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風力発電機用蓄電池設備の製作方法

国内特許コード P10A015522
掲載日 2010年6月18日
出願番号 特願2007-232066
公開番号 特開2009-065787
登録番号 特許第5013372号
出願日 平成19年9月6日(2007.9.6)
公開日 平成21年3月26日(2009.3.26)
登録日 平成24年6月15日(2012.6.15)
発明者
  • 千住 智信
  • 菊永 康朗
出願人
  • 国立大学法人 琉球大学
発明の名称 風力発電機用蓄電池設備の製作方法
発明の概要

【課題】 風力発電機に併設され発電電力変動を平準化する、設備コストが最小となる最適容量を有する蓄電池を提供する。
【解決手段】 風力発電機と並設する蓄電池を備え、蓄電池制御器が、風力発電電力PGとその移動平均値Pcomとの偏差Rを求め、蓄電池残存容量Wbatの目標値との差に傾きαで比例した修正係数Mにインバータ容量CIを乗じて得た修正電力値Pcを偏差Rに加えて蓄電池出力指令値Pbatとするもので、蓄電池制御器の伝達関数モデルを使って、移動平均算定データ数n、傾きα、不感帯幅Dzoneを選択しては風速実測値を使った充放電シミュレーションを行って、設備コストCcap=CBP+CIWが最終的に最小となる蓄電池容量CB、インバータ容量CIを求めて蓄電池制御器を構築する。CP,CWは蓄電池とインバータの容量当たりコストである。
【選択図】 図1

従来技術、競合技術の概要


近年、エネルギー資源である石油・石炭などの化石燃料の枯渇が懸念されるようになってきた。また、電力需要の増大によるCO2排出量の増加や森林破壊によるCO2吸収源の減少などにより、大気中のCO2濃度が増加し地球温暖化が進行している。このような背景から、風力エネルギーを利用した風力発電システムが欧米を中心に世界各国で注目を集めている。風力発電システムは無尽蔵な自然エネルギーを活用するもので、CO2を排出しないクリーンな発電設備であるため、日本においても、風力発電の総設備容量は今後増加すると考えられる。



風力発電機の出力電力は風速の3乗に比例するため、風速の変化に従い激しく変動する。このため、電力系統に導入する風力発電システムの容量が大きい程、風力発電機の発電電力変動によって系統電圧変動や系統周波数変動が生じることになり電力品質が悪化しやすい。
このため、電力系統に風力発電機を導入するときには、発電電力変動を許容範囲まで平準化する必要がある。特に、大規模風力発電システムを電力系統に導入するためには、何らかの対策が求められる。風力発電機に蓄電池を併設して風力発電電力を平準化することは従来からよく行われている。風力発電システムに蓄電池を附属させることにより、風力発電の発電電力変動を平準化し、電力系統に与える影響を抑制することができる。蓄電池の利用により、風力発電システムの短周期から長周期までの発電電力変動が補償できる。



しかし、蓄電池を附属させるときには、設備コストが増加する上、蓄電池特性が経時により劣化するため維持費も必要になる。
蓄電池の設備コストや維持費用は蓄電池の充放電特性により左右され、充放電特性は蓄電池の制御器の特性によって決まる。
風力発電機に併設される蓄電池は、発電電力変動の平準化を目的とするもので容量が大きいほど効果があるが、設備コストの観点からはできるだけ小容量の蓄電池を導入することが好ましい。
従来は、蓄電池の充放電による平準化効果を評価する方法は知られているが、蓄電池の制御器特性や蓄電池コストの評価方法について開示する文献は見当たらない。



たとえば、特許文献1は、蓄電池を使った風力発電出力安定化方法を開示するが、コンバータとインバータを介して蓄電池を電力線に接続し、風力発電機の発生電力の微小単位時間における移動平均値を求めて、発生電力が移動平均値より大きいときに超過分を蓄電池に蓄え、不足があるときには不足分を蓄電池から電力線に給電するものであって、蓄電池の容量を最適化する思想は含まれていない。
なお、特許文献2には、太陽電池に蓄電池を組み合わせたシステムの蓄電池容量を決定する方法が開示されている。この開示方法は、太陽電池の容量と価格および蓄電池の容量と価格をパラメータとして、全天日射量の測定データを使ってシミュレーションを行って得たメリットを表した経済性評価図を作成して、これから最も経済的な太陽電池と蓄電池の組合せを決定するものである。
特許文献2に開示された方法は、太陽電池システムを対象とするものであるから、瞬時の発生電力が激しく変動する風力発電に適用することはできない。

【特許文献1】特開平11-299106号公報

【特許文献2】特開2004-032989号公報

産業上の利用分野


本発明は、電力系統に導入された風力発電機に併設して発電電力を平準化する蓄電池設備において、設備コストが最小になる最適容量を有する蓄電池を提供する方法および蓄電池設備に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
風力発電機と併設して電力系統に風力発電機と並列に電力供給するようにした、蓄電池とインバータと蓄電池制御器を備える風力発電機用蓄電池設備の製作方法であって
前記風力発電機の発電電力の移動平均値を算出する平均演算器と、該移動平均値から前記風力発電機の発電電力値を差し引いて偏差を求める減算器と、前記蓄電池の残存容量値に対して比例する修正係数を出力する関数発生器と、該関数発生器から入力した前記修正係数に前記インバータの容量値を乗じて修正電力値を出力する乗算器と、該修正電力値と前記偏差を加える加算器と、該加算器の出力を上下限値で制約して前記蓄電池の出力指令値として出力する出力リミッタとを備え、
該蓄電池出力指令値は、前記風力発電機の発電電力の移動平均値と比較して過剰な分を前記蓄電池に蓄え、不足の分を前記蓄電池から補充させるように指令することを特徴とする、
前記蓄電池制御器を表す伝達関数モデルに従って、
制御器パラメータである移動平均算定に使うデータ数nと関数発生器の修正係数における傾きαと不感帯幅Dzoneの設定幅を入力し、該移動平均算定に使うデータ数nと傾きαと不感帯幅Dzoneを前記入力した設定幅内において選択し、蓄電池容量Cとインバータ容量CIを順次選択しては充放電シミュレーションを行って、合成出力電力Psysの最大発電電力変動ΔPmaxと標準偏差σxが決められた制約条件を満たすことを前提として、設備コストCcap=C+CIWが最小となる蓄電池容量Cとインバータ容量CIを求めて、前記選択された制御器パラメータn,α,Dzoneにおける最適な蓄電池容量Cとインバータ容量CIとすることを、前記制御器パラメータn、α、Dzoneを設定された範囲内で変化させては繰り返し、該設定された範囲内で設備コストCcapが最小となる蓄電池容量C、インバータ容量CIを求めて該設定範囲内で最適な蓄電池容量C、インバータ容量CIとして採用し、そのときの制御器パラメータを採用して風力発電機用蓄電池設備を構築することを特徴とする風力発電機用蓄電池設備の製作方法。
ここで、Cは蓄電池の容量当たりコスト、CWはインバータの容量当たりコストである。

【請求項2】
前記蓄電池制御器は、さらに、前記減算器と加算器の間に不感帯素子を備えて、前記偏差の絶対値が所定の値に達しない場合に前記加算器への出力がゼロになるようにすることを特徴とする請求項1記載の風力発電機用蓄電池設備の製作方法

【請求項3】
前記蓄電池制御器は、さらに、出力指令値を積分する積分器を設け、前記蓄電池の残存容量は、前記積分器により前記蓄電池出力指令値を積分して算定することを特徴とする請求項1または2記載の風力発電機用蓄電池設備の製作方法
産業区分
  • 送配電
  • その他原動機
  • その他電子
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2007232066thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
参考情報 (研究プロジェクト等) 特許第5013372号
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