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ヌクレオシド類似体またはその塩 コモンズ

国内特許コード P10S000424
整理番号 GI-H16-13
掲載日 2010年8月13日
出願番号 特願2006-535227
登録番号 特許第4887500号
出願日 平成17年9月16日(2005.9.16)
登録日 平成23年12月22日(2011.12.22)
国際出願番号 JP2005017168
国際公開番号 WO2006030906
国際出願日 平成17年9月16日(2005.9.16)
国際公開日 平成18年3月23日(2006.3.23)
優先権データ
  • 特願2004-270103 (2004.9.16) JP
発明者
  • 北出 幸夫
  • 上野 義仁
出願人
  • 国立大学法人岐阜大学
発明の名称 ヌクレオシド類似体またはその塩 コモンズ
発明の概要

化学的、生物的安定性および二本鎖形成能の2つの特性が優れたオリゴヌクレオチド類似体を製造可能にするヌクレオシド類似体およびそのヌクレオシド類似体を含むオリゴヌクレオチド類似体の提供を目的とする。
下記式(I)で表されるヌクレオシド類似体またはその塩により、解決される。
前記式(I)中、Rは、下記式(1)の基、下記式(2)の基、下記式(3)の基、下記式(4)の基、下記式(5)の基、下記式(6)の基、下記式(7)の基、下記式(8)の基、および官能基が保護基で保護されたそれらの基からなる群から選択されるいずれかの基であり、
k、l、mおよびnは、互いに独立して、1~10の整数である。
【化学式1】

【化学式2】

従来技術、競合技術の概要

近年、遺伝情報そのものを治療の対象としてとらえるという方法論が普及しつつある。この方法論の一つに、オリゴヌクレオチドを用いたアンチセンス法がある。アンチセンス法とは、化学合成したオリゴヌクレオチド類似体(例えば、15~20の塩基対から成る一本鎖DNA)を細胞に加え、標的メッセンジャーRNA(mRNA)とDNA等/mRNA二本鎖核酸を形成させることにより、標的遺伝子の発現を塩基配列特異的に抑制し、mRNAからタンパク質への翻訳過程を阻害する方法である。アンチセンス法では、病因となるウイルスまたは遺伝子の塩基配列が既知の場合、アンチセンス分子を理論的に設計し、それを合成するのが可能であることから、これまで治癒が困難と考えられてきた様々なウイルスを原因とする疾患および遺伝子疾患に対する有効な治療方法の一つとして期待されている。


また、ごく最近、オリゴヌクレオチドを用いた遺伝子発現抑制法として、RNAi(RNA inteference、RNA干渉)を利用した方法に、注目が集まっている。このRNAiとは、二本鎖RNAを細胞に導入することにより、同じ塩基配列を有する細胞の染色体由来のRNAが分解され、切断される現象を指す。このRNAiの機構は、現在のところ、次のように考えられている。先ず、長鎖二本鎖RNAが、酵素(Dicerと呼ばれる)により3’-UU型のダングリングエンド構造を持つ21塩基程度の長さの二本鎖RNA(siRNA(short interfering RNA)と呼ばれる)に加水分解される。そのsiRNAが、標的mRNAとRNA/mRNA二本鎖核酸を形成し、この二本鎖核酸を認識する細胞内タンパク質(RISC(RNA-induced Silencing Complex)と呼ばれる)と、この二本鎖核酸とが結合し、この結合体により、標的mRNAが切断されるというものである。このRNAiを利用する方法によると、多くの場合、アンチセンス法と比較して1/100程度の濃度のRNAを用いて同等の効果が得られている。従って、RNAiを利用する方法も、これまで治癒が困難と考えられてきた様々なウイルスを原因とする疾患および遺伝子疾患に対する有効な治療方法の一つとして期待が高まっている。


アンチセンス法、RNAiを利用する方法等に用いるのには、天然型オリゴヌクレオチドに含まれるリボース環を含むオリゴヌクレオチド類似体は、化学的、生物学的に非常に不安定であるという問題があった(例えば、非特許文献1参照)。一方、アンチセンス法、RNAiを利用する方法等で用いられるためには、天然型オリゴヌクレオチドとの二本鎖形成能力も要求されるが、化学的、生物学的に安定なオリゴヌクレオチド類似体は、通常、この二本鎖形成能力が低いという問題があった(例えば、非特許文献2参照)。このように、化学的、生物学的に安定という特性と、優れた二本鎖形成能力という特性は、両立するのが困難であるという問題があった。しかし、DNAチップ、遺伝子診断薬等にオリゴヌクレオチド類似体を用いる場合、安定した診断結果を得るためにも、これらの特性が優れたオリゴヌクレオチド類似体の提供が望まれていた。

【非特許文献1】Eugen Uhlmann and Anusch Peyman,″Antisense oligonucleotides:a new therapeutic principle″,Chemical Reviews,1990年、第90巻、p.543.
【非特許文献2】Jin yan Tang,Jamal Temsamani and Sudhir Agrawal,″Self-stabilized antisense oligonucleotide phosphorothioates:properties and anti-HIV activity″,Nucleic Acids Research,1993年、第21巻、p.2729.

産業上の利用分野

本発明は、ヌクレオシド類似体またはその塩に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】 下記式(I)で表されるヌクレオシド類似体またはその塩。
【化学式1】
前記式(I)中、R1は、下記式(1)の基、下記式(1)の基において、その官能基が保護基で保護された基、下記式(2)の基、下記式(2)の基において、その官能基が保護基で保護された基、下記式(3)の基、下記式(3)の基において、その官能基が保護基で保護された基、下記式(4)の基、下記式(4)の基において、その官能基が保護基で保護された基、下記式(5)の基、下記式(5)の基において、その官能基が保護基で保護された基、下記式(6)の基、下記式(6)の基において、その官能基が保護基で保護された基、下記式(7)の基、下記式(7)の基において、その官能基が保護基で保護された基、下記式(8)の基、および下記式(8)の基において、その官能基が保護基で保護された基からなる群から選択されるいずれかの基であり、
2は、Hまたは保護基であり、
3は、Hまたは保護基であり、
4は、Hまたは固相合成用活性化リン酸基であり、
kは、1であり、
l、mおよびnは、互いに独立して、1~10の整数である。
【化学式2】

【請求項2】 R2が、H、4,4’-ジメトキシトリチル(DMTr)、tert-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、4-モノメトキシトリチル(MMTr)、tert-ブチルジフェニルシリル(TBDPS)または(9-フェニル)キサンテン-9-イルであり、
3が、H、4,4’-ジメトキシトリチル(DMTr)、tert-ブチルジメチルシリル(TBDMS)、4-モノメトキシトリチル(MMTr)、tert-ブチルジフェニルシリル(TBDPS)または(9-フェニル)キサンテン-9-イルであり、
4が、Hまたは下記式(10)で表される基である請求項1に記載のヌクレオシド類似体またはその塩。
【化学式3】

【請求項3】 前記式(I)において、R1が、前記式(1)の基、前記式(2)の基、前記式(3)の基、前記式(4)の基、前記式(5)の基、前記式(6)の基、前記式(7)の基および前記式(8)の基からなる群から選択されるいずれかの基であり、k、l、mおよびnが、1である請求項1に記載のヌクレオシド類似体またはその塩。
【請求項4】 R1が前記式(1)の基であり、R2、R3およびR4がHである前記式(I)で表されるヌクレオシド類似体、
1が前記式(2)の基であり、R2、R3およびR4がHである前記式(I)で表されるヌクレオシド類似体、
1が前記式(3)の基であり、R2、R3およびR4がHである前記式(I)で表されるヌクレオシド類似体、
1が前記式(4)の基であり、R2、R3およびR4がHである前記式(I)で表されるヌクレオシド類似体、
1が前記式(5)の基であり、R2、R3およびR4がHである前記式(I)で表されるヌクレオシド類似体、
1が前記式(6)の基であり、R2、R3およびR4がHである前記式(I)で表されるヌクレオシド類似体、
1が前記式(7)の基であり、R2、R3およびR4がHである前記式(I)で表されるヌクレオシド類似体、および
1が前記式(7)の基において、その官能基がベンゾイルで保護された基であり、R2が4,4’-ジメトキシトリチル(DMTr)であり、R3が、tert-ブチルジフェニルシリル(TBDPS)であり、R4が、下記式(10)で表される基である前記式(I)で表されるヌクレオシド類似体からなる群から選択される請求項1に記載のヌクレオシド類似体。
【化学式4】

【請求項5】 オリゴヌクレオチドを構成する1以上のヌクレオシドが、ヌクレオシド類似体でそれぞれ置き換えられているオリゴヌクレオチド類似体であって、
前記ヌクレオシド類似体が、前記式(I)中、R1が、前記式(1)の基、前記式(2)の基、前記式(3)の基、前記式(4)の基、前記式(5)の基、前記式(6)の基、前記式(7)の基および前記式(8)の基からなる群から選択されるいずれかの基であり、R2、R3およびR4がHである請求項1に記載のヌクレオシド類似体であるオリゴヌクレオチド類似体。
【請求項6】 前記オリゴヌクレオチド類似体が、一本鎖オリゴヌクレオチドである請求項5に記載のオリゴヌクレオチド類似体。
【請求項7】 前記オリゴヌクレオチド類似体が、二本鎖形成能を有する請求項5に記載のオリゴヌクレオチド類似体。
【請求項8】 前記オリゴヌクレオチド類似体が、ヌクレアーゼ耐性である請求項5に記載のオリゴヌクレオチド類似体。
【請求項9】 オリゴヌクレオチドを含む遺伝子発現抑制剤であって、前記オリゴヌクレオチドが、請求項5に記載のオリゴヌクレオチド類似体である遺伝子発現抑制剤。
【請求項10】 遺伝子発現に伴う疾患を治療するための医薬組成物であって、
前記医薬組成物が、請求項9に記載の遺伝子発現抑制剤を含む医薬組成物。
【請求項11】 請求項5に記載のオリゴヌクレオチド類似体を含む検査キットであって、
前記オリゴヌクレオチド類似体が、検体中の遺伝子とハイブリッド形成することにより、前記遺伝子が検査されるキット。
【請求項12】 前記式(I)中、R1が、前記式(1)の基、前記式(1)の基において、その官能基が保護基で保護された基、前記式(2)の基、前記式(2)の基において、その官能基が保護基で保護された基、前記式(3)の基、前記式(3)の基において、その官能基が保護基で保護された基、前記式(4)の基、前記式(4)の基において、その官能基が保護基で保護された基、前記式(5)の基において、その官能基が保護基で保護された基、前記式(6)の基、前記式(6)の基において、その官能基が保護基で保護された基、前記式(7)の基、前記式(7)の基において、その官能基が保護基で保護された基、前記式(8)の基、および前記式(8)の基において、その官能基が保護基で保護された基からなる群から選択されるいずれかの基であり、R2、R3およびR4がHであり、下記式(II)で表される請求項1に記載のヌクレオシド類似体またはその塩の製造方法であって、
【化学式5】
下記式(VII)で表される化合物と、下記式(VIII)で表される化合物とを反応させ、下記式(IX)で表される化合物を得、
【化学式6】
前記式(IX)で表される化合物と、下記式(X)で表される化合物とを、塩基存在下に縮合させ、下記式(XI)で表される化合物を得、
【化学式7】
前記式(XI)で表される化合物の、R11、R12およびR13を除去することにより、式(II)で表されるヌクレオシド類似体またはその塩を得る製造方法。
前記式中、R5は、下記式(1)の基、下記式(1)の基において、その官能基が保護基で保護された基、下記式(2)の基、下記式(2)の基において、その官能基が保護基で保護された基、下記式(3)の基、下記式(3)の基において、その官能基が保護基で保護された基、下記式(4)の基、下記式(4)の基において、その官能基が保護基で保護された基、前記式(5)の基において、その官能基が保護基で保護された基、下記式(6)の基、下記式(6)の基において、その官能基が保護基で保護された基、下記式(7)の基、下記式(7)の基、下記式(8)の基、および下記式(8)の基において、その官能基が保護基で保護された基からなる群から選択されるいずれかの基であり、
【化学式8】
11は、保護基であり、
12およびR13は、一緒になって、式-CR1516-で表される基であり、
前記R15およびR16は、互いに独立して、水素原子、低級アルキル基および低級アルコキシル基からなる群から選択されるいずれかであり、
14は、式-SO2-R17で表される基であり、
前記R17は、低級アルキルで置換されていてもよいアリール基であり、
2は、互いに独立して、ハロゲン原子であり、
kは、1であり、
l、mおよびnは、互いに独立して、1~10の整数である。
【請求項13】 前記式(I)中、R1が、前記式(5)の基であり、R2、R3およびR4がHであり、下記式(III)で表される請求項1に記載のヌクレオシド類似体またはその塩の製造方法であって、
【化学式9】
前記式(XIII)で表される化合物の、R11、R12およびR13を除去すること、および加水分解により、式(III)で表されるヌクレオシド類似体またはその塩を得る製造方法。
前記式中、R11は、保護基であり、
12およびR13は、一緒になって、式-CR1516-で表される基であり、
前記R15およびR16は、互いに独立して、水素原子、低級アルキル基および低級アルコキシル基からなる群から選択されるいずれかであり、
3は、ハロゲン原子であり、
kは、1であり、
l、mおよびnは、互いに独立して、1~10の整数である。
産業区分
  • 有機化合物
  • 薬品
  • 微生物工業
国際特許分類(IPC)
画像

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出願権利状態 権利存続中
岐阜大学産官学連携推進本部では、岐阜大学における知的財産の創出・管理・活用のマネジメントをしています。上記の特許・技術に関心のある方は、下記問い合わせ先に整理番号とともにご相談下さい。


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