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新規不斉触媒、並びに光学活性エステル及び光学活性カルボン酸の製造方法

国内特許コード P10P007218
掲載日 2010年5月21日
出願番号 特願2008-274345
公開番号 特開2010-099610
登録番号 特許第5219204号
出願日 平成20年10月24日(2008.10.24)
公開日 平成22年5月6日(2010.5.6)
登録日 平成25年3月15日(2013.3.15)
発明者
  • 椎名 勇
  • 中田 健也
出願人
  • 学校法人東京理科大学
発明の名称 新規不斉触媒、並びに光学活性エステル及び光学活性カルボン酸の製造方法
発明の概要

【課題】ラセミのカルボン酸から光学活性エステル及び光学活性カルボン酸を高エナンチオ選択的に製造することが可能な新規不斉触媒、並びにその不斉触媒を用いた光学活性エステル及び光学活性カルボン酸の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る新規不斉触媒は、下記式(I)若しくは(II)で表される化合物又はそのエナンチオマーである。

(式(I)、(II)中、R~Rは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基等の置換基を示す。)
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


光学活性エステルや光学活性カルボン酸は、医薬品、生理活性物質の中間体、天然物合成の中間体等として、様々な分野に使用されている。



従来、光学活性エステルの製造方法としては、テトラミソール(tetramisole)又はベンゾテトラミソール(benzotetramisole)を不斉触媒として用い、酸無水物の存在下でラセミの2級ベンジル性アルコールから製造する方法が知られている(非特許文献1を参照)。また、ベンゾテトラミソールを不斉触媒として用い、酸無水物の存在下でラセミのプロパルギル性アルコールから光学活性エステルを製造する方法も知られている(非特許文献2を参照)。しかしながら、これらの製造方法では、酸無水物の構造が極めて限定されているなど、基質一般性に乏しいという問題があった。



また、光学活性カルボン酸の製造方法としては、光学活性アミンを分割剤として用い、ラセミのカルボン酸と分割剤とのジアステレオマー塩を晶析分割する方法が知られている(特許文献1を参照)。しかしながら、この製造方法は基質特異性が高く、カルボン酸の構造に適した光学活性アミンの同定や再結晶溶媒の選択が困難であるという問題があった。また、数回に及ぶ分割を繰り返すことになるため、操作が煩雑であった。



そこで、本発明者らは、ベンゾテトラミソールを不斉触媒として用い、安息香酸無水物又はその誘導体の存在下でラセミのカルボン酸とアルコールとを反応させ、光学活性エステルを製造するとともに光学活性カルボン酸を製造する方法を既に提案している(非特許文献3を参照)。

【非特許文献1】Birman, V. B.; Li, X.; Org. Lett.; 2006, Vol.8, No.7, p.1351-1354

【非特許文献2】Birman, V. B.; Guo, L.; Org. Lett.; 2006, Vol.8, No.21, p.4859-4861

【特許文献1】特開平9-143101号公報

【非特許文献3】日本化学会講演予稿集, 2008, Vol.88, No.2, p.1311

産業上の利用分野


本発明は、光学活性化合物の製造に好適な新規不斉触媒、並びにその不斉触媒を用いた光学活性エステル及び光学活性カルボン酸の製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記式(I)若しくは(II)で表される化合物又はそのエナンチオマーである新規不斉触媒。
【化学式1】


(式(I)、(II)中、R~Rはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アシロキシ基、又はニトロ基を示し、Rは水素原子、アルキル基、又はアリール基を示し、R~Rはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルチオ基、アシル基、アシロキシ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、カルボキシル基、チオカルボキシル基、カルバモイル基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、アルキルアリールアミノ基、ニトロ基、シアノ基、又はスルホ基を示す。)

【請求項2】
ラセミのカルボン酸と、下記式(a)で表されるアルコール又は下記式(b)で表されるフェノール誘導体とを、カルボン酸無水物と下記式(I)若しくは(II)で表される化合物又はそのエナンチオマーである不斉触媒との存在下で反応させ、前記ラセミのカルボン酸のうち一方のエナンチオマーを選択的にエステル化することを特徴とする光学活性エステルの製造方法。
【化学式2】


(式(a)中、Rは置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基、アントリル基、又はフェナントリル基を示す。)
【化学式3】


(式(b)中、Rは置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基、アントリル基、又はフェナントリル基を示し、nは1~5の整数を示す。複数のRが存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。)
【化学式4】


(式(I)、(II)中、R~Rはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アシロキシ基、又はニトロ基を示し、Rは水素原子、アルキル基、又はアリール基を示し、R~Rはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルチオ基、アシル基、アシロキシ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、カルボキシル基、チオカルボキシル基、カルバモイル基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、アルキルアリールアミノ基、ニトロ基、シアノ基、又はスルホ基を示す。)

【請求項3】
前記ラセミのカルボン酸が下記式(g)で表されることを特徴とする請求項2記載の光学活性エステルの製造方法。
【化学式5】


(式(g)中、Rg1、Rg2は互いに異なる有機基を示す。)

【請求項4】
前記式(g)中、不斉炭素と結合するRg1及びRg2の炭素原子の一方は、多重結合により他の原子と結合していることを特徴とする請求項3記載の光学活性エステルの製造方法。

【請求項5】
前記式(b)中、Rがナフチル基であり、フェノールの2,6位に置換していることを特徴とする請求項2から4のいずれか記載の光学活性エステルの製造方法。

【請求項6】
ラセミのカルボン酸と、下記式(a)で表されるアルコール又は下記式(b)で表されるフェノール誘導体とを、カルボン酸無水物と下記式(I)若しくは(II)で表される化合物又はそのエナンチオマーである不斉触媒との存在下で反応させ、前記ラセミのカルボン酸のうち一方のエナンチオマーを選択的にエステル化することを特徴とする光学活性カルボン酸の製造方法。
【化学式6】


(式(a)中、Rは置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基、アントリル基、又はフェナントリル基を示す。)
【化学式7】


(式(b)中、Rは置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基、アントリル基、又はフェナントリル基を示し、nは1~5の整数を示す。複数のRが存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。)
【化学式8】


(式(I)、(II)中、R~Rはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アシロキシ基、又はニトロ基を示し、Rは水素原子、アルキル基、又はアリール基を示し、R~Rはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルチオ基、アシル基、アシロキシ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、カルボキシル基、チオカルボキシル基、カルバモイル基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、アルキルアリールアミノ基、ニトロ基、シアノ基、又はスルホ基を示す。)
産業区分
  • その他無機化学
  • 有機化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 権利存続中
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