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イオン伝導性配向セラミックスの製造方法およびそのイオン伝導体を用いた燃料電池 コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P100000323
整理番号 KT09-06
掲載日 2009年8月21日
出願番号 特願2009-185885
公開番号 特開2011-037662
登録番号 特許第5651309号
出願日 平成21年8月10日(2009.8.10)
公開日 平成23年2月24日(2011.2.24)
登録日 平成26年11月21日(2014.11.21)
発明者
  • 嶺重 温
  • 矢澤 哲夫
  • 中尾 孝之
出願人
  • 兵庫県
発明の名称 イオン伝導性配向セラミックスの製造方法およびそのイオン伝導体を用いた燃料電池 コモンズ 新技術説明会
発明の概要 【課題】低コスト且つシンプルなプロセスであるにもかかわらず、大型のものを簡単に得ることができ、しかもイオン伝導性の向上が可能なイオン伝導性配向セラミックスの製造方法と、該方法で製造されたイオン伝導性配向セラミックスを固体電解質として使用した中温領域で作動する燃料電池を提供する。
【解決手段】ランタノイドの酸化物粉末とSi又はGeの少なくとも一方の酸化物粉末とを含む酸化物原料を混合する「酸化物原料混合工程S1」と、混合した前記酸化物原料を加熱溶融させて液体状態とし、これをキャストした後、急冷してガラス状物を得る「溶融ガラス化工程S2」と、前記ガラス状物を800~1400℃で熱処理して結晶化させる「結晶化工程S3」とを有することを特徴とするイオン伝導性配向セラミックスの製造方法である。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


現代の資源・エネルギー問題、環境問題を背景に、固体電解質を用いた燃料電池が注目されており、その実用化が期待されている。高分子電解質を用いる固体高分子形燃料電池(以下、「PEFC」と云う)や酸化物セラミックス電解質を用いる固体酸化物形燃料電池(以下、「SOFC」と云う)がこの「固体電解質を用いた燃料電池」に該当する。これまでにこれらの燃料電池の効率向上と実用化をめざして様々な取組みが行われているが、現状では、まだ高性能且つ高耐久性を有する実用レベルの燃料電池が開発されているとは云い難い。



上記燃料電池の効率向上と実用化において特に問題なのは固体電解質である。室温近辺で作動するPEFCの場合、現在主に研究されている電解質はパーフルオロ系のスルフォン酸基含有イオン交換膜(例えばDuPont社のNafion[登録商標])であるが、この材料は高いプロトン伝導性を有するものの、100℃を超える温度領域では含水率を高く保つことができず、結果としてプロトン伝導度の著しい減少を招くという問題がある。このため、燃料電池の自動車用或いは家庭用電源への適用を考えれば、100~300℃程度の中温領域で作動する燃料電池に適用可能な電解質を開発する必要があるが、上記パーフルオロ系のスルフォン酸基含有イオン交換膜ではこれに対応できない。



一方、酸化物イオン(O2-)伝導性固体電解質と正負両電極とからなるSOFCは、1000℃近い高温下で作動させることが特徴である。これは電解質の内部抵抗を低減するため、換言すれば電解質内のイオンの移動を十分なものとするには高温を与えなければならないという理由であるが、このように高温作動であるが故に、SOFCは、発電効率が燃料電池の中で最も高く、又、種々の炭化水素(メタノール、天然ガス、石炭ガス化ガス等)を燃料として使用でき、更には、電極触媒として貴金属が不要であると云った特長を有する。しかしながら、その一方で、セル構成材料(インターコネクタ等)の材料選択の幅が狭く高コストにつながり、又、固体電解質にセラミックスを用いることから昇降温時の熱衝撃に弱く燃料電池セルの信頼性が市場導入レベルに達していない等の問題を有している。



そこで最近は、このSOFCの作動温度を幾分低温化(500~800℃)させることでこれらの点を解決しようとの動きがある。このような中温作動型SOFCでは、セル周辺の耐熱部品にステンレス鋼を採用できる事や、固体電解質の受ける熱衝撃が軽減されると云ったメリットがあるが、その実現のためには、YSZ(イットリア安定化ジルコニア)に代表される既存の固体電解質に代わり得る中温領域でもイオン伝導性に優れた電解質の開発が必須である。



このような中温領域でイオン伝導性を発揮する固体電解質として、ランタンシリケート(LSO、組成式La9.33+xSi626+1.5x)が注目されている(例えば、特許文献1及び2参照)。この材料は、対称性の低い(つまり異方性の高い)アパタイト構造を有する新しいタイプのセラミックス電解質(イオン伝導性セラミックス)で、材料中でケイ素はSiO4四面体独立構造を取っており、アパタイト構造を保持する為の役割を担っている。そして、その四面体とランタン(La)との隙間にあるイオン伝導パスを介して酸化物イオンが高速に移動できるようになっている。更に、イオン伝導度の活性化エネルギーが低いことから、SOFCの固体電解質とした場合、低温作動化に有利であると云った特徴を有する。

産業上の利用分野


本発明は、高性能燃料電池を提供するための新規な固体電解質として利用可能なイオン伝導性配向セラミックスの製造方法およびこの方法で製造されたイオン伝導性配向セラミックスをイオン伝導体として用いた燃料電池に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ランタノイドの酸化物粉末とSi又はGeの少なくとも一方の酸化物粉末とを含む酸化物原料を混合する酸化物原料混合工程と、
混合した前記酸化物原料を加熱溶融させて液体状態とし、これをキャストした後、急冷してガラス状物を得る溶融ガラス化工程と、
前記ガラス状物を800~1400℃で熱処理し、イオン伝導パスがc軸方向に配向したイオン伝導性配向セラミックスを結晶化させる結晶化工程とを有することを特徴とするイオン伝導性配向セラミックスの製造方法。

【請求項2】
前記酸化物原料が組成式(1)の組成を持つオキシアパタイトを生成するものであることを特徴とする請求項1に記載のイオン伝導性配向セラミックスの製造方法。
(RE9.33+x-αAEα)(T6.00-ym+y)O26.00+[3x-(4-m)y-α]/2 …(1)
(但し、RE;ランタノイドの中から選ばれる少なくとも一つの元素、AE;アルカリ土類金属の中から選ばれる少なくとも一つの元素、T;Si又はGeの少なくとも一方の元素、M;Mg,Al,Sc,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Zn,Ga,Zr,Mo,Sn,Ta,W,P,Nbの中から選ばれる少なくとも一つの元素、-8.33≦x≦2.67、0.0≦y≦2.0、0.0≦α≦2.0)

【請求項3】
前記結晶化工程が酸素雰囲気規制下で行われることを特徴とする請求項1又は2に記載のイオン伝導性配向セラミックスの製造方法。

【請求項4】
請求項1乃至3の何れかに記載の方法で製造されたイオン伝導性配向セラミックスをイオン伝導体として固体電解質に用いたことを特徴とする燃料電池。
国際特許分類(IPC)
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JP2009185885thum.jpg
出願権利状態 登録
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