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混合SAMの作製方法 新技術説明会

国内特許コード P10A015693
整理番号 QP070129
掲載日 2010年8月31日
出願番号 特願2008-059057
公開番号 特開2009-216483
登録番号 特許第5361221号
出願日 平成20年3月10日(2008.3.10)
公開日 平成21年9月24日(2009.9.24)
登録日 平成25年9月13日(2013.9.13)
発明者
  • 水田 完
  • 小野寺 武
  • 都甲 潔
出願人
  • 国立大学法人九州大学
発明の名称 混合SAMの作製方法 新技術説明会
発明の概要

【課題】二以上の異なるSAM構成分子の比率を所望の比率で基板上に形成させ、かつその比率を安定な状態で維持できる混合SAMの作製方法、並びにそのような混合SAMを有するセンサチップ及びその作製方法の提供を目的とする。
【解決方法】混合SAMを多段階的に形成させる混合SAMの作製方法、すなわち、一方の末端に固定基を有し、他方の末端に第1連結基を有する第1ポリエチレングリコール(PEG)鎖を含む混合液に基板表面を接触させ、前記固定基を介して第1PEG鎖を前記基板表面に固定するステップ、及び一方の末端に第2連結基を有する二以上の異なる第2PEG鎖を含む混合液に前記基板表面を接触させ、前記第2連結基と前記第1連結基とを介して第2PEG鎖を前記第1PEG鎖と連結するステップを含む方法を提供する。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


近年、高感度センサにおいて、自己組織化単分子膜(Self-Assembling Monolayer:SAM)がプローブを固体基板上に配置する目的で利用されている(非特許文献1、2)。SAMとは、基板を溶液に浸漬することにより、自発的に該基板表面に形成される高密度かつ高配向な単分子膜である。中でもポリエチレングリコール(PEG)を配向させたSAMは、PEGの持つ溶液中での高い可撓性、親水性、非イオン性によって、非特異的吸着を抑制することが知られている(非特許文献3)。このようなSAMは、高感度能を有しながらも物質の特異的な結合と非特異的吸着とを識別することはできない表面プラズモン共鳴(SPR)測定センサにおいて、特に有用である。しかしながら、SPR測定センサと抗原抗体反応を組み合わせた超高感度なセンサシステム(抗原抗体/SPRセンサシステム)等において、ppbオーダー以上の感度を必要とするときには単一のPEGのみで形成されるSAMだけでは、非特異的吸着の抑制は、十分ではない。このような場合、一般に、バックグラウンドとしてEG(エチレングリコール)末端を有する化合物を一定比率で混在させた混合SAM(mixed SAM)が利用される。混合SAMとは、複数の異なるSAM構成分子を基板上に配向したSAMである。PEGを含むSAMの中でもEG末端を有する化合物は、非特異的吸着の抑制効果が特に優れていることが知られている(非特許文献3、4)。したがって、EG末端を有する化合物を含む混合SAMにおいては、SAMの非特異的吸着の抑制効果をさらに高めることができる。



ところで、前記混合SAMは、通常、基板となる金薄膜に異なる二つのPEG構成分子、すなわちEG末端を有するアルカンチオール化合物とリガンドを結合するための末端を有するアルカンチオール化合物とを一定比率で混合した溶液中に直接浸漬することによって作製される。ところが、従来の方法は、溶液中で混合SAMが高密度に配向されるまでに数日という長い時間を要していた。そのため、その間にPEG構成分子が熱力学的に安定な長鎖アルカンチオールへと置換してしまい(非特許文献5)、溶液中の異なる2つのチオール化合物の混合比率をセンサチップ表面に反映させることできないという問題があった(非特許文献6)。これは、センサチップ毎に検出感度、及び非特異的吸着の抑制効果が異なる原因となり、ひいては、センサの検出精度に大きな影響を及ぼしていた。




【非特許文献1】Yu, Q., et al., Sens. Actuators B, 107, pp.193-201, 2005

【非特許文献2】Gobi, K. V., et al., Biosens. Bioelectron., 22, pp.1382-1389, 2007

【非特許文献3】藤井永治ら, 2007, BUNSEKI KAGAKU, Vol.52, pp.311-317

【非特許文献4】Silin, V., et al., J. Colloid Interface Sci., 185, pp.94-103, 1997.

【非特許文献5】Xing, Y. F., et al., J. Electroanal. Chem., 583, pp.124-132, 2005

【非特許文献6】K. E. Nelson, et al., Langmuir, 17, pp.2807-2816, 2001

産業上の利用分野


本発明は、混合SAMの作製方法、並びに当該方法で作製された混合SAMを用いたセンサチップの作製方法及び当該センサチップを用いたセンサに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
(1)一方の末端に固定基を有し、他方の末端に第1連結基を有する第1ポリエチレングリコール(PEG)鎖を含む混合液に基板表面を接触させ、前記固定基を介して第1PEG鎖を前記基板表面に固定するステップと、
(2)一方の末端に第2連結基を有する二以上の異なる第2PEG鎖を含む混合液に前記基板表面を接触させ、前記第2連結基と前記第1連結基の結合により第2PEG鎖を前記第1PEG鎖と連結するステップを含む
混合自己組織化単分子膜(混合SAM)の作製方法。

【請求項2】
少なくとも一の第2PEG鎖が他方の末端に非特異的吸着抑制基を有する、請求項1に記載の作製方法。

【請求項3】
前記非特異的吸着抑制基がヒドロキシル基(-OH)又はメトキシ基(-OCH3)である、請求項2に記載の作製方法。

【請求項4】
少なくとも一の第2PEG鎖が他方の末端にリガンド連結基を有する、請求項1又は2に記載の作製方法。

【請求項5】
リガンド連結基がカルボキシル基(-COOH)、アミノ基(-NH3)、アルデヒド基(-CHO)、チオール基(-SH)、スルホ基(-SO3H)、オキシム(>C=N-OH)、シアノ基(-C≡H)、ニトロ基(-NO2)からなる群より選択される活性官能基である、請求項4に記載の作製方法。

【請求項6】
前記第1連結基と前記第2連結基が、アミノ基とアルデヒド基、チオール基とマレイミド基、アジド基とアセチレン基、アジド基とアミノ基、ヒドラジン基とケトン基、ヒドラジン基とアルデヒド基、及びビオチンとアビジン若しくはストレプトアビジンからなる群より選択される組であり、前記第1PEG鎖と前記第2PEG鎖を直接的に結合する、請求項1~5のいずれか1項に記載の作製方法。

【請求項7】
前記(1)ステップの後に、リンカーを含む混合液に第1PEG鎖を固定した基板を接触させるステップをさらに含み、
前記(2)ステップで、第1PEG鎖と第2PEG鎖とが前記リンカーを介して結合する、請求項1~6のいずれか1項に記載の作製方法。

【請求項8】
前記(2)ステップの混合液中にリンカーをさらに含み、第1PEG鎖と第2PEG鎖とが前記リンカーを介して結合する、請求項1~6のいずれか1項に記載の作製方法。

【請求項9】
基板表面が金属である、請求項1~8のいずれか1項に記載の作製方法。

【請求項10】
前記金属が金、白金、銀及び銅からなる群より選択される、請求項9に記載の作製方法。

【請求項11】
前記固定基がチオール基である、請求項9又は10に記載の作製方法。

【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載の作製方法によって作製された混合SAMの表面に、リガンドを含む混合液を接触させ、第2PEG鎖における他方の末端に前記リガンドを結合させるセンサチップの作製方法。

【請求項13】
リガンドが核酸、ペプチド若しくはタンパク質又はそれらの断片、ハプテンを含む抗原、あるいはビオチンである、請求項12に記載の作製方法。
産業区分
  • 治療衛生
  • 高分子化合物
  • 微生物工業
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2008059057thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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