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穀物の種子を増大させる遺伝子、並びにその利用

国内特許コード P10A015476
掲載日 2010年6月4日
出願番号 特願2008-292285
公開番号 特開2010-115176
登録番号 特許第5288608号
出願日 平成20年11月14日(2008.11.14)
公開日 平成22年5月27日(2010.5.27)
登録日 平成25年6月14日(2013.6.14)
発明者
  • 石丸 健
  • 廣津 直樹
  • 円 由香
  • 柏木 孝幸
出願人
  • 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明の名称 穀物の種子を増大させる遺伝子、並びにその利用
発明の概要 【課題】本発明は、植物の粒形(頴花・果実・種子を含む)ひいては千粒重の増加に関する新規な遺伝子の単離・同定、並びに該遺伝子を利用した植物の粒の大きさ(果実・種子を含む)を増加させる育種方法を提供することを目的とする。
【解決手段】連鎖解析により、植物の粒の長さ(頴花・果実・種子を含む)、千粒重ひいては収量の増加に関するtgw6遺伝子の単離・同定に成功した。さらにこのtgw6の塩基配列から、カサラス型アレルには終止コドンが存在し、マチュアなタンパク質が作られないことが明らかになった。この日本晴型、カサラス型のTGW6タンパク質の機能を解析したところ、カサラス型のみが粒長、千粒重を増加させることが明らかになった。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


世界人口が爆発的に増え穀物の生産増が求められている。世界の年間人口増加率1.4%に対し、穀物生産増加率は1.0%と人口増加率に比べ低く、世界人口が80億を突破する2025年には穀物需要は50%上昇すると予想され、食糧不足も一層加速していると予想される。穀物生産量を上昇させるためには、収量増加と関与する遺伝子の特定と特定した遺伝子を利用した効率的な穀物育種が必須である。



イネにおいて粒のサイズの拡大による千粒重の増大は収量増に直接結びつく。これまでに、イネにおいて種子(粒)の大きさに関わる遺伝子として、gw2(非特許文献1/Song et al., 2007)とgs3(非特許文献2/Fan et al.,2006)がポジショナルクローニング法により単離されている。しかし、これらの遺伝子は収量増に貢献しない。また、plastchron 1遺伝子を発現させ粒を拡大したトランスジェニック植物とその利用方法(特許文献1/特開2005-204621)及び遺伝子改変の方法により植物3量体Gタンパク質αサブユニット遺伝子を利用し巨大粒を結実させる方法が特許出願されている(特許文献2/特開2004-33199)。



なお、本出願の発明に関連する先行技術文献情報を以下に示す。
【特許文献1】
特開2005-204621
【特許文献2】
特開2004-33199
【非特許文献1】
Song X.J. et al., (2007) Nature Genet. 39, 623-630
【非特許文献2】
Fan C. et al., (2006) Theor. Appl. Genet. 112, 1164-1171
【非特許文献3】
Ishimaru K., (2003) Plant Physiol. 133, 1083-1090

産業上の利用分野


本発明は、穀物の種子を増大させる機能を有するイネ由来のタンパク質をコードするDNA、および該DNAを用いた穀物収量の増加方法、穀物収量の検出方法、種子収量が増加する穀物の育種方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
穀物の種子を増大させる機能を有するタンパク質をコードする、下記(a)から(d)のいずれかに記載のDNA:
(a)配列番号:1に記載の第313番目の塩基グアニン(G)が欠損することにより生じる、配列番号:3に記載のDNA;
(b)配列番号:4に記載のアミノ酸配列をコードするDNA;
(c)配列番号:4に記載のアミノ酸配列において1~5個のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加したアミノ酸配列を有するタンパク質をコードするDNA;および
(d)配列番号:4に記載のアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有するタンパク質をコードするDNA。

【請求項2】
請求項1に記載のDNAを含むベクター。

【請求項3】
請求項1に記載のDNAを保持する形質転換植物細胞。

【請求項4】
植物がイネ、コムギ、オオムギ、エンバク、トウモロコシ、ハトムギ、イタリアンライグラス、ペレニアルライグラス、チモシー、メドーフェスク、キビ、アワ、サトウキビである、請求項3に記載の形質転換植物細胞。

【請求項5】
請求項3または4のいずれかに記載の形質転換細胞を含む形質転換植物体。

【請求項6】
請求項5に記載の形質転換植物体の子孫またはクローンである、形質転換植物体。

【請求項7】
請求項5または6のいずれかに記載の形質転換植物体の繁殖材料。

【請求項8】
請求項5または6のいずれかに記載の形質転換植物体の製造方法であって、請求項1に記載のDNAを植物細胞に導入し、該植物細胞から植物体を再生させる工程を含む方法。

【請求項9】
請求項1に記載のDNAによりコードされるタンパク質。

【請求項10】
請求項1に記載のDNAをイネ植物体の細胞内で発現させる工程を含む、穀物の収量を増加させる方法。

【請求項11】
穀物の種子の収量増加が、穀物の種子を増大させることにより起こる請求項10に記載の方法。

【請求項12】
被検イネ植物について、配列番号:1に記載の第313番目の塩基グアニン(G)の存在もしくは欠損、または、請求項1に記載のDNAを検出することを特徴とする、被検イネ植物の種子の収量を検出する方法。

【請求項13】
変異が一塩基多型である、請求項12に記載の方法。

【請求項14】
以下の工程(a)および(b)を含む、請求項12に記載の方法:
(a)被検イネ植物における配列番号:1の第313番目の塩基種を決定する工程、
(b)(a)で決定された多型部位の塩基種において、配列番号:1に記載の第313番目のグアニン(G)の欠損が検出された場合に、被検イネ植物は種子の収量が多いと判定する工程。

【請求項15】
配列番号:5に記載のDNAと完全に相補的な少なくとも15ヌクレオチドの鎖長を有するオリゴヌクレオチドを含む、被検イネ植物の種子の収量を検出するためのプライマーであって、
配列番号:1に記載の第313番目の塩基を含む領域を増幅するための、プライマー。

【請求項16】
配列番号:5に記載のDNAと完全に相補的な少なくとも15ヌクレオチドの鎖長を有するオリゴヌクレオチドを含む、被検イネ植物の種子の収量を検出するためのプローブであって、
配列番号:1に記載の第313番目の塩基を含む領域に特異的にハイブリダイズする、プローブ。

【請求項17】
以下の(a)および(b)に記載の工程を含む、種子の収量を増大させる機能を有するイネを育種する方法:
(a)種子が増大したイネと任意の機能を有するイネとが交配された品種を作製する工程、
(b)請求項12に記載の方法により、工程(a)で作製されたイネの種子の収量を検出する工程。

【請求項18】
穀物の収量を増大させる機能を有するイネを育種する方法であって、下記工程(a)~(d)を含む穀物を育種する方法:
(a)イネAと、請求項1に記載のDNAを有する他のイネBを交雑させ、F1を作出する工程、
(b)前記F1と前記イネAを交雑させる工程、
(c)前記DNAを有するイネを選抜する工程、
(d)工程(c)によって選抜されたイネと、前記イネAを交雑させる工程;
ここで、前記工程(c)の選抜が、植物ゲノム中の配列番号:1に記載の第313番目の塩基グアニン(G)の存在もしくは欠損、または、請求項1に記載のDNAを利用して選抜される、前記方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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25990_01SUM.gif
出願権利状態 登録


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