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オリゴヌクレオチドの固定方法 コモンズ

国内特許コード P100000173
整理番号 K029P28
掲載日 2009年5月15日
出願番号 特願2009-109947
公開番号 特開2010-256306
登録番号 特許第5280292号
出願日 平成21年4月28日(2009.4.28)
公開日 平成22年11月11日(2010.11.11)
登録日 平成25年5月31日(2013.5.31)
発明者
  • 鈴木 健二
  • 細川 和生
  • 前田 瑞夫
出願人
  • 独立行政法人科学技術振興機構
発明の名称 オリゴヌクレオチドの固定方法 コモンズ
発明の概要

【課題】担体上に、任意の数のオリゴヌクレオチドを、任意の間隔で固定すること。
【解決手段】担体と結合可能な官能基を有するオリゴヌクレオチドのそれぞれを、オリゴヌクレオチドの相補配列を所定数有するガイドDNAとハイブリダイズし、オリゴヌクレオチドの官能基を担体に結合させ、脱ハイブリダイゼーションによって、オリゴヌクレオチドからガイドDNAを取り除く。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


近年、オリゴDNAを固定した微粒子が、遺伝子診断などの分析試薬として、また、導電性ナノのワイヤーやプラズモニック素子といったナノ材料の原料として利用できることが報告されている。



微粒子表面にオリゴDNAを固定する方法としては、目的微粒子表面に反応もしくは吸着する官能基を有するオリゴDNAと、目的微粒子とを溶液中で混合し結合させる方法が知られている(非特許文献1)。



しかしながら、この方法では、オリゴDNAと微粒子との混合比や、反応(吸着)時間などを調節することで、微粒子一つあたりに固定されるオリゴDNAの数を確率論的に調節していた。従って、ある特定数のオリゴDNA分子が固定された微粒子を選択的に作ることはできなかった。また、一つの粒子あたりに、複数のオリゴDNA分子を固定する場合、固定された複数のオリゴDNA分子間の相対的位置を制御することはできなかった。



また、別の方法としては、あらかじめオリゴDNA分子が仮固定されている担体微粒子と、目的微粒子とを溶液中で混合し、接触反応させることで、担体微粒子と目的微粒子との接点位置だけに、オリゴDNA分子を固定する方法も知られている(非特許文献2)。
この方法では、目的微粒子上の狭い領域にオリゴDNA分子を単数、あるいは、不特定多数で固定している。従って、上記の方法と同様に、複数のオリゴDNA分子を固定する場合、微粒子一つ当たりに固定されるオリゴDNA分子の数を制御できず、また、固定された複数のオリゴDNA分子間の相対的位置関係を自由に設計することもできなかった。



なお、上記の2つの方法で作成した複合体混合物の中にも、目的とする構造の複合体は、ある確率で含まれていると考えられるが、それらを精製するためには、多くの手間がかかるだけでなく、多くの原材料(微粒子、オリゴDNA分子)が無駄になってしまう。



このように、微粒子一つあたりに固定されるオリゴDNAの数および、オリゴDNA同士の相対的位置関係を調整できないことで、例えば、以下のような問題が指摘されている。



DNA固定化微粒子を用いた従来の簡易遺伝子診断技術について図6、図7の模式図を用いて説明する。



従来の簡易遺伝子診断技術では、まず、標的DNAの一端と相補的な配列を有するオリゴDNA(プローブDNA)の固定された微粒子と、標的DNAの反対側の一端と相補的な配列を有するオリゴDNA(別のプローブDNA)の固定された微粒子とを混ぜ合わせた分散溶液を用意し、この分散溶液と、サンプルとを混ぜ合わせると、サンプルに標的DNAが入っている場合には、プローブDNAと標的DNAとのハイブリダイゼーションによって微粒子間が架橋される。その結果、微粒子がバルク凝集体や沈殿となり、微粒子溶液の色や濁度が変化し、サンプルに標的DNAが含まれていたことが検出される。一方、もし、サンプルに標的DNAが入っていなかったり、入っているDNAに一塩基変異(SNP)などが存在たりすると、ハイブリダイゼーションによる架橋が起こらない。この様な原理に基づいて、従来から、DNA固定化微粒子を用いることで、サンプル内に、ある特定のDNAが入っているか入っていないかを簡単に検出できることが知られている。



しかし、従来法で用いていたDNA固定化微粒子は一つの微粒子上に不特定多数のオリゴDNA分子(数十~数百)が固定されており、標的DNAの多くが、同一微粒子間の多重架橋に使われたり、微粒子間架橋に関与できない位置にあるプローブDNAに結合してしまったりして無駄になっている。このことは、本診断方法の検出限界を低下させる一つの要因になっていると考えられる。従って、検出限界を向上させる一つの方法は、バルク凝集が起こる限界量まで、1つの微粒子当りのプローブDNAの量を減らすことである。



ここで重要なことは、数少ないプローブDNAの位置を適切に設計することで、全てのプローブDNAが、重複することなく、微粒子間架橋に寄与できるようにプローブDNA配置することである。もし、所望の配置が実現できれば、微粒子がバルク凝集体となるためには、最低、1つの微粒子当り2つ以上のプローブDNAがあればよい(図7(a))。しかし、従来の固定方法では、上記の通り、特定の数のオリゴDNAを微粒子上に選択的に固定することは出来なかった。従って、当然ながら2つのプローブDNAだけが選択的に固定された微粒子を得ることも出来なかった。また、仮に、従来固定法で作成したオリゴDNA固定化微粒子の中から、偶然2つのプローブDNAだけが固定された微粒子だけを精製して得ることができても、2つのプローブDNA間の距離までは完全に制御できない。その結果、2つのプローブDNA間の距離が近すぎる微粒子が、かなりの数含まれることになる。この様な微粒子は、ターゲットDNAとハイブリダイズしても、微粒子2量体になってしまったり(図7(b))、図7(c)に示すように、微粒子凝集体の末端をキャップして大きなバルク集合体になるのを防いだりする可能性がある。従って、従来法で作成したDNA固定化微粒子を用いている限り、プローブDNAの量を限界まで減らして検出限界を向上させることは困難であった。

産業上の利用分野


本発明は、オリゴヌクレオチドの固定方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
2以上の所定数の一本鎖オリゴヌクレオチドを所定間隔で担体上に固定する方法であって、以下の工程、
(1)担体と結合可能な官能基を有するオリゴヌクレオチドのそれぞれを、オリゴヌクレオチドの相補配列を所定数有するガイドDNAとハイブリダイズする工程、
(2)オリゴヌクレオチドの官能基を担体に結合させる工程、
(3)脱ハイブリダイゼーションによって、オリゴヌクレオチドからガイドDNAを取り除く工程、
を含むことを特徴とするオリゴヌクレオチド固定方法。

【請求項2】
前記ガイドDNAは、オリゴヌクレオチドの相補配列が所定数連続する一本鎖DNAであることを特徴とする請求項1のオリゴヌクレオチド固定方法。

【請求項3】
前記ガイドDNAは、2以上の一本鎖ガイドDNAがハイブリダズして二本鎖領域と非二本鎖領域が形成された複合体であり、非二本鎖領域に、オリゴヌクレオチドの相補配列を有していることを特徴とする請求項1のオリゴヌクレオチド固定方法。

【請求項4】
オリゴヌクレオチドは、それぞれ異なる配列を有することを特徴とする請求項1から3のいずれかのオリゴヌクレオチド固定方法。

【請求項5】
官能基は、オリゴヌクレオチドの末端に結合していることを特徴とする請求項1から4のいずれかのオリゴヌクレオチド固定方法。

【請求項6】
オリゴヌクレオチドは、末端にスペーサー配列を有することを特徴とする請求項5のオリゴヌクレオチド固定方法。

【請求項7】
担体表面がコーティング処理されていることを特徴とする請求項1から6のいずれかのオリゴヌクレオチド固定方法。

【請求項8】
担体が微粒子であることを特徴とする請求項1から7のいずれかのオリゴヌクレオチド固定方法。

【請求項9】
担体が基板であることを特徴とする請求項1から7のいずれかのオリゴヌクレオチド固定方法。


産業区分
  • 治療衛生
  • 微生物工業
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2009109947thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
参考情報 (研究プロジェクト等) さきがけ ナノ製造技術の探索と展開 領域
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