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お茶からの成分抽出法および抽出物

国内特許コード P10A015671
整理番号 QP070028
掲載日 2010年8月31日
出願番号 特願2007-222806
公開番号 特開2009-051797
登録番号 特許第5234725号
出願日 平成19年8月29日(2007.8.29)
公開日 平成21年3月12日(2009.3.12)
登録日 平成25年4月5日(2013.4.5)
発明者
  • 近藤 哲男
  • 笠井 稚子
出願人
  • 国立大学法人九州大学
発明の名称 お茶からの成分抽出法および抽出物
発明の概要

【課題】茶葉からの新規で低コストのカテキン類抽出法を提供するとともに、茶葉セルロースの有効利用につながる独創的な手段を提供すること。
【解決手段】水中対向処理衝突法を用いた茶葉からの成分の抽出方法および抽出物、並びに茶葉の対向処理衝突物の用途を提供する。
【選択図】図7

従来技術、競合技術の概要


1.カテキン類
茶葉中には多くのカテキン類が存在する。カテキン類は、抗酸化作用、抗癌作用、血中コレステロール低下作用、抗菌作用、消臭作用等の作用を持つといわれる。茶葉中にはカテキン類が10~20%程度存在し、その熱湯抽出物(カテキン含量約30%)や精製カテキン(カテキン含量60~90%)が食品、健康食品として利用されており、より簡便に大量に低コストでカテキン類を抽出する技術が望まれている。また、茶カス中にはカテキン類が残存していると考えられ、これらのカテキン類を抽出することができれば廃棄物の有効利用にもつながる。



緑茶においてはタンニンとも呼ばれるカテキン類はいくつかのポリフェノール化合物の総称で、エピカテキン(EC)、エピガロカテキン(EGC)、エピカテキンガレート(ECg)、エピガロカテキンガレート(EGCg)の4種が主に含まれ、その含有量は、茶種、品質等により差があるが、合計量で茶葉乾燥重量の10~15%程度が一般的である(非特許文献1:Goto,T., Y.Yoshida, I.Amano and H.Horie:Foods and Food Ingradients J.Japan,170,46-52(1996))。それぞれのカテキン成分の薬理活性が異なるといわれている。茶葉には、植物性アルカロイドであるカフェインも含まれる。カフェインについては、興奮作用や利尿作用等の生理活性が知られている。



茶葉からのカテキン類の抽出方法としては、まず茶葉を蒸熱処理することによって熱水抽出で一段抽出を行い、次に残存するカテキン類を有機溶媒(エタノール)抽出において抽出するのが、従来の方法である。この方法は、防爆設備等の設備および溶媒回収が必要であり、コストがかかるという問題がある。



2.セルロース
セルロースは植物の細胞壁の主成分であり、ツバキ科ツバキ属の木本性常緑樹である茶の葉(茶葉)の成分でもある。セルロースはβ-グルコースが1→4グルコシド結合で直鎖状に縮合した繊維状高分子であり、化学的に安定で加水分解しにくいが、酵素や濃酸または濃アルカリのような薬剤によって分解されると目的に応じて溶解性や親水性バランス、疎水性を自由に変えることができ、工業製品や食品など幅広い用途がある。



一方、本発明者らは、セルロースに水中で対向衝突(カウンターコリジョン)処理を施し、その重合度を含めて化学構造を変化させることなくセルロースをナノ微細化する技術を開発している(特許文献1:特開2005-270891)。この水中対向衝突処理は、高圧式ホモジナイザーを用いて水中で処理対象を微細粉砕する技術であり、セルロース等の多糖類の分子はほぼ水中に分散した状態にまで粉砕される。この処理自体はケミカルフリーかつ低エネルギーで行われる。



セルロースは、グルコピラノース骨格からなる多糖である。この糖骨格分子構造には、骨格に平行な方向へ水酸基に由来する親水性、及び骨格に垂直な方向へC-H基に由来する疎水性サイトが存在する(図1)。そのような分子が集合したセルロース天然繊維表面でも同様に、それぞれ性質が異なる親水性・疎水性サイトに分かれる。例えば、親水性面が固体表面に現れれば水と親和するが、疎水性面が表面に配列した場合、その表面はテフロン(登録商標)並みの撥水性を有することになる(図2)。



ナノサイズの天然繊維においては、比表面積が大きく、相手物質との界面で、強い相互作用が可能になると推定される。とくに、この両親媒性(親水と疎水)を有する界面相互作用しやすい天然セルロースナノ繊維で材料表面をコーティングすれば、似た性質を示す繊維側の面が材料表面に吸着し、得られる表面は逆の性質を示す繊維の影響が現れてくる。すなわち、親水表面はより疎水化され、疎水表面はより親水化され、その性質の変更が可能になると期待される。本発明者らは、このような性質を利用して、バクテリアセルロース又は草本植物由来のセルロース繊維を対向衝突処理して得られるセルロースナノ繊維から形成されるセルロースナノ繊維被膜で基材表面を被覆することによる、基材表面の改質方法を考案している(未公開国際出願:PCT/JP2007/51810)。

【特許文献1】特開2005-270891

【非特許文献1】Goto,T., Y.Yoshida, I.Amano and H.Horie:Foods and Food Ingradients J.Japan,170,46-52(1996)

産業上の利用分野


本発明は、水中対向処理衝突法を用いた茶葉からの成分の抽出方法および抽出物、並びに茶葉の対向処理衝突物の用途に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
茶葉の分散液を一対のノズルから70~250MPaの高圧でそれぞれ噴射させると共に、その噴射流を互いに衝突させて茶葉を微細粉砕する工程を有することを特徴とする、カテキン類の製造方法。

【請求項2】
茶葉の分散液を一対のノズルから70~250MPaの高圧でそれぞれ噴射させると共に、その噴射流を互いに衝突させて茶葉を微細粉砕し、カテキン類を水に溶解した状態およびナノセルロース表面に吸着した状態で得る工程を有することを特徴とする、カテキン類の製造方法。

【請求項3】
茶葉の分散液を一対のノズルから70~250MPaの高圧でそれぞれ噴射させると共に、その噴射流を互いに衝突させて茶葉を微細粉砕する工程を有することを特徴とする、ナノセルロース表面にカテキン類が吸着した物質の製造方法。

【請求項4】
前記カテキン類が、エピガロカテキンガレート、エピガロカテキン、エピカテキンガレートおよびエピカテキンから選択される少なくとも一種以上のカテキンを含むことを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の製造方法。

【請求項5】
茶葉の分散液を一対のノズルから70~250MPaの高圧でそれぞれ噴射させると共に、その噴射流を互いに衝突させて茶葉を微細粉砕することにより得られる、ナノセルロース表面にカテキン類が吸着した物質を含有する溶液およびナノ分散液

【請求項6】
請求項6に記載の溶液を乾燥させることにより得られる、ナノセルロース表面にカテキン類が吸着した物質を含有する粉末

【請求項7】
前記カテキン類が、エピガロカテキンガレート、エピガロカテキン、エピカテキンガレートおよびエピカテキンから選択される少なくとも一種以上のカテキンを含むことを特徴とする、請求項5に記載の溶液または請求項6に記載の粉末。
産業区分
  • 有機化合物
  • 農林
  • 高分子化合物
  • 薬品
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2007222806thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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