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免疫調節性機能を有する微生物株・成分の選抜方法

国内特許コード P10A015730
掲載日 2010年8月31日
出願番号 特願2010-116956
公開番号 特開2010-183913
登録番号 特許第5158986号
出願日 平成22年5月21日(2010.5.21)
公開日 平成22年8月26日(2010.8.26)
登録日 平成24年12月21日(2012.12.21)
発明者
  • 辻 典子
  • 木元 広実
出願人
  • 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明の名称 免疫調節性機能を有する微生物株・成分の選抜方法
発明の概要

【課題】 アレルギー疾患や大腸性潰瘍炎など炎症性腸疾患を初めとする自己免疫疾患等の免疫病の予防・治療に資する微生物及びその成分の効率的な選抜方法を提供すること。
【解決手段】 ラクトコッカス属乳酸球菌などの微生物を、腸上皮細胞株と共培養し、カスパーゼ-1活性及びIL-18産生誘導能により選抜することを特徴とする、哺乳類の樹状細胞又は脾臓細胞からIL-10産生を誘導するラクトコッカス属乳酸球菌又はその成分の選抜方法。
【選択図】 なし

従来技術、競合技術の概要


免疫恒常性の維持は、健康を保つ上で根本的な条件のひとつである。
ここで、「健康な状態における免疫恒常性とは何か」を考慮する際に、免疫関連遺伝子の機能発現、すなわち免疫細胞の分化・機能成熟が環境因子により大きく左右されるという事実が重要である。



特に、皮膚の200倍もの面積を持つ消化管は、外部環境に対する主要な作用面であり、従って消化管における外部環境の代表である腸内細菌、食物成分などは、生体にとって量的に主たる環境因子である。体内における免疫細胞の過半が消化管に存在することを考えると、消化管は、多種多様、かつ大量の非自己成分に常に曝される生体防御システムの最前線であると言える。
これに関連して、近年顕著な増加が社会問題となっている食物アレルギー疾患や大腸性潰瘍炎など炎症性腸疾患を初めとする自己免疫疾患等の免疫病の急増、ひいてはアレルギー体質や生活習慣病の発症等に、腸内環境に対する生体応答が反映されている可能性があると指摘されている(非特許文献1参照)。



ここで、免疫恒常性の維持においては、免疫調節性(制御性)細胞が重要である。免疫調節性細胞は、免疫応答のバランスを司る細胞群のうち、過剰な免疫応答を抑制する、いわゆる自己防御機構を構築する細胞群の総称である。近年、この免疫調節性細胞の分化・機能成熟機構が徐々に明らかにされつつあり、とりわけ消化管で効率良く誘導されていることが明らかとなってきた(非特許文献2参照)。



消化管には、上述のように夥しい量の環境因子が存在するので、これら非自己成分に対し過剰応答しないためのシステムを免疫調節性細胞が担っていることから、腸内における免疫調節性細胞の誘導メカニズムの解析が免疫病の予防・治療につながるとして注目されている。
その過程で、消化管はトレランス誘導に適した環境にあること、かつ消化管に存在する免疫細胞の多くは活性化された状態にあることが明らかとなってきた。免疫恒常性維持のために、消化管では免疫調節性細胞が「積極的に」誘導され、活性化されるのであるとしたら、その現象を支える環境要因が消化管にあると考えられる。



消化管ではインターロイキン-10(IL-10)、TGF-βといった抑制性サイトカインが豊富に存在することが知られている。本発明者らは、インターロイキン(IL-18)が環境分子として重要であることを既に明らかにしている(非特許文献3参照)。
例えば、デキサメタゾン等の化学物質が、免疫調節性細胞を誘導するとして、医薬品の開発が進められている(非特許文献4参照)。



一方、消化管における免疫調節性細胞を誘導する微生物及びその成分の検索も進められている。特に食品成分として用いられている微生物であれば、上記デキサメタゾン等の化学物質のように安全性に問題がなく経口摂取が可能であり、いわゆるプロバイオティクス(宿主の健康維持に有益に働く生きた微生物)として免疫病の予防・治療用の食品への応用も期待されている。



ここで、乳酸菌は、代表的なプロバイオティクスとして微生物の中でも安全性が高く、かつ発酵食品や生分解樹脂製造など食品関連産業応用の蓄積がある。乳酸菌は、発酵乳等の形で体内に摂取されることにより、整腸作用や血清コレステロール低下作用、免疫賦活作用等、乳酸菌の機能性に基づく様々な生理的効用を発揮することが知られている(非特許文献5参照)。
しかし、免疫調節性細胞を誘導する微生物及びその成分についての研究は、端緒についたばかりであり、その検索・評価方法もまだ確立されたものがない。このため、免疫調節性細胞を誘導する微生物及びその成分は、乳酸菌の中にも見出されていなかった。

産業上の利用分野


本発明は、免疫調節性機能を誘導する微生物株、例えば乳酸菌類、又は該微生物由来の免疫調節性機能を有する成分の取得方法に関し、詳しくは、哺乳類の樹状細胞又は脾臓細胞からインターロイキン-10産生を誘導し、免疫調節性機能を付与するラクトコッカス属乳酸球菌などの微生物又は該微生物由来の成分の選抜方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
被検菌を、腸上皮細胞株と共培養し、
培養上清中のインターロイキン-18量及び細胞溶解液中のカスパーゼ-1活性を測定し、;
カスパーゼ-1活性の誘導能が低く、かつインターロイキン-18産生誘導能が高い微生物株選抜する
ことを特徴とする、哺乳類の樹状細胞又は脾臓細胞からインターロイキン-10産生を誘導する微生物株、又は該微生物の菌体を構成する免疫調節性機能を有する多糖類の選抜方法。

【請求項2】
被検菌が、ラクトコッカス属乳酸球菌である請求項1記載の微生物株、又は該微生物の菌体を構成する免疫調節性機能を有する多糖類の選抜方法。
産業区分
  • 微生物工業
  • 食品
  • 薬品
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 権利存続中


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