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アナログ回路の数値演算によるシミュレーション方法、およびスイッチング電源回路の数値演算によるシミュレーション方法

国内特許コード P10P006836
整理番号 中央大121
掲載日 2010年4月30日
出願番号 特願2008-264541
公開番号 特開2010-092434
登録番号 特許第5219078号
出願日 平成20年10月10日(2008.10.10)
公開日 平成22年4月22日(2010.4.22)
登録日 平成25年3月15日(2013.3.15)
発明者
  • 杉本 泰博
出願人
  • 学校法人 中央大学
発明の名称 アナログ回路の数値演算によるシミュレーション方法、およびスイッチング電源回路の数値演算によるシミュレーション方法
発明の概要

【課題】アナログ回路やアナログ回路とディジタル回路が混在する回路において、パルス信号や急激な波形変化を伴う信号波形の過渡解析を数値演算によってシミュレーションし、解析時間を短縮する。
【解決手段】数値演算を行うための回路ブロックのモデル化の第1の形態は、回路ブロック内の電圧および電流を変数とし、この変数を微分した微分変数を含む状態方程式を用いて記述して数値演算のための演算ブロックを形成し、モデル化の第2の形態は、電気回路による重ねの理を適用し、回路ブロックの伝達関数と電圧源又は電流源の積の和を求め、この積の和を重ねの理によってアナログ能動要素の入力信号として記述し、入力信号の伝達関数とアナログ能動要素の伝達関数との積によって回路ブロックの総合的な伝達関数を記述して数値演算のための演算ブロックを形成する。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


アナログ電子回路のシミュレーション方法として、回路方程式をガウス消去法、LU分解法を用いて解く他、非線形回路の解析ではNewton-Rahpson法を用いる方法が知られている。また、回路の動特性をシミュレートするには、回路中の素子を時間刻み毎に変化する電流源、電圧源に置き換え、この時間刻み単位で非線形回路計算を繰り返すことが行われている。また、ディジタル回路のシミュレーション方法としてイベントドリブン法と呼ばれる方法が知られている(特許文献1)。



上記した特許文献1には、アナログディジタル混在回路において、アナログ部のシミュレーションは通常高精度を目標として作られており時間刻みの間隔を制御する必要があるため計算時間が長くなるという課題を指摘し、この課題を解決する方法として、S関数で記述されたアナログ回路部の伝達関数をシミュレーション精度に応じた周期を持つサンプリング周期によるZ関数に変換し、変換したZ関数に基づいてディジタル回路網を形成し、論理シミュレーションを行うことが開示されている。



また、アナログ回路をシミュレートするプログラムとしてSPICE(登録商標)と呼ばれる回路シミュレーションプログラムが知られ、数値演算プログラムとしてMATLAB(登録商標)と呼ばれるプログラムが知られている。

【特許文献1】特許第3019368号(従来技術の項、発明が解決しようとする課題の項、課題を解決するための手段の項)

産業上の利用分野


本発明は、数値演算によるシミュレーション方法に関し、アナログ回路、およびアナログ回路とディジタル回路が混在するDC-DCコンバータに代表されるスイッチング電源回路において周波数特性を数値演算によってシミュレートする方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
アナログ回路の動作を数値演算によってシミュレートする方法であって、
アナログ回路を複数の回路ブロックに分割し、
当該分割した回路ブロックにおいて、
出力を求めるために時間変化を解析する過渡解析を要する回路ブロックについて、
回路ブロック内の電圧および電流を変数とし、前記変数を微分した微分変数を含む状態方程式を用いて記述して数値演算のための演算ブロックを形成し、当該演算ブロックによって回路ブロックをモデル化し、微分変数を含む状態方程式を数値演算で解くことによって当該回路ブロックの出力の時間変化を求め、
前記過渡解析を要さない回路ブロックについて、
当該回路ブロックのアナログ能動要素に入力する電圧源および又は電流源について、前記電圧源又は電流源が単独で存在するときの伝達関数を、当該電圧源又は電流源からアナログ能動要素までをS関数で記述し、当該伝達関数とS関数で記述した前記電圧源の電圧又は電流源の電流との積の和を求め、この積の和を重ねの理によってアナログ能動要素の入力信号として記述し、
前記アナログ能動要素の伝達関数をS関数で記述し、
前記入力信号の伝達関数と前記アナログ能動要素の伝達関数との積によって回路ブロックの総合的な伝達関数を記述して数値演算のための演算ブロックを形成し、当該演算ブロックによって回路ブロックをモデル化し、前記総合的な伝達関数をラプラス逆変換することによって回路ブロックの出力の時間変化を求め、
前記時間変化を求める処理をコンピュータで実行することを特徴とする、アナログ回路の数値演算によるシミュレーション方法。

【請求項2】
入力直流電圧をスイッチングして電圧パルスを出力するスイッチング回路と
前記電圧パルスを平滑化して負荷に供給する出力平滑回路と、
前記出力平滑回路の出力電圧と参照電圧の差分電圧を入力信号とし、当該入力信号を電圧増幅し、低域通過させた電圧を出力し、リミタ電流を出力端から入力端に帰還する誤差増幅器と、
前記出力平滑回路に流れる電流を検出し、当該電流を電圧変換して出力する前記電流検出回路と、
誤差増幅器出力電圧と電流検出回路の出力電圧とを比較する比較器を備え、
前記スイッチング回路のスイッチング期間を制御するディジタル制御回路とを備えるスイッチング電源回路の動作を数値演算によってシミュレートする方法であって、
前記出力平滑回路は、前記スイッチング回路を構成する出力トランジスタの出力電圧と負荷電流とを入力信号とし、
前記出力平滑回路の出力電圧と当該出力平滑回路が備えるインダクタンス素子に流れる電流とを出力信号とし、
当該出力平滑回路が備える容量素子の両端の電圧と前記インダクタンス素子に流れる電流を変数とし、前記変数を微分した微分変数を含む状態方程式を用いて前記出力平滑回路を記述して数値演算を行う演算ブロックを形成し、当該演算ブロックを用いてスイッチング回路および出力平滑回路をモデル化し、
前記インダクタンス素子を流れる電流および前記出力平滑回路の出力直流電圧の時間変化を求め、
前記誤差増幅器は、
入力信号電圧源から前記誤差増幅器の入力端までの伝達関数と、
出力信号電圧源から前記誤差増幅器の入力端までの伝達関数と、
参照電圧源から前記誤差増幅器の入力端までの伝達関数と、
入力端と出力端との間に接続されたダイオードリミタに流れる電流を表すリミタ電流源から前記誤差増幅器の入力端までの伝達関数とについて、それぞれが単独で存在するときの伝達関数をS関数で記述し、
当該各伝達関数とS関数で記述した前記入力信号電圧源、出力信号電圧源、参照電圧源、リミタ電流源の電圧又は電流源の電流との積の和を求め、この積の和を重ねの理によって誤差増幅器の入力信号として記述し、
前記誤差増幅器の伝達関数をS関数で記述し、
前記入力信号のS関数と前記誤差増幅器の伝達関数との積によって誤差増幅器の総合的な伝達関数を記述して数値演算を行う演算ブロックを形成し、当該演算ブロックを用いて誤差増幅器をモデル化し、
前記総合的な伝達関数をラプラス逆変換することによって誤差増幅器の出力の時間変化を求め、
前記電流検出回路は、
前記スイッチングトランジスタに流れる電流に対して所定比率の電流を流す検出用トランジスタを前記スイッチングトランジスタに並列接続し、
前記検出用トランジスタに流れる電流と抵抗との積によって記述して数値演算を行う演算ブロックを形成し、当該演算ブロックを用いて電流検出回路をモデル化し、
前記所定比率と前記抵抗との積を一定値の電流-電圧変換係数として数値演算を行うことによって電流を検出し、
前記時間変化を求める処理をコンピュータで実行し、前記スイッチング回路と前記出力平滑回路と前記誤差増幅器と前記電流検出回路の各アナログ回路の動作を数値演算によってシミュレートすることを特徴とする、スイッチング電源回路の数値演算によるシミュレーション方法。

【請求項3】
入力直流電圧をスイッチングして電圧パルスを出力するスイッチング回路と、
前記電圧パルスを平滑化して負荷に供給する出力平滑回路と、
前記出力平滑回路の出力電圧と参照電圧の差分電圧を入力信号とし、当該入力信号を電圧増幅し、低域通過させた電圧を出力し、リミタ電流を出力端から入力端に帰還する誤差増幅器と、
前記出力平滑回路に流れる電流を検出し、当該電流を電圧変換して前記電流検出回路と、
前記スイッチング回路のスイッチング期間を制御するディジタル制御回路とを備えるスイッチング電源回路において、
入力信号電圧と参照電圧の差分電圧を入力信号とし、当該入力信号を電圧増幅し、低域通過させた電圧を出力し、リミタ電流を出力端から入力端に帰還する誤差増幅器の周波数特性を数値演算によってシミュレートする方法であって、
入力信号電圧源から前記誤差増幅器の入力端までの伝達関数と、
出力信号電圧源から前記誤差増幅器の入力端までの伝達関数と、
参照電圧源から前記誤差増幅器の入力端までの伝達関数と、
入力端と出力端との間に接続されたダイオードリミタに流れる電流を表すリミタ電流源から前記誤差増幅器の入力端までの伝達関数とについて、それぞれが単独で存在するときの伝達関数をS関数で記述し、
当該各伝達関数とS関数で記述した前記入力信号電圧源、出力信号電圧源、参照電圧源、リミタ電流源の電圧又は電流源の電流との積の和を求め、この積の和を重ねの理によって誤差増幅器の入力信号として記述し、
前記誤差増幅器の伝達関数をS関数で記述し、
前記入力信号のS関数と前記誤差増幅器の伝達関数との積によって誤差増幅器の総合的な伝達関数を記述して数値演算を行う演算ブロックを形成し、当該演算ブロックを用いて誤差増幅器をモデル化し、
前記総合的な伝達関数をラプラス逆変換することによって誤差増幅器の出力の時間変化を求め、
前記時間変化を求める処理をコンピュータで実行することを特徴とする、誤差増幅器の数値演算によるシミュレーション方法。
産業区分
  • 計算機応用
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2008264541thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
参考情報 (研究プロジェクト等) 中央大学 理工学部 電気電子情報通信工学科 集積回路技術研究室
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