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有機物汚染土壌における微生物分解容量の評価方法、及び汚染土壌修復速度の予測方法 実績あり

国内特許コード P100000263
整理番号 NU-0253
掲載日 2009年7月3日
出願番号 特願2009-062884
公開番号 特開2010-213607
登録番号 特許第5608869号
出願日 平成21年3月16日(2009.3.16)
公開日 平成22年9月30日(2010.9.30)
登録日 平成26年9月12日(2014.9.12)
発明者
  • 片山 新太
  • 宋 ▲徳▼君
出願人
  • 国立大学法人名古屋大学
  • 基礎地盤コンサルタンツ株式会社
  • 宋 ▲徳▼君
発明の名称 有機物汚染土壌における微生物分解容量の評価方法、及び汚染土壌修復速度の予測方法 実績あり
発明の概要 【課題】汚染源環境下での汚染有機物の微生物分解能力と、微生物分解能力に基づく汚染土壌の修復速度との評価方法を提供する。
【解決手段】キノンプロファイルの測定に基づき、汚染土壌の有機物分解性微生物に対応するキノン種合計濃度のピーク値XQ,mを求め、ここから汚染サイトでの微生物分解容量Zmを求める。微生物分解容量Zmに基づいてサイト分解容量定数kslを求め、これらから一定の計算式に基づき微生物バイオマスの経時的動態と汚染有機物分解速度を求める。
【選択図】図6
従来技術、競合技術の概要



石油系有機物等で汚染された土壌の修復に関して、汚染有機物の物理的な手段による分離技術や汚染有機物の分解技術が多様に提案されている。しかし、土壌自体が持つ修復能力、即ち土壌微生物による汚染有機物分解能力に基づき、汚染を原位置で自然に低減させる方法が最も低コストである。





このような微生物分解法においては、汚染有機物の分解に関与する土壌微生物のバイオマスが汚染有機物分解能力を大きく規定する。又、実際の汚染サイトでは、汚染サイトごとに特有の様々な環境条件が微生物増殖の制約となっており、その結果、個々の汚染サイトごとに特有の微生物分解能力を有する。即ち、汚染源(汚染の原位置)におけるバイオマスの挙動が土壌修復期間と費用を大きく左右する。このため、バイオマスのデータやその分解能力のデータを、汚染源の環境条件下において得る必要がある。





更に、石油系有機物等の炭化水素を分解する土着微生物は多様な土壌に遍在し、土壌中の炭化水素を炭素源及びエネルギー源として利用しながら増殖することが知られている。実際、土壌中に炭化水素が存在すると、特定の炭化水素分解性の微生物群が増殖することが報告されている。しかし、これらの微生物群を把握できたとしても、汚染サイトにおける炭化水素の微生物分解を定性的に理解できるだけであって、汚染土壌の修復速度あるいは修復時期を提示するために不可欠な定量的な微生物分解のレートは分からない。





従来、実験室に持ち帰って培養した汚染土壌から炭化水素の微生物分解のレートを評価する試みが多くなされている。しかし、そのような方法は期間と費用を要し、負担が大きい。しかも、汚染源の環境条件下とは異なる実験室的培養条件下でデータが得られるため、評価結果が不確実で信頼性に欠ける。

産業上の利用分野



本発明は、例えば石油系有機物等の炭化水素で汚染された土壌における微生物分解容量の評価方法及び汚染土壌修復速度の予測方法に関する。





更に詳しくは本発明は、第1に、有機物汚染土壌における、実サイトの汚染源での汚染有機物の微生物分解容量を正確に評価できる簡易な評価方法に関する。第2に、この微生物分解容量の評価結果を新規な微生物分解モデルと組み合わせて、汚染土壌の修復速度あるいは修復期間を高い精度で予測する簡易な方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
石油系有機物である炭化水素で汚染され、汚染物質濃度が1000mg/kgDS以上である有機物汚染サイトの微生物分解容量Z(mg/kgDS)を求める方法であって、
キノン濃度とバイオマス量の変換係数f=0.019(μmol/mg)、及び予め得た有機物汚染サイトの最大キノン量XQ,m(μmol/kgDS)を用い、式「Z=XQ,m/f」より微生物分解容量Zを求める方法。
(但し、上記有機物汚染サイトの最大キノン量XQ,m(μmol/kgDS)は下記(1)~(3)より求めたものである。
(1)上記有機物汚染サイトから採取した複数の汚染土壌サンプルと、上記有機物汚染サイト近傍から採取した未汚染土壌サンプルについて、Q-8,Q-9,Q-10,Q-10(H2),MK-6,MK-7,MK-7(H2),MK-7(H4),MK-8,MK-8(H2),MK-8(H4),MK-9,MK-8(H6),MK-9(H2),MK-9(H4),MK-10,MK-9(H6),MK-10(H2),MK-9(H8),MK-10(H4),MK-10(H6),MK-10(H8)から選ばれる1種以上のキノン種の土壌中濃度を測定してキノンプロファイルを作成し、
(2)上記汚染土壌サンプルと未汚染土壌サンプルとのキノンプロファイル測定値を対比して統計的に有意の濃度差があるとされたキノン種について、これらのキノン種の土壌中濃度の合計値を求め、
(3)前記複数の汚染土壌サンプル中から上記(2)の合計値がピーク値を示すものを選び、このピーク値が上記有機物汚染サイトで観測された最大キノン量XQ,m(μmol/kgDS)である。

【請求項2】
以下(1)~(4)のプロセスにより、石油系有機物である炭化水素で汚染され、汚染物質濃度が1000mg/kgDS以上である有機物汚染土壌における微生物分解に伴う汚染有機物の分解速度を予測することを特徴とする汚染土壌修復速度の予測方法。
(1)キノン濃度とバイオマス量の変換係数f=0.019(μmol/mg)、並びに、予め得た請求項1に規定した最大キノン量XQ,m(μmol/kgDS)及び0.1~0.25の範囲内である有効最大比増殖係数μ(day-1)とから、下記の「数8」の式よってサイト分解容量定数ksl(day-1)を求める。
【数8】


(2)更に、上記「数8」の式より求めたサイト分解容量定数ksl(day-1)と、予め得たバイオマス濃度の初期値Xを用い、この初期値Xから下記「数9」式を時間差分によって離散化し、順次的に微生物バイオマスXの経時的増大X(t)を計算する。
【数9】


(上記「数9」式において、X(mg/kgDS)は微生物バイオマス量を表す。
上記バイオマス濃度の初期値Xは、請求項1の(2)に規定した複数の汚染土壌サンプルについてのキノン種の土壌中濃度の合計値の内、最低値を示すものである。)
(3)更に、上記の微生物バイオマスXの経時的増大X(t)の計算結果と、増殖収率Y=0.5(mg/mg)と、時間差分によって離散化された下記「数10」式を用いて、汚染有機物の分解速度〔-(dC)/(dt)〕を予測する。
【数10】


(4)上記の汚染有機物の分解速度〔-(dC)/(dt)〕に照らし、汚染物質濃度C(t)の初期値からの経時的減少を順次的に予測し、その濃度が修復目標値になるのに要する日数を計算する。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2009062884thum.jpg
出願権利状態 登録
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