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貴金属微粒子担持固体高分子材料、その調製方法および触媒 コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P100000088
整理番号 2006-0060
掲載日 2008年6月27日
出願番号 特願2007-082287
公開番号 特開2008-239801
登録番号 特許第5283854号
出願日 平成19年3月27日(2007.3.27)
公開日 平成20年10月9日(2008.10.9)
登録日 平成25年6月7日(2013.6.7)
発明者
  • 石田 玉青
  • 春田 正毅
  • 槙山 梨沙
出願人
  • 公立大学法人首都大学東京
発明の名称 貴金属微粒子担持固体高分子材料、その調製方法および触媒 コモンズ 新技術説明会
発明の概要

【課題】触媒などとして有用な、貴金属ナノ粒子が表面に分散・固定された固体高分子材料を、加熱条件あるいは還元剤の添加なく室温で簡便に製造する。
【解決手段】第一級、第二級または第三級アミノ基、第4級アンモニウム基などの還元性官能基を有する固体高分子材料と貴金属化合物水溶液を攪拌することにより、室温下において固体高分子材料表面に20nm以下の平均粒子径を有する貴金属ナノ粒子が分散・固定される。固体高分子材料としては、陰イオン交換樹脂が好ましい。また、陰イオン交換樹脂を金化合物水溶液と接触させる前に、陰イオン交換樹脂を水酸化アルカリ水溶液で前処理し、その際穏やかに粉砕しておくことにより、貴金属ナノ粒子の粒径を小さくでき、かつ液層反応における触媒活性が向上する。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


貴金属は、種々の装飾材料、歯科用材料、電子回路材料、触媒材料、例えば有機物の酸化あるいは還元反応触媒、自動車排気ガスの浄化触媒や、燃料電池用の触媒などとして広く用いられている。触媒として用いる場合、貴金属は高価なことと、その性能を最大限引き出すため、ナノ粒子として露出表面積を大きくする工夫がなされている。具体的には、比表面積が大きく、熱的、化学的安定性の高いシリカやアルミナ、チタニアなどの金属酸化物、あるいは活性炭、カーボンブラックなどの炭素材料を担体に用い、その表面に貴金属がナノ粒子として分散・固定された状態とされて用いられている。



貴金属中、金は他の貴金属に比べれば安価であるものの、触媒活性が極めて乏しいと従来考えられていた。これに対し、発明者は、金を好ましくは直径10nm以下の超微粒子として種々の金属酸化物担体上に分散・固定することにより、高い触媒活性が発現されること、さらに金ナノ粒子触媒は、低温CO酸化、プロピレンの気相一段エポキシ化、低温水性ガスシフト反応、酸素と水素からの直接過酸化水素合成、炭化水素類の部分酸化など、多くの反応に対して、他の貴金属より優れた触媒活性を発現することを見出している(例えば、特許文献1および非特許文献1参照)。また、その他にも、金ナノ粒子は、不飽和化合物の水添、アルコールの酸化、NOxの除去、エポキシ化合物、脂肪族アミンのカルボニル化などの触媒活性についても報告されている。さらに、本発明者は、金の粒子径が2nm以下、原子数で300個以内のクラスターになると、触媒特性がさらに激変する場合があることも見出した。これら金属酸化物や炭素材料上に金ナノ粒子を分散・固定化する方法としては、従来、共沈法、析出沈殿法、コロイド混合法、気相グラフティング法、液相グラフティング法などの方法が採られている。



一方、有機高分子材料を担体とし、その表面に貴金属、例えば白金やパラジウムなど白金族金属をナノ粒子として分散・固定化したものは、これまで材料としてほとんど注目されておらず、関連するものとしては固体高分子電解質膜用白金電極があった。但し、この場合、白金微粒子はカーボンブラックの上に分散されており、金属微粒子が直接高分子上に分散した構造ではない。有機高分子材料を担体として用いる触媒が実用化されていないのは、有機高分子材料の耐熱温度が200℃以下と低く、基幹化成品を製造する工業反応プロセスの温度条件や自動車排ガスの温度域では使用できない上に、高分子材料の比表面積が小さく、しかも高分子材料は無機材料に比し高価であることに起因している。これに対し、精密化成品の合成では一般に溶液に溶解した状態で触媒が使用され(均一系触媒)、200℃以下での反応が多く、分子レベルで触媒の設計が可能である反面、反応物と生成物から触媒を分離するプロセスにエネルギーが要せられることが課題となっている。このため、均一系触媒を高分子担体などに固定化することが試みられている。このことは、金ナノ粒子においても同様である。前記したとおり、金は貴金属の中でも寸法によって最も著しく特性が変動することが分かっており、また粒径がナノレベルとなっても空気中で安定であることから、低温反応用触媒などの用途として、高分子材料を担体とし、種々の寸法・形状で分散・固定化された材料が望まれている。



近年、高分子材料と金との複合材料に関する技術としては、NaAuCl4・2H2Oとピロールとを混合して、超音波をかけることにより、金粒子への還元とピロールの重合とを同時に行い、これにより金ナノ粒子を高分子内部に包み込んだ複合体を製造する方法(非特許文献2参照)、NaOH水溶液で前処理した第四級アンモニウム基を官能基として有するイオン交換樹脂を加熱乾燥後金前駆体水溶液で処理し、150℃で6時間加熱することにより金ナノ粒子を担持させる方法(非特許文献3参照)、乾燥した陽イオン交換樹脂にHAuCl4・4H2O水溶液を含浸させ、60℃で3時間乾燥する方法(非特許文献4参照)、陽イオン交換樹脂に金微粒子を担持する方法(非特許文献5参照)が報告されている。また、本発明者は、金化合物と還元剤を含む液に、高分子を懸濁または浸漬し、高分子表面に金微粒子を付着させる方法を先に出願した(特願2006-18721号)。



また、白金、パラジウムなどの白金族金属に関しては、例えば、白金族触媒および陰イオン交換樹脂の存在下にシラン化合物を製造する方法(特許文献2参照)、クロロシランを白金および/またはパラジウムのような第八族金属元素の化合物を担持した、一級アミノ基あるいは三級アミノ基を導入してなる陰イオン交換樹脂よりなる不均化反応触媒と接触させることによりモノシランを製造する方法(特許文献3参照)、パラジウムを担持したイオン交換樹脂により水素ガスを精製する方法(特許文献4参照)も知られている。




【特許文献1】特公平5-49338号公報

【特許文献2】特開平5-17488号公報

【特許文献3】特開平10-59707号公報

【特許文献3】特開2004-256328号公報

【非特許文献1】エム ハルタ(M.Haruta)、ケミストリー レコード(Chem. Record)第3巻、第2号、第75-87頁、2003年

【非特許文献2】ジョン-エン パルク(Jong-En Park)外2名、ケミストリー レターズ(Chemistry Letters)、第34巻、第1号、第96-97頁、2005年

【非特許文献3】フェング シ(Feng Shi)外4名、ジャーナル オブ アメリカン ケミカル ソサイアティ(J.Am.Chem.Soc.)コミュニケーションズ(Communications)、第127巻、第21巻、第4182-4183頁(2005年)

【非特許文献4】フェング シ(Feng Shi),ユークワン デング(Youquan Deng)、ジャーナル オブ キャタリシス(J.Catal.)第221巻、第12号、第548-511頁、2002年

【非特許文献5】ギタンジャニ マジャンダール(Gitanjani Majumdar)外4名、ラングミュアー(Langmuir)、第21巻、第5号、第1663-1667頁、2005年

産業上の利用分野


本発明は、固体高分子材料表面に貴金属微粒子を分散・固定する方法に関する。より詳細には,還元性官能基を有する固体高分子材料の表面の還元性官能基による還元作用により、固体高分子材料表面に貴金属微粒子を分散・固定する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
貴金属化合物水溶液と接触される前に水酸化アルカリ水溶液により処理されている還元性官能基を有する固体高分子材料を分散含有する貴金属化合物水溶液を攪拌することを特徴とする固体高分子材料表面に貴金属微粒子を分散・固定する方法。

【請求項2】
上記還元性官能基が、第一級、第二級または第三級アミノ基、第三級アンモニウム基、第四級アンモニウム基または水酸基であることを特徴とする請求項1に記載の固体高分子材料表面に貴金属微粒子を分散・固定する方法。

【請求項3】
上記アミノ基が、-NH2、-NH(CH2CH2NH)nH(nは整数を表す。)、-N(CH32または
【化学式1】


であり、第三級アンモニウム基が-N+H(C252であり、級アンモニウム基が-N+(CH33たは-N+(CH32(CH2CH2OH)であることを特徴とする請求項2に記載の固体高分子材料表面に貴金属微粒子を分散・固定する方法。

【請求項4】
上記固体高分子材料が、前記水酸化アルカリ水溶液による処理中、あるいは該処理後水中において粉砕されることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の固体高分子材料表面に貴金属微粒子を分散・固定する方法。

【請求項5】
還元性官能基を有する固体高分子材料を分散含有する貴金属化合物水溶液の攪拌が、30分以上行われることを特徴とする、請求項1~4のいずれかに記載の固体高分子材料表面に貴金属微粒子を分散・固定する方法。

【請求項6】
上記攪拌が室温下に行われることを特徴とする、請求項1~5のいずれかに記載の固体高分子材料表面に貴金属微粒子を分散・固定する方法。

【請求項7】
貴金属微粒子の平均粒子径が20nm以下であり、貴金属が固体高分子材料に対し、0.01重量%~50重量%担持されることを特徴とする、請求項1~6のいずれかに記載の固体高分子材料表面に貴金属微粒子を分散・固定する方法。
産業区分
  • 高分子化合物
  • その他無機化学
  • 有機化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2007082287thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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