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多剤耐性緑膿菌スクリーニング培地 コモンズ

国内特許コード P10P006797
整理番号 NU-0227
掲載日 2010年5月21日
出願番号 特願2008-270620
公開番号 特開2010-098950
登録番号 特許第5515139号
出願日 平成20年10月21日(2008.10.21)
公開日 平成22年5月6日(2010.5.6)
登録日 平成26年4月11日(2014.4.11)
発明者
  • 川村 久美子
出願人
  • 国立大学法人名古屋大学
発明の名称 多剤耐性緑膿菌スクリーニング培地 コモンズ
発明の概要 【課題】迅速且つ簡便にMDRPを検出することを可能にするMDRPスクリーニング培地及びその用途(MDRP検出法)を提供すること。
【解決手段】緑膿菌選択培地にカルバペネム系抗菌薬、フルオロキノロン系抗菌薬及びアミノ配糖体系抗菌薬を添加し、多剤耐性緑膿菌スクリーニング培地を構築する。
【選択図】図4
従来技術、競合技術の概要



緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)はグラム陰性の桿菌で、土壌や水中、植物などの自然界に広く生息している細菌である。通常は弱毒菌であり、健常人に感染症を発症させることはまれであるが、手術後患者や高齢者など免疫状態が低下した易感染患者に対しては、肺炎、尿路感染症、菌血症などの日和見感染症を引き起こすことが知られている(非特許文献1)。さらに、病院においては、インキュベーターや流しなどの湿潤環境やカテーテルなどのデバイスに容易に定着し、易感染患者に感染を引き起こすことから院内感染起因菌としても重要である(非特許文献2、3)。緑膿菌による院内感染は、methicillinresistant Staphylococcus aureus (MRSA)やvancomycin resistant Enterococcus (VRE)に比べその頻度は少ないが、菌体成分lipopolysaccharide(LPS)によりエンドトキシンショックを起こすこともあり、患者の予後や死亡率を悪化させる要因の一つとして格段の注意を要する(非特許文献4)。これら緑膿菌感染症の治療薬としては、現在、カルバペネム系抗菌薬、アミノ配糖体系抗菌薬、フルオロキノロン系抗菌薬が多く用いられているが、近年、これらの抗菌薬全てに対して耐性を獲得した多剤耐性緑膿菌(multi-drug resistant P. aeruginosa;MDRP)が検出されるようになり、医療現場において大きな問題となっている(非特許文献5)。





MDRPは、その最小発育阻止濃度(minimal inhibitory concentration;MIC)がアミカシン≧32μg/ml、イミペネム≧16μg/ml、シプロフロキサシン≧4μg/mlを示す緑膿菌(非特許文献3)であり、1990年代から本菌によるアウトブレイクが報告されるようになった(非特許文献6)。その後も複数の医療施設からMDRPによる院内感染の報告が相次ぎ、2001年には最初の死亡事例も報告された(非特許文献7)。このような事態を背景に1999年4月に施行された「感染症法」では、4類疾患感染症の病原体の中に「薬剤耐性緑膿菌」として指定され、その後、2003年11月の感染症法改正では薬剤耐性緑膿菌感染症を「5類感染症定点把握疾患」と定め、各医療施設における監視が強化されるに至った(非特許文献8)。現在、MDRPの検出率は、国内では1施設あたり1~数%程度と推定され、MRSAやVREに比べ低い値となっているが、年間総報告数は年々増加傾向を示しており(非特許文献9)、適切な抗菌薬治療のため、また院内環境におけるMDRP蔓延防止のため、正確かつ迅速なMDRP検出法の開発が求められている。





【特許文献1】

開平7-303477号公報

【非特許文献1】

.I.Gomez., A.Prince. 2007. Current Opinion in Parmacology. 7: 244-251

【非特許文献2】

.Kikuchi., G.Nagashima.et al. 2005. Journal of Hospital Infection. 65: 54-57

【非特許文献3】

.Sekiguchi., T.Asagi.et al. 2007. Journal of Clinical Microbiology. 45: 979-989

【非特許文献4】

.Galanos., M.Freudenberg.,W.Reutter. et al. 1979. Medical Sciences. 11: 5939-5943

【非特許文献5】

.Tsuji., I.Kobayashi.,T.Oguri. et al. 2005. J Infect Chemother. 11: 64-70

【非特許文献6】

.M.Livemore.2002. Clinical Infectious Diseases. 34: 634-640

【非特許文献7】

.Sekiguchi., T.Asagi.et al. 2005. Infect Antimicrob.Agents Chemother. 49: 3734-3742

【非特許文献8】

部信彦. 2002.ウイルス. 54: 249-254

【非特許文献9】

.Kirikae.,Y.Mizuguchi., Y.Arakawa 2008. Journal of Antimicrobial Chemotherapy. 61: 612-615

【非特許文献10】

.Ohara.,S.Kouda., M.Onodera. et al. 2007. Microbiol Immunol. 51: 271-277

【非特許文献11】

.Shibata.,Y.Doi., K.Yamane. et al. 2003. Journal of Clinical Microbiology. 41: 5407-5413

【非特許文献12】

.Kluytmans.,A.V.Griethuysen.et al. 2002. Journal of Clinical Microbiology .40: 2480-2482

【非特許文献13】

.Nahimana.,P.Francioli.,D.S.Blanc. 2006. Clin Microbiol Infect. 12: 1168-1174

産業上の利用分野



本発明は多剤耐性緑膿菌を選択的に検出するための培地(多剤耐性緑膿菌スクリーニング培地)及びその用途に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
NAC(Nalidic-Acid,
Cetrimide)培地にカルバペネム系抗菌薬、フルオロキノロン系抗菌薬及びアミノ配糖体系抗菌薬が添加されてなる、多剤耐性緑膿菌スクリーニング培地であって、
カルバペネム系抗菌薬がイミペネムであり、フルオロキノロン系抗菌薬がシプロフロキサシンであり、アミノ配糖体系抗菌薬がアミカシンであり、
シプロフロキサシンの添加濃度が1μg/mL、アミカシンの添加濃度が12μg/mL、イミペネムの添加濃度が16~32μg/mLである、
ことを特徴とする、多剤耐性緑膿菌スクリーニング培地。

【請求項2】
CHROM
agar

TM

Pseudomonasにカルバペネム系抗菌薬、フルオロキノロン系抗菌薬及びアミノ配糖体系抗菌薬が添加されてなる、多剤耐性緑膿菌スクリーニング培地であって、
カルバペネム系抗菌薬がイミペネムであり、フルオロキノロン系抗菌薬がシプロフロキサシンであり、アミノ配糖体系抗菌薬がアミカシンであり、
シプロフロキサシンの添加濃度が1μg/mL、アミカシンの添加濃度が1μg/mL、イミペネムの添加濃度が4~8μg/mLである、
ことを特徴とする、多剤耐性緑膿菌スクリーニング培地。

【請求項3】
前記3系統の抗菌薬に加え、第三世代セフェム系抗菌薬が添加されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の多剤耐性緑膿菌スクリーニング培地。

【請求項4】
生培地であることを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載の多剤耐性緑膿菌スクリーニング培地。

【請求項5】
ペトリ皿に分注されていることを特徴とする、請求項に記載の多剤耐性緑膿菌スクリーニング培地。

【請求項6】
請求項1~のいずれか一項に記載の多剤耐性緑膿菌スクリーニング培地を用いて多剤耐性緑膿菌を検出することを特徴とする、多剤耐性緑膿菌の検出法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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