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スイッチトキャパシタ電源装置 新技術説明会

国内特許コード P100000560
掲載日 2010年2月26日
出願番号 特願2009-219648
公開番号 特開2011-072094
登録番号 特許第5538791号
出願日 平成21年9月24日(2009.9.24)
公開日 平成23年4月7日(2011.4.7)
登録日 平成26年5月9日(2014.5.9)
発明者
  • 大田 一郎
  • 寺田 晋也
出願人
  • 独立行政法人国立高等専門学校機構
発明の名称 スイッチトキャパシタ電源装置 新技術説明会
発明の概要 【課題】従来に比べて少ない素子数で大きな昇降圧比を得ることができ、またより多くのステップ数の出力電圧を得るスイッチトキャパシタ電源装置を提供する。
【解決手段】本発明のスイッチトキャパシタ電源装置200は、n個のキャパシタCとn個のスイッチSだけで構成され、各キャパシタC間の接続を各スイッチSで切り換えて、入力電圧V1を別な出力電圧V2に変換する。ここでは特に、各スイッチSのオンオフを切り換えることにより、入力電圧V1に2の累乗若しくは2の累乗分の1を掛け合わせた電圧で、個々のキャパシタCを異なる電圧値に充電し、当該個々のキャパシタCの充電電圧を単独に若しくは幾つかを加算して、前記出力電圧V2を生成する充放電回路213を備えている。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要



携帯電話をはじめとしたモバイル機器端末の薄型化に伴い、その内部に組み込まれる電源装置も薄型化の要求がある。こうした薄型化の電源装置に対しては電源装置のIC化が必要で、それがSC電源装置の需要増加の原因となっている。





一方、モバイル情報通信機器や車載電子機器などの電子装置では、その内部に組み込まれる電源装置の低雑音化も要求される。磁性部品を有する現状の電源装置は、その磁性部品に電流が流れることで磁束が発生し、放射する磁界はシールドしても簡単には除去できない。一方、電界はシールドにより簡単に除去できることから、電源装置のシステムオンチップには無磁束化が不可欠で、磁束が発生しない電源装置の必要性から、SC電源装置の用途が広がっている。このようなSC電源装置は、例えば特許文献1,非特許文献1,非特許文献2などに開示されている。





コイルレスを実現するSC電源装置の原理を説明すると、SC電源装置100は図8に示すように、複数すなわちn個のキャパシタC1,C2,…Cnと、MOS型FETなどの複数すなわちns個のスイッチS1,S2,…Snsだけで構成され、入力端子101,102に印加される直流(DC)または交流(AC)の入力電圧を、各スイッチS1,S2,Snのスイッチングにより別な直流または交流の出力電圧に変換して、出力端子111,112に出力するものである。SC電源装置100は、内部にトランスやコイルなどの磁性部品を用いておらず、装置自体をIC化することが可能で、小型,軽量,低雑音,高効率という特徴を有している。





上記SC電源装置100は、これまでに各種方式による動作原理が提案されている。例えば非特許文献1では、スイッチΦe1、…Φen,スイッチΦo0、…Φonのオンオフ切換えにより、キャパシタC1,C2,…Cnを直列接続にして充電し、その後並列接続に切換えて放電を行なうことで、入力電圧よりも低い出力電圧に変換して出力するDC-DCコンバータに応用したSC電源装置100が提案されている。





図9は、その具体的な回路構成と、スイッチの動作タイミングとを示している。同図において、ここではn個のキャパシタC1,C2,…Cn-1,Cnの一端と他端に、それぞれスイッチS21,S22,…S2n-1,S2nと、スイッチS31,S32,…S3n-1,S3nを接続した直列回路を形成し、それぞれの直列回路を出力端子111,112の両端間に接続する一方で、キャパシタC1,C2,…Cn-1の他端と、その隣に位置するキャパシタC2,…C1n-1,Cnの一端との間に、それぞれスイッチS11,S12,…S1n-1を接続し、さらに入力端子101とキャパシタC1との間にスイッチS1nを接続し、入力端子102とキャパシタCnの他端との間にスイッチS1n+1を接続した充放電回路113を備えている。また、Coは出力端子111,112間に接続する平滑用のキャパシタ、RLは負荷抵抗である。したがって、図9のSC電源装置100は、n+1個のキャパシタCと、3n+1個のスイッチSの素子数で構成される。





当該回路構成において、図示しない制御回路からは、スイッチS11,S12,…S1n-1,S1n,S1n+1をオンにするクロック(図中の「1」)と、スイッチS21,S22,…S2n-1,S2nおよびスイッチS31,S32,…S3n-1,S3nをオンにするクロック(図中の「2」)が、互いに重なり合わないように所定のデッドタイムTδを有しながら、一周期Tc毎に順に発生する。





これにより、クロック「1」の出力中、スイッチS11,S12,…S1n-1,S1n,S1n+1がオンすると、直列接続したキャパシタC1,C2,…Cn-1,Cnに入力電圧V1が印加され、各キャパシタC1,C2,…Cn-1,CnにはV1/nの電圧がそれぞれ充電される。次に、クロック「2」が出力されると、今度はスイッチS11,S12,…S1n-1,S1n,S1n+1に代わり、スイッチS21,S22,…S2n-1,S2nおよびスイッチS31,S32,…S3n-1,S3nがオンし、それぞれのキャパシタC1,C2,…Cn-1,Cnに生じるV1/nの電圧が、出力電圧V2としてキャパシタCoに発生し、出力端子111,112を経由して負荷抵抗RLに供給される。出力電圧V2は、次の周期Tcで再びクロック「2」が出力されるまで、キャパシタCoによりほぼ一定に保たれる。





一方、SC電源装置100を、図9に示すようなDC-DCコンバータとしてではなく、AC-DCコンバータやDC-ACコンバータとして応用する考えも知られている。図10はその原理を概略的に示しているが、AC-DCコンバータに応用したSC電源装置100の場合、例えばAC100V/60Hzの交流入力電圧V1を、全波整流器121によって整流電圧V1’に変換し、その整流電圧V1’をSC電源装置100の入力端子101,102に印加する。これをスイッチS1,S2,…Snsのオンオフ切換えにより、キャパシタC1,C2,…Cnを並び換えて、複数個のキャパシタC1,C2,…Cnに電圧サンプルする。これにより個々のキャパシタC1,C2,…Cnの充電電圧Vcを基本値として、整流電圧V1’に応じた電圧がSC電源装置100内で充電される。後は、キャパシタC1,C2,…Cnを別な接続に並び換えて順番に放電することにより、直流出力電圧V2を生成することができる。





また、DC-ACコンバータに応用したSC電源装置100の場合、入力端子111,112に印加する直流入力電圧V1でキャパシタC1,C2,…Cnを充電した後、スイッチS1,S2,…Snsのオンオフ切換えにより、各キャパシタC1,C2,…Cnを別な接続に並び換えて、個々のキャパシタC1,C2,…Cnの充電電圧Vcを段階波形状に放電し、これを出力電圧V2’として出力する。そして、この出力電圧V2’をフルブリッジ回路122により正負交互の交流波形に変換すれば、例えばAC100V/60Hzの交流出力電圧V2を生成することができる。





図11は、そうしたDC-ACコンバータに応用したSC電源装置100の回路構成と、スイッチの動作タイミングとを示している。これはn=4として、キャパシタC1,C2,C3,C4の一端と他端に、それぞれスイッチS21,S22,S23,S24の他端と、スイッチS31,S32,S33,S34の一端を接続した直列回路を形成し、スイッチS21,S22,S23,S24の一端をスイッチS16の一端に共通して接続し、このスイッチの他端を出力端子111に接続し、スイッチS31,S32,S33,S34の他端を出力端子112に接続する一方で、キャパシタC1,C2,C3の他端と、その隣に位置するキャパシタC2,C3,C4の一端との間に、それぞれスイッチS11,S12,S13を接続し、さらに入力端子101とキャパシタC1との間にスイッチS14を接続し、入力端子102とキャパシタC4の他端との間にスイッチS15を接続した充放電回路113を備えている。





また、充放電回路113の出力端子111,112には、電圧調整用のレギュレータ143と、前記図10で示したフルブリッジ回路144が順に接続され、そのフルブリッジ回路144の出力端子が、SC電源装置100としての出力端子141,142に接続される。フルブリッジ回路144は、4個のスイッチp1,p2,n1,n2をブリッジ接続して構成され、対をなすスイッチp1,p2と、スイッチn1,n2が交互にオンオフするように構成される。出力端子141,142間には平滑用のキャパシタCoが接続され、この出力端子141,142間から負荷抵抗RLに出力電圧Voutが出力されるようになっている。したがって、図9のSC電源装置100は、充放電回路113に着目すると、n個のキャパシタCと、3n+2個のスイッチSの素子数で構成される。





当該回路構成において、図示しない制御回路からは、スイッチS11~S15をオンにするクロックΦ1と、スイッチS21~S24およびスイッチS31~S34をオンにするクロックΦ2と、スイッチS16,S34をオンする他に、スイッチS21~S24とスイッチS11~S13の幾つかを選択的にオンにするクロックΦ0が、一周期Tc毎に順に発生する。





これにより、クロックΦ1が出力して、スイッチS11~S15が何れもオンすると、直列接続したキャパシタC1,C2,C3,C4に直流電源145の入力電圧V1が印加され、各キャパシタC1,C2,C3,C4にはV1/4の電圧がそれぞれ充電される。次に、クロックΦ2が出力されると、各キャパシタC1,C2,C3,C4は並列接続された状態になり、それぞれの充電電圧がV1/4に保たれる。その後に出力されるクロックΦ0で、スイッチS16,S34をオンする他に、スイッチS24がオンすると、キャパシタC4の充電電圧V1/4がレギュレータ143を通してフルブリッジ回路144に出力される。





次の周期Tcでは、制御回路から同様のクロックΦ1,Φ2が充放電回路113に与えられるが、その後のクロックΦ0では、スイッチS16,S34をオンする他に、スイッチS23,S13がオンし、直列接続されたキャパシタC3,C4からの加算した充電電圧(V1/4)×2が、レギュレータ143を通してフルブリッジ回路144に出力される。





次の周期Tcでは、制御回路から同様のクロックΦ1,Φ2が充放電回路113に与えられるが、その後のクロックΦ0では、スイッチS16,S34をオンする他に、スイッチS22,S12,S13がオンし、直列接続されたキャパシタC2,C3,C4からの加算した充電電圧(V1/4)×3が、レギュレータ143を通してフルブリッジ回路144に出力される。





次の周期Tcでは、制御回路から同様のクロックΦ1,Φ2が充放電回路113に与えられるが、その後のクロックΦ0では、スイッチS16,S34をオンする他に、スイッチS21,S11,S12,S13がオンし、直列接続されたキャパシタC1,C2,C3,C4からの加算した充電電圧(V1/4)×4が、レギュレータ143を通してフルブリッジ回路144に出力される。





以下、各周期Tにおいて、上述したのと逆の動作を辿ることで、充放電回路113からの出力電圧を段階的に繰り返し増減させることができる。この場合、充放電回路113はn通りの出力電圧V2を生成できる。充放電回路113からの出力電圧V2をフルブリッジ回路144により正負交互の交流波形に変換し、これをキャパシタCoで平滑すれば、出力端子111,112から負荷抵抗RLに交流の出力電圧Voutを供給できる。

産業上の利用分野



本発明は、複数のキャパシタとMOS型FETなどのスイッチだけで構成され、キャパシタ間の接続をスイッチで切り換えて電圧変換を行なうスイッチトキャパシタ(SC)電源装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
複数個のキャパシタと複数個のスイッチだけで構成され、前記個々のキャパシタ間の接続を前記個々のスイッチで切り換えて、入力電圧を別な出力電圧に変換するスイッチトキャパシタ電源装置において、
前記個々のスイッチのオンオフを切り換えることにより、前記複数個のキャパシタの中で、充電した複数のキャパシタを直列接続し、この直列接続した各キャパシタの電圧の和で、前記充電した複数のキャパシタとは別のキャパシタを充電するように、当該別のキャパシタを前記直列接続した複数のキャパシタの両端間に接続して、前記入力電圧に2の累乗若しくは2の累乗分の1を掛け合わせた電圧で、前記個々のキャパシタを異なる電圧値に充電し、当該個々のキャパシタの充電電圧を単独に若しくは幾つかを加算して、前記出力電圧を生成する充放電回路を備えたことを特徴とするスイッチトキャパシタ電源装置。

【請求項2】
前記出力電圧が段階的に増減を繰り返すように前記充放電回路を構成し、前記出力電圧を交流に変換するDC-AC変換器を備えたことを特徴とする請求項1記載のスイッチトキャパシタ電源装置。

【請求項3】
交流電圧を直流の前記入力電圧に変換するAC-DC変換器を備えたことを特徴とする請求項1または2記載のスイッチトキャパシタ電源装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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