TOP > 国内特許検索 > 顕微鏡装置及びそれを用いた蛍光観察方法

顕微鏡装置及びそれを用いた蛍光観察方法 新技術説明会

国内特許コード P10A015415
整理番号 B115P02
掲載日 2010年5月14日
出願番号 特願2008-235795
公開番号 特開2014-098724
登録番号 特許第4288323号
出願日 平成20年9月13日(2008.9.13)
公開日 平成26年5月29日(2014.5.29)
登録日 平成21年4月10日(2009.4.10)
発明者
  • 五十嵐 康伸
  • 小原 健
  • 出口 雄規
  • 鈴木 健史
  • 橋本 浩一
出願人
  • 独立行政法人科学技術振興機構
発明の名称 顕微鏡装置及びそれを用いた蛍光観察方法 新技術説明会
発明の概要


【課題】細胞等の被観察物の位置制御と蛍光記録を制御する顕微鏡装置及び蛍光観察方法を提供する。
【解決手段】顕微鏡装置1は、被観察物2を載置するステージ3と、被観察物2の照明用光源4と、被観察物2に蛍光Fを励起する励起光用光源5と、照明光による光T、励起光5A及び蛍光Fの光路を形成している鏡筒部15と、被観察物2で生じた光Tによる画像情報を検出する画像情報検出部16と、蛍光Fによる蛍光画像情報を検出する蛍光画像情報検出部17と、被観察物2の運動モデルと画像情報検出部16から入力された被観察物2の画像情報とに基づいて被観察物2の蛍光観察領域を決定し、画像情報検出部16から入力された被観察物2の画像情報と蛍光画像情報検出部17から入力された蛍光画像情報とを蛍光観察領域内の所定の間隔毎に取得する制御部20と、を備えている。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


分子生物学分野等において、生体組織や細胞内イオン、分子等の観察は必須の技術である。光学顕微鏡は、主に生体組織を観察するときに用いられる。また、レーザ共焦点顕微鏡は、光を生体細胞の一部に照射し、その照射位置を移動させ、細胞の一部を観察するときに用いられる。



光学顕微鏡の主な観察技術の一つに、生体組織の細胞内のイオンや分子に蛍光色素を付け、その蛍光色素に励起光を照射し、励起された蛍光色素が発する蛍光を観察する蛍光観察法がある。
蛍光と励起光の波長は異なっている。従って、蛍光を解析することで細胞内分子の検出や濃度の計測が可能になる。このため、蛍光観察は以下の長所を持つ。
(i)イオンや分子の大きさでも観察できる。
(ii)特定のイオンや分子のみを観察できる。
(iii)蛍光の明るさがイオンや分子濃度に応じて変化するので、これらの濃度を測定することができる。



しかしながら、一般に蛍光観察は以下の短所も有している。
(i)励起光の波長帯域が紫外の場合、励起光が細胞にとって有毒となる。
(ii)励起光を当て続けると蛍光色素が退色する。退色とは、蛍光の強さが弱まることである。



蛍光観察が可能な蛍光顕微鏡を使用して動く細胞を観察していると、細胞が顕微鏡の視野外に出て観察が中断してしまう場合がある。



この問題の解決方法として、(1)対物レンズの倍率を下げ視野を広げる、(2)機械的又は化学的に細胞の動きを抑制する、(3)ステージを動かし細胞の位置を視野の中心にする。しかし、(1)の方法は空間解像度が低下し、(2)の方法は細胞へ悪影響を及ぼす可能性がある。



上記(3)の解決方法に関して特許文献1及び2には、微小な観察物を観察するために被観察物を追跡する機構を備えた光学顕微鏡が開示されている。これらの光学顕微鏡は、透過光を用いた細胞位置及び観察領域の制御と透過光記録とを行うことができる。



特許文献3~5には、蛍光を用いた細胞位置及び観察領域の制御と蛍光記録とを行うことができる蛍光顕微鏡が開示されている。



非特許文献1~5には、比較的大きな被観察物として動くゾウリムシを視野に固定して観察する方法が報告されている。



培養液中を自由に動くことが可能な細胞のうち、医学及び生物学分野で重要視されているものとして、細菌やウイルスから人体を守る機能を持つ免疫細胞が挙げられる(非特許文献6参照)。



免疫機能に関連する細胞内分子は数多く存在するが、それらの分子の検出や分子濃度の時間変化を計測するためには蛍光観察を用いなければならない。



免疫細胞の中でも、スライドガラスの表面にはあまり付着せず、浮遊している細胞は浮遊細胞に分類される。シャーレ中の浮遊細胞は、培養液の対流、重力、シャーレの壁及び底部、水面及び細胞同士の相互作用などにより、常に位置を変えている。浮遊細胞の観察には、例えば非特許文献1で報告されている奥らの手法を用いて、一つの細胞を追跡する方法も考えられる。



【特許文献1】特開平5-80255号公報【特許文献2】特開平7-2535487号公報【特許文献3】特開平7-261097号公報【特許文献4】特開2005-214924号公報【特許文献5】特開2006-292420号公報【特許文献6】WO2003/102636号公報【非特許文献1】H. Oku, N. Ogawa, Ishikawa, K. Hashimoto, “Two-dimensional tracking of a motile micro-organism allowing high-resolution observation with various imaging techniques”, Review of Scientific Instruments, Vol.76, No.3, 2005【非特許文献2】H. Oku, M. Ishikawa, Theodorus, and K. Hashimoto, “High-speed autofocusing of a cell using diffraction patterns”, Optics Express, Vol.14, No.9, pp.3952-3960, 2006【非特許文献3】奥寛雅,石井抱,石川正俊:マイクロビジュアルフィードバックシステム,電子情報通信学会誌 D-II,Vol.J84-D-II,No.6,pp.994-1002, 2001【非特許文献4】奥寛雅,石川正俊:キロヘルツオーダーで応答可能な高速ビジョンチップ用可変焦点レンズの構造,光学,Vol.31,No.10,pp.758-764, 2002【非特許文献5】橋本浩一:微生物を用いたアクティブセンシング,SORSTジョイントシンポジウム(6)講演要旨集,pp.23-26,2007年1月30日【非特許文献6】D.M.ディビス:会話する免疫細胞,日経サイエンス, pp. 52-60, 2006年5月号【非特許文献7】谷村保明:白血球分類の自動化, MEDICAL IMAGING TECHNOLOGY, Vol.14, No.1, pp.14-22, 1996

産業上の利用分野


本発明は、生体組織等の蛍光観察などに使用される顕微鏡装置及びそれを用いた蛍光観察方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
被観察物を載置するステージと、
上記被観察物に照明光を照射する第1の光源と、
上記被観察物に蛍光を励起するための励起光を照射する第2の光源と、
上記照明光の照射によって上記被観察物で生じた光、上記励起光及び上記蛍光のそれぞれの光路が形成されている鏡筒部と、
上記被観察物で生じた光による画像情報を検出する画像情報検出部と、
上記被観察物で生じた蛍光による蛍光画像情報を検出する蛍光画像情報検出部と、
上記被観察物の運動モデルと上記画像情報検出部から入力された上記被観察物の画像情報とに基づいて上記被観察物の蛍光観察領域を決定し、上記画像情報検出部から入力された上記被観察物の画像情報と上記蛍光画像情報検出部から入力された蛍光画像情報とを上記蛍光観察領域内の所定の間隔毎に取得する制御部と、
を備えたことを特徴とする、顕微鏡装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記蛍光観察領域を最適制御則に従って決定することを特徴とする、請求項1に記載の顕微鏡装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記被観察物の運動モデルに従って前記蛍光観察領域の中心位置を決定することを特徴とする、請求項1に記載の顕微鏡装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1の光源を制御するための第1光源制御部と前記第2の光源を制御するための第2光源制御部とを備えたことを特徴とする、請求項1に記載の顕微鏡装置。
【請求項5】
前記ステージは、前記被観察物の位置を移動させる三次元ステージであることを特徴とする、請求項1に記載の顕微鏡装置。
【請求項6】
前記蛍光画像情報検出部は、少なくとも1波長以上の蛍光を分離する波長選択手段を備えたことを特徴とする、請求項1に記載の顕微鏡装置。
【請求項7】
前記第2の光源と前記被観察物との間に配設される第1のピンホールと、前記蛍光と前記蛍光画像情報検出部との間に配設される第2のピンホールと、を備えたことを特徴とする、請求項1に記載の顕微鏡装置。
【請求項8】
前記第1のピンホール又は前記第2のピンホールを移動及び/又は回転させるピンホール駆動部を、備えたことを特徴とする、請求項7に記載の顕微鏡装置。
【請求項9】
前記第1の光源と前記被観察物との間に配設される対物レンズと、該対物レンズの駆動部と、を備えたことを特徴とする、請求項1に記載の顕微鏡装置。
【請求項10】
前記被観察物で生じた光と前記画像情報検出部との間に配設される結像レンズと、該結像レンズの駆動部と、を備えたことを特徴とする、請求項1に記載の顕微鏡装置。
【請求項11】
前記蛍光と前記蛍光画像情報検出部との間に配設される結像レンズと、該結像レンズの駆動部と、を備えたことを特徴とする、請求項1に記載の顕微鏡装置。
【請求項12】
前記被観察物を収容すると共に、雰囲気ガスで満たされる環境制御部を備えたことを特徴とする、請求項11記載の顕微鏡装置。
【請求項13】
前記環境制御部は、複数の前記被観察物を収容することができる収容部を備えたことを特徴とする、請求項12に記載の顕微鏡装置。
【請求項14】
前記被観察物を刺激する被観察物刺激手段を備えたことを特徴とする、請求項1に記載の顕微鏡装置。
【請求項15】
被観察物の画像情報と該被観察物の蛍光画像情報とを取得する顕微鏡装置を用いた蛍光の観察方法であって、
上記被観察物の画像情報と上記被観察物の運動モデルとに基づいて上記被観察物の蛍光観察領域を決定する第1段階と、
上記蛍光観察領域内の所定の位置で上記蛍光画像情報を取得する第2段階と、
を備えたことを特徴とする、蛍光観察方法。
【請求項16】
前記第1段階の蛍光観察領域を、最適制御則に従って決定することを特徴とする、請求項15に記載の蛍光観察方法。
【請求項17】
前記第1段階と前記第2段階との間において、前記被観察物の画像情報と上記被観察物の運動モデルとに基づいて前記蛍光観察領域の中心位置を決定することを特徴とする、請求項15に記載の蛍光観察方法。
【請求項18】
前記第2段階において、前記被観察物の画像情報を取得することを特徴とする、請求項15に記載の蛍光観察方法。
【請求項19】
前記各段階を、前記蛍光観察領域内の所定の位置毎に所定の回数繰り返し行うことを特徴とする、請求項15~18の何れかに記載の蛍光観察方法。
【請求項20】
前記運動モデルのパラメータは、前記被観察物の位置、速度、分布、種類、形状の何れか又はこれらの組み合わせからなることを特徴とする、請求項15に記載の蛍光観察方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2008235795thum.jpg
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) SORST 平成17年度採択課題
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、問合せボタンを押してください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close