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α付加型アリル化反応による選択的ホモアリルアルコール誘導体の製造法 コモンズ

国内特許コード P100000145
整理番号 E076P124
掲載日 2009年3月27日
出願番号 特願2009-060333
公開番号 特開2010-215513
登録番号 特許第5372556号
出願日 平成21年3月12日(2009.3.12)
公開日 平成22年9月30日(2010.9.30)
登録日 平成25年9月27日(2013.9.27)
発明者
  • 小林 修
  • 上野 雅晴
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 α付加型アリル化反応による選択的ホモアリルアルコール誘導体の製造法 コモンズ
発明の概要 【課題】高収率で、高立体選択的に光学活性なα付加型アリル化反応によるホモアリル化合物を製造する方法の提供。
【解決手段】水と有機溶媒との混合溶媒中で、金属触媒の存在下で、かつリガンドの存在下又は不存在下で、アリルボラン化合物と、カルボニル化合物やそのヒドラゾン誘導体とを反応させる触媒的不斉α付加型アリル化反応により、立体選択的にα付加型アリル化化合物を製造する。例えば、カルボニル化合物の場合、Zn金属と2,9-ジメチルフェナントロリン(Ligand3)の存在下に、下式の反応によりα付加体4a化合物が高収率で得られる。



【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


光学活性なホモアリルアミン誘導体は、その二重結合を種々変換することが可能なことから、天然物や生理活性物質などの合成中間体として重要な化合物である。光学活性ホモアリルアミン誘導体は、通常はイミン類に対する不斉アリル化反応によって合成されており、中でもα-イミノエステルへの触媒的不斉アリル化反応は光学活性α-アミノ酸誘導体を直接合成できることから、非常に期待されている手法の一つである。
しかしながら、これまでにα-イミノエステルを含むイミン類に対する触媒的不斉アリル化反応は幾つか報告がなされているが、そのほとんどが厳密な無水条件下での反応であり(非特許文献1~10参照)、水中または水と有機溶媒の混合溶媒中などの穏和な条件下での高選択的不斉アリル化反応の例は限られている。
山本らのグループはパラジウム触媒を用いる水共存下でのイミンの高選択的なアリル化反応を報告しているが、α-イミノエステル類を基質とする検討例がないことや用いているアリルスズ誘導体に強い有害性があることなどにおいて改善の余地がある(非特許文献11参照)。



また、本発明者らは光学活性亜鉛触媒存在下アリルシラン誘導体を用いる水と有機溶媒の混合溶媒中でのα-ヒドラゾノエステルの不斉アリル化反応を報告している(特許文献1、及び非特許文献12参照)。この手法で得られるヒドラジノエステルはその窒素-窒素結合を切断することによりアミノエステルに導けることから(非特許文献12)、光学活性α-アミノ酸誘導体合成法として有効である。しかしながら、その反応自体の選択性に改善の余地を残している。一方、クック(Cook)らはアシルヒドラゾンの不斉アリル化を報告しているが、有機溶媒中での反応であり、またインジウムを過剰量必要とする(非特許文献13)。
アリルホウ素によるアリル化は、通常は、γ位から反応が起こり、γ-選択的に付加するが、本発明者らは特殊な反応条件下においてはα位から反応することを報告してきた(非特許文献14、及び15参照)。非特許文献14の記載の方法は、グリオキシル酸エステル(HOC-COOR)のヒドラゾンを、フッ化亜鉛及びキラルなジアミン誘導体の存在下にアリルホウ素化合物と反応させるものであり、非特許文献15に記載の方法は、水中でケトン類を0価のインジウムの存在下でアリルホウ素化合物と反応させるものである。
これらのα付加型アリル化反応は、限られた反応条件での方法を開示するものであり、より一般的な手法の開発が望まれていた。

産業上の利用分野


本発明は、水と有機溶媒との混合溶媒中で、金属触媒の存在下で、かつリガンドの存在下又は不存在下で、アリルボラン化合物と、カルボニル化合物やそのヒドラゾン誘導体とを反応させる触媒的不斉α付加型アリル化反応により、立体選択的にα付加型アリル化化合物を製造する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
水と有機溶媒との混合溶媒中で、金属触媒の存在下で、かつ、
置換基として炭素数1~30の直鎖状又は分枝状のアルキル基;炭素数2~20の直鎖状若しくは分枝状のアルケニル基;炭素数3~15の飽和若しくは不飽和の単環式、多環式若しくは縮合環式の脂環式炭化水素基;炭素数6~36の単環式、多環式、若しくは縮合環式の炭素環式芳香族基;若しくは、炭素数6~36の単環式、多環式、若しくは縮合環式の炭素環式芳香族基に、炭素数1~20のアルキル基が結合した、炭素数7~40のアリールアルキル基を有してもよい1,10-フェナントロリン又は次の一般式(1)
-NH-R-NH-R (1)
(式中、Rは、炭素数1~10の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基を表し、Rはそれぞれ独立して置換基を有してもよい炭化水素基を表し、Rの一部とRの一部が隣接する窒素原子と共に飽和若しくは不飽和の環を形成してもよく、前記R及びRが置換基を有する場合の置換基は炭素数1~30の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基;炭素数2~20の直鎖状若しくは分枝状のアルケニル基;炭素数3~15の飽和若しくは不飽和の単環式、多環式若しくは縮合環式の脂環式炭化水素基;炭素数6~36の単環式、多環式、若しくは縮合環式の炭素環式芳香族基;又は、炭素数6~36の単環式、多環式、若しくは縮合環式の炭素環式芳香族基に、炭素数1~20のアルキル基が結合した、炭素数7~40のアリールアルキル基である。)
で表わされるアルキレンジアミン誘導体であるアキラルなリガンドの存在下又は不存在下で、
次の一般式(4)
【化1】


(式中、R及びRは、それぞれ独立して水素原子又は炭素数1~30の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基を示し、R、R、及びRは、それぞれ独立して水素原子又は炭素数1~30の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基を示し、R10は水素原子又は炭素数1~30の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基を示。)
で表わされるアリルボラン化合物と、
次の一般式(2)
-CO-R (2)
(式中、Rは置換基を有してもよい炭化水素基、置換基を有してもよい複素環基、又は炭化水素オキシカルボニル基を表し、Rは水素原子、置換基を有してもよい炭化水素基、又は置換基を有してもよい複素環基を表し、前記R及びRが置換基を有する場合の置換基は炭素数1~30の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基;炭素数2~20の直鎖状若しくは分枝状のアルケニル基;炭素数3~15の飽和若しくは不飽和の単環式、多環式若しくは縮合環式の脂環式炭化水素基;炭素数6~36の単環式、多環式、若しくは縮合環式の炭素環式芳香族基;又は、炭素数6~36の単環式、多環式、若しくは縮合環式の炭素環式芳香族基に、炭素数1~20のアルキル基が結合した、炭素数7~40のアリールアルキル基である。)
で表わされるカルボニル化合物や次の一般式(3)
-C(=N-NH-X-R)-R (3)
(式中、Rは置換基を有してもよい炭化水素基、又は置換基を有してもよい複素環基を表し、Rは水素原子、置換基を有してもよい炭化水素基、又は置換基を有してもよい複素環基を表し、Xは-CO-又は-SO-を表し、Rは置換基を有してもよい炭化水素基を表し、前記R、R及びRが置換基を有する場合の置換基は炭素数1~30の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基;炭素数2~20の直鎖状若しくは分枝状のアルケニル基;炭素数3~15の飽和若しくは不飽和の単環式、多環式若しくは縮合環式の脂環式炭化水素基;炭素数6~36の単環式、多環式、若しくは縮合環式の炭素環式芳香族基;又は、炭素数6~36の単環式、多環式、若しくは縮合環式の炭素環式芳香族基に、炭素数1~20のアルキル基が結合した、炭素数7~40のアリールアルキル基である。)
で表されるカルボニル化合物のヒドラゾン誘導体とを反応させる触媒的不斉α付加型アリル化反応により、立体選択的に次の一般式(5)
【化2】


(式中、R、R、R、R、R及びR10は、それぞれ前記してきたものを表し、Zは水酸基又はN-アシルヒドラジノ基を表し、アスタリスクは不斉炭素原子となることを表す)で表わされるα付加型アリル化化合物を製造する方法。

【請求項2】
金属触媒が、0価金属、酸化金属、金属水酸化物、又はハロゲン化金属からなる金属触媒である請求項1に記載の方法。

【請求項3】
金属触媒が、亜鉛、スズ、ゲルマニウム、銀、カドミウム、マンガン、鉄、鉛、マグネシウム、及びアルミニウムからなる群から選択される金属元素からなる金属触媒である請求項1又は2に記載の方法。

【請求項4】
一般式(1)におけるアキラルなアルキレンジアミン誘導体のRが、エチレン基である請求項1に記載の方法。

【請求項5】
α付加型アリル化化合物が、シン体又はアンチ体のいずれかのエナンチオマーが過剰に存在しているものである請求項1~4のいずれかに記載の方法。

【請求項6】
請求項5に記載の方法で製造された光学活性ホモアリルヒドラジノ化合物の窒素-窒素結合を切断して対応するアミノエステル類を製造する方法。

【請求項7】
窒素-窒素結合の切断が、還元的切断である請求項6に記載の方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) ERATO 小林高機能性反応場プロジェクト 領域
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