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白血病治療剤及び該治療剤の新規なスクリーニング方法

国内特許コード P100000333
整理番号 KUTLO-2009-007
掲載日 2009年9月4日
出願番号 特願2009-134714
公開番号 特開2010-281656
登録番号 特許第5555897号
出願日 平成21年6月4日(2009.6.4)
公開日 平成22年12月16日(2010.12.16)
登録日 平成26年6月13日(2014.6.13)
発明者
  • 平尾 敦
  • 仲 一仁
出願人
  • 国立大学法人金沢大学
発明の名称 白血病治療剤及び該治療剤の新規なスクリーニング方法
発明の概要 【課題】白血病幹細胞中の物質を標的にして慢性骨髄性白血病の治療剤をスクリーニングする新規な方法を提供することを解決すべき課題とした。加えて、新規な慢性骨髄性白血病の治療剤又は予防剤を提供することも解決すべき課題とした。
【解決手段】新規に「Foxo3aの活性化は慢性白血病幹細胞の生存に必要であること」を見出し、さらにFoxo3aを不活性化する物質が慢性骨髄性白血病の治療剤に成り得ることを確認して、本発明を完成した。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要



慢性骨髄性白血病(以後、"CML"と略する場合がある)は、フィラデルフィア(Ph)染色体転座を特徴とする骨髄増殖性疾患である。該転座により生じるBCR-ABL融合遺伝子は、チロシンキナーゼ活性が構成的に活性化されている細胞質タンパク質をコードしている。このBCR-ABL遺伝子が転写・翻訳されることでBCR-ABLが発現する。このタンパク質は、細胞増殖シグナルを異常に亢進させ、白血病細胞を無秩序に増殖させる。





現在のCMLの治療には、「化学療法」、「分子標的治療薬(グリベック登録商標 )の使用」、「造血幹細胞移植」が中心となり、このほか、治療による副作用の軽減や合併症の対処を目的とした「支持療法」などが行われている(非特許文献1)。





化学療法は、抗がん剤等により白血病細胞の増殖を抑えることで、白血病細胞を減少させる。しかしながら、その作用は、白血病細胞のみならず正常細胞にも影響を及ぼすため、いろいろな副作用が問題となっている。





造血幹細胞移植は、通常の何倍もの化学療法薬(抗がん剤)を投与するとともに放射線療法を行って白血病細胞を破壊した(前処置)後、健常者の造血幹細胞を移植して、骨髄の造血機能を回復させる方法である。

しかし、この治療法を行うためには、HLA(白血球のタイプ)が一致する造血幹細胞の提供者が必要なこと、また移植後においても、GVHD(移植片対宿主病)がおこる危険性や再発の可能性がある。





分子標的治療薬{ABL選択的チロシンキナーゼ阻害剤ST1571(イマニチブ、グリベック登録商標 )は、BCR-ABLタンパク質を標的として作用し、白血病細胞を減少させる。グリベック登録商標は、CMLの白血病細胞増殖のシグナル伝達に重要なBCR-ABLタンパク質のATP結合部位にはまり込み、本来ATPが結合して起こるシグナル伝達を抑制することで白血病細胞の増殖を抑制し、抗腫瘍効果を示す。

しかし、CMLにおけるST571による臨床試験では、進行期の多くの患者が良好に応答するものの、その後再発することが報告されている。加えて、BCR-ABL遺伝子の発現の増強または変異によるST1571に対する耐性が慢性骨髄性白血病患者において認められている(非特許文献2)。





特表2008-500338(特許文献1)は、「造血細胞の異常増殖を治療及び/又は予防する方法において、PI3Kδ選択的阻害剤は造血細胞におけるFoxo3aホスホリル化(Foxo3aの不活性化)を抑制するために有効量で投与すること」を開示している。

このように、本特許文献1は、FOXO3aホスホリル化を抑制することにより、造血細胞の異常増殖を抑制している。よって、本発明とは明らかに異なる。

加えて、本特許文献1の実施例で使用した細胞は、慢性骨髄性白血病の白血病幹細胞ではなく、急性白血病細胞を使用している。





再公表特許WO2002/070747(特許文献2)は、「慢性骨髄性白血病の治療剤のスクリーニング方法」を開示している。

しかし、スクリーニングの標的遺伝子が明らかに異なる。





以上の現状により、新しい作用メカニズムを持つ慢性骨髄性白血病の治療剤の開発が急務となっている。

産業上の利用分野



本発明は、慢性骨髄性白血病治療剤及び該治療剤の新規なスクリーニング方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
Foxo若しくはFoxo改変体のリン酸化を促進させる試験化合物又は発現を阻害する試験化合物を選択することを特徴とするチロシンキナーゼ阻害剤耐性の慢性骨髄性白血病の治療剤又は予防剤のスクリーニング方法。

【請求項2】
以下の工程を含む請求項1に記載のスクリーニング方法:
(a)試験化合物を、転写因子であるFoxo若しくはFoxo改変体、及び該転写因子に特異的に認識される遺伝子とレポーター遺伝子を含む融合遺伝子を含む試験動物又は試験細胞に接触させる工程、
(b)レポータータンパク質の試験動物又は試験細胞中での発現量を測定する工程。

【請求項3】
以下の工程を含む請求項1に記載のスクリーニング方法:
(a)試験化合物を、Foxo遺伝子若しくはFoxo改変体遺伝子とレポーター遺伝子を含む融合遺伝子を含む試験動物又は試験細胞に接触させる工程、
(b)レポータータンパク質の試験動物又は試験細胞中での発現量を測定する工程。

【請求項4】
以下の工程を含む請求項1に記載のスクリーニング方法:
(a)試験化合物を、Foxo遺伝子若しくはFoxo改変体遺伝子を含む試験動物又は試験細胞に投与又は接触させる工程、
(b)試験動物又は試験細胞中でのFoxo遺伝子若しくはFoxo改変体遺伝子又はFoxo若しくはFoxo改変体の発現量を測定する工程。

【請求項5】
以下の工程を含む請求項1に記載のスクリーニング方法:
(a)試験化合物を、Foxo遺伝子若しくはFoxo改変体遺伝子によってコードされるタンパク質に接触させる工程、
(b)前記タンパク質のリン酸化度を測定する工程。

【請求項6】
以下の工程を含む請求項1に記載のスクリーニング方法:
(a)試験化合物を、Foxo若しくはFoxo改変体を含む試験細胞に接触させる工程、
(b)Foxo若しくはFoxo改変体が細胞核に局在する細胞の頻度が減少しているかどうかを測定する工程。

【請求項7】
以下の工程を含む請求項1に記載のスクリーニング方法:
(a)試験化合物を、Foxo若しくはFoxo改変体を含む試験細胞に接触させる工程、
(b)Foxo若しくはFoxo改変体が細胞核に局在する細胞の頻度が減少しているかどうかを測定する工程、
(c)Foxo若しくはFoxo改変体が細胞質に局在する細胞の頻度が増加しているかどうかを測定する工程。

【請求項8】
前記試験細胞が、慢性骨髄性白血病の白血病幹細胞であることを特徴とする請求項1~7のいずれか1に記載のスクリーニング方法。

【請求項9】
前記Foxoが、Foxo3a又はFoxo4であることを特徴とする請求項1~8のいずれか1に記載のスクリーニング方法。

【請求項10】
前記Foxoが、Foxo4であることを特徴とする請求項1~9のいずれか1に記載のスクリーニング方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
(有)金沢大学ティ・エル・オーは、金沢大学の研究者の出願特許を産業界へ技術移転することを主目的として、金沢大学の教官の出資により設立された技術移転機関です。
ご興味のある方は、下記「問合せ先」へ整理番号と共にご連絡願います。
なお、既に活用のお申し込み・お打合わせ等の段階に入っている場合もございますので、予めご承知おきください。


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