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高活性触媒およびその製造方法 コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P10A015494
掲載日 2010年6月11日
出願番号 特願2008-179978
公開番号 特開2010-017649
登録番号 特許第5010547号
出願日 平成20年7月10日(2008.7.10)
公開日 平成22年1月28日(2010.1.28)
登録日 平成24年6月8日(2012.6.8)
発明者
  • 武井 孝
  • 末永 隼也
  • 桑野 嘉市郎
  • 大橋 弘範
  • 石田 玉青
  • 春田 正毅
出願人
  • 公立大学法人首都大学東京
発明の名称 高活性触媒およびその製造方法 コモンズ 新技術説明会
発明の概要

【課題】無機酸化物担体上に貴金属を担持する高活性な触媒およびその製造方法、エタノールからの酢酸合成に使用され、温和な反応条件で、転化率、選択率の高い酸化触媒、並びに一酸化炭素などの酸化に使用される、活性の高い触媒を提供する。
【解決手段】担体の金属酸化物を形成するための水溶性金属塩、前記金属酸化物の価電子制御あるいは固溶体形成を行うための金属イオンとして用いられる水溶性金属塩および水溶性貴金属化合物を水に溶解して水溶液を製造し、該水溶液を過剰量のアルカリ水溶液中に投入し、析出した沈澱物をろ過し、焼成することにより触媒を製造する。価電子制御あるいは固溶体形成を行う金属イオンは、担体無機酸化物がn型半導体である場合、金属酸化物を構成する金属イオンよりも大きな価数もしくは同等の価数を有し、前記金属酸化物がp型半導体である場合、金属酸化物を構成する金属イオンよりも小さな価数もしくは同等の価数を有するものが選択される。例えば、銅イオンをドープしたニッケル酸化物担持金触媒は、エタノールからの酢酸合成用触媒として、また鉄イオンをドープした亜鉛酸化物担持金触媒は、一酸化炭素の酸化触媒として、極めて優れた触媒特性を示す。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


触媒は、有機物の酸化あるいは還元反応、エステル化、重合、その他の化学反応や、自動車排気ガスの浄化、燃料電池など幅広い分野で用いられている。このような触媒材料としては、一般的には貴金属が用いられることが多い。貴金属は高価なことと、その性能を最大限引き出すため、ナノ粒子として露出表面積を大きくする工夫がなされている。具体的には、比表面積が大きく、熱的、化学的安定性の高いシリカやアルミナ、チタニアなどの金属酸化物、あるいは活性炭、カーボンブラックなどの炭素材料を担体に用い、その表面に貴金属がナノ粒子として分散・固定された状態とされて用いられている。



貴金属中、金は他の貴金属に比べれば安価であるものの、触媒活性が極めて乏しいと従来考えられていた。これに対し、本発明者は、金を好ましくは直径10nm以下の超微粒子(ナノ粒子)として種々の金属酸化物担体上に分散・固定することにより、高い触媒活性が発現されること、さらに金ナノ粒子触媒は、低温CO酸化、HCHO酸化、プロピレンの気相一段エポキシ化、低温水性ガスシフト反応、酸素と水素からの直接過酸化水素合成、炭化水素類の部分酸化などの多くの反応に対して、他の貴金属より優れた触媒活性を発現することを見出している(例えば、特許文献1、非特許文献1参照)。その他にも、金ナノ粒子は、不飽和化合物の水添、アルコールの酸化、NOxの還元、エポキシドやアミンのカルボニル化などの触媒活性を有することも報告されている。さらに、本発明者は、金の粒子径が2nm以下、原子数で300個以内のクラスターになると、触媒特性がさらに激変する場合があることも見出した。



貴金属などを触媒として用いる場合、通常担体上に触媒として機能する金属を固定しなければならない。担体としては、無機酸化物、炭素材料、有機高分子など種々のものが提案されている。これらの中では、製造が容易であること、高温での使用が可能なこと、高比表面積を有するなどの理由から、現在では無機酸化物担体を用いることが広く行われている。無機酸化物担体に金属触媒を固定化する方法としては、従来、含浸法、共沈法、ゾル-ゲル法、析出沈殿法、気相蒸着法、固相混合法、CVD法、スパッタ法等、種々の方法が知られている。



しかし、担体として無機酸化物を用いる場合、触媒として用いられる貴金属と無機酸化物を構成する材料選択により、得られた触媒の活性が大きく異なることが通例である。また、酸化、還元、あるいはその他の化学反応の転化率および選択率を向上させる方法も、過去の経験などに基づき触媒として機能する金属とそれを担持する担体材料を試行錯誤により選択していた。このため、より特性の向上した触媒を見出すことに膨大な時間とエネルギーを要していた。したがって、従来のような試行錯誤によることなく、さらに向上した活性を有する触媒を簡単に見出せる方法が、従来から強く要望されている。



一方、近年地球温暖化の問題や石油の価格高騰などから、自動車燃料や化成品原料としてバイオマスを利用することが関心を集めている。その一つとして、バイオエタノールを利用する化成品合成が期待されている。酢酸は、種々の化学物質の合成中間体として重要な化合物である。例えば、酢酸は、酢酸ビニルモノマーの原料などに用いられており、世界年生産量は780万トン以上と推定される。その合成には、メタノールの一酸化炭素あるいは合成ガスによるカルボニル化が採用されており、その他にもエタンの気相酸化、エチレンと酸素および水からの合成、ギ酸メチルの異性化など種々の方法が提案され、実施されているが、合成原料として用いられるメタノール、エタン、エチレンなどはいずれも石油あるいは石炭を原料として得られたものである。バイオエタノールを原料とした酢酸合成プロセスが望まれているものの、選択的な酸化触媒がなく、低エネルギーでこの反応を達成する触媒探索が行われている。このような中、最近担体としてMgAl23を用いた金触媒が、高い酢酸選択率を示す結果が報告されている(例えば、非特許文献2、3参照)。報告された方法における反応条件は、温度180℃、酸素圧3Mpaであり、より温和な条件で、またより選択率などの改善された触媒が要望されている。



さらに、一酸化炭素の酸化など、酸化触媒における高活性化も要望されている。卑金属酸化物を担体とした金ナノ粒子触媒は、室温において一酸化炭素を完全酸化できる触媒として知られている(例えば、非特許文献4参照)が、実用化に際してはその耐久性の向上が望まれている。




【特許文献1】特公平5-49338号公報

【非特許文献1】Haruta M.,Chem.Record,2003,3(2),75-87.

【非特許文献2】C.H.Chrisitensen et al.,Angew.Cem.Int.Ed.,45(2006)4648.

【非特許文献3】C.H.Chrisitensen et al.,J.Catal.,251(2007)332.

【非特許文献4】M.Haruta, et al.,Chem.Lett.2(1987)405.

産業上の利用分野


本発明は、触媒活性の高い無機酸化物担体に担持、固定化された貴金属触媒およびその製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
無機酸化物担体上にルテニウム、ロジウム、パラジウム、イリジウム、白金、銀または金からなる貴金属微粒子を担持した触媒において、無機酸化物担体が、該担体を主として構成するニッケル酸化物銅イオンをドープした金属酸化物からなり、前記銅イオンのドープ量は、ニッケルに対しモル比で、Ni:Cu=99:1~85:15であることを特徴とするエタノールの酸化による酢酸製造用触媒。


【請求項2】
担体を主として構成する金属酸化物を形成するための水溶性ニッケル塩、前記ニッケルに対する銅のモル比で、Ni:Cu=99:1~85:15である水溶性塩およびルテニウム、ロジウム、パラジウム、イリジウム、白金、銀または金からなる貴金属の水溶性化合物を水に溶解して水溶液を製造し、該水溶液を過剰量のアルカリ水溶液中に投入し、析出した沈澱物をろ過し、焼成することを特徴とするエタノールの酸化による酢酸製造用触媒の製造方法。

【請求項3】
水素還元処理が行われた後焼成が行われる、あるいは水素還元雰囲気で焼成が行われることを特徴とする請求項に記載のエタノールの酸化による酢酸製造用触媒の製造方法。
産業区分
  • その他無機化学
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
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