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位置敏感時間分析型検出器、その作製方法およびそれを用いた三次元中エネルギーイオン散乱装置

国内特許コード P100000507
整理番号 22683
掲載日 2010年1月22日
出願番号 特願2009-196289
公開番号 特開2011-047786
登録番号 特許第5429797号
出願日 平成21年8月27日(2009.8.27)
公開日 平成23年3月10日(2011.3.10)
登録日 平成25年12月13日(2013.12.13)
発明者
  • 小林 峰
出願人
  • 独立行政法人理化学研究所
発明の名称 位置敏感時間分析型検出器、その作製方法およびそれを用いた三次元中エネルギーイオン散乱装置
発明の概要

【課題】検出された信号の時間情報に対する補正処理を必要としない位置敏感分析型検出器、その作製方法およびそれを用いた三次元中エネルギーイオン散乱装置を提供する。
【解決手段】2組の一対の絶縁体のそれぞれにワイヤアノードを張設して当該ワイヤアノード同士が互いに直交するように配置した際に、ワイヤアノードが絶縁体とそれぞれ当接する距離が同一となり、かつ、一方の一対の絶縁体に張設されたワイヤアノードにより形成される空間内に、他方の一対の絶縁体に張設されたワイヤアノードが配置可能なように、2組の一対の絶縁体を構成する。
【選択図】 図8

従来技術、競合技術の概要


ノートパソコンや携帯電話などのモバイル機器の軽量化を目的にアルミニウム合金やマグネシウム合金薄板が筐体などに用いられている。この筐体にはその組立や筺体に基板、モータなどの取付けるために突起部を設ける必要がある。従来、これらの突起部を形成する際には鍛造法が専ら採用されてきた。この方法は大型の機械を用いて材料の塑性加工の特性を利用するものであり、複雑な操作が必要とされる。例えば、特許文献1(特開平2-6034号公報)に記載されている凸部の形成では、ダイの凹部に対向する位置から偏心したパンチ側凸部により長さ方向及び板厚方向に塑性流動を与えて、素板材に所定形状の凸部を形成する。この方法によると、凸部の形成と同様に、凸部の反対側に必要としない凹部が必然的に形成されるという問題点があり、日経BP社刊「日経メカニカル」第2000.10.no.553号の第70~71頁(非特許文献1)に記載によると、マグネシウム合金を押し出し鍛造すると、流れ模様が発生するなど、表面の外観品質に課題が残り、特に、高いボスを形成した場合、ボスの反対側がくぼんでしまうなどの問題点が指摘されている。
これらのことから形成すべき凸部の周囲の板材を押圧、又は更に形成すべき凸部の裏面に設けた突出部を押圧することにより、形成すべき凸部に向けて素板材の一部が塑性流動させて凸部を形成する(特許文献2、特開2002-273540号)、マグネシウム合金板材に、その厚さ方向の荷重を印加して、凸部を形成する工程を有するマグネシウム合金部品の製造方法において、前記板材表面の凸部を形成しようとする領域近傍における合金材料の流動性Aを、その裏面近傍における合金材料の流動性Bよりも、大きくなるように制御する(特許文献3 特開2004-337935)などの種々の操作が必要であることが指摘されている。
以上の方法では、塑性流動性を利用していることが理解できるが、塑性流動を利用するために種々の煩雑な細かい操作を必要とし、細かい操作をほどこしても、依然として問題点を完全に解決することが困難な状況にあり、従来の方法とは相違する突起部及び突起部の形成方法が必要とされている。



前記の材料を用いる突起部の形成に際し材料の塑性流動性を利用して突起部を形成するうえで、鍛造法以外の方法としては以下の方法が候補として考えられる。
スタッド溶接を用いる場合については、筐体表面への凹みや熱影響などの問題があり、これを排除することが困難であると考えられ、現段階では有効な手段ではない。
摩擦圧接による方法では、摩擦圧接自体摩擦面の温度と回転速度の調節が必要とされ(特許文献5、特公昭52-11294号など)、板状態にフインなどを摩擦圧接により取付けようとすると、位置決めなどを考慮して振動手段を採用する(特許文献6 特開11-340392)、圧入の際の圧力調整が必要である(特許文献7 特開2006-255749号公報、特許文献8 特開2006-187778号公報、特許文献9 特開2007-105735号公報)など煩雑な操作が必要とされ、突起部の摩擦圧接により接合された部分の強度が単に一つの材料により形成されている突起部と同じレベルの強度を維持できるかどうかが問題となる。この点では有効な手段ではないと考えられる。
摩擦圧接処理は、通常、回転する中実円柱状体を板材に接触させて板材に凹み部分を形成し、凹み部分の周辺部の材料を溶融軟化させることを利用するために用いるものであり、突起部の形成に利用された事例はない。回転する中実円柱状体による凹みの周辺を溶融軟化させ、その結果により起こる塑性流動は、凹み部分の形成には有効に作用するが、この方法が直ちに突起部を形成するという適用例は考えられない。摩擦圧接処理は、回転するプローブを、板材表面を移動させることによる変形加工を行うものであり(特許文献10 特開2004-74255号公報、特許文献11 特開2005-118877号公報)、移動しない場合には単に材料中の特定部分を溶融状態に保つことにとどまる(特許文献12 特開2005-305480号公報)。
従来の方法では、単に金属板の摩擦圧接処理によって突起部を形成することは期待することはできない。

産業上の利用分野


本発明は、位置敏感時間分析型検出器、その作製方法およびそれを用いた三次元中エネルギーイオン散乱装置に関し、さらに詳細には、直交して配設されたワイヤアノードにより2次元の検出領域が形成され、当該検出領域に入射した粒子の到達位置および到達時間を計測するための信号を検出する位置敏感時間分析型検出器、その作製方法およびそれを用いた三次元中エネルギーイオン散乱装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ワイヤアノードを直交して配置した検出領域を備え、該検出領域に粒子が入射することにより、該粒子の到達位置ならびに到達時間を計測するための信号を出力する位置敏感時間分析型検出器において、
所定の第1の間隔を開けて配置した一対の第1の絶縁体と、
前記所定の第1の間隔を開けて配置した一対の第2の絶縁体と、
前記一対の第1の絶縁体に当接するようにして、互いに所定の第2の間隔を開け、かつ、同一方向に所定の回数だけ前記一対の第1の絶縁体に巻回され、前記一対の第1の絶縁体間に張設された一方のワイヤアノードと、
前記一対の第2の絶縁体に当接するようにして、互いに所定の前記第2の間隔を開け、かつ、同一方向に前記所定の回数だけ前記一対の第2の絶縁体に巻回され、前記一対の第2の絶縁体間に張設された他方のワイヤアノードと
を有し、
前記一方のワイヤアノードと前記他方のワイヤアノードとが互いに直交するように配置してなる位置敏感時間分析型検出器であって、
前記一対の第1の絶縁体と前記一対の第2の絶縁体とは、前記一方のワイヤアノードと前記他方のワイヤアノードとをそれぞれ巻回した際において、前記一方のワイヤアノードと前記他方のワイヤアノードとがそれぞれ当接する距離が同一となり、かつ、前記一対の第1の絶縁体に巻回された前記一方のワイヤアノードにより形成される空間内に、前記一対の第2の絶縁体に巻回された前記他方のワイヤアノードが接触することなく配置可能な形状を備えた
ことを特徴とする位置敏感時間分析型検出器。
【請求項2】
請求項1に記載の位置敏感時間分析型検出器において、
前記一対の第1の絶縁体は、楕円柱を楕円の長軸で切断した形状を備えるとともに、該切断した形状における切断面を対向して前記所定の第1の間隔を開けて配置され、
前記一対の第2の絶縁体は、前記楕円柱と同一寸法の楕円柱を楕円の短軸で切断した形状を備えるとともに、該切断した形状における切断面を対向して前記所定の第1の間隔を開けて配置された
ことを特徴とする位置敏感時間分析型検出器。
【請求項3】
請求項1に記載の位置敏感時間分析型検出器において、
前記一対の第1の絶縁体は、矩形柱を矩形の対向する短辺の中点において切断した形状を備えるとともに、該切断した形状における切断面を対向して前記所定の第1の間隔を開けて配置され、
前記一対の第2の絶縁体は、前記矩形柱と同一寸法の矩形柱を矩形の対向する長辺の中点において切断した形状を備えるとともに、該切断した形状における切断面を対向して前記所定の第1の間隔を開けて配置された
ことを特徴とする位置敏感時間分析型検出器。
【請求項4】
請求項1に記載の位置敏感時間分析型検出器において、
前記一対の第1の絶縁体は、矩形形状の四角に対して同じ曲率のR加工が施された略矩形形状の断面を有する略矩形柱を、略矩形形状の対向する短辺の中点において切断した形状を備えるとともに、該切断した形状における切断面を対向して前記所定の第1の間隔を開けて配置され、
前記一対の第2の絶縁体は、前記略矩形柱と同一寸法の略矩形柱を、略矩形形状の対向する長辺の中点において切断した形状を備えるとともに、該切断した形状における切断面を対向して前記所定の第1の間隔を開けて配置された
ことを特徴とする位置敏感時間分析型検出器。
【請求項5】
ワイヤアノードを直交して配置した検出領域を備え、該検出領域に粒子が入射することにより、該粒子の到達位置ならびに到達時間を計測するための信号を出力する位置敏感時間分析型検出器の作製方法において、
所定の第1の間隔を開けて配置される一対の第1の絶縁体を形成し、
前記所定の第1の間隔を開けて配置される一対の第2の絶縁体を形成し、
一方のワイヤアノードを、前記一対の第1の絶縁体に当接するようにして、互いに所定の第2の間隔を開け、かつ、同一方向に所定の回数だけ前記一対の第1の絶縁体に巻回して前記一対の第1の絶縁体間に張設し、
他方のワイヤアノードを、前記一対の第2の絶縁体に当接するようにして、互いに所定の前記第2の間隔を開け、かつ、同一方向に前記所定の回数だけ前記一対の第2の絶縁体に巻回して前記一対の第2の絶縁体間に張設し、
前記一方のワイヤアノードと前記他方のワイヤアノードとが互いに直交するように配置する位置敏感時間分析型検出器の作製方法であって、
前記一対の第1の絶縁体と前記一対の第2の絶縁体とを、前記一方のワイヤアノードと前記他方のワイヤアノードとをそれぞれ巻回した際において、前記一方のワイヤアノードと前記他方のワイヤアノードとがそれぞれ当接する距離が同一となり、かつ、前記一対の第1の絶縁体に巻回された前記一方のワイヤアノードにより形成される空間内に、前記一対の第2の絶縁体に巻回された前記他方のワイヤアノードが接触することなく配置可能に形成する
ことを特徴とする位置敏感時間分析型検出器の作製方法。
【請求項6】
請求項5に記載の位置敏感時間分析型検出器の作製方法において、
前記一対の第1の絶縁体は、楕円柱を楕円の長軸で切断した形状を備えるように形成するとともに、該切断した形状における切断面を対向して前記所定の第1の間隔を開けて配置し、
前記一対の第2の絶縁体は、前記楕円柱と同一寸法の楕円柱を楕円の短軸で切断した形状を備えるように形成するとともに、該切断した形状における切断面を対向して前記所定の第1の間隔を開けて配置した
ことを特徴とする位置敏感時間分析型検出器の作製方法。
【請求項7】
請求項5に記載の位置敏感時間分析型検出器の作製方法において、
前記一対の第1の絶縁体は、矩形柱を矩形の対向する短辺の中点において切断した形状を備えるように形成するとともに、該切断した形状における切断面を対向して前記所定の第1の間隔を開けて配置し、
前記一対の第2の絶縁体は、前記矩形柱と同一寸法の矩形柱を矩形の対向する長辺の中点において切断した形状を備えるように形成するとともに、該切断した形状における切断面を対向して前記所定の第1の間隔を開けて配置した
ことを特徴とする位置敏感時間分析型検出器の作製方法。
【請求項8】
請求項5に記載の位置敏感時間分析型検出器の作製方法において、
前記一対の第1の絶縁体は、矩形形状の四角に対して同じ曲率のR加工が施された略矩形形状の断面を有する略矩形柱を、略矩形形状の対向する短辺の中点において切断した形状を備えるように形成するとともに、該切断した形状における切断面を対向して前記所定の第1の間隔を開けて配置し、
前記一対の第2の絶縁体は、前記略矩形柱と同一寸法の略矩形柱を、略矩形形状の対向する長辺の中点において切断した形状を備えるように形成するとともに、該切断した形状における切断面を対向して前記所定の第1の間隔を開けて配置した
ことを特徴とする位置敏感時間分析型検出器の作製方法。
【請求項9】
検出された信号を処理して、試料の表面または界面の構造解析を行う位置敏感時間分析型検出器を用いた三次元中エネルギーイオン散乱装置において、
内部に試料が載置される真空チャンバと、
前記試料に中エネルギーのパルスイオンビームを照射するビーム照射手段と、
前記真空チャンバ内において前記試料と所定の間隔を空けて配置されるとともに、前記試料から散乱する散乱粒子の到達位置と前記散乱粒子の到達時間とを測定するための信号を検出する検出部と
を有し、
前記検出部は、マイクロチャンネルプレートと請求項1、2、3または4のいずれか1項に記載の位置敏感時間分析型検出器とにより構成される
ことを特徴とする位置敏感時間分析型検出器を用いた三次元中エネルギーイオン散乱装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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