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創傷治療剤及びそのスクリーニング方法

国内特許コード P100000515
整理番号 22885
掲載日 2010年1月22日
出願番号 特願2009-254379
公開番号 特開2010-280651
登録番号 特許第5641388号
出願日 平成21年11月5日(2009.11.5)
公開日 平成22年12月16日(2010.12.16)
登録日 平成26年11月7日(2014.11.7)
優先権データ
  • 特願2009-112250 (2009.5.1) JP
発明者
  • 田中 貴志
  • 改正 恒康
出願人
  • 国立研究開発法人理化学研究所
発明の名称 創傷治療剤及びそのスクリーニング方法
発明の概要 【課題】PDLIM2の創傷治癒反応における役割を解明し、その知見を創薬に応用すること。
【解決手段】本発明は、PDLIM2の発現又は機能を抑制する物質を含む、創傷治療剤を提供する。PDLIM2の発現又は機能を抑制する物質は、好ましくは、PDLIM2の発現又は機能を抑制する物質が、PDLIM2の発現を特異的に抑制し得るsiRNA、アンチセンス核酸、又はこれらのポリヌクレオチドを発現し得る発現ベクターである。また、本発明は、被験物質が、PDLIM2の発現又は機能を抑制し得るか否かを評価することを含む、創傷を治療し得る物質のスクリーニング方法を提供する。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


創傷治癒とは、何らかの原因で皮膚などの上皮組織が欠損した場合に、これを修復するための一連の反応のことで、最も組織化された免疫又は炎症反応の1つである。創傷治癒反応は、(1)炎症期(2)肉芽組織形成期(3)再構築期の3つの過程に大きく分けられる。炎症期においては、組織損傷に伴って局所の炎症反応が惹起され、好中球やマクロファージが創傷部位に遊走してくる。マクロファージは各種炎症性サイトカインやケモカインを分泌することにより炎症反応をさらに増強する。これに続く肉芽組織形成期においては、血管内皮細胞の増殖により血管新生が誘導されるとともに、創部に浸潤してきた線維芽細胞が増殖してコラーゲン等の細胞外マトリックスを産生することにより肉芽組織を形成し組織の再生を図る。さらに、肉芽組織内の線維芽細胞は、アクチンを多く含み収縮力に富む筋線維芽細胞へと分化する。この時期にみられる創収縮は、この筋線維芽細胞が主となっておこる現象で、効率よく創面積を縮小させるための有用な方法である。そして再構築期においては、肉芽組織の上部に上皮細胞の形成が誘導され、元の正常な構造が再構築される。もし、個体あるいは局所の病的な状態によって正常な創傷治癒反応が傷害されると、褥創、手術後の創部感染、糖尿病性潰瘍、熱傷など難治性の創傷となる。ところが一方では、この反応が過剰におこると、さまざまな病的な線維化、たとえば、皮膚においてはケロイドや瘢痕化を、また肺においては気管支喘息にともなう気道リモデリングをひきおこすことが明らかになっている。さらに重症の例としては、強皮症、肺線維症、肝硬変などの原因となることも示唆されている。よって、これらの一連の創傷治癒反応は厳密に制御される必要がある。これまでの研究において、TGFβやIL-6などのサイトカイン、および、PDGFやFGFなどの増殖因子が創傷治癒反応の進行に重要な役割を果たしていることが報告されているが、これらの反応がどのように調節されているかについては、十分には明らかになっていない。



PDLIM2(PDZ and LIM domain protein-2)は、SLIM(STAT-interacting LIM protein)とも呼ばれ、本発明者らが単離したLIMタンパク質ファミリーに属する核内ユビキチンリガーゼであり、PDZおよびLIMドメインを有する。PDLIM2は、T細胞におけるTh1細胞分化に必須の転写因子の1つであるSTAT4に核内で結合し、これをユビキチン化及び分解することによりSTAT4によるシグナル伝達を終息させる(非特許文献1、特許文献1)。その後の解析により、PDLIM2がNF-κBに対する核内ユビキチンリガーゼであり、樹状細胞においてNF-κBをユビキチン化、分解及び不活性化することにより、NF-κBによる炎症反応を終息させることが明らかになった(非特許文献2、特許文献2)。PDLIM2欠損樹状細胞では、NF-κBの分解が傷害されており、炎症性サイトカインの産生量も2~3倍に増加していた。しかしながら、PDLIM2が個体レベルでどのような生理学的機能を有しているのかに関しては、まだ十分には解明されていない。

産業上の利用分野


本発明は、創傷治療剤及びそのスクリーニング方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
PDLIM2の発現を特異的に抑制し得るsiRNA又はアンチセンス核酸、或いはこれらのいずれかのポリヌクレオチドを発現し得る発現ベクターを含む、創傷治療剤。

【請求項2】
被験物質が、PDLIM2の発現又は機能を抑制し得るか否かを評価することを含む、創傷を治療し得る物質のスクリーニング方法。

【請求項3】
1)PDLIM2の発現を測定可能な細胞を用いたPDLIM2の発現の測定、2)PDLIM2の機能を測定可能な再構成系を用いたPDLIM2の機能の測定、3)PDLIM2の機能を測定可能な細胞系を用いたPDLIM2の機能の測定、及び4)動物を用いたPDLIM2の発現又は機能の測定からなる群から選択されるいずれかにより行われる、請求項記載のスクリーニング方法。

【請求項4】
該評価が、被験物質がPDLIM2によるSmad2又は3のユビキチン化を抑制するか否かの評価に基づき行われる、請求項記載のスクリーニング方法。

【請求項5】
該評価が、被験物質がPDLIM2及びSmad2又は3を含む複合体の形成を抑制するか否かの評価に基づき行われる、請求項記載のスクリーニング方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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