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核内受容体リガンド コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P10A015626
掲載日 2010年8月13日
出願番号 特願2008-282792
公開番号 特開2010-111588
登録番号 特許第5255994号
出願日 平成20年11月4日(2008.11.4)
公開日 平成22年5月20日(2010.5.20)
登録日 平成25年4月26日(2013.4.26)
発明者
  • 加来田 博貴
出願人
  • 国立大学法人 岡山大学
発明の名称 核内受容体リガンド コモンズ 新技術説明会
発明の概要

【課題】本発明は、核内受容体の一つであるレチノイドX受容体(RXR)に結合し、その作動もしくは拮抗作用を有する化合物(レキシノイド)を提供することを課題とする。より詳しくは、従来のレキシノイド化合物とは構造の異なる新規なレキシノイド化合物を提供することを課題とする。
【解決手段】芳香族カルボン酸部位で閉環した複素化合物タイプの新規レキシノイド化合物による。本発明の化合物のうち、RXR作動性を有する化合物は、適度な転写活性化能を有し、RXRの活性を極端に活性化しないことから、RXRの適度な応用が期待できる。また、本発明の化合物の他の一部は、RXR拮抗性を有する。
【選択図】図5

従来技術、競合技術の概要


核内受容体は、細胞増殖や免疫応答、糖・脂質代謝等の生理機能、恒常性の維持を担っているリガンド依存性の転写調節因子のひとつである。核内受容体に対応するリガンドにより、その下流にある遺伝子の転写を制御している。核内受容体は、同一の原初遺伝子から派生しており、スーパーファミリーを形成する。



レチノイドX受容体(以降、「RXR」と略す。)は、9-cisレチノイン酸やドコサヘキサンエン酸(DHA)を内因性リガンドにすると考えられている、リガンド依存的な転写因子である核内受容体の一つである。その機能は、ホモ二量体として、また種々の核内受容体とヘテロ二量体を形成し発揮される(非特許文献1)。



RXRのヘテロ二量体のパートナーとしては、細胞分化や増殖に関与するレチノイン酸受容体(RAR)、同じく細胞分化や増殖また骨代謝に関与するビタミンD受容体(VDR)、脂質代謝に関与するペルオキシソーム増殖剤応答性受容体(PPAR)、甲状腺ホルモン受容体のチロイドホルモン受容体(TR)などがある。従って、RXRの機能とこれら核内受容体の活性発現は密接な関係にあり、RXR機能を制御する作動性若しくは拮抗性物質は、これらのヘテロ二量体の機能を制御することが可能になる(非特許文献2)。



例えば、RAR作動性物質であるAm80(一般名:タミバロテン:再発又は難治性の急性前骨髄球性白血病の治療薬:4-[(5,6,7,8-tetrahydro-5,5,8,8-tetramethyl-2-naphthyl)carbamoyl] benzoic acid:非特許文献3)は、3.3×10-10 M濃度で単独に存在する場合はほとんど細胞分化誘導作用を示さないのに対し、Am80とRXR作動性物質を併用すると、RXR作動性物質はAm80のシナジストとして機能し、有意な分化誘導作用が見られるようになる(非特許文献4)。このようなRXR作動性物質による核内受容体ヘテロ二量体に対するシナジスト効果は、RARに対してのみならず、RXRとヘテロ二量体を形成するVDRやPPAR等においても見られる。このような核内受容体を標的とした脂溶性の高い医薬分子において、その薬物を低容量で用いても効果を発揮させるシナジストとして効果が発揮できる。



またRXR拮抗性物質は、選択的にRXR含有へテロ二量体の機能を抑制することも可能になる。例えば、RXR拮抗性物質であるHX531は、PPAR-RXRへテロ二量体に対し、その機能を抑制することで、インスリン抵抗性及び肥満を改善することができる。そのため、II型糖尿病に対する医薬応用が期待されている(非特許文献5)。



RXR作動性物質は、RXRを含有する核内受容体へテロ二量体を介した作用に限ることはない。例えば、乳がん治療に用いられるタモキシフェンは、RXRとヘテロ二量体を形成しないエストロゲン受容体(ER)が分子標的であるものの、RXR作動性物質がエストロゲン抵抗性乳がんにおいて、その抵抗性を改善する報告がされている(非特許文献6)。さらに、RXR作動性物質単独若しくはタモキシフェンとの併用による発がん予防効果も報告されている(非特許文献7)。またタキソール抵抗性がんにおける、RXR作動性物質の有効性も報告されている(非特許文献8)。加えて、RXR作動性物質の血管新生抑制作用も報告されている(非特許文献9)。



また、RXR作動性物質は単独投与においても興味深い生理活性が得られている。たとえばII型糖尿病モデルマウスにRXR作動性物質を投与すると、インスリン抵抗性が改善され血糖値低下が見られることが報告されている(非特許文献10)。



またRXR作動性物質は、毛根周期に作用し毛髪育成作用があることから、育毛剤としての応用も報告されている(特許文献1)。



RXRの作動性物質及び拮抗性物質、即ちレキシノイド化合物は、分子構造の違いにより発現する遺伝子が異なることが知られている。既知のレキシノイド化合物は、図1に示すような化合物が挙げられるが、芳香族カルボン酸部位で閉環した複素環化合物タイプのレキシノイドは報告されていない。従来のレキシノイド化合物は、医薬用途に応用されているが、血中トリグリセリドの上昇などが副作用として問題となっているものもある。そこで、分子構造の異なる新たなレキシノイドの開発が望まれている。アルコキシ基を有する新規なレキシノイド化合物について報告されているが(特許文献2)、さらに新たな化合物が望まれている。

【非特許文献1】Science, 290, pp.2140-2144, 2000

【非特許文献2】Cell, 83, pp.841-850, 1995

【非特許文献3】アムノレイク錠2mg<タミバロテン製剤>日本新薬販売添付文書(2005年6月作成)

【非特許文献4】Journal of Medicinal Chemistry, 37, pp.1508-1517, 1994

【非特許文献5】The Journal of Clinical Investigation, 108, pp.1001-1013, 2001

【非特許文献6】Cancer Research, 58, pp.479-484, 1998など

【非特許文献7】Cancer Letters, 201, pp.17-24, 2003

【非特許文献8】Clinical Cancer Research, 10, pp8656-8664, 2004

【非特許文献9】British Journal of Cancer, 94, pp.654-660, 2006

【非特許文献10】Nature, 386, pp.407-410, 1997

【特許文献1】米国特許第5,962,508号公報

【特許文献2】国際公開WO2008/105386号パンフレット

産業上の利用分野


本発明は、核内受容体であるレチノイドX受容体(retinoid X receptor; RXR)に対し、作動性若しくは拮抗性物質として作用する化合物(以降、「レキシノイド化合物」と称す。)であり、複素環骨格からなる核内受容体リガンドである新規化合物に関する。さらにはその作用に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記の一般式IIで表される化合物。
一般式II:
【化学式2】


(式中、R3は、水素又はアルキル基であり、
N-Y-XにおけるX-Yは、N=N又はN=C-R5であり、R5は、アルキル基、フェニル基又は置換フェニル基であり、
Zは、カルボン酸エステル、並びにカルボキシル基及びその塩から選択され、Nに対し、パラ位に位置する化合物。)

【請求項2】
下記の一般式IVで表される、請求項に記載の化合物。
一般式IV:
【化学式4】


(式中、R3は、水素、又はメチル基であり、
R5は、メチル基、メチルフェニル基又はニトロフェニル基である。

【請求項3】
下記の一般式Vで表される請求項に記載の化合物。
一般式V:
【化学式5】


(式中、R3は、水素、又はメチル基である。

【請求項4】
請求項1~のいずれか1に記載の化合物を有効成分として含有するRXR受容体タンパク質の転写調節剤。
産業区分
  • 有機化合物
  • 薬品
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2008282792thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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技術移転に関しては岡山TLOが窓口になります。


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