遍的な方法)であり’且つ‘形質転換効率が顕著に高い’、アグロバクテリウム法によりイネ属の植物を形質転換する方法、を提供すること、を課題とする。
さらには、選抜マーカー遺伝子を用いた選抜を行うことなく、形質転換したイネ属の植物の植物体を得る方法を提供することを、を課題とする。
【解決手段】 アグロバクテリウム法によりイネ属の植物を形質転換するにあたり、;予め外来遺伝子が導入してあるアグロバクテリウムを培養して懸濁した懸濁液に、イネ属の植物のカルスを浸漬し、その後、当該カルスを、吸収できる液量の90~110%の共存培養用液体培地を吸収させた濾紙の上に静置し、アグロバクテリウムとの共存培養を行うことにより、;当該カルスに前記外来遺伝子を高効率で導入することを特徴とする、アグロバクテリウム法によりイネ属の植物を形質転換する方法を、を提供する。
【選択図】 図1

従来技術、競合技術の概要


イネは、コムギやトウモロコシと並び、主要な穀類の一つであり、特にアジア地域においては、主食として極めて重要な作物である。
現在および将来に予想される食料問題やエネルギー問題において、収量の増産、耐病性、寒冷地や乾燥地などへの抵抗性、味質向上、エネルギー資源に利用に適した非可食部、などに繋がる形質を有するイネの品種や系統の作出は、極めて重要である。
そのような中、近年、イネにおいて、ゲノム解析で明らかになった情報から、網羅的に表現型解析(フェノーム的解析)を行うために、ハイスループットで大量に形質転換体を作出する系の開発が求められ、形質転換系の改変がすすめられてきた。しかし、日本晴、キタアケなどの一部のイネ品種以外は、未だ形質転換効率が低く、数万の形質転換体を用いた大規模解析が難しい状況にある。
また近年、GM植物の実用化に向けて、抗生物質抵抗性遺伝子を利用しない新たな選抜マーカー(ALS、NiR遺伝子等)が開発されているが、その選抜効率は低い。



アグロバクテリウム法による形質転換法は、多くの双子葉類の植物においては、極めて有用な外来遺伝子を導入する方法である。特に、エレクトロポレーション法やパーティクルガン法に比べて、形質転換処理が簡便であり、またその効率も安定している。さらには1個体あたりに同じ遺伝子が複数導入されにくい(一遺伝子を導入した個体が得られやすい)、などの点で優れた利点を有する。
そこで、イネにおいても、アグロバクテリウム法の利用が試みられたが、イネを含む単子葉類に属する植物に対しては、効率が‘極めて低い’。
そのため、イネにおいても、アグロバクテリウム法を利用可能にするために、各種条件(カルス誘導条件、共存培養条件、各種添加物、培養日数、培養温度、アグロバクテリウム濃度等)の改変を行うことで、形質転換効率を向上させる研究が行われてきた(例えば、特許文献1、非特許文献1,2参照)
しかしながら、これらの多くの方法は、形質転換効率の高い日本晴やキタアケなどの限定された品種を用いた研究であり、有用品種を含む多くの品種に適用が可能な普遍的な方法ではない。
今後の実用化に向けて、‘有用品種を含む多くのイネ品種に適用が可能であり’且つ‘形質転換効率が顕著に高い’方法の開発が求められており、さらには選抜マーカー遺伝子を用いた選抜を行うことなく、形質転換したイネ属の植物の植物体を得る方法の開発、が求められている。




【特許文献1】国際公開WO94/00977号

【非特許文献1】Plant Cell Rep. 22 (2004) 653-659.

【非特許文献2】Plant Mol. Biol. Rep. 15 (1997) 16-21.

産業上の利用分野


本発明は、イネ属の植物を形質転換する方法に関し、詳しくはアグロバクテリウム法によりイネ属の植物を高効率で形質転換する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
アグロバクテリウム法によりイネ属の植物を形質転換するにあたり、;予め外来遺伝子が導入してあるアグロバクテリウムを培養して懸濁した懸濁液に、イネ属の植物のカルスを浸漬し、その後、当該カルスを、吸収できる液量の90~110%の共存培養用液体培地を吸収させた濾紙の上に静置し、アグロバクテリウムとの共存培養を行うことにより、;当該カルスに前記外来遺伝子を高効率で導入することを特徴とする、アグロバクテリウム法によりイネ属の植物を形質転換する方法であって、
前記アグロバクテリウムとの共存培養が、前記濾紙に吸収させた共存培養用培地の蒸発が抑制された密封容器内で行われ、当該密封容器の中には、前記液量の共存培養用液体培地を吸収させた濾紙と、前記カルスのみが含まれるものである方法。

【請求項2】
前記濾紙に吸収させた共存培養用液体培地の液量が、前記濾紙が吸収できる液量の96~105%である、請求項1に記載のイネ属の植物を形質転換する方法。

【請求項3】
前記イネ属の植物が、Oryza sativa subsp. japonica、又は、Oryza sativa subsp. indicaである、請求項1又は2のいずれかに記載のイネ属の植物を形質転換する方法。

【請求項4】
前記濾紙が、2号定性濾紙を1~5枚重ねたものである、請求項1~のいずれかに記載のイネ属の植物を形質転換する方法。

【請求項5】
前記濾紙が、2号定性濾紙を2~5枚重ねたものである、請求項1~3のいずれかに記載のイネ属の植物を形質転換する方法

【請求項6】
前記カルスが、2~4mmの大きさのものである、請求項1~5のいずれかに記載のイネ属の植物を形質転換する方法。
産業区分
  • 農林
  • 微生物工業
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2008212554thum.jpg
出願権利状態 権利存続中


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