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歯科・整形外科用樹脂組成物、その製造方法及び歯科・整形外科用成形品の製造方法 コモンズ 新技術説明会 実績あり 外国出願あり

国内特許コード P10A015625
掲載日 2010年8月13日
出願番号 特願2005-013231
公開番号 特開2006-199622
登録番号 特許第4517148号
出願日 平成17年1月20日(2005.1.20)
公開日 平成18年8月3日(2006.8.3)
登録日 平成22年5月28日(2010.5.28)
発明者
  • 田仲 持郎
  • 鈴木 一臣
出願人
  • 学校法人岡山大学
発明の名称 歯科・整形外科用樹脂組成物、その製造方法及び歯科・整形外科用成形品の製造方法 コモンズ 新技術説明会 実績あり 外国出願あり
発明の概要

【課題】 刺激性の物質の溶出が抑制され、エンドクリン阻害物質等による人体への悪影響が低減し、しかも操作性よく調製することの可能な、医療用途に適した樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】 エステル基を有する繰り返し単位から構成される重合体(A)の粉剤と、ビニルエステル単量体(B)の液剤とを混合して増粘させ、さらに必要に応じて重合反応を進行させて、医療用樹脂組成物、特に歯科用樹脂組成物を製造する。当該樹脂組成物は、粘膜調整材、機能印象材、裏装材、義歯床材又はマウスピース材として好適に使用される。
【選択図】 図5

従来技術、競合技術の概要


義歯を長期間使用することにより、歯槽堤の吸収などが発生し、次第に義歯粘膜面と義歯床下粘膜面の適合が悪くなる。その結果、床下粘膜面に局部的な過剰圧が加わることにより、義歯床下粘膜や歯槽堤に異常が発生する。義歯床下粘膜や歯槽堤に異常がある場合、義歯粘膜面を軟性樹脂組成物である粘膜調整材などで裏装することにより、咬合時に義歯から床下粘膜面に加わる圧力を緩和し、正常な状態へと回復させる。



このような軟性樹脂組成物は、使用に際して、粉剤と液剤を混合することによりペースト状から餅状を経て、ゴム状へと、すなわち、粘性体から弾性体へと物理的に性状が変化することにその特徴がある。粉剤と液剤の混合物は、粘性状態で義歯粘膜面に流し込まれ、流動状態で口腔内に装着されて、義歯粘膜面と義歯床下粘膜面の空隙を満たし、時間とともに流動性の無い粘弾性体、あるいは弾性体へと物理的に性状が変化していく。粘弾性体、あるいは弾性体へと変化した軟性樹脂組成物は、通常3日~10日程度、長い場合では30日程度義歯床下粘膜面に接触した状態で口腔内に保持される。



現在、市販されている軟性樹脂組成物の組成は、粉剤として、ポリアルキル(メタ)アクリレート、液剤としてフタル酸ジブチル(DBP)、ブチルフタリルグリコール酸ブチル(BPBG)、フタル酸ジベンジルブチル等に代表されるフタル酸エステル系の可塑剤とエタノールとの混合物が広く使用されている。しかし、フタル酸エステル系可塑剤は、エンドクリン阻害物質として生体に影響を与える可能性が指摘されており、除去が望まれている。また、エタノールは、粉剤と液剤を混合する際のポリアルキル(メタ)アクリレートの膨潤速度を大きくさせるために添加されるが、口腔内に刺激を与えたり、唾液中へ溶出したりする問題を有している。また、エタノールは、接触する義歯床に対しても膨潤性も有するため、義歯床の物性低下や変形などの問題を引き起こす場合もあった。



特許文献1には、ブチルメタクリレートとエチルメタクリレートとの共重合体又はポリブチルメタクリレートとポリエチルメタクリレートとの混合物からなる粉剤と、フタル酸エステルなどの芳香族カルボン酸エステルからなる液剤とを混合して使用される粘膜調整材が記載されている。特許文献1によれば、当該粘膜調整材はエタノールを含有しないために、使用時に刺激や臭気による患者の不快感がなくなるとされている。しかしながら、フタル酸エステル等はエンドクリン阻害物質であるし、その他の芳香族カルボン酸エステルも、生体に対する影響が懸念されている。



特許文献2には、(メタ)アクリレート単量体と、酸エステル系可塑剤と、ポリアルキル(メタ)アクリレートと重合開始剤とからなる義歯床用軟性樹脂組成物が記載されている。特許文献2によれば、当該樹脂組成物においては、フタル酸エステル系可塑剤を使用する代わりに酸エステル系可塑剤を使用することによって、エンドクリン阻害物質を使用しないでも、義歯床用軟性樹脂材料に求められる適度な柔らかさ及び義歯床と口腔粘膜との適合性等の性能を満たすことができるとされている。しかしながら、酸エステル系可塑剤を使用した場合には、ポリアルキル(メタ)アクリレートの膨潤速度が遅く、作業性が低下するという問題を有しており、特許文献2の実施例においてはエタノールを配合する場合もあった。また、アクリル系モノマーを使用するので、それによる口腔内への刺激も問題になりやすかった。



特許文献3には、不飽和二重結合を有する重合性モノマーと、ポリアルキル(メタ)アクリレートと、重合触媒とが混合されてなり、前記ポリアルキル(メタ)アクリレートの少なくとも一部が前記重合性モノマー中に溶解していることを特徴とする義歯床用樹脂材料が記載されている。これにより、粉剤と液剤とを計量、混合、練和して一定時間放置する操作が必要なく、予めペースト状となっていて操作が簡略化できるとされている。しかしながら、熱や紫外線などを利用して硬化させる必要があるために、口腔内での印象採取には必ずしも適さない場合も多かった。




【特許文献1】特開平3-20204号公報

【特許文献2】特開2002-104913号公報

【特許文献3】特開2000-254152号公報

産業上の利用分野


本発明は、エステル基を有する繰り返し単位から構成される重合体とビニルエステル単量体とからなる医療用樹脂組成物、特に歯科用樹脂組成物に関する。また、樹脂組成物の製造方法及び成形品の製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
エステル基を有する繰り返し単位から構成される重合体(A)と、ビニルエステル単量体(B)とからなる樹脂組成物であって、ビニルエステル単量体(B)の炭素数が15以下であることを特徴とする歯科・整形外科用樹脂組成物。

【請求項2】
重合体(A)がポリアルキル(メタ)アクリレートである請求項1記載の歯科・整形外科用樹脂組成物。

【請求項3】
前記ポリアルキル(メタ)アクリレートが、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート及びメチルメタクリレート-エチルメタクリレート共重合体からなる群から選択される少なくとも一種である請求項2記載の歯科・整形外科用樹脂組成物。

【請求項4】
ビニルエステル単量体(B)が、カルボン酸のビニルエステルである請求項1~3のいずれか記載の歯科・整形外科用樹脂組成物。

【請求項5】
ビニルエステル単量体(B)の炭素数が6以上である請求項1~4のいずれか記載の歯科・整形外科用樹脂組成物。

【請求項6】
ビニルエステル単量体(B)が分子内に2個以上のビニル基を有する請求項1~5のいずれか記載の歯科・整形外科用樹脂組成物。

【請求項7】
重合体(A)100重量部に対してビニルエステル単量体(B)20~200重量部を含有する請求項1~6のいずれか記載の歯科・整形外科用樹脂組成物。

【請求項8】
更に重合開始剤(C)を含有する請求項1~7のいずれか記載の歯科・整形外科用樹脂組成物。

【請求項9】
歯科用樹脂組成物である請求項1~8のいずれか記載の歯科・整形外科用樹脂組成物。

【請求項10】
粘膜調整材、機能印象材、裏装材、義歯床材及びマウスピース材からなる群から選択される少なくとも一種の歯科用樹脂組成物である請求項9記載の歯科・整形外科用樹脂組成物。

【請求項11】
重合体(A)の粉剤と、ビニルエステル単量体(B)の液剤とを混合して増粘させることを特徴とする請求項1~10のいずれか記載の歯科・整形外科用樹脂組成物の製造方法。

【請求項12】
重合体(A)の粉剤の平均粒子径が2~200μmである請求項11記載の歯科・整形外科用樹脂組成物の製造方法。

【請求項13】
更に重合開始剤(C)も加えて混合して増粘させる請求項11又は12記載の歯科・整形外科用樹脂組成物の製造方法。

【請求項14】
請求項11~13のいずれか記載の方法によって製造された樹脂組成物を、増粘させた後に賦形する歯科・整形外科用成形品の製造方法。

【請求項15】
賦形した後、重合反応を進行させる請求項14記載の歯科・整形外科用成形品の製造方法。
産業区分
  • 治療衛生
  • 高分子化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2005013231thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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