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マイクロ真空計 新技術説明会

国内特許コード P100000091
整理番号 2007-47
掲載日 2008年7月10日
出願番号 特願2009-551589
登録番号 特許第5002861号
出願日 平成21年1月30日(2009.1.30)
登録日 平成24年6月1日(2012.6.1)
国際出願番号 JP2009051533
国際公開番号 WO2009096504
国際出願日 平成21年1月30日(2009.1.30)
国際公開日 平成21年8月6日(2009.8.6)
優先権データ
  • 特願2008-021826 (2008.1.31) JP
発明者
  • 木股 雅章
出願人
  • 学校法人立命館
発明の名称 マイクロ真空計 新技術説明会
発明の概要

本マイクロ真空計は、基板と、該基板から延びる支持構造体によって基板から熱分離された状態で基板の上方に保持された浮遊構造体と、該浮遊構造体に配置されて発熱する発熱体と、浮遊構造体に配置されて基板と浮遊構造体との温度差を計測する温度センサとを備え、浮遊構造体の少なくとも表面に、発熱体及び温度センサの周囲を覆う第1部材より放射率の低い第2部材が、第1部材に接合して形成されたものである。

従来技術、競合技術の概要
【0002】
電子デバイスのうちMEMS技術を利用したデバイス等の中には、真空封止されたパッケージに実装することによって性能が飛躍的に向上するものがある。
【0003】
例えば、熱型赤外線センサにおいては、センサ構造体からの熱放散が性能に大きな影響を与え、大気を通した熱伝導を可能な限り減らすことが望まれている。また、加速度センサや角速度センサにおいては、特定の用途では大気によるダンピング(空気の機械的な抵抗)を減らすために真空環境で動作させる必要があるものもある。さらに、高周波デバイスにおいては、振動するデバイスであるレゾネーターの特性を向上させる目的や、スイッチなど機械的接触を伴うデバイスのスティッキング(可動構造体の基板への付着)を防止する目的で真空封止が行われている。
【0004】
こうした真空封止が必要な電子デバイスの信頼性試験あるいは自己診断(製品が正常に動作していることをチェックするために製品に搭載された機能)のために、デバイスを収納するパッケージ内の圧力(気圧)を計測する必要がある。
【0005】
電子デバイスのパッケージのような微小空間の気体の圧力測定としては、半導体プロセスで作製可能な微小なヒータを半導体基板から断熱(熱コンダクタンスの低い状態)に保持し、この気体の熱伝導の圧力依存性を利用した熱伝導方式のマイクロ真空計等が知られている(例えば、非特許文献1参照。)。
【非特許文献1】
A. W. van Herwaarden and P. M. Sarro, J.Vac. Sci. Technol., Vol. A 5, No. 4, pp. 2454- 2457, 1987.
【0006】
従来の熱伝導方式のマイクロ真空計90は、図16および図17に基本構造を示すように、半導体基板91に形成された空洞Sの上方に保持された浮遊構造体92を有しており、浮遊構造体92にはヒータ93と温度センサ94が配置されている。図で示した例では、浮遊構造体92が半導体基板91の上面とほぼ同じ高さに支持するように支持構造体98にて支持されているが、浮遊構造体92を半導体基板91の上面から上方に持ち上げた構造とすることも可能である。
【0007】
次に、マイクロ真空計90の動作について説明する。ヒータ93に電流を流してジュール熱を発生させると浮遊構造体92の温度が上昇する。温度上昇は、ヒータ93に投入する電力と浮遊構造体92からヒートシンクとなる半導体基板91および図示しない周囲の構造に流れる熱損失(伝達される熱量)とにより決まる。この熱損失は、浮遊構造体92を取り巻く気体を通した熱伝導、支持構造体98を通した熱伝導、浮遊構造体92からの熱輻射の3つからなる。
【0008】
浮遊構造体92からの熱損失Qと周囲の気体の圧力Pとの関係は、縦軸、横軸ともに対数軸をとった図18に示すように、3つの領域R1、R2、R3に分割して考えることができる。領域R1は、高い気圧の領域であるので気体の平均自由行程が空洞Sの長さに比べて短く、気体の熱伝導が圧力Pに依存しないことを反映して、対流の効果により僅かな圧力依存性は有するが、熱損失Qが圧力Pにほとんど依存しない領域である。領域R2は、気体の平均自由行程が空洞Sの長さより長いため、気体を通した熱伝導が気体の圧力(分子密度)に比例し、圧力の減少とともに熱損失が減少する領域である。領域R3は、気体の圧力Pには依存せず、支持構造体98を通した熱伝導による熱損失と浮遊構造体92からの熱放射(熱輻射)による熱損失を加算した最低レベルの熱損失Qとなる低圧領域である。
【0009】
上述した熱損失の周囲の気体の圧力依存性を考慮すると、温度センサ94にて計測される温度は、ヒータ93に一定電流を投入した場合、領域R1では変化なく圧力の計測はできないが、領域R2では気体を通した熱伝導が圧力の低下とともに減少するので温度が上昇し、領域R3では再び圧力依存性がなくなり一定温度となる。従って、従来の熱伝導方式のマイクロ真空計90は、領域R2の範囲内でのみ圧力を計測することができ、その下限は1Pa程度であった。
産業上の利用分野
【0001】
本発明は、大気圧以下に減圧された真空容器内の圧力を計測するマイクロ真空計に関する。特に、MEMS(Micro-Electro-Mechanical
Systems)技術を利用したデバイスに必要な低圧域を測定するマイクロ真空計に関する。
特許請求の範囲 【請求項1】 基板と、該基板から延びる支持構造体によって前記基板から熱分離された状態で前記基板の上方に保持された浮遊構造体と、該浮遊構造体に配置されて発熱する発熱体と、前記浮遊構造体に配置されて前記基板と前記浮遊構造体との温度差を計測する温度センサと、を備えてなるマイクロ真空計において、
前記浮遊構造体は、前記発熱体と前記温度センサの周囲を覆う第1部材と、前記第1部材の少なくとも表面に接合される前記第1部材より放射率の低い第2部材とにより形成され、該第2部材の上面視での面積が前記第1部材より大きいことを特徴とするマイクロ真空計。
【請求項2】 前記第2部材が、前記第1部材よりも反射率が高いことを特徴とする請求項1に記載のマイクロ真空計。
【請求項3】 前記第1部材が酸化シリコンまたは窒化シリコンであって、前記第2部材がアルミニウム、チタン、金、タングステン、または白金であることを特徴とする請求項2に記載のマイクロ真空計。
【請求項4】 基板と、該基板から延びる支持構造体によって前記基板から熱分離された状態で前記基板の上方に保持された浮遊構造体と、該浮遊構造体に配置されて発熱する発熱体と、前記浮遊構造体に配置されて前記基板と前記浮遊構造体との温度差を計測する温度センサと、を備えてなるマイクロ真空計において、
前記浮遊構造体は、前記発熱体と前記温度センサの周囲を覆う第1部材と前記第1部材の少なくとも表面に接合される前記第1部材より放射率の低い第2部材とにより形成され、
前記第2部材が、前記第1部材よりも透過率が高いことを特徴とするマイクロ真空計。
【請求項5】 前記第1部材が酸化シリコンまたは窒化シリコンであって、前記第2部材が単結晶シリコン、多結晶シリコン、またはアモルファスシリコンであることを特徴とする請求項4に記載のマイクロ真空計。
【請求項6】 前記基板の上面に窪み部が形成され、前記浮遊構造体が前記支持構造体によって前記窪み部の上方に保持されることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載のマイクロ真空計。
【請求項7】 前記基板の上面が平坦に形成され、前記浮遊構造体が前記支持構造体によって前記基板の上面より上方に持ち上げるように保持されることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載のマイクロ真空計。
【請求項8】 前記第2部材が、複数の薄膜の積層構造からなることを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載のマイクロ真空計。
【請求項9】 基板と、該基板から延びる支持構造体によって前記基板から熱分離された状態で前記基板の上方に保持された浮遊構造体と、該浮遊構造体に配置されて発熱する発熱体と、前記浮遊構造体に配置されて前記基板と前記浮遊構造体との温度差を測定する温度センサと、を備えてなるマイクロ真空計において、
前記基板の上面に窪み部が形成されるとともに該窪み部の上方に前記浮遊構造体が前記支持構造体によって保持される一方、赤外線を反射して前記浮遊構造体からの輻射によるエネルギー損失を減少させる部材が、前記基板の裏面に形成されることを特徴とするマイクロ真空計。
産業区分
  • 測定
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2009551589thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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