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水系溶媒中での含窒素化合物の製造方法 コモンズ

国内特許コード P100000629
整理番号 E076P134
掲載日 2010年4月9日
出願番号 特願2010-053770
公開番号 特開2011-184408
登録番号 特許第5184565号
出願日 平成22年3月10日(2010.3.10)
公開日 平成23年9月22日(2011.9.22)
登録日 平成25年1月25日(2013.1.25)
発明者
  • 小林 修
  • 上野 雅晴
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 水系溶媒中での含窒素化合物の製造方法 コモンズ
発明の概要 【課題】
本発明は、水中で有効に機能する水酸化金属を触媒とし、C=N結合への選択的アレニル化及びプロパギル化反応による、アレニルメチルヒドラジン及びホモプロパギルヒドラジンの製造方法を提供する。
【解決手段】
本発明は、アレニルボロネートとα-ヒドラゾノエステルとを、金属水酸化物又は金属酸化物の存在下、水系溶媒中で反応させて、対応するα-アレニルヒドラジノエステル及び/又はα-プロパルギルヒドラジノエステルを製造する方法に関する。
【選択図】 なし
従来技術、競合技術の概要


窒素官能基を有するアレンやアルキン、例えばアレニルメチルアミン、ホモプロパギルアミン、N-アシル-N’-アレニルメチルヒドラジン、N-アシル-N-ホモプロパギルヒドラジンなどは有機合成上有用な合成中間体である。例えば、N-アレニル-β-ラクタム誘導体を用いてセフェム系抗生物質を製造する方法(特許文献1、2、及び3参照)、アレニル環状ホスホネートにヒドラジンを反応させて高血圧症の治療剤として有用なジヒドロピリジンホスホネートを製造する方法(特許文献4参照)などが報告されている。また、特許文献5には、アトルバスタチンの製造中間体として、1-(ホルミルエチル)-ピロール誘導体にアレニルボロン酸を、THF中で酒石酸ジエステルの存在下に反応させて、対応するプロパルギルアルコール誘導体を製造する方法が報告されている。



このように、窒素官能基を有するアレンやアルキンは合成化学上重要な化合物であり、各種の製造方法が報告されてきている。例えば、最も効率的な手法はC=N結合を有する求電子剤に対するプロパギル-金属化合物及びアレニル-金属化合物の位置選択的な付加反応による炭素-炭素結合形成反応である(非特許文献1)。しかし、プロパギル及びアレニル-金属化合物の使用にあたっては、下式に示すように、プロパギル-金属化合物とアレニル-金属化合物間の転位(非特許文献2)及び非位置選択的な付加反応が問題として残されている(非特許文献3)。



【化1】




(式中、Metは金属原子を示し、Eは求電子剤を示し、Rは各種の置換基を示す。)
また、プロパギル及びアレニル求核剤の反応性が基質に大きく依存する点も問題である(非特許文献4)。さらに、有機金属試薬を求核剤や触媒として用いる場合は、特に大スケールの反応において、安全性や環境負荷の問題が発生しやすいため、触媒量での使用が求められている。



このような中で、これまでにN-アシルヒドラゾンやイミンに対する種々の触媒的アリル化反応が開発されている(非特許文献5)。一方、本発明者らは最近、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、ヘキサメチルホスホロアミド(HMPA)、スルホキシド、ホスフィンオキシドのような中性のルイス塩基がアリルトリクロロシランやクロチルトリクロロシランのアルデヒド、N-アシルヒドラゾンに対する求核付加反応を促進することを報告した(非特許文献6)。これらの場合には、いかなる金属触媒も使用せずに、非イオン性のルイス塩基がルイス酸性を有するケイ素原子に配位することによりトリクロロシリル求核剤が活性化され、反応が進行する。
しかし、アルデヒドのプロパギル化やアレニル化の例はいくつか報告されているものの(非特許文献7、8)、C=N結合へのアレニル化、プロパギル化の例は少ない。
(1)Goreらはエーテル中で1-メトキシアレニルリチウムを用いてヒドラゾンのアレニル化を行った(非特許文献9)。(2)秋山らは銅(I)とキラルBINAP錯体を触媒として用い、α-イミノエステルのエナンチオ選択的なアレニル化及びプロパギル化反応を行った(非特許文献10)。(3)Prajapatiらは、臭化プロパギルを用いたインジウム金属によるBarbier型反応で、芳香族N-アリールイミン、N-アリールニトロン、N-フェニルヒドラゾンのプロパギル化を報告した(非特許文献11)。しかしながら、これら全ての反応において、化学量論量以上の金属化合物が必要であり、基質一般性、選択性、収率なども十分ではない。



以前に本発明者らは、塩化プロパギルから調製したプロパギルトリクロロシラン及びアレニルトリクロロシランをアルデヒドと反応させることにより、対応するアレニルアルコール及びホモプロパギルアルコールの合成法を報告した(非特許文献12)。さらに最近、この反応の選択性、収率、基質一般性を改善した手法を報告した(非特許文献8)。
さらに本発明者らは、これらの知見を元に、プロパギルトリハロシラン及びアレニルトリハロシランを用いたC=N結合への選択的アレニル化及びプロパギル化反応による、アレニルメチルアミン及びホモプロパギルアミン並びにヒドラジンの新規な合成方法を報告した(特許文献6参照)。



しかし、これらの反応は高収率の維持や選択性の発現に於いて厳密な無水条件を必要としたり、環境に大きな負担をかける有機溶剤を大量に使用しなければならないために、工業レベルでの適用を考えた場合真に実用的な方法ではなかった。

産業上の利用分野


本発明は、アレニルボロネートとα-ヒドラゾノエステルとを、金属水酸化物又は金属酸化物の存在下、水系溶媒中で反応させて、対応するα-アレニルヒドラジノエステル及び/又はα-プロパルギルヒドラジノエステルを製造する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
次の一般式(1)

-C(R)=C=C(R)-B(OR) (1)

[式中、Rは、それぞれ独立して置換基を有していてもよい炭化水素基を表すか、2個のR同士が一緒になって隣接する酸素原子及びホウ素原子と共に5~10員の環を形成してもよく、R、R、及びRは、それぞれ独立して、水素原子、又は置換基を有していてもよい炭化水素基を示す。]
で表わされるアレニルボロネートと、次の一般式(2)
【化7】


[式中、R及びRは、それぞれ独立して置換基を有していてもよい炭化水素基を示す。]
で表される
α-ヒドラゾノエステルと
を、金属水酸化物又は金属酸化物の存在下、水系溶媒中で反応させて、次の一般式(3)
【化8】


[式中、R、R、及びRは、それぞれ独立して、水素原子、又は置換基を有していてもよい炭化水素基を示し、R及びRは、それぞれ独立して置換基を有していてもよい炭化水素基を示す。]
で表されるα-アレニルヒドラジノエステル及び次の一般式(4)
【化9】


[式中、R、R、及びRは、それぞれ独立して、水素原子、又は置換基を有していてもよい炭化水素基を示し、R及びRは、それぞれ独立して置換基を有していてもよい炭化水素基を示す。]
で表されるα-プロパルギルヒドラジノエステルを製造する方法。

【請求項2】
水系溶媒が、水溶媒である請求項1に記載の方法。

【請求項3】
水系溶媒が、有機溶媒を含有する含水溶媒である請求項1に記載の方法。

【請求項4】
反応が、さらに糖の存在下で行われる請求項1~3のいずれかに記載の方法。

【請求項5】
糖が、スクロースである請求項4に記載の方法。

【請求項6】
金属水酸化物が、銅、ビスマス、鉄、リチウム、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、コバルト、ニッケル、亜鉛、ジルコニウム、カドミウム、バリウム、セリウム、ガリウム、ランタン、及びホウ素からなる群から選ばれる金属種の1種又は2種以上の金属水酸化物である請求項1~5のいずれかに記載の方法。

【請求項7】
金属酸化物が、酸化鉄である請求項1~5のいずれかに記載の方法。
産業区分
  • 有機化合物
  • 処理操作
  • その他無機化学
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) ERATO 小林高機能性反応場プロジェクト 領域
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