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深穴加工用先端工具のガイド部配置構造及びガイド部配置方法

国内特許コード P10A015707
整理番号 QP080059
掲載日 2010年8月31日
出願番号 特願2008-334663
公開番号 特開2010-155303
登録番号 特許第4951788号
出願日 平成20年12月26日(2008.12.26)
公開日 平成22年7月15日(2010.7.15)
登録日 平成24年3月23日(2012.3.23)
発明者
  • 松崎 健一郎
  • 末岡 淳男
  • 劉 孝宏
  • 森田 英俊
出願人
  • 国立大学法人九州大学
  • 独立行政法人国立高等専門学校機構
発明の名称 深穴加工用先端工具のガイド部配置構造及びガイド部配置方法
発明の概要

【課題】 先端工具に第3のガイド部を適切な位置に配置して工具の挙動の不安定な状態を解消し、周期的にあらわれる変形や変位をなくして、加工後の穴内周の表面状態を適切なものとすることができ、加工精度を高められるBTA加工用先端工具のガイド部配置構造及びガイド部配置方法を提供する。
【解決手段】 先端工具1の刃部10に加わる力の分力をそれぞれ受ける二つのガイド部21、22に加え、工具の不安定性を抑える第3のガイド部23を適切な位置に配設して、加工中の工具の自励振動につながる変位の変動を三つのガイド部で制限することにより、工具全体を安定に動作する状態に維持して、穴断面を多角形とするような不安定状態に陥らず、加工後の穴内面にライフリングマーク等があらわれず、問題のない表面状態として加工精度を高められると共に、追加工や仕上げ作業も不要となり、手間やコストの面でも有利となる。
【選択図】 図1

従来技術、競合技術の概要


BTA(Boring Trepanning Association)方式での深穴加工は、ボーリングバーと呼ばれる中空軸に特殊な先端工具を取付け、これらの工具又は被削材を回転させながら、ボーリングバーと被削材との隙間から切削油を高圧注入し、ボーリングバーの中空部分を通して切削屑と油を排出することで、穴あけ加工を行う仕組みである。先端工具には、切削を行う刃部と、工具外周で被削材の穴内面と接触して切削油を通す隙間を生じさせつつ刃部の切削力を受けて支えるガイド部とが取付けられている。こうしたBTA方式での深穴加工に用いる装置の一例として、特開2008-6532号公報に開示されるものがある。

【特許文献1】特開2008-6532号公報

産業上の利用分野


本発明は、BTA方式等での深穴加工に用いる先端工具におけるガイド部の配置構造及び配置方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
切削油を供給されつつ深穴加工を行うための先端工具における、工具外周で被削材の穴内面と接触して切削油を通す隙間を生じさせつつ刃部の切削力を受けるガイド部の配置構造において、
前記ガイド部が先端工具外周に三つ配設され、刃部に対する、ガイド部の工具回転中心から工具径方向に最も離れた部分の回転方向中心位置が、工具回転中心に対する刃部の切れ刃位置を0として、刃部の切削力を受ける向きに90°±10°回転した位置となる第1のガイド部と、180°±10°回転した位置となる第2のガイド部と、前記切れ刃位置からの回転角度が181°ないし220°となる角度範囲に、ガイド部の工具回転中心から工具径方向に最も離れた部分の回転方向中心位置を配置される第3のガイド部とからなることを
特徴とする深穴加工用先端工具のガイド部配置構造。

【請求項2】
切削油を供給されつつ深穴加工を行うための先端工具における、工具外周で被削材の穴内面と接触して切削油を通す隙間を生じさせつつ刃部の切削力を受けるガイド部の配置構造において、
前記ガイド部が、先端工具外周に、切削力の主分力を受ける第1のガイド部、切削力の背分力を受ける第2のガイド部、及び第3のガイド部の三つを配設され、
前記第2のガイド部の刃部に対する、ガイド部の工具回転中心から工具径方向に最も離れた部分の回転方向中心位置が、工具回転中心に対する刃部の切れ刃位置を0として、刃部の切削力を受ける向きに180°±10°回転した位置となり、
前記第3のガイド部が、前記切れ刃位置からの回転角度が181°ないし220°となる角度範囲に、ガイド部の工具回転中心から工具径方向に最も離れた部分の回転方向中心位置を配置されることを
特徴とする深穴加工用先端工具のガイド部配置構造。

【請求項3】
前記請求項1又は2に記載の深穴加工用先端工具のガイド部配置構造において、
前記第3のガイド部が、工具回転中心から工具径方向に最も離れた部分の回転方向中心位置を、刃部の切削力を受ける向きに205°ないし208°回転した位置とされることを
特徴とする深穴加工用先端工具のガイド部配置構造。

【請求項4】
切削油を供給されつつ深穴加工を行うための先端工具における、工具外周で被削材の穴内面と接触して切削油を通す隙間を生じさせつつ刃部の切削力を受けるガイド部の配置構造において、
前記ガイド部が先端工具外周に三つ配設され、刃部に対する、ガイド部の工具回転中心から工具径方向に最も離れた部分の回転方向中心位置が、工具回転中心に対する刃部の切れ刃位置を0として、刃部の切削力を受ける向きに90°±10°回転した位置となる第1のガイド部と、180°±10°回転した位置となる第2のガイド部と、第3のガイド部とからなり、
当該第3のガイド部について、
前記切れ刃位置からの回転角度が181°ないし270°となる角度範囲のいずれかの角度位置に、ガイド部の工具回転中心から工具径方向に最も離れた部分の回転方向中心が位置するよう第3のガイド部を配置したと仮定して、配置角度(α3)の値を前記角度範囲内で変化させつつ、先端工具を取付けたボーリングバーにおける定常切削状態からの変位の変動に係る運動方程式をそれぞれ立て、当該運動方程式を基に特性方程式を得て、その特性根s=σ+jNを虚部Nが所定数以下の各整数付近である場合について求めて、得られる実部σの最大値が各Nのいずれについても負となる角度(α3)の範囲を取得し、
当該角度(α3として得られた前記切れ刃位置からの回転角度が205°ないし208°となる角度範囲内に、ガイド部の工具回転中心から工具径方向に最も離れた部分の回転方向中心が位置するよう、第3のガイド部を配置することを
特徴とする深穴加工用先端工具のガイド部配置構造。

【請求項5】
切削油を供給されつつ深穴加工を行うための先端工具における、工具外周で被削材の穴内面と接触して切削油を通す隙間を生じさせつつ刃部の切削力を受けるガイド部の配置構造において、
前記ガイド部が、先端工具外周に、切削力の主分力を受ける第1のガイド部、切削力の背分力を受ける第2のガイド部、及び第3のガイド部の三つを配設され、
前記第2のガイド部の刃部に対する、ガイド部の工具回転中心から工具径方向に最も離れた部分の回転方向中心位置が、工具回転中心に対する刃部の切れ刃位置を0として、刃部の切削力を受ける向きに180°±10°回転した位置となり、
前記第3のガイド部について、
前記切れ刃位置からの回転角度が181°ないし270°となる角度範囲のいずれかの角度位置に、ガイド部の工具回転中心から工具径方向に最も離れた部分の回転方向中心が位置するよう第3のガイド部を配置したと仮定して、配置角度(α3)の値を前記角度範囲内で変化させつつ、先端工具を取付けたボーリングバーにおける定常切削状態からの変位の変動に係る運動方程式をそれぞれ立て、当該運動方程式を基に特性方程式を得て、その特性根s=σ+jNを虚部Nが所定数以下の各整数付近である場合について求めて、得られる実部σの最大値が各Nのいずれについても負となる角度(α3)の範囲を取得し、
当該角度(α3として得られた前記切れ刃位置からの回転角度が205°ないし208°となる角度範囲内に、ガイド部の工具回転中心から工具径方向に最も離れた部分の回転方向中心が位置するよう、第3のガイド部を配置することを
特徴とする深穴加工用先端工具のガイド部配置構造。

【請求項6】
切削油を供給されつつ深穴加工を行うための先端工具における、工具外周で被削材の穴内面と接触して切削油を通す隙間を生じさせつつ刃部の切削力を受けるガイド部の配置方法において、
前記ガイド部を先端工具外周に三つ配設、刃部に対する、ガイド部の工具回転中心から工具径方向に最も離れた部分の回転方向中心位置が、工具回転中心に対する刃部の切れ刃位置を0として、刃部の切削力を受ける向きに90°±10°回転した位置となるように第1のガイド部180°±10°回転した位置となるように第2のガイド部、前記切れ刃位置からの回転角度が181°ないし270°となる角度範囲に、ガイド部の工具回転中心から工具径方向に最も離れた部分の回転方向中心を位置させるよう第3のガイド部をそれぞれ配置し
当該第3のガイド部について、
前記角度範囲のいずれかの角度位置に、ガイド部の工具回転中心から工具径方向に最も離れた部分の回転方向中心が位置するよう第3のガイド部を配置したと仮定して、配置角度(α3)の値を前記角度範囲内で変化させつつ、先端工具を取付けたボーリングバーにおける定常切削状態からの変位の変動に係る運動方程式をそれぞれ立て、当該運動方程式を基に特性方程式を得て、その特性根s=σ+jNを虚部Nが所定数以下の各整数付近である場合について求めて、得られる実部σの最大値が各Nのいずれについても負となる角度(α3)の範囲を取得し、
当該角度(α3)の範囲内に、ガイド部の工具回転中心から工具径方向に最も離れた部分の回転方向中心が位置するよう、第3のガイド部の配置角度を設定することを
特徴とする深穴加工用先端工具のガイド部配置方法

【請求項7】
切削油を供給されつつ深穴加工を行うための先端工具における、工具外周で被削材の穴内面と接触して切削油を通す隙間を生じさせつつ刃部の切削力を受けるガイド部の配置方法において、
前記ガイド部として、先端工具外周に、切削力の主分力を受ける第1のガイド部、切削力の背分力を受ける第2のガイド部、及び第3のガイド部の三つを配設
前記第2のガイド部の刃部に対する、ガイド部の工具回転中心から工具径方向に最も離れた部分の回転方向中心位置を、工具回転中心に対する刃部の切れ刃位置を0として、刃部の切削力を受ける向きに180°±10°回転した位置とし
前記第3のガイド部を、前記切れ刃位置からの回転角度が181°ないし270°となる角度範囲に、ガイド部の工具回転中心から工具径方向に最も離れた部分の回転方向中心を位置させるよう配置し
当該第3のガイド部について、
前記角度範囲のいずれかの角度位置に第3のガイド部を、ガイド部の工具回転中心から工具径方向に最も離れた部分の回転方向中心が位置するよう配置したと仮定して、配置角度(α3)の値を前記角度範囲内で変化させつつ、先端工具を取付けたボーリングバーにおける定常切削状態からの変位の変動に係る運動方程式をそれぞれ立て、当該運動方程式を基に特性方程式を得て、その特性根s=σ+jNを虚部Nが所定数以下の各整数付近である場合について求めて、得られる実部σの最大値が各Nのいずれについても負となる角度(α3)の範囲を取得し、
当該角度(α3)の範囲内に、ガイド部の工具回転中心から工具径方向に最も離れた部分の回転方向中心が位置するよう、第3のガイド部の配置角度を設定することを
特徴とする深穴加工用先端工具のガイド部配置方法

【請求項8】
切削油を供給されつつ深穴加工を行うための先端工具における、工具外周で被削材の穴内面と接触して切削油を通す隙間を生じさせつつ刃部の切削力を受けるガイド部の配置方法において、
前記ガイド部を先端工具外周に三つ配設し、刃部に対する、ガイド部の工具回転中心から工具径方向に最も離れた部分の回転方向中心位置が、工具回転中心に対する刃部の切れ刃位置を0として、刃部の切削力を受ける向きに90°±10°回転した位置になるよう第1のガイド部を、前記切れ刃位置からの回転角度が160°ないし179°となる角度範囲に、ガイド部の工具回転中心から工具径方向に最も離れた部分の回転方向中心を位置させるよう第2のガイド部を、前記切れ刃位置からの回転角度が181°ないし200°となる角度範囲に、ガイド部の工具回転中心から工具径方向に最も離れた部分の回転方向中心を位置させるよう第3のガイド部をそれぞれ配置すると共に、
前記第2のガイド部と第3のガイド部を、ガイド部の工具回転中心から工具径方向に最も離れた部分の回転方向中心位置が、前記切れ刃位置から切削力を受ける向きに180°回転した位置と、それぞれ等角度間隔をなす配置とし、
前記第2及び第3のガイド部について、
前記各角度範囲のいずれかの角度位置に、ガイド部の工具回転中心から工具径方向に最も離れた部分の回転方向中心が位置するよう、第2及び第3のガイド部をそれぞれ配置したと仮定して、配置角度(α2、α3)の値を前記角度範囲内で変化させつつ、先端工具を取付けたボーリングバーにおける定常切削状態からの変位の変動に係る運動方程式をそれぞれ立て、当該運動方程式を基に特性方程式を得て、その特性根s=σ+jNを虚部Nが所定数以下の各整数付近である場合について求めて、得られる実部σの最大値が各Nのいずれについても負となる角度(α2、α3)の範囲を取得し、
当該角度(α2、α3)の範囲内に、ガイド部の工具回転中心から工具径方向に最も離れた部分の回転方向中心が位置するよう、第2及び第3のガイド部の配置角度を設定することを
特徴とする深穴加工用先端工具のガイド部配置方法

【請求項9】
切削油を供給されつつ深穴加工を行うための先端工具における、工具外周で被削材の穴内面と接触して切削油を通す隙間を生じさせつつ刃部の切削力を受けるガイド部の配置方法において、
前記ガイド部として、先端工具外周に、切削力の主分力を受ける第1のガイド部、切削力の背分力を受ける第2のガイド部、及び第3のガイド部の三つを配設し
前記第2のガイド部を、工具回転中心に対する刃部の切れ刃位置からの回転角度が160°ないし179°となる角度範囲に、ガイド部の工具回転中心から工具径方向に最も離れた部分の回転方向中心を位置させるよう配置し
前記第3のガイド部を、前記切れ刃位置からの回転角度が181°ないし200°となる角度範囲に、ガイド部の工具回転中心から工具径方向に最も離れた部分の回転方向中心を位置させるよう配置し、且つ、
前記第2のガイド部と第3のガイド部ガイド部の工具回転中心から工具径方向に最も離れた部分の回転方向中心位置が、前記切れ刃位置から切削力を受ける向きに180°回転した位置と、それぞれ等角度間隔をなす配置と
前記第2及び第3のガイド部について、
前記各角度範囲のいずれかの角度位置に、ガイド部の工具回転中心から工具径方向に最も離れた部分の回転方向中心が位置するよう、第2及び第3のガイド部をそれぞれ配置したと仮定して、配置角度(α2、α3)の値を前記角度範囲内で変化させつつ、先端工具を取付けたボーリングバーにおける定常切削状態からの変位の変動に係る運動方程式をそれぞれ立て、当該運動方程式を基に特性方程式を得て、その特性根s=σ+jNを虚部Nが所定数以下の各整数付近である場合について求めて、得られる実部σの最大値が各Nのいずれについても負となる角度(α2、α3)の範囲を取得し、
当該角度(α2、α3)の範囲内に、ガイド部の工具回転中心から工具径方向に最も離れた部分の回転方向中心が位置するよう、第2及び第3のガイド部の配置角度を設定することを
特徴とする深穴加工用先端工具のガイド部配置方法
産業区分
  • 切削
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 権利存続中
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