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自動掘削推進装置

国内特許コード P100000643
整理番号 中央大142
掲載日 2010年4月16日
出願番号 特願2010-035286
公開番号 特開2011-169056
登録番号 特許第5554586号
出願日 平成22年2月19日(2010.2.19)
公開日 平成23年9月1日(2011.9.1)
登録日 平成26年6月6日(2014.6.6)
発明者
  • 中村 太郎
  • 大森 隼人
  • 村上 太郎
  • 長井 弘明
出願人
  • 学校法人 中央大学
発明の名称 自動掘削推進装置
発明の概要 【課題】大径の掘削部と小径の土砂搬送部とからなるアースオーガが発生させる掘削反力を安定して支持しつつ効率的な掘進を実施できる推進機構を備えた自動掘削推進装置を提供する。
【解決手段】軸方向に貫通する中空部11を備えた蠕動運動による推進機構10と、中空部内に配置されて推進機構と相対回転するアースオーガ50と、を備え、推進機構は、一列に配列されて個別にその外径を縮径・拡径させる3個以上の伸縮ユニット12を備えると共に、各伸縮ユニットは縮径時に軸方向長が伸長すると共に拡径時に軸方向長が短縮する構成を備え、先端部の大径の掘削スクリュ53と、中空部内に配置され且つ掘削スクリュ後端部に連続一体化された掘削土砂搬送用の小径の搬送スクリュ60と、を備える。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要



現在、JAXA(独立行政法人宇宙航空研究開発機構)によって月探査ミッションが計画されており、このミッションの目的は月の内部構造を解明することにある。

月探査ミッションには、月震(月の地震)観測のための地震計の設置と、月面表面を覆うレゴリス層のサンプル採取が含まれており、これらの作業においては共にレゴリス層を掘削する必要がある。

月面自動車により月面を運搬できる掘削用機材には、重量やサイズに制限があるため、小型、軽量であることが必須であり、そのためには無人による作業が可能なポータブルロボットが好ましい。また、地球上で使用される掘削用のアースオーガのように、掘削の進行に応じて継ぎ足して長尺化して使用するタイプの機材は月面での掘削作業には不向きであるため、そのような欠点を有しない埋没型の掘削ロボットが適している。

そのため、サイズ、及び重量についての厳しい条件下で、レゴリス層を0.1mから数mの深さで掘削する埋没型のロボットが求められる。しかし現在のところ、これらの条件を満たし、しかも1m以上の深さを掘削可能な技術は開発されていない。





地中埋没型の掘削ロボットとして、非特許文献1に開示されたもぐら型ロボット、非特許文献2に開示されたスクリュ式埋没型掘進ロボットがある。しかし、これらのロボットは何れも掘削深度の増大に応じて増大する土圧の影響によって掘進可能な深度に限界があった。

即ち、掘削が進行して穴の深度が深くなればなる程、土圧が高まる。また、掘削手段によって押しのけた土が掘削穴底部に溜まって更に土圧が高まり、掘進できる深さに更に限界ができる。このため、掘削手段を駆動するモータのトルクが土の抵抗に負けてしまい、非特許文献1、2に開示された掘進ロボットでは十数cmしか掘削できず、掘削径を大きくすることにも限界が生じる。非特許文献1のモグラ型ロボットは、掘削手段の自重のみに依存して推進力を得ているため、掘削穴内で増大してゆく抵抗に推進力が負けた時点で掘進が停止する。また、非特許文献2のスクリュ式埋没型掘進ロボットはスクリュだけの推進力に依存しているが、掘削穴が深くなると土圧が強くなり、土圧がスクリュの推進力を上回った時点で掘進が停止する。

このように掘削手段によって土壌に掘削穴を形成する場合には、深度の増大に応じて高まる土圧を低減しつつ、掘削手段を前進させるための格別の推進手段が必要とされるが、これまで適当な推進手段は提案されていない。





特許文献1(特開2009-240713公報)には、蠕動運動を利用した推進手段によって内視鏡のケーブルを人間の腸内で進退させるようにした技術が開示されている。

しかし、土壌を掘削しながら地中を移動するための掘削ロボットの推進手段にこのような構成をそのまま採用し得ないことは明かである。即ち、土壌を掘削するためには掘削手段によって生成された土砂を排出しながら、掘削手段の姿勢を掘削穴内で維持しつつ安定して掘進させることが求められるが、中空の管体内を移動することを前提としている特許文献1に係る技術をそのまま掘削用ロボットの推進手段として転用することは困難である。

なお、上記の如く従来技術を掘削用ロボットに適用した場合に発生する不具合は、月面のみならず、地球における地盤の掘削においても同様に起こる不具合である。

産業上の利用分野



本発明は、例えば月面等の特殊な環境において無人で地盤を掘削する掘削ロボット等の自動掘削推進装置に関し、特に大径の掘削部と小径の土砂搬送部とからなるアースオーガを用いた掘削装置に好適な推進機構に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
軸方向に貫通する中空部を備えた蠕動運動による推進機構と、該推進機構の中空部内に軸方向に沿って配置されて該推進機構と相対回転するアースオーガと、該アースオーガによって掘削され前記中空部内を後方へ搬送される土砂の進入をガイドするスカート部と、該アースオーガの軸方向後部を支持して回転駆動するオーガ駆動用モータと、該オーガ駆動用モータを前記推進機構の一部に固定するモータ支持部材と、制御手段と、を備え、
前記推進機構は、軸方向へ一列に配列されて個別にその外径を縮径・拡径させる3個以上の伸縮ユニットを備えると共に、各伸縮ユニットは縮径時に軸方向長が伸長すると共に拡径時に軸方向長が短縮する構成を備え、
前記アースオーガは、前記中空部を貫通し少なくとも先端部を該中空部先端開口から突出させ且つ前記オーガ駆動用モータによって回転駆動されるシャフトと、前記中空部先端開口から突出した該シャフト部分の周囲に固定され後方へ向かうほど外径が漸減する大径の掘削スクリュと、前記推進機構の中空部内に配置され且つ前記掘削スクリュ後端部に連続一体化された掘削土砂搬送用の小径の搬送スクリュと、を備え、
前記スカート部は、前記掘削スクリュの外周縁と対向し且つ該外周縁の輪郭線と並行な円錐状の内壁を有し且つ前記推進機構の先部に固定されていることを特徴とする自動掘削推進装置。

【請求項2】
掘削対象地盤に形成された掘削穴の内部に前記推進機構が埋没した状態において、前記制御手段は、後部の伸縮ユニットを拡径させて前記掘削穴内壁に固定すると共に、少なくとも先頭の前記伸縮ユニットを縮径させて軸方向へ伸長させることにより、前記推進機構により支持された前記アースオーガを軸方向へ伸長した長さ分だけ前進させる蠕動運動を実施することを特徴とする請求項1に記載の自動掘削推進装置。

【請求項3】
前記伸縮ユニットは、軸方向間隔が変化する一方で径方向位置が変化しない一対の略環状の軸方向可動部材と、各一対の軸方向可動部材間に配置されて放射状に内外径方向へ進退可能に支持された複数の径方向可動部材と、前記軸方向可動部材と前記径方向可動部材を連動して作動させるための伸縮リンク機構と、該伸縮ユニットを駆動する伸縮ユニット用モータと、を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動掘削推進装置。

【請求項4】
前記各伸縮ユニットは、軸方向前部と後部に夫々配置された環状の前記軸方向可動部材と、一方の前記軸方向可動部材に搭載された少なくとも一つの伸縮ユニット用モータと、該伸縮ユニット用モータから延び、他方の前記軸方向可動部材に貫通形成した螺子穴と螺合しつつ貫通し正逆回転することにより前記他方の軸方向可動部材を前記一方の軸方向可動部材に対して接近・離間させるボールスクリューと、前記各軸方向可動部材の間に配置され且つ周方向に複数個配置された伸縮リンク機構によって夫々支持された前記径方向可動部材と、を備え、
前記伸縮ユニット用モータの駆動によって前記他方の軸方向可動部材が前記一方の軸方向可動部材に最も接近した軸方向位置にある時には前記各伸縮リンク機構が収縮状態にあることによって前記各径方向可動部材は内径側に退避した非加圧位置にあり、前記他方の軸方向可動部材が前記一方の軸方向可動部材から最も離間した軸方向位置にある時には前記各伸縮リンク機構が伸長状態にあることによって前記各径方向可動部材は外径側に突出した加圧位置にあることを特徴とする請求項3に記載の自動掘削推進装置。

【請求項5】
前記オーガ駆動用モータは、最後部の前記伸縮ユニットの後部の前記軸方向可動部材により支持されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の自動掘削推進装置。

【請求項6】
前記伸縮ユニットは、軸方向間隔が変化する一方で径方向位置が変化しない一対の略環状の軸方向可動部材と、各一対の軸方向可動部材間に配置されて放射状に内外径方向へ進退可能に支持された複数の径方向可動部材と、前記軸方向可動部材と前記径方向可動部材を連動して作動させるための伸縮リンク機構と、該伸縮ユニットを駆動する伸縮ユニット用モータと、を備えており、
前記スカート部は、最前部の前記伸縮ユニットの前部の前記軸方向可動部材により支持されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の自動掘削推進装置。

【請求項7】
前記スカート部の内壁が前記シャフトの軸方向と直交する方向となすスカート角度θを、30度<θ<60度の範囲としたことを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の自動掘削推進装置。

【請求項8】
前記推進機構の中空部内壁に沿って前記各伸縮ユニットと相対動可能に防塵用のケーシングパイプを配置し、該ケーシングパイプの後部に前記オーガ駆動用モータを支持したことを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の自動掘削推進装置。

【請求項9】
前記推進機構の中空部内壁に沿って前記各伸縮ユニットと相対動可能に防塵用のケーシングパイプを配置し、該ケーシングパイプの先部を前記スカート部に固定したことを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の自動掘削推進装置。

【請求項10】
前記伸縮ユニットは、軸方向間隔が変化する一方で径方向位置が変化しない一対の略環状の軸方向可動部材と、各一対の軸方向可動部材間に配置されて放射状に内外径方向へ進退可能に支持された複数の径方向可動部材と、前記軸方向可動部材と前記径方向可動部材を連動して作動させるための伸縮リンク機構と、該伸縮ユニットを駆動する伸縮ユニット用モータと、を備えており、
前記伸縮リンク機構は、四節平行リンク機構であることを特徴とする請求項3乃至9の何れか一項に記載の自動掘削推進装置。

【請求項11】
前記伸縮ユニットは、軸方向間隔が変化する一方で径方向位置が変化しない一対の略環状の軸方向可動部材と、各一対の軸方向可動部材間に配置されて放射状に内外径方向へ進退可能に支持された複数の径方向可動部材と、前記軸方向可動部材と前記径方向可動部材を連動して作動させるための伸縮リンク機構と、該伸縮ユニットを駆動する伸縮ユニット用モータと、を備えており、
全ての前記伸縮ユニットの外面を防塵シートにて覆うと共に、該防塵シートを介して前記径方向可動部材に対して加圧部材を着脱自在に取り付けたことを特徴とする請求項乃至10の何れか一項に記載の自動掘削推進装置。
産業区分
  • 採鉱
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2010035286thum.jpg
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) 中央大学 理工学部 精密機械工学科 バイオメカトロニクス研究室
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