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がん細胞挙動評価モデル及びその用途 コモンズ

国内特許コード P10P006798
整理番号 NU-0226
掲載日 2010年5月28日
出願番号 特願2008-286173
公開番号 特開2010-110272
登録番号 特許第5504613号
出願日 平成20年11月7日(2008.11.7)
公開日 平成22年5月20日(2010.5.20)
登録日 平成26年3月28日(2014.3.28)
発明者
  • 本多 裕之
  • 大河内 美奈
  • 千賀 威
  • 高野 翔
出願人
  • 国立大学法人名古屋大学
発明の名称 がん細胞挙動評価モデル及びその用途 コモンズ
発明の概要 【課題】がん細胞の挙動(増殖能、浸潤能)の評価に有用な評価モデル及びその構築法、並びにその用途(評価系)を提供すること。
【解決手段】以下のステップ(1)~(5)を含む、がん細胞挙動評価モデルの構築法が提供される。(1)被験がん細胞を含む細胞集団を磁気ラベルするステップ;(2)細胞外マトリックス成分を含有する第1マトリックス材料で培養面がコートされた培養容器を用意するステップ;(3)磁気ラベルした前記細胞集団を前記培養容器に播種した後、磁力を作用させることによって、1スポットに1個又は複数個の細胞が存在するアレイ状パターンに前記細胞集団を配列させるステップ;(4)磁力を作用させた状態を維持しつつ、細胞外マトリックス成分及び培地を含有する液状の第2マトリックス材料を前記培養容器に添加することによって、ステップ(3)で配列した前記細胞集団を該第2マトリックス材料に包埋するステップ;(5)前記第2マトリックス材料をゲル化させるステップ。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要



現在、日本人の死因第一位は「がん(悪性新生物)」である。実に3人に1人ががんで死亡している。がんによる死亡原因の多くは遠隔臓器への浸潤・転移である。浸潤・転移は、がん細胞の細胞マトリックス環境下における運動能の高さに起因する。抗がん剤の開発やがん治療法の確立に向け、生体内の環境に近い状態でがん細胞の運動性を評価可能な細胞評価系の提供が切望される。





これまでに様々な細胞評価系が開発されている。その代表は、培養皿などの培養容器内で2次元的に培養、増殖させた細胞を用いる評価系である。このような二次元培養を発展させた技術として、細胞を培養面に所望のパターンで配列する(パターニング)方法が開発されている。2次元細胞アレイとも呼ばれる当該技術によれば、細胞を所定の間隔で規則的に配置することによって細胞の観察や評価が容易となる。その一方で、生体内の環境とは大きく異なる環境下に細胞がおかれることになることから、生体内における細胞の挙動を評価できるとは言い難い。





2次元培養の問題点を克服するために開発されたのが3次元培養である。3次元培養では3次元マトリックス内に細胞が包埋された状態を形成する。3次元培養の場合、細胞の周囲をマトリックスが囲み、生体内の環境により近い環境が作り出される。しかしながら、細胞が3次元的に分散した状態となるため、細胞の観察や評価は困難である。3次元培養を応用した評価系も開発されている(例えば特許文献1)。特許文献1に開示された評価系は、細胞の集合体であるスフェロイドの評価に特化したものであり、個々の細胞の挙動を観察、評価することには適さない。





フィーダー細胞上に上皮細胞等を重層化することによって構築した再生組織を利用した評価系も開発されている(特許文献2)。当該評価系ではフィーダー細胞が重なるように観察されるため、上皮細胞等の挙動を解析し難い。また、細胞をパターニングしていないことから、細胞の微小環境が整った均一な状態での解析はできない。





尚、磁力を利用して細胞をパターニングすることによって三次元組織を構築する方法が開発されている(特許文献3)。

【特許文献1】

表2007-501633号公報

【特許文献2】

際公開第2003/039611号パンフレット

【特許文献3】

際公開第2007/116594号パンフレット

【非特許文献1】

no K, Okochi M, Konishi N, Imai R, Shikida M, Ito A, and Honda H. 2008. Cell culture arrays using magnetic force-based cell patterning for dynamic single cell analysis. Lab Chip 8:134-142.

【非特許文献2】

no K, Okochi M, and Honda H. Application of Magnetic Force-Based Cell Patterning for Controlling Cell-Cell Interactions in Angiogenesis. Biotechnol. Bioeng. 2008;9999:1-9

産業上の利用分野



本発明はがん細胞挙動評価モデル及びその構築法、並びにその用途に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
(1)被験がん細胞を含む細胞集団を磁気ラベルするステップ、
(2)細胞外マトリックス成分を含有する第1マトリックス材料で培養面がコートされた培養容器を用意するステップ、
(3)磁気ラベルした前記細胞集団を前記培養容器に播種した後、磁力を作用させることによって、1スポットに1個又は複数個の細胞が存在するアレイ状パターンに前記細胞集団を配列させるステップ、
(4)磁力を作用させた状態を維持しつつ、細胞外マトリックス成分及び培地を含有する液状の第2マトリックス材料を前記培養容器に添加することによって、ステップ(3)で配列した前記細胞集団を該第2マトリックス材料に包埋するステップ、
(5)前記第2マトリックス材料をゲル化させるステップ、
を含む、がん細胞挙動評価モデルの構築法。

【請求項2】
前記細胞外マトリックス成分がコラーゲンである、請求項1に記載の構築法。

【請求項3】
前記コラーゲンがI型コラーゲンである、請求項2に記載の構築法。

【請求項4】
前記第1マトリックス材料と前記第2マトリックス材料が同一の組成である、請求項1~3のいずれか一項に記載の構築法。

【請求項5】
前記第2マトリックス材料が細胞を含有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の構築法。

【請求項6】
前記培養面が平坦面である、請求項1~5のいずれか一項に記載の構築法。

【請求項7】
前記被験がん細胞が、遺伝子操作によってがん化させた細胞である、請求項1~6のいずれか一項に記載の構築法。

【請求項8】
前記アレイ状パターンにおけるスポットの間隔が均一である、請求項1~7のいずれか一項に記載の構築法。

【請求項9】
前記アレイ状パターンが2次元ドットマトリックス状パターンである、請求項1~7のいずれか一項に記載の構築法。

【請求項10】
前記アレイ状パターンにおいて、スフェロイドの形成に必要な数の細胞が各スポットに存在する、請求項1~9のいずれか一項に記載の構築法。

【請求項11】
(i)被験がん細胞を含む細胞集団を磁気ラベルするステップ、
(ii)培養面に細胞層が形成された培養容器を用意するステップ、
(iii)磁気ラベルした前記細胞集団を前記培養容器に播種した後、磁力を作用させることによって、1スポットに1個又は複数個の細胞が存在するアレイ状パターンに前記細胞集団を配列させるステップ、
(iv)磁力を作用させた状態を維持しつつ、細胞外マトリックス成分及び培地を含有する液状のマトリックス材料を前記培養容器に添加することによって、ステップ(iii)で配列した前記細胞集団を該マトリックス材料に包埋するステップ、
(v)前記マトリックス材料をゲル化させるステップ、
を含む、がん細胞挙動評価モデルの構築法。

【請求項12】
第2マトリックス材料が被験物質を含有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の構築法。

【請求項13】
請求項1~10のいずれか一項に記載の構築法で構築した、がん細胞挙動評価モデルであって、被験がん細胞を含む細胞集団が第1マトリックス材料の層の上で所定のパターンで配列するとともに、第1マトリックス材料の層に接する側を除き、第2マトリックス材料で包囲された構造を備える、がん細胞挙動評価モデル。

【請求項14】
請求項11に記載の構築法で構築した、がん細胞挙動評価モデルであって、被験がん細胞を含む細胞集団が細胞層の上で所定のパターンで配列するとともに、第2マトリックス材料で包囲された構造を備える、がん細胞挙動評価モデル。

【請求項15】
請求項12に記載の構築法で構築した、がん細胞挙動評価モデルであって、被験がん細胞を含む細胞集団が第1マトリックス材料の層の上で所定のパターンで配列するとともに、第1マトリックス材料の層に接する側を除き、第2マトリックス材料で包囲された構造を備え、第2マトリックス材料が被験物質を含有する、がん細胞挙動評価モデル。

【請求項16】
第1マトリックス材料の層の上で、1スポットに1個又は複数個の細胞が存在する2次元アレイ状パターンに配置された、被験がん細胞を含む細胞集団が、第1マトリックス材料の層に接する側を除き、細胞外マトリックス成分を含む第2マトリックス材料に包埋されていることを特徴とする、がん細胞挙動評価モデル。

【請求項17】
請求項13~16のいずれか一項に記載のがん細胞挙動評価モデルを用い、被験がん細胞に対する被験物質の有効性を調べることを特徴とする、被験がん細胞に対する物質の有効性を評価する方法。

【請求項18】
(a)請求項13又は14に記載のがん細胞挙動評価モデルに被験物質を添加した後、培養するステップ、
(b)細胞の挙動を観察し、被験がん細胞に対する被験物質の有効性を判定するステップ、
を含む、被験がん細胞に対する物質の有効性を評価する方法。

【請求項19】
(A)請求項15に記載のがん細胞挙動評価モデルを培養するステップ、
(B)細胞の挙動を観察し、被験物質の被験がん細胞に対する有効性を判定するステップ、
を含む、被験がん細胞に対する物質の有効性を評価する方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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