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部位特異的にタンパク質にチロシンアナログを導入する方法 コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P10S000427
整理番号 GI-H16-25
掲載日 2010年8月13日
出願番号 特願2007-521381
登録番号 特許第4654449号
出願日 平成18年6月14日(2006.6.14)
登録日 平成23年1月7日(2011.1.7)
国際出願番号 JP2006312370
国際公開番号 WO2006135096
国際出願日 平成18年6月14日(2006.6.14)
国際公開日 平成18年12月21日(2006.12.21)
優先権データ
  • 特願2005-174097 (2005.6.14) JP
発明者
  • 西川 一八
  • 横川 隆志
  • 大野 敏
出願人
  • 国立大学法人岐阜大学
発明の名称 部位特異的にタンパク質にチロシンアナログを導入する方法 コモンズ 新技術説明会
発明の概要

目的の遺伝子に変異を導入することなく、アンバーコドン等ストップコドン以外の、アミノ酸をコードするコドンにチロシンアナログを含む変異タンパク質の製造方法を提供することを1つの課題とする。
(イ) 酵母由来のチロシンtRNAに変異を導入し、AGU用に改変し、
(ロ) 酵母由来のチロシルtRNA合成酵素の変異体を利用し、
(ハ) 大腸菌細胞抽出液タンパク質合成系から全種類tRNAを選択的に分離し、
全種類tRNAからAGU用のtRNAのみを除去し、AGU用tRNA以外を再度大腸菌由来無細胞タンパク質合成系に戻す。
上記tRNATyr改変体及びチロシルtRNA合成酵素の変異体を用いて、AGU用tRNAを除いた大腸菌由来の無細胞タンパク質合成系により、非天然アミノ酸含有タンパク質を合成できることを見い出した。

従来技術、競合技術の概要


非天然アミノ酸含有タンパク質の調製方法としては次のような方法が知られている。
(1)サプレッサーtRNAを用い、本来3つある終始コドンの1つ(アンバーコドン)を非天然アミノ酸コドンとして、部位特異的に非天然アミノ酸を組み込む方法が開発された(非特許文献1:Science,244,182-188(1989))。本方法は、遺伝子中の非天然アミノ酸を導入したい部位のコドンをサプレッサーtRNAに対応するコドンに変異させ、かかる変異遺伝子を用いて、サプレッサーtRNAと非天然アミノ酸を化学的に結合された非天然アミノ酸結合tRNAの存在下で無細胞タンパク質翻訳を行わせることにより調製された。
その後、変異遺伝子を用いて、サプレッサーtRNAと非天然アミノ酸を化学的に結合された非天然アミノ酸結合tRNAをXENOPUS卵母細胞へ注入し、非天然アミノ酸を部位特異的に含むタンパク質が合成されている(非特許文献2:JBC vol.271,pp.23169)。
また、サプレッサーtRNAを利用する方法では、非天然アミノ酸の導入率が限られるということで、種々のtRNAの一部に非天然アミノ酸を結合させる方法(特許文献1参照)がある。この製造法は、無細胞タンパク質合成系下で、特定のアミノ酸に対応するアイソアクセプティングtRNAのうち、一部のもののみを非天然アミノ酸と結合させたものと、タンパク質構成アミノ酸(以下標準アミノ酸もしくは天然アミノ酸と呼ぶこともある)とを用いてタンパク質合成を行って、非天然アミノ酸を特定のコドングループに組込むものである。
更に、最近では、特定のアミノアシルtRNA合成酵素とtRNAを組み合わせて用いることにより、tRNAを再利用しつつ、非天然アミノ酸含有タンパク質(以下非天然アミノ酸タンパク質とも呼ぶ)を合成することが行われている。メタノコッカス属由来のチロシルtRNA合成酵素(TyrRS)を非天然アミノ酸に特異的に変異させた変異体酵素と内生tRNAを用いて大腸菌内で非天然アミノ酸含有タンパク質の合成を行っている(非特許文献3:Science vol.292,pp.498-500)。
本願発明者らも、すでに、チロシンアナログと、サプレッサーtRNAと、前記チロシンアナログをサプレッサーtRNAに結合させるアミノアシルtRNA合成酵素変異体とを含有するタンパク質合成系に、鋳型を加えてタンパク質合成させる方法を発明している。本方法は、チロシンアナログとして、アジドチロシン、アセチルチロシン、アミノチロシン又はドーパを導入できるものである(特許文献2:特開2004-261160)。
一方、従来より、タンパク質のX線結晶構造解析には、例えば非特許文献4に開示されている方法により製造されたセレノメチオニン置換タンパク質が用いられている。このセレノメチオニン置換タンパク質を製造する際には、まず、大腸菌のメチオニン要求株と目的タンパク質の遺伝子が挿入されているプラスミドを準備して形質転換を行った後、抗生物質を含むアガロースゲルプレートを用いて目的タンパク質を発現する単一コロニーを単離する。次に、単離された形質転換体をメチオニンの代わりにセレノメチオニンを含む培地中で培養することにより目的タンパク質を発現させて精製するものである。

【特許文献1】特許第3317983号

【特許文献2】特開2004-261160号

【非特許文献1】Science,244,182-188(1989)

【非特許文献2】JBC vol.271,pp.23169

【非特許文献3】Science vol.292,pp.498-500

【非特許文献4】清水敏之、岡田健吾、箱嶋敏雄、第17章 X線結晶構造解析セレノメチオニン置換タンパク質の発現と調製、「基礎生化学実験法3 タンパク質I.検出・構造解析法」、株式会社東京化学同人、第1版第1刷 2001年2月15日、p.189-190。

産業上の利用分野


本願発明は、任意の天然アミノ酸を非天然アミノ酸に代えた非天然アミノ酸含有タンパク質を合成方法に関する。より具体的には、タンパク質をコードする遺伝子の特定部位のコドンに非天然アミノ酸を導入するように翻訳する、非天然アミノ酸含有蛋白質の製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】 無細胞タンパク質合成系に、
(1)タンパク質をコードする遺伝子、
(2)改変型tRNATyr、および
(3)前記改変型tRNATyrをチロシンアナログ化することができるD321Rの変異を有する変異型チロシルtRNA合成酵素
を添加して、前記タンパク質中の特定部位のアミノ酸を非天然アミノ酸に変異させた非天然アミノ酸含有タンパク質を製造する方法。
【請求項2】 前記改変型tRNATyrがアンチコドンを前記タンパク質中の前記特定部位をコードするコドンに対応させた請求項1記載の非天然アミノ酸含有タンパク質を製造する方法。
【請求項3】 前記無細胞タンパク質合成系が、前記タンパク質の非天然アミノ酸に変異させる特定部位のアミノ酸コドンに対応する天然のtRNAを選択的に減少又は除去された無細胞タンパク質合成系を用いる請求項1又は2記載の非天然アミノ酸含有タンパク質を製造する方法。
【請求項4】 変異させる特定部位のアミノ酸コドンに対応するtRNAを固定化プローブDNAを用いて無細胞タンパク質合成系から減少又は除去された請求項3記載の方法。
【請求項5】 改変型tRNATyrのアンチコドン部分がコドンAGY用に変更された改変型tRNATyrである請求項1~いずれか1項記載の方法。
【請求項6】 D321Rの変異を有する変異型チロシルtRNA合成酵素が、以下の(1)、又は(2)のいずれかからなる変異体である請求項1~いずれか1項記載の方法。
(1)配列番号1で示されるチロシルtRNA合成酵素のアミノ酸配列に対し、1又は数個のアミノ酸が置換、付加及び/又は欠失した配列で示される、改変型tRNATyrをチロシンアナログ化できるD321Rの変異を有する変異型チロシルtRNA合成酵素
(2)配列番号1で示される酵母由来チロシルtRNA合成酵素と同一性が90%以上のアミノ酸配列で示され、改変型tRNATyrをチロシンアナログ化できるD321Rの変異を有する変異型チロシルtRNA合成酵素
【請求項7】 改変型tRNATyrが以下の(1)、及び/又は(2)からなる改変型tRNATyrである請求項1~いずれか1項記載の方法。
(1)酵母tRNATyrの塩基配列において、アンチコドン部位及び/又はその他塩基が変更された塩基配列で表される改変型tRNATyr
(2)tRNATyrの塩基配列において、少なくとも3’末端にACCAの配列を有する塩基配列で表される改変型tRNATyr
【請求項8】 改変型tRNATyrが以下の(1)又は(1)及び(2)からなる改変型tRNATyrである請求項1~いずれか1項記載の方法。
(1)酵母tRNATyrの塩基配列において、アンチコドン部位が、ACU、UAA、GCG、GCU、GGA、及びUGUから選択されるいずれかのアンチコドンである改変型tRNATyr
(2)少なくとも3’末端にACCAの配列を有する改変型tRNATyr
【請求項9】 無細胞タンパク質合成系に、
(1)タンパク質をコードする遺伝子、
(2)改変型tRNATyr、および
(3)前記改変型tRNATyrをチロシル化することができるD321Rの変異を有する変異型チロシルtRNA合成酵素
を添加し、前記タンパク質中の特定部位のアミノ酸を他のアミノ酸に変異させた非天然タンパク質を製造する方法。
産業区分
  • 微生物工業
国際特許分類(IPC)
画像

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出願権利状態 権利存続中
岐阜大学産官学連携推進本部では、岐阜大学における知的財産の創出・管理・活用のマネジメントをしています。上記の特許・技術に関心のある方は、下記問い合わせ先に整理番号とともにご相談下さい。


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