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一対の非円形歯車の輪郭形状を生成する方法、プログラム及び装置 コモンズ

国内特許コード P10P007242
掲載日 2010年6月11日
出願番号 特願2008-297222
公開番号 特開2010-121739
登録番号 特許第5299895号
出願日 平成20年11月20日(2008.11.20)
公開日 平成22年6月3日(2010.6.3)
登録日 平成25年6月28日(2013.6.28)
発明者
  • 岡田 昌樹
出願人
  • 独立行政法人国立高等専門学校機構
発明の名称 一対の非円形歯車の輪郭形状を生成する方法、プログラム及び装置 コモンズ
発明の概要

【課題】自由なピッチ曲線に対応した一対の非円形歯車の輪郭形状を簡単且つ精度よく生成することを可能とさせる。
【解決手段】所望される歯車の運動が得られ且つピッチ曲線半径の平均値が設定された中心間距離の半分に等しくなるように、設定された歯数の分だけ第1の歯車のためのピッチ曲線半径を設定しS106、設定順序に従って中心間距離から設定されたピッチ曲線半径をそれぞれ引いた値を逆の順序で第2の歯車のためのピッチ曲線半径として設定しS110、第1及び第2の歯車について、設定順序に従って歯車の回転中心周りに回転中心からピッチ曲線半径だけ離れた位置にそれぞれ頂点が配置され且つ隣接する頂点を結ぶ辺の長さが全て等しくなるようにピッチ多角形をそれぞれ生成しS112、第1及び第2の歯車について、生成されたピッチ多角形の各頂点に凸歯又は凹歯が配置されるS116・S118ように歯車の輪郭形状を生成する。
【選択図】図3

従来技術、競合技術の概要


非円形歯車とは、歯車の持つ回転伝達機能とカムの持つ不等速運動機能という二つの機構学的特性を有する機械要素であり、一般的な円形歯車が円形のピッチ曲線を有するのに対し、非円形歯車は非円形のピッチ曲線を有する点に特徴がある。一対の非円形歯車は、回転中心間の距離を一定に保ちながら互いに噛み合う駆動側と被駆動側の二つの非円形歯車から構成されている。駆動歯車は、モータなどの回転運動源に接続されて等速回転運動を行う一方、被動歯車は、非円形のピッチ曲線を有する駆動歯車と噛み合うことにより不等速な回転運動を行う。



このように非円形歯車を用いると不等速回転運動が容易に得られることから、非円形歯車は、不等速な回転伝達機構を利用する分野において使用される。例えば、往復運動を行うプレス加工機では、往路は打ち抜き作業を行うための行程であるので規定速度で動作することが要求される一方、往路は作業を行わない単なる戻り行程となるので高速で動作することが要求され、このような要求を非円形歯車の使用によって容易に実現することができる。また、食材や工業材料を攪拌するための攪拌機では、複数の材料を効率的に混ぜるために不等速な回転運動を行うことが好ましく、非円形歯車の有効性が確認されている。また、特許文献1に記載のように、シートを枚葉印刷機の印刷装置へ搬送する給紙部の駆動装置などにも楕円歯車などの非円形歯車が使用されている。このように、非円形歯車は、簡単な機械要素でありながら、産業機械の簡素化、低コスト化、小型化、高速化などの要求に応えられるものである。



しかしながら、非円形歯車の生成には、ピッチ曲線の創成が難しいこと、被動歯車のいくつかの条件が駆動歯車に従属するので計算量が多くなることなどの困難性がある。こうしたことから、従来、非円形歯車の生成方法の主なものは、次に挙げる二つの方法となっている。一つ目の方法は、焦点周りに回転する二つの楕円歯車、幾何学的中心周りに回転する二次の楕円歯車、共役車と回転する偏心円形歯車、対数らせん歯車及び正弦関数歯車のように既に計算式が解明されているピッチ曲線のパターンを利用して非円形歯車を生成する方法であり、この方法は流量計に用いる非円形歯車などに用いられている。この場合、ピッチ曲線は限定されるものの、ピッチ曲線の計算式から簡単に設計データを求めることができ、容易に非円形歯車を作製することができる。二つ目の方法は、高額な専用工作機械であるNCギアシェーパや特殊ボブ盤等を用いて、歯切り工具と被削材をピッチ曲線に合わせて小刻みに回転させながら歯を加工して非円形歯車を生成する方法である。自由なピッチ曲線に対応した非円形歯車を生成する方法は、現在、このような加工によるものが主流であり、自由なピッチ曲線に対応した非円形歯車の設計理論はいまだ確立されていない。




【特許文献1】特開平10-329305号公報

【特許文献2】特開平5-8118号公報

産業上の利用分野


本発明は、自由なピッチ曲線に対応した一対の非円形歯車の輪郭形状の生成に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
回転中心間距離を一定に保ちながら互いに噛み合う第1の歯車と第2の歯車とからなる一対の非円形歯車の輪郭形状を生成する方法であって、
歯数と前記第1の歯車の回転中心と前記第2の歯車の回転中心の間の中心間距離とを設定するステップと、
所望される歯車の運動が得られ且つピッチ曲線半径の平均値が設定された前記中心間距離の半分に等しくなるように、設定された歯数の分だけ前記第1の歯車のためのピッチ曲線半径を設定するステップと、
歯数分の前記第1の歯車のためのピッチ曲線半径について、設定順序に従って前記中心間距離から前記第1の歯車のためのピッチ曲線半径をそれぞれ引いた値を逆の順序で前記第2の歯車のためのピッチ曲線半径として設定するステップと、
前記第1の歯車のための各ピッチ曲線半径について、設定順序に従って前記第1の歯車の回転中心周りに前記第1の歯車の回転中心から前記第1の歯車のためのピッチ曲線半径だけ離れた位置にそれぞれ頂点が配置され且つ隣接する頂点を結ぶ辺の長さが全て等しくなるように第1の歯車のためのピッチ多角形を生成するステップと、
前記第2の歯車のための各ピッチ曲線半径について、設定順序に従って前記第2の歯車の回転中心周りに前記第2の歯車の回転中心から前記第2の歯車のためのピッチ曲線半径だけ離れた位置にそれぞれ頂点が配置され且つ隣接する頂点を結ぶ辺の長さが全て等しくなるように第2の歯車のピッチ多角形を生成するステップと、
前記第1の歯車のピッチ多角形の各頂点に凸歯及び凹歯の一方が配置されるように第1の歯車の輪郭形状を生成し、前記第2の歯車のピッチ多角形の各頂点に凸歯及び凹歯の他方が配置されるように第2の歯車の輪郭形状を生成するステップと、
を含むことを特徴とする一対の非円形歯車の輪郭形状を生成する方法。

【請求項2】
前記第1の歯車のためのピッチ多角形を生成するステップ及び前記第2の歯車のためのピッチ多角形を生成するステップは、各ピッチ曲線半径について設定順序に従って前記回転中心周りに等角度間隔で前記回転中心からピッチ曲線半径だけ離れた位置にそれぞれ暫定的に頂点を配置した後、隣接する頂点を結んだ辺長が全て等しくなるように前記第1の歯車又は前記第2の歯車の回転中心周りの各頂点の角度間隔を調整するステップを含む、請求項1に記載の方法。

【請求項3】
前記角度間隔を調整するステップは、前記ピッチ多角形の最大辺長と最小辺長との平均値を求め、前記平均値と前記最小辺長との比率に応じて前記最大辺長に対応する回転中心周りの角度を減少させ、前記平均値と前記最大辺長との比率に応じて前記最小辺長に対応する回転中心周りの角度を増加させることを、前記最大辺長と前記最小辺長との差が予め定められた値以下になるまで繰り返すステップを含む、請求項2に記載の方法。

【請求項4】
回転中心間距離を一定に保ちながら互いに噛み合う第1の歯車と第2の歯車とからなる一対の非円形歯車の輪郭形状を生成する装置であって、
歯数と、第1の歯車の回転中心と第2の歯車の回転中心の間の中心間距離と、歯数の分の前記第1の歯車のためのピッチ曲線半径とを入力するための入力装置と、
前記入力装置によって入力された歯数、中心間距離及びピッチ曲線半径を記憶するための記憶装置と、
前記記憶装置に記憶された歯数、中心間距離及びピッチ曲線半径に基づいて、前記第1の歯車及び前記第2の歯車の輪郭形状を生成する処理装置と、
を備え、該処理装置が、
前記入力装置によって入力された歯数分のピッチ曲線半径の平均値が入力された中心間距離の半分に等しいことを確認し、等しいことが確認できたときに前記入力された歯数分のピッチ曲線半径を前記記憶装置に記憶させるピッチ曲線半径確認部と、
歯数分の前記第1の歯車のためのピッチ曲線半径について、設定順序に従って前記記憶装置に記憶された中心間距離から前記記憶装置に記憶された前記第1の歯車のためのピッチ曲線半径をそれぞれ引いた値を逆の順序で前記第2の歯車のためのピッチ曲線半径として設定し、前記記憶装置に記憶させる第2の歯車ピッチ曲線半径設定部と、
前記記憶装置に記憶された前記第1の歯車のための各ピッチ曲線半径について、設定順序に従って前記第1の歯車の回転中心周りに前記第1の歯車の回転中心から前記1の歯車のためのピッチ曲線半径だけ離れた位置にそれぞれ頂点が配置され且つ隣接する頂点を結ぶ辺の長さが全て等しくなるように前記第1の歯車のためのピッチ多角形を生成する第1のピッチ多角形生成部と、
前記記憶装置に記憶された前記第2の歯車のための各ピッチ曲線半径について、設定順序に従って前記第2の歯車の回転中心周りに前記第2の歯車の回転中心から前記2の歯車のためのピッチ曲線半径だけ離れた位置にそれぞれ頂点が配置され且つ隣接する頂点を結ぶ辺の長さが全て等しくなるように前記第2の歯車のためのピッチ多角形を生成する第2のピッチ多角形生成部と、
前記第1の歯車のためのピッチ多角形の各頂点に凸歯及び凹歯の一方が配置されるように第1の歯車の輪郭形状を生成し、前記第2の歯車のためのピッチ多角形の各頂点に凸歯及び凹歯の他方が配置されるように第2の歯車の輪郭形状を生成する輪郭形状生成部と、
を備えることを特徴とする一対の非円形歯車の輪郭形状を生成する装置。

【請求項5】
回転中心間距離を一定に保ちながら互いに噛み合う第1の歯車と第2の歯車とからなる一対の非円形歯車の輪郭形状を生成するためのプログラムであって、
歯数と前記第1の歯車の回転中心と前記第2の歯車の回転中心の間の中心間距離とを入力するように要求する機能と、
設定された歯数の分だけ前記第1の歯車のためのピッチ曲線半径を入力するように要求する機能と、
入力されたピッチ曲線半径の平均値が設定された前記中心間距離の半分に等しくなることを確認する機能と、
歯数分の前記第1の歯車のためのピッチ曲線半径について、設定順序に従って前記中心間距離から前記第1の歯車のためのピッチ曲線半径をそれぞれ引いた値を逆の順序で前記第2の歯車のためのピッチ曲線半径として設定する機能と、
前記第1の歯車のための各ピッチ曲線半径について、設定順序に従って前記第1の歯車の回転中心周りに前記第1の歯車の回転中心から前記第1の歯車のためのピッチ曲線半径だけ離れた位置にそれぞれ頂点が配置され且つ隣接する頂点を結ぶ辺の長さが全て等しくなるように第1の歯車のためのピッチ多角形を生成する機能と、
前記第2の歯車のための各ピッチ曲線半径について、設定順序に従って前記第2の歯車の回転中心周りに前記第2の歯車の回転中心から前記第2の歯車のためのピッチ曲線半径だけ離れた位置にそれぞれ頂点が配置され且つ隣接する頂点を結ぶ辺の長さが全て等しくなるように第2の歯車のピッチ多角形を生成する機能と、
前記第1の歯車のピッチ多角形の各頂点に凸歯及び凹歯の一方が配置されるように第1の歯車の輪郭形状を生成し、前記第2の歯車のピッチ多角形の各頂点に凸歯及び凹歯の他方が配置されるように第2の歯車の輪郭形状を生成する機能と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする一対の非円形歯車の輪郭形状を生成するためのプログラム。
産業区分
  • 機械要素
  • 機構・伝動
  • 計算機応用
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 権利存続中
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