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チオシアロシド型オリゴ糖を含む糖鎖デンドリマーの製造方法及びその利用

国内特許コード P10A015551
掲載日 2010年7月2日
出願番号 特願2009-055892
公開番号 特開2009-242387
登録番号 特許第5481731号
出願日 平成21年3月10日(2009.3.10)
公開日 平成21年10月22日(2009.10.22)
登録日 平成26年2月28日(2014.2.28)
優先権データ
  • 特願2008-059623 (2008.3.10) JP
発明者
  • 坂本 純一
  • 松岡 浩司
  • 照沼 大陽
  • 幡野 健
  • 鈴木 康夫
出願人
  • 国立大学法人埼玉大学
  • 学校法人中部大学
発明の名称 チオシアロシド型オリゴ糖を含む糖鎖デンドリマーの製造方法及びその利用
発明の概要 【課題】本発明は、インフルエンザノイラミニダーゼ活性を阻害するデンドリマー化合物の提供を目的とする。
【解決手段】 次式(I)



(式中、E及びEは、炭素、ケイ素、ゲルマニウムのいずれかであり、互いに同一でも異なっていてもよく、R、Rは、同一又は異なった炭化水素基を示し、R、R及びRは酸素、窒素及び/又はカルボニル基を含んでもよい同一又は異なった炭化水素鎖を示し、Yはチオシアロオリゴ糖残基若しくは他の置換基であって少なくとも1つはチオシアロオリゴ糖残基を示し、lは0~2の整数であり、mは0~2の整数であり、kは0又は1の数を示し、kが0のときは3-mは1である)で表されるチオシアロオリゴ糖結合デンドリマー化合物若しくはその薬理学上許容される塩又はそれらの水和物。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要



デンドリマーとは、ギリシャ語の「dendra」(樹木)を語源とする規則正しく分岐した樹状高分子化合物の総称である。デンドリマーによる球状のナノメートルスケールの空間は、様々な官能基を組み込むことで比較的自由にデザイン可能であることから、ナノテクノロジーの分野において、新規デンドリマーのデザインが現在盛んに行われている。

特に、近年、生体機能分野におけるデンドリマーの利用が著しく、生体系における外部刺激に応答するデンドリマー、DDS(薬物送達システム)に利用可能なデンドリマー、分子センサーとして機能し得るデンドリマーなど、多面的にその有効性を生かすべく研究が進んでいる。





なかでも、生体に対する外部環境からの干渉、特に、細菌やウィルスなどの感染に対する有効な防御ツールとしてデンドリマーの利用は、注目を浴びている。

例えば、腸管出血性大腸菌O-157が産生するベロ毒素による生体への攻撃を有効に防御し得るデンドリマーの開発などが行われている。腸管出血性大腸菌O-157が産生するベロ毒素は、赤痢菌由来のシガ毒素と類似した細菌毒素のAB5ファミリーに属するタンパク質である。これらの毒素は、腎臓細胞上のグロボトリオシルセラミド(Gb3、Galα1-4Galβ1-4Glcβ1-Cer)中のグロボ3糖部分を認識し、接着することにより細胞内に取込まれ毒性を示すことが報告されている。





すでに、本発明者らは、当該グロボ3糖を結合したカルボシランデンドリマーをコア骨格とするクラスター化合物を合成し、それに強いベロ毒素阻害活性があることを報告している(非特許文献1及び2、並びに特許文献1及び2参照)。





また、本発明者らは、各種糖鎖含有カルボシランデンドリマー化合物に関する知見に基づいて(非特許文献3参照)、インフルエンザウィルス等のウィルス表面に存在するヘマグルチニンを特異的に接着し、生体に対するウィルス感染を防止し得る物質として、シアリルラクトース含有デンドリマーを開示した(特許文献2参照)。さらに、生体内における適合性および安全性に優れたアミド結合を介して糖鎖を結合するデンドリマーの開示も行っている(特許文献3参照)。

インフルエンザウィルスによる感染には、宿主細胞に対する接着と脱離が重要であるが、この過程には、各々、ヘマグルチニンとノイラミニダーゼ(シアリダーゼ)という2種類のタンパク質が関与している。特に、ノイラミニダーゼはインフルエンザウィルスが、感染した細胞から脱離する上で必須の酵素である。従って、ノイラミニダーゼの活性を有効に阻害することができれば、インフルエンザウィルスによる他の細胞への感染を抑えることができるため、インフルエンザウィルス感染症の治療に応用することができる。

医薬品としてはすでに、インフルエンザ膜タンパク質のイオンチャンネル阻害剤(シンメトレルR(アマンタジン))やシアリダーゼの阻害剤(タミフルR(リン酸オセルタミビル)とリレンザR(ザナミビル))が、インフルエンザの特効薬として処方されている。しかしながら、これらの特効薬の有効成分は何れも天然物ではないため、その耐性ウィルスの出現が危惧されており、近年、シンメトレルRやタミフルRに対する耐性ウィルスが出現したとの報告もある。





【非特許文献1】

atsuokaら,Tetrahedron Letters 40:7839-7842 1999

【非特許文献2】

ishikawaら,Proc.Natl.Acad.Sci., USA.99:7669-7674 2002

【非特許文献3】

atsuokaら,Bull.Chem.Soc.Jpn.,71:2709-2713 1998

【特許文献1】

開2004-107230

【特許文献2】

際公開公報WO02/02588

【特許文献3】

開2003-212893

産業上の利用分野



本発明は、チオシアロオリゴ糖結合デンドリマー化合物及び該デンドリマー化合物を有効成分として含有する医薬に関する。より詳細には、チオシアロオリゴ糖を結合させたデンドリマー化合物であって、インフルエンザノイラミニダーゼ阻害活性を有するデンドリマー化合物、及び該デンドリマー化合物を有効成分として含有する医薬に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
次式(I)
【化1】


(式中、E及びEは、炭素又はケイ素のいずれかであり、互いに同一でも異なっていてもよく、R、Rは、同一又は異なった炭化水素基を示し、R、R及びRは酸素、窒素及び/又はカルボニル基を含んでもよい同一又は異なった炭素数3~12のアルキル基、アルキレン基、アルキニレン基及びアルコキシレン基(オキシアルキレン基)を示し、Yは以下の置換基を示し、lは0~2のであり、mは0~2のであり、kは0又は1の数を示し、kが0のときは3-mは1であり、kが1の場合に、Rは、Eと結合する)で表されるチオシアロオリゴ糖結合デンドリマー化合物若しくはその薬理学上許容される塩又はそれらの水和物。
【化2】



【請求項2】
R1及びR2が同一又は異なる炭素数1~6のアルキル基、フェニル基、ビニル基、又はアルケニル基である請求項1に記載のチオシアロオリゴ糖結合デンドリマー化合物若しくはその薬理学上許容される塩又はそらの水和物。

【請求項3】
及びEがケイ素である請求項1又は請求項2に記載のチオシアロオリゴ糖結合デンドリマー化合物若しくはその薬理学上許容される塩又はそれらの水和物。

【請求項4】
がフェニル基、Rが-C-、-C-O-C-又は-C-NHCOC10-、Rが-C10-、kが0、lが1、mが2である請求項に記載のチオシアロオリゴ糖結合デンドリマー化合物若しくはその薬理学上許容される塩又はそれらの水和物。

【請求項5】
が-C-、-C-O-C-又は-C-NHCOC10-、Rが-C10、kが0、lが0、mが2である請求項に記載のチオシアロオリゴ糖結合デンドリマー化合物若しくはその薬理学上許容される塩又はそれらの水和物。

【請求項6】
がメチル基、R及びRが-C-、-C-O-C-又は-C-NHCOC10-、Rが-C10、kが1、lが2、mが0である請求項に記載のチオシアロオリゴ糖結合デンドリマー化合物若しくはその薬理学上許容される塩又はそれらの水和物。

【請求項7】
及びRが-C-、-C-O-C-又は-C-NHCOC10-、Rが-C10、kが1、lが0、mが0である請求項に記載のチオシアロオリゴ糖結合デンドリマー化合物若しくはその薬理学上許容される塩又はそれらの水和物。

【請求項8】
請求項1乃至請求項のいずれかに記載のチオシアロオリゴ糖結合デンドリマー化合物、その薬剤上許容される塩及びそれらの水和物、並びに薬剤上許容される担体を含有することを特徴とする感染症の治療のための医薬。

【請求項9】
前記感染症がインフルエンザウィルス感染症であることを特徴とする請求項に記載の医薬。
国際特許分類(IPC)
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出願権利状態 登録
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