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絶縁ガス分解検出装置及び分解ガス検出方法

国内特許コード P10A015650
整理番号 QP03032
掲載日 2010年8月31日
出願番号 特願2004-021531
公開番号 特開2005-214788
登録番号 特許第4500993号
出願日 平成16年1月29日(2004.1.29)
公開日 平成17年8月11日(2005.8.11)
登録日 平成22年4月30日(2010.4.30)
発明者
  • 末廣 純也
出願人
  • 国立大学法人九州大学
発明の名称 絶縁ガス分解検出装置及び分解ガス検出方法
発明の概要

【課題】本発明は、絶縁ガスの分解ガスに対して、高感度で高速に応答し、安価で、製造が容易なガス絶縁機器用分解ガスセンサと、それを検出する絶縁ガス分解検出装置、及び分解ガス検出方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、高電圧電気機器に封入された絶縁ガスの分解ガスを検出することができるガス絶縁機器用分解ガスセンサ1であって、半導体カーボンナノ材料2からなる検出部を備え、分解ガスが半導体カーボンナノ材料2に吸着して反応することにより、検出部がインピーダンス変化を出力することを主要な特徴とする。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


1960年代末から、変電設備として絶縁性に優れた六フッ化硫黄ガス(以下、SFガス)が封入されたガス絶縁開閉装置(Gas Insulated Switchgear、以下GIS)、ガス遮断器(Gas Circuit Breaker、以下GCB)等の導入が進んでいる。なお、SFガスは平等電界中同一圧力の空気と比較して約3倍の絶縁耐力をもつ無毒、無臭、不活性の気体である。この変電設備には設備診断、例えば部分放電や地絡等に対する設備診断がなされる必要があり、とくに導入後長く使用されている設備ではこの診断が欠かせない。こうした設備診断で部分放電等が生じているのを検出するため、従来、放電でSFが分解された分解ガスを検出できる検知管(ガスチェッカー)が使用されている。しかし、検知管は定量性や感度が悪く、これを使って部分放電をリアルタイムに検出するのは困難であった。オンラインの制御には利用できない。部分放電が広がった時点で始めて検出可能になるものである。管理も冷蔵庫によって保管しなければならず、使い捨てで費用がかかるものであった。そこで、固体電解質を利用したSF分解ガスセンサが提案された(特許文献1参照)。



このSF分解ガスセンサは、検出電極、フッ素イオン導電性の固体電解質、対向電極からなり、両電極は固体電解質を間に挟んで密着して設けられる。検出を行うときは、検出電極がSF分解ガスと接触するように被検出ガスの雰囲気中に設置し、検出電極と対向電極の間に直流電圧を印加する。この直流電圧の印加により検出電極で電極反応が生じて含フッ素ガスが電気分解され、このときの電気分解により生じる起電圧に基づく電流を、信号出力として電流計で検出し、この電流値から含フッ素ガス濃度を知るものである。しかし、このSF分解ガスセンサは反応感度に大きなバラツキがあって信頼性に欠け、感度は0.2ppm程度が限界であった。しかも応答が遅いという弱点もあった。従って、この固体電解質を利用したガス検出装置によって部分放電を初期の段階で検知するのは、難しいものであった。



このほか、GIS内で部分放電が発生したときに、外部に電磁波が漏れるのを利用して部分放電を検知する技術も提案されている(特許文献2参照)。これは、漏れた電磁波をアンテナで検出し、バンドパスフィルタを通し、増幅後にコンパレータで比較し、基準レベルを越えたときブザー等を鳴動させるものである。しかしながら、変電設備ではノイズが発生し易く、誤判定を起こす可能性が高かった。



このように、高電圧電気機器の絶縁ガスの分解を検知するセンサとして多くの種類が提案されているが、高感度で信頼性の高いセンサは未だ提案されていない。また、このような高感度のセンサが存在していないこともあり、GIS内で微量にしか発生しない分解ガスが、実際にどのような組成を有し、部分放電等でどのような反応が起こっているのか、あまり解明されていない状況にある。



ところで、近年のカーボンナノチューブの研究から、カーボンナノチューブ(以下、CNT)をガスセンサに応用することが注目されている。ガス分子が半導体CNTに吸着すると両者間で電荷移動を起こし、半導体CNTの電気的特性(コンダクタンス、キャパシタンス)が変化するため、CNTガスセンサはこの現象を利用してガスを検知するものである。しかし、ガスの中でも、半導体CNTとの間で電荷移動が大きいガスだけが、実際にセンサとして有効となる。現在、CNTで検出可能性ありと報告されているのは、NH、NO、水蒸気、エタノール、CO、CO、C等の数種類のガスにすぎない。



ただCNTセンサの構造については、こうした困難が比較的少ないためか、例えば多数の半導体CNTを直接センサ電極上で成長させたCNTセンサや、予め生成した多数の半導体CNTを溶媒に分散して電極間に塗布、乾燥させてランダムに集積したCNTセンサ等が提案されている(特許文献3参照)。しかし、両センサとも、ナノサイズの半導体CNTを自在に操れないために、直接電極で成長させ、また塗布を行っている。



なお、このような微小な物体の操作方法として、本発明者は、従来微生物等の微小物体を操作するDEPIM(Dielectrophoretic Impedance Measurement Method)法を提案している(特許文献4)。このDEPIM法は、不平等電界で分極した微小物体を誘電泳動力によりマイクロ電極に捕集するものである。




【特許文献1】特開2003-66001号公報

【特許文献2】特開2002-116235号公報

【特許文献3】特開2003-227808号公報

【特許文献4】特開2003-224号公報

産業上の利用分野


本発明は、安価で高速に応答し、検出精度が高く、製造が容易なカーボンナノ材料のガス絶縁機器用分解ガスセンサと、それを複数箇所に設置して分解ガスの発生位置を検出できる絶縁ガス分解検出装置、さらに絶縁用ガスの分解ガス検出方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
交流電圧印加時に不平等電界を発生する電界集中用縁部がそれぞれに設けられた一対の電極と、半導体カーボンナノ材料が正の誘電泳動力によって集積されかつこのときの電界に従った形態の架橋構造をなした検出部とを備え、高電圧電気機器内に所定間隔で複数配置されると共に、前記高電圧電気機器に封入された絶縁ガスが部分放電により反応を起こしたときに生成される分解ガスを前記検出部で検出し、前記絶縁ガスにSFガスが含まれかつ水分が含まれる場合には、前記半導体カーボンナノ材料への吸着で前記電極からHF又はSOガスによるインピーダンス変化の出力を行うガス絶縁機器用分解ガスセンサと、
前記ガス絶縁機器用分解ガスセンサにそれぞれ電圧を印加するための電源と、
該電圧が印加されたとき各ガス絶縁機器用分解ガスセンサのインピーダンス変化をそれぞれ検出する測定部と、
前記制御部によって、基準値以上のインピーダンス変化を出力したガス絶縁機器用分解ガスセンサの位置を基に部分放電が発生した位置判定することを特徴とする絶縁ガス分解検出装置。

【請求項2】
前記ガス絶縁機器用分解ガスセンサが前記インピーダンス変化としてコンダクタンス変化を出力することを特徴とする請求項記載の絶縁ガス分解検出装置

【請求項3】
前記ガス絶縁機器用分解ガスセンサが前記インピーダンス変化としてキャパシタンス変化を出力することを特徴とする請求項記載の絶縁ガス分解検出装置

【請求項4】
前記ガス絶縁機器用分解ガスセンサの前記電極が絶縁基板上に設けられた薄膜電極であって、前記電界集中用縁部が該電極のそれぞれに形成された突出部のエッジであることを特徴とする請求項記載の絶縁ガス分解検出装置

【請求項5】
交流電圧印加時に不平等電界を発生する電界集中用縁部がそれぞれに設けられた一対の電極と、半導体カーボンナノ材料が正の誘電泳動力によって集積されかつこのときの電界に従った形態の架橋構造をなした検出部とを備え、高電圧電気機器内に所定間隔で複数配置されると共に、前記高電圧電気機器に封入された絶縁ガスが部分放電により反応を起こしたときに生成される分解ガスを前記検出部で検出し、前記絶縁ガスにSFガスが含まれかつ水分が含まれる場合には、前記半導体カーボンナノ材料への吸着で前記電極からHF又はSOガスによるインピーダンス変化の出力を行うガス絶縁機器用分解ガスセンサを高電圧電気機器の絶縁ガス中に所定間隔で複数配置し、前記ガス絶縁機器用分解ガスセンサに、前記絶縁ガスから発生した分解ガスを前記半導体カーボンナノ材料と反応させ、前記検出部のインピーダンス変化によって分解ガスを検出し、部分放電の位置を検出することを特徴とする分解ガス検出方法。
産業区分
  • 試験、検査
  • 電線ケーブル
  • 電子部品
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2004021531thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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