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熱蛍光板状体の製造方法、熱蛍光積層体の製造方法、熱蛍光板状体、及び熱蛍光積層体 新技術説明会 実績あり 外国出願あり

国内特許コード P10A015430
整理番号 42
掲載日 2010年5月14日
出願番号 特願2009-204711
公開番号 特開2011-052179
登録番号 特許第4431701号
出願日 平成21年9月4日(2009.9.4)
公開日 平成23年3月17日(2011.3.17)
登録日 平成22年1月8日(2010.1.8)
発明者
  • 漆山 秋雄
出願人
  • 学校法人立教学院
発明の名称 熱蛍光板状体の製造方法、熱蛍光積層体の製造方法、熱蛍光板状体、及び熱蛍光積層体 新技術説明会 実績あり 外国出願あり
発明の概要


【課題】アルミニウム(III)含有の熱蛍光板状体、及びこの熱蛍光板状体を利用することによって、放射線の3次元線量分布を取得することが可能である熱蛍光積層体を簡易に製造する。
【解決手段】まず、四ホウ酸リチウム、酸化マンガン(IV)、及び酸化アルミニウムの各成分を混合して第1混合体を形成する。次に、この第1混合体を熱処理することによって第1焼結体を形成し、この第1焼結体を粉砕して粉砕体にする。次に、第1混合体の各成分と同一の成分を粉砕体に最混入させずに、この粉砕体を平板状に圧迫成型することによって板状体を形成する。次に、この板状体を熱処理することによって、第2焼結体としての熱蛍光板状体を形成する。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


周知の通り、近年の放射線治療では、放射線として例えば硬X線、電子線、または加速粒子線等を、照射する放射線の形状及び線量の大小を適宜設定して照射する、3次元原体照射(3D-CRT)や強度変調放射線治療(IMRT)などの、高度な定位放射線照射が注目されている(例えば、非特許文献1参照)。これらの治療方法では、例えば治療計画装置を利用して放射線の照射位置や範囲、または出力等の種々のパラメータを設定して、放射線の照射を行う。これによって、例えば、病巣に近接する重要な臓器を避けて、病巣のみに高線量で放射線を与える等の、精密な治療を実現させる努力がなされている。従って、このような放射線治療では、上述した各種パラメータを好適な値に決定することが重要である。そして、照射装置自体の機械的精度、装置が具える各種フィルタや線幅拡大器等の管理には、高い精度が求められる。



そこで、このような放射線治療では、実施に際して、治療に用いる放射線の線量測定を行うことによって、上述した各種パラメータ値の決定や精度の検証を行う必要がある。特に、放射線を照射すべき病巣近傍における、放射線の立体的な線量分布に関しては、多くの経験的なデータを得る必要がある。そのために、従来から、ポリマーゲル線量計を用いて、治療に用いる放射線の立体的な線量分布、すなわち3次元線量分布の測定が行われている(例えば、非特許文献1参照)。



ところで、人体に対する放射線の影響に関するデータを取得する場合には、人体を構成する生体組織と組織等価な、すなわち実効原子番号が同程度である線量計を利用して測定するのが望ましい。このような人体と組織等価な線量計として、シート状、すなわち平板状の熱蛍光板状体が周知である(例えば、特許文献1参照)。



この熱蛍光板状体は、例えば四ホウ酸リチウム等を母体とし、この母体に発光中心としてのマンガンやテルビウムが添加されて構成されている、熱蛍光性物質、すなわち熱蛍光本体を含有している。これによって、この熱蛍光本体の実効原子番号は、人体の実効原子番号に近似な値とされている。そして、熱蛍光板状体は、この熱蛍光本体と、バインダとして機能する耐熱性樹脂とから構成されている。



このように、人体と組織等価に調整された熱蛍光板状体では、放射線が照射された場合に、例えば光電作用、コンプトン効果、電子対生成作用等の作用が、人体と同程度に生じる。従って、このような熱蛍光板状体を線量計として用いた場合には、種々の補正を行うことなく、得られた測定値を以って、人体に対する放射線の被曝線量に関するデータを取得することができる。



この特許文献1に開示の熱蛍光板状体は、既に説明したようにシート状、すなわち平板状の板状体である。そして、この熱蛍光板状体に対して放射線を照射し、その後、加熱することによって、熱蛍光板状体の被曝箇所に発生する熱蛍光の、放射線が照射された面に沿った光強度分布に関する情報が得られる。そして、周知の通り、熱蛍光の光強度と、被曝線量には一定の対応関係がある。従って、この得られた光強度分布の情報を以って、放射線が照射された面に沿った、放射線の平面的な被曝線量分布(以下、単に線量分布とも称する)、すなわち2次元線量分布を取得することができるとされている。



しかしながら、上述したポリマーゲル線量計は、非可逆的な線量計であるため、一つのポリマーゲル線量計で一度の測定しか行うことができない。また、ポリマーゲル線量計は、品質保証期間が短く、保存及び品質を管理することが困難である。



これに対して、熱蛍光板状体は、上述したポリマーゲル線量計と比して、保存及び品質管理が容易であり、かつ使用に際しての設備が簡易である。また、ポリマーゲル線量計とは異なり、熱蛍光板状体は、一つの熱蛍光板状体で繰り返し測定を行うことが可能である。そのため、これらの利点から、熱蛍光板状体は、ポリマーゲル線量計と比して、コストの低減及び汎用性において有利な線量計であるといえる。



しかしながら、この熱蛍光板状体は、上述したように、放射線が照射された面における、放射線の2次元線量分布を測定することしかできない。そのため、この熱蛍光板状体では、放射線の3次元線量分布を測定することができず、上述した放射線治療の各種パラメータを設定するための十分なデータを得ることができないという課題があった。



そこで、この出願の発明者は、先に、他の発明者と共同して、上述したような課題に鑑み、熱蛍光板状体を利用した線量計であって、かつ放射線の3次元線量分布を取得することができる線量計として、熱蛍光板状体を立体的に積層した熱蛍光積層体につき提案した(特願2008-306373号)。



この特願2008-306373号においては、熱蛍光積層体を、熱蛍光板状体が複数枚積層されて形成されたものとしている。そして、この積層体に放射線照射を行えば、放射線の3次元線量分布を得ることができることを説明している。



より詳細に説明すれば、このような熱蛍光積層体に対する放射線照射後に、それぞれの熱蛍光板状体にバラしてから、各熱蛍光板状体を加熱する。そして、各熱蛍光板状体から、この加熱により発生する熱蛍光の光強度分布を取得する。既に説明したように、熱蛍光の光強度と被曝線量とには一定の対応関係があるため、取得された光強度分布情報を以って、実質的な線量分布情報を得ることができる。そして、これら得られた各線量分布情報を、元の熱蛍光積層体に照射した放射線の線量分布情報として復元すれば、立体的な、すなわち3次元線量分布を取得できることを説明した。



また、上述した特願2008-306373号では、熱蛍光積層体を構成する熱蛍光板状体にアルミニウム(III)を含有させることによって、アルミニウム(III)非含有の場合と比して、熱蛍光板状体を高い発光強度で発光させることができること、及び機械的強度を増強できることを説明した。



さらに、この特願2008-306373号によれば、アルミニウム(III)含有の熱蛍光板状体を、例えば以下のような製造方法を用いて形成している。



すなわち、まず、第1工程では、四ホウ酸リチウム、酸化マンガン(IV)、及び酸化アルミニウムを混合して第1混合体を形成する。



次に、第2工程では、第1混合体を熱処理することによって第1焼結体を形成し、第1焼結体を粉砕して粉砕体にする。



次に、第3工程では、四ホウ酸リチウム、酸化マンガン(IV)、及び酸化アルミニウムを混合して第2混合体を得る。



次に、第4工程では、粉砕体と第2混合体と活性炭とを混合し、しかる後、この混合して得られた第3混合体を平板状に圧迫成型することによって板状体を形成する。



次に、第5工程では、板状体を熱処理することによって、第2焼結体としての熱蛍光板状体を形成する。



以上の工程を経て熱蛍光板状体を形成することによって、母体としての四ホウ酸リチウムと、この母体中に存在する発光中心としてのマンガン及びアルミニウム(III)とを含む熱蛍光板状体を形成することができる。



一方、上述の特願2008-306373号の発明に係る発明者らは、この特願2008-306373号の出願後に、第56回応用物理学関係連合講演会(2009年3月30日-4月2日、筑波大学筑波キャンパス)において、熱蛍光板状体にアルミニウム(III)を含有させることによって、熱蛍光板状体の発光強度を増強させることが可能である点について発表している(例えば非特許文献2参照)。

産業上の利用分野


この発明は、放射線の3次元線量分布を取得するための熱蛍光積層体、熱蛍光板状体、熱蛍光積層体の製造方法、熱蛍光板状体の製造方法、及び熱蛍光積層体の使用方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
四ホウ酸リチウム、酸化マンガン(IV)、及び酸化アルミニウムを混合して第1混合体を形成する第1工程と、
該第1混合体を熱処理することによって第1焼結体を形成し、該第1焼結体を粉砕して粉砕体にする第2工程と、
該粉砕体を平板状に圧迫成型することによって板状体を形成する第3工程と、
該板状体を熱処理することによって、第2焼結体としての熱蛍光板状体を形成する第4工程と
を含み、
前記第1工程において、四ホウ酸リチウムに対して、0.03~0.16wt%の範囲内の割合で酸化マンガン(IV)、及び0.6~3.6wt%の範囲内の割合で酸化アルミニウムを、それぞれ添加することによって前記第1混合体を形成し、
前記第3工程において、前記粉砕体を活性炭と混合し、しかる後、該混合して得られた第2混合体を平板状に圧迫成型することによって前記板状体を形成する
ことを特徴とする熱蛍光板状体の製造方法。

【請求項2】
請求項に記載の熱蛍光板状体の製造方法であって、
前記第1工程において、四ホウ酸リチウムに対して、0.037wt%の酸化マンガン(IV)、及び0.72wt%の酸化アルミニウムを、それぞれ添加することによって前記第1混合体を形成する
ことを特徴とする熱蛍光板状体の製造方法。

【請求項3】
請求項1または2に記載の熱蛍光板状体の製造方法であって、
前記第3工程において、前記粉砕体に対して多くとも0.19倍の重量比で活性炭を混合する
ことを特徴とする熱蛍光板状体の製造方法。

【請求項4】
請求項に記載の熱蛍光板状体の製造方法であって、
前記第3工程において、前記粉砕体及び前記活性炭を、1:0.16の重量比で混合することによって、前記第2混合体を形成する
ことを特徴とする熱蛍光板状体の製造方法。

【請求項5】
請求項1~のいずれか一項に記載の熱蛍光板状体の製造方法であって、
前記第3工程において、前記粉砕体に、四ホウ酸リチウム、酸化マンガン(IV)、及び酸化アルミニウムの混合体を新たに混入することなく前記板状体を形成する
ことを特徴とする熱蛍光板状体の製造方法。

【請求項6】
請求項1~のいずれか一項に記載の熱蛍光板状体の製造方法を用いて製造された熱蛍光板状体を複数枚用意する第1工程と、
該複数枚の熱蛍光板状体を積層することによって、熱蛍光積層体を形成する第2工程と
を含むことを特徴とする熱蛍光積層体の製造方法。

【請求項7】
請求項1~のいずれか一項に記載の熱蛍光板状体の製造方法を用いて製造された熱蛍光板状体。

【請求項8】
請求項に記載の熱蛍光板状体が、複数枚積層されて形成されていることを特徴とする熱蛍光積層体。
産業区分
  • その他無機化学
  • 窯業
  • 原子力
  • 測定
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 権利存続中
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