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光学活性3’-フルオロサリドマイド誘導体の製造方法 コモンズ

国内特許コード P100000456
掲載日 2009年12月11日
出願番号 特願2009-157231
公開番号 特開2011-012014
登録番号 特許第5561577号
出願日 平成21年7月1日(2009.7.1)
公開日 平成23年1月20日(2011.1.20)
登録日 平成26年6月20日(2014.6.20)
発明者
  • 柴田 哲男
  • 山本 剛嗣
出願人
  • 国立大学法人 名古屋工業大学
発明の名称 光学活性3’-フルオロサリドマイド誘導体の製造方法 コモンズ
発明の概要 【課題】 光学活性3’-フルオロサリドマイド誘導体の製造方法
【解決手段】 2-(2-オキソピペリジン-3-イル)イソインドリン-1,3-ジオン誘導体と有機金属試薬によって生じる金属エノラートに対して,シンコナアルカロイドとフッ素化剤より容易に調製できる,シンコナアルカロイド・フルオロアンモニウム塩を反応させ,次いで酸化反応を行うことで,光学活性3’-フルオロサリドマイドを製造する。
【選択図】 なし
従来技術、競合技術の概要



50年ほど前,当時西ドイツのグリュンネルタール社が開発した催眠鎮静剤サリドマイドは,過剰服用によっても致死量に達しないなど,極めて安全な睡眠薬として大衆化された大ヒット医薬品である。しかし,販売開始後,多くの国で胎児に奇形を起こすことが判明し,5年後に販売が中止された。一旦抹消されたサリドマイドだが,その後の研究で,らい病,エイズ,がん,アフタ性口内炎,ベーチェット病といった難病に有効であることがわかり,FDAは,オーファンドラッグとして認定した(非特許文献1乃至4)。

現在はセルジーン社,藤本製薬が製造販売している。しかし,サリドマイドは,広範囲の難病に高い活性を示すという特徴を有し期待されながらも,そのラセミ体の服用により,催奇形性を併発する重篤な副作用が見られるため,その使用にあたっては賛否両論がある。このような諸問題を回避するためには,光学活性体を薬剤として使用する必要がある(非特許文献5)。しかしながら,サリドマイドは投与後,体内でラセミ化してしまうため,たとえ光学活性体を使用しても副作用を回避できないという問題点がある(非特許文献6乃至8)。

これまでにこの問題を回避するため,ラセミ化しないサリドマイドとして不斉中心の水素原子をメチル基で置換したメチルサリドマイド(非特許文献9乃至10)が報告されている。また水素原子のイソスターであるフッ素原子で置換した3’-フルオロサリドマイドが合成されている(非特許文献11乃至12)。しかし,この3’-フルオロサリドマイドはラセミ体の合成法しか報告されておらず,不斉合成の報告例はない。

【非特許文献1】

andall, T. J. Am. Med. Assoc. 1990, 263, 1467.

【非特許文献2】

kolnick, A. J. Am. Med. Assoc. 1990, 263, 1468.

【非特許文献3】

andall, T. J. Am. Med. Assoc. 1990, 263, 1474.

【非特許文献4】

uller, G. W. Chemtech 1997, 27, 21.

【非特許文献5】

laschke, G.; Kraft, H. P.; Fickentscher, K.; Kohler, F. Arzneim.-Forsch., 1979, 29, 1640.

【非特許文献6】

noche B.; Blaschke, G. J. Chromatogr. 1994, 2, 183.

【非特許文献7】

nendt, S.; Finkam, M.; Winter, W.; Ossing, J.; Rabbe, G.; Zwingenberger, K. Chirality1996, 8, 390.

【非特許文献8】

inter, W.; Frankus, E. Lancet 1992, 339, 365.

【非特許文献9】

ishimura, K.; Hashimoto, Y.; Iwasaki, S. Chem. Pharm. Bull. 1994, 42, 1157

【非特許文献10】

iyachi, H.; Azuma, A.; Hiroki, E.; Iwasaki, S.;Kobayashi, Y.; Hashimoto, Y. Biochem. Biophys. Res. Comm. 1996, 226, 439.

【非特許文献11】

akeuchi, Y.; Shiragami, T.; Kimura, K.; Suzuki, E.; Shibata, N. Org. Lett. 1999, 1, 1571.

【非特許文献12】

an, H. W.; Corral, L. G.; Stirling, D. I.; Muller, G.. W. Bioorg. Med. Chem. Lett. 2003, 13, 3415.

産業上の利用分野


本発明は,光学活性3’-フルオロサリドマイド誘導体の製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記の式(1)又は式(1’)で表される光学活性2-(3-フルオロ-2-オキソピペリジン-3-イル)イソインドリン-1,3-ジオン誘導体
【化1】



(式中,R1,R2,R3,R4,R5,及びR6はそれぞれ独立に水素原子,低級アルキル基,低級アルコキシ基,ハロゲン原子,ハロゲン化低級アルキル基,置換基を有していてもよいアリール基,置換基を有していてもよいアミノ基,ヒドロキシル基,低級アルキルチオ基,低級アルコキシカルボニル基,置換基を有していてもよいカルバモイル基,シアノ基,ニトロ基,低級アルケニル基,又は低級アルキニル基を示し,R1乃至R4のうち隣接する2つの基は一緒になって置換基を有していてもよい5乃至7員環を形成してもよく;R7は水素原子又はアミノ基の保護基を示す。)の製造法であって,下記の式(2)で表される2-(2-オキソピペリジン-3-イル)イソインドリン-1,3-ジオン誘導体
【化2】



(式中,R1,R2,R3,R4,R5,R6,及びR7は式(1)又は式(1’)記載の通りである。)に対して,塩基存在下,下記の式(3)又は(4)で表されるシンコナアルカロイド誘導体
【化3】



(式中,R8,R9,及びR10はそれぞれ独立に水素原子,低級アルキル基,低級アルコキシ基,ハロゲン原子,ハロゲン化低級アルキル基,置換基を有していてもよいアリール基,置換基を有していてもよいアミノ基,ヒドロキシル基,低級アルキルチオ基,低級アルコキシカルボニル基,置換基を有していてもよいカルバモイル基,シアノ基,ニトロ基,低級アルケニル基,又は低級アルキニル基を示す。)とフッ素化剤より調製される光学活性フルオロアンモニウム塩を反応させる工程を備え
前記フッ素化剤として,N-フルオロベンゼンスルホンイミドを用いることを特徴とする光学活性2-(3-フルオロ-2-オキソピペリジン-3-イル)イソインドリン-1,3-ジオン誘導体の製造方法。

【請求項2】
前記反応の添加剤として,テトラメチルエチレンジアミンを用いることを特徴とする請求項1に記載の光学活性2-(3-フルオロ-2-オキソピペリジン-3-イル)イソインドリン-1,3-ジオン誘導体の製造方法。

【請求項3】
前記反応の添加剤として,アセチルアセトン銅(II)およびビピリジンを用いることを特徴とする請求項1に記載の光学活性2-(3-フルオロ-2-オキソピペリジン-3-イル)イソインドリン-1,3-ジオン誘導体の製造方法。

【請求項4】
下記の式(5)又は式(5’)で表される光学活性2-(3-フルオロ-2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリン-1,3-ジオン誘導体
【化4】



(式中,R1,R2,R3,R4,R5,R6,及びR7請求項1の式(1)又は式(1’)記載の通りである。)の製造法であって,請求項1ないし3のいずれか1つに記載の製造方法により、請求項1記載の式(1)または(1’)で表される化合物を得て、さらに酸化剤により酸化する工程を備えることを特徴とする光学活性2-(3-フルオロ-2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリン-1,3-ジオン誘導体の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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