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人体把持具とそれを用いた移乗支援器具 新技術説明会

国内特許コード P100000385
掲載日 2009年10月9日
出願番号 特願2009-134217
公開番号 特開2010-279491
登録番号 特許第5317111号
出願日 平成21年6月3日(2009.6.3)
公開日 平成22年12月16日(2010.12.16)
登録日 平成25年7月19日(2013.7.19)
発明者
  • 木下 功士
出願人
  • 国立大学法人富山大学
発明の名称 人体把持具とそれを用いた移乗支援器具 新技術説明会
発明の概要

【課題】簡単な手順により確実に被介護者を前後左右から抱き締めて、安全に移乗することができる人体把持具とそれを用いた移乗支援器具を提供する。
【解決手段】一対の腋支えアーム34と、一対の腋支えアーム34の間に設けられ身体の矢状面に対してほぼ直角に位置する胸当て板40と、胸当て板40に対してわずかに傾斜し腋支えアーム34が軸支された一対の腋支えアーム軸部材を備える。一対の腋支えアーム34は、腋支えアーム軸部材に回転可能な連結部材を介して取り付けられている。腋支えアーム34は、腋支えアーム軸部材により胴体を左右及び斜め方向から挟み込む抱き締め方向に揺動可能である。腋支えアーム34にかかる体重の分力によって、腋支えアーム34が身体を左右および前後方向に抱き締めるように作動し、体形に合わせて脇腹から背中までを抱き締める。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


従来、介護者が、高齢者・足腰が弱い人・障害のある人等、介護が必要な被介護者を介護するとき、介護者が被介護者をベッドから車椅子やトイレ等に移す移乗作業が行われている。このような移乗作業は、介護者が腰を屈めて両腕を被介護者の腋の下から背中に回し、抱き締めながら被介護者を少し立たせ、被介護者の体の向きを変えて座らせるものである。しかし、被介護者を抱き締めて立たせたり座らせたりする動作は、介護者に被介護者の体重がかかるため、介護者にとっては負担が大きく、腰痛等が発生しやすいものであった。



そこで、介護者の移乗作業の負担を軽減するための人体把持部を有した移乗支援器具が提案されている。移乗器具は、被介護者が腰かけ状態から移乗支援器具にもたれた疑似立ち上がり状態への移行を補助して乗り移りを支援するものである。このような移乗支援器具としては、例えば被介護者の腋を支えるアームと、胸当て、腰当てを有し、被介護者の身体の主に前側の部分だけを支えてそのまま抱き上げるものや、さらにベルトや吊り具等を補助的に用いて、被介護者の身体の後ろ側の部分も支えることで器具からの脱落を防止しながら抱き上げるものがある。さらに、移乗支援器具は、被介護者の体形に合わせて幅を調節したり固定したりするために、被介護者の体格等の違いに対して、段階的に幅を調節する構造が設けられているものであり、可変部位に段階的に空けられた穴等にピンやネジを差し込んで固定する等の方式が多かった。このような移乗支援器具として、例えば以下の特許文献1~5に開示されているような構造のものが提案されている。



例えば、特許文献1に開示されている人体の移乗装置は、キャスタを有する台座と、台座に立てた主柱と、主柱の途中に傾動可能に取り付けられた枝柱と、枝柱の先端に取り付けられた保持具が設けられている。主柱は、台座の被介護者側の位置に設けられている軸芯を中心に傾動可能である。この移乗装置の使用方法は、主柱に対して枝柱を傾動させて被介護者を移乗するものである。主枝も被介護者側に傾動可能であり、水平距離を大きく移動することができる。



特許文献2に開示されている移乗介護支援車は、キャスタを有する台車と、台車に立設された握りバーと、握りバーに対向して台車に立設された保持アームと、保持アームの上部に取り付けられた胸当てと腰当てと、握りバーと保持アームの間に渡されたバランサが設けられている。この移乗介護支援車の使用方法は、被介護者に握りバーを持たせて腰当てに体重をかけさせると、バランサの引く力と体重が加わり前上方へ移動し、座位から立位へ体位変換するものである。



特許文献3に開示されている移乗補助装置は、車いすを前方から取り込む状態に収容可能な台車と、台車に取り付けられ昇降可能な支持枠と、支持枠の前方にブラケットを介して取り付けられた座席が設けられている。この移乗補助具の使用方法は、車いすに被介護者が乗った状態で、移乗補助装置を車いすに近づけ、座席を被介護者の下に挿入し、支持枠を上昇させて車いすから上方へ離反させて移乗するものである。



特許文献4に開示されている移乗機は、キャスタを有する台車と、台車に立設された主フレームと、主フレームの途中に揺動自在に取り付けられたアームと、アームの先端に取り付けられている胸当てと、前記胸当てと主フレームの間に設けられている角度保持機構が設けられている。この移乗機の使用方法は、胸当てに被介護者の胸を当接し、アームを揺動させて胸当てを上昇させて被介護者を立ち上がらせる。このとき、胸当ては角度保持機構が設けられているため、体が大きく前のめりとなることを防ぎ、自然な姿勢で移乗を行うものである。



特許文献5に開示されている介護補助装置は、キャスタを有する台車と、台車に立設された支柱と、支柱の上端部に揺動自在に取り付けられた揺動アームと、揺動アームの先端に取り付けられた腕部が設けられている。揺動アームと支柱の間には、揺動アームの角度を調整する電動ピストンが設けられている。この介護補助装置の使用方法は、被介護者の腋下に腕部を挿入し、電動ピストンを作動させて腕部は揺動アームの揺動に伴って上昇し、被介護者を起立させた状態とするものである。

産業上の利用分野


この発明は、介護等が必要な人の身体を保持する人体把持具とそれを用いた移乗支援器具に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
人体の脇腹から背中までを保持する把持具であって、前記把持具は、一対の腋支えアームと、前記一対の腋支えアームの間に設けられ身体の矢状面に対してほぼ直角に位置する胸当て板と、前記胸当て板に対してわずかに傾斜し前記腋支えアームが軸支された一対の腋支えアーム軸部材が設けられ、前記一対の腋支えアームは、前記腋支えアーム軸部材に回転可能な連結部材を介して取り付けられ、前記腋支えアームは、前記腋支えアーム軸部材により胴体を左右及び斜め方向から挟み込む抱き締め方向に揺動可能であり、前記腋支えアームにかかる体重の分力によって、前記腋支えアームが身体を左右および前後方向に抱き締めるように作動し、体形に合わせて脇腹から背中までを抱き締めて把持可能としたことを特徴とする人体把持具。

【請求項2】
前記胸当て板の前記人体が接する側と反対側の面に回転可能に取り付けられ、身体の矢状面に対して直角で水平に位置する抱き締め軸部材が設けられ、前記抱き締め軸部材の両端部に前記腋支えアーム軸部材が傾斜して設けられ、前記腋支えアームは、前記腋支えアーム軸部材と前記抱き締め軸部材により、胴体を左右及び斜め方向から挟み込むとともに、前記胸当て板と前記腋支えアーム先端の抱き締め部との間で、身体を抱き締めるように保持する請求項1記載の人体把持具。

【請求項3】
前記一対の腋支えアーム軸部材の方向は、水平方向において、上端部が互いに近づき身体側に位置し、下端部が互いに離れて身体から相対的に離れた側に位置している請求項1記載の人体把持具。

【請求項4】
前記腋支えアームは、胴体を囲むようにL字形に折り曲げられ、前記腋支えアーム軸部材に近い部分が腋下を支える腋支え部であり、前記腋支えアーム軸部材から遠い部分は背中と脇腹を抱きしめる抱き締め部である請求項1記載の人体把持具。

【請求項5】
適度な強度を有するシャフトと、前記シャフトの上端部に連結されているハンドルと、前記シャフトの下端部に連結され床面に当接するキャスタが取り付けられている台板と、前記シャフトの途中に側方に突出して設けられ介護が必要な被介護者の身体を保持する把持具が設けられ、前記把持具は請求項1乃至4のいずれか記載の人体把持具である移乗支援器具。

【請求項6】
前記シャフトは、前記矢状面に沿った方向に回転可能に前記台板に取り付けられ、前記台板の、前記シャフトの回転する面上で前記把持具と反対方向に位置するストッパが設けられ、前記ストッパには前記シャフトを前記ストッパ側に所定角度で傾斜した状態で前記シャフトに当接する当接部が設けられている請求項5記載の移乗支援器具。
産業区分
  • 治療衛生
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2009134217thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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