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π電子系が結晶中で一軸回転する分子コマとその製造方法 コモンズ

国内特許コード P100000647
整理番号 K030P15
掲載日 2010年4月23日
出願番号 特願2010-058374
公開番号 特開2011-190219
登録番号 特許第5235927号
出願日 平成22年3月15日(2010.3.15)
公開日 平成23年9月29日(2011.9.29)
登録日 平成25年4月5日(2013.4.5)
発明者
  • ▲瀬高▼ 渉
  • 山口 健太郎
出願人
  • 独立行政法人科学技術振興機構
発明の名称 π電子系が結晶中で一軸回転する分子コマとその製造方法 コモンズ
発明の概要

【課題】回転子がπ電子系である新規な分子コマ、特に、結晶中でもπ電子系以外の部分は紫外可視部に光吸収特性を有さずπ電子系が一軸まわりで自由回転可能な分子コマとその製造方法を提供する。
【解決手段】下記式(I)で表わされる分子コマ:
【化1】

(式中、E1はケイ素原子等の第14族原子を示し、Aはフェニレン基等の2価の芳香族基を示す。nは6~12の整数を示す。)。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


π電子系の化合物は、平面化合物で物性に異方性があり、さまざまな機能性が利用されている。当然ながら通常これを含む結晶も物性に異方性がある。しかし、分子コマのように結晶中で一軸回転可能であれば、物性はこの軸に垂直な平面内で等方性になる。



このような性質をもった分子コマは将来π電子系由来の物性の異方性と等方性をスイッチできる可能性がある。また、回転子の静止状態のπ電子系の配向を制御できる可能性があり、光学材料・磁性材料・発光材料・蛍光材料等の物性の異方性を切り替える素子としての利用も期待される。



従来、回転子が結晶中で一軸回転する分子コマにおいて、遷移金属錯体を回転子とするもの(非特許文献1)、π電子系を回転子とするもの(非特許文献2~5)が知られている。

産業上の利用分野


本発明は、π電子系が結晶中で一軸回転する分子コマとその製造方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記式(I)で表わされる分子コマ:
【化学式1】


(式中、E1はケイ素原子を示す。Aは下記式(i)~(iii):
【化学式2】


(式中、E2~E5はそれぞれ独立に炭素原子または窒素原子を示し、窒素原子は合計で2つ以下である。E2~E5のうち炭素原子であるものについては、R1~R4はそのE2~E5の各々に結合する置換基を示し、R1~R4はそれぞれ独立に水素原子、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、メチル基、および水酸基から選ばれるいずれかの基を示す。E2~E5のいずれかが窒素原子の場合、この窒素原子に結合する置換基R1~R4は存在しない。
【化学式3】


(式中、E6~E11はそれぞれ独立に炭素原子または窒素原子を示し、窒素原子は1つの六員環あたり合計で2つ以下である。E6~E11のうち炭素原子であるものについては、R5~R10はそのE6~E11の各々に結合する置換基を示し、R5~R10はそれぞれ独立に水素原子、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、メチル基、および水酸基から選ばれるいずれかの基を示す。E6~E11のいずれかが窒素原子の場合、この窒素原子に結合する置換基R5~R10は存在しない。
【化学式4】


(式中、E12~E19はそれぞれ独立に炭素原子または窒素原子を示し、窒素原子は1つの六員環あたり合計で2つ以下である。E12~E19のうち炭素原子であるものについては、R11~R18はそのE12~E19の各々に結合する置換基を示し、R11~R18はそれぞれ独立に水素原子、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、メチル基、および水酸基から選ばれるいずれかの基を示す。E12~E19のいずれかが窒素原子の場合、この窒素原子に結合する置換基R11~R18は存在しない。)で表されるいずれかの2価の芳香族基を示す。nは6~12の整数を示す。)。

【請求項2】
下記式(II)で表わされる分子コマ:
【化学式5】


(式中、E1はケイ素原子を示す。Aは下記式(i)~(iii):
【化学式6】


(式中、E2~E5はそれぞれ独立に炭素原子または窒素原子を示し、窒素原子は合計で2つ以下である。E2~E5のうち炭素原子であるものについては、R1~R4はそのE2~E5の各々に結合する置換基を示し、R1~R4はそれぞれ独立に水素原子、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、メチル基、および水酸基から選ばれるいずれかの基を示す。E2~E5のいずれかが窒素原子の場合、この窒素原子に結合する置換基R1~R4は存在しない。
【化学式7】


(式中、E6~E11はそれぞれ独立に炭素原子または窒素原子を示し、窒素原子は1つの六員環あたり合計で2つ以下である。E6~E11のうち炭素原子であるものについては、R5~R10はそのE6~E11の各々に結合する置換基を示し、R5~R10はそれぞれ独立に水素原子、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、メチル基、および水酸基から選ばれるいずれかの基を示す。E6~E11のいずれかが窒素原子の場合、この窒素原子に結合する置換基R5~R10は存在しない。
【化学式8】


(式中、E12~E19はそれぞれ独立に炭素原子または窒素原子を示し、窒素原子は1つの六員環あたり合計で2つ以下である。E12~E19のうち炭素原子であるものについては、R11~R18はそのE12~E19の各々に結合する置換基を示し、R11~R18はそれぞれ独立に水素原子、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、メチル基、および水酸基から選ばれるいずれかの基を示す。E12~E19のいずれかが窒素原子の場合、この窒素原子に結合する置換基R11~R18は存在しない。)で表されるいずれかの2価の芳香族基を示す。nは6~12の整数を示す。)。

【請求項3】
下記式(III):
【化学式9】


(式中、E1はケイ素原子を示す。)で表されるトリクロロシランと、下記式(IV):
【化学式10】


(式中、nは6~12の整数を示す。)で表されるω-アルケニルグリニャール試薬とを有機溶媒中で反応させ、下記式(V):
【化学式11】


(式中、E1およびnは前記と同義である。)で表されるトリ(ω-アルケニル)シランを合成することを特徴とするトリ(ω-アルケニル)シランの製造方法。

【請求項4】
下記式(VI):
【化学式12】


(式中、Aは下記式(i)~(iii):
【化学式13】


(式中、E2~E5はそれぞれ独立に炭素原子または窒素原子を示し、窒素原子は合計で2つ以下である。E2~E5のうち炭素原子であるものについては、R1~R4はそのE2~E5の各々に結合する置換基を示し、R1~R4はそれぞれ独立に水素原子、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、メチル基、および水酸基から選ばれるいずれかの基を示す。E2~E5のいずれかが窒素原子の場合、この窒素原子に結合する置換基R1~R4は存在しない。
【化学式14】


(式中、E6~E11はそれぞれ独立に炭素原子または窒素原子を示し、窒素原子は1つの六員環あたり合計で2つ以下である。E6~E11のうち炭素原子であるものについては、R5~R10はそのE6~E11の各々に結合する置換基を示し、R5~R10はそれぞれ独立に水素原子、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、メチル基、および水酸基から選ばれるいずれかの基を示す。E6~E11のいずれかが窒素原子の場合、この窒素原子に結合する置換基R5~R10は存在しない。
【化学式15】


(式中、E12~E19はそれぞれ独立に炭素原子または窒素原子を示し、窒素原子は1つの六員環あたり合計で2つ以下である。E12~E19のうち炭素原子であるものについては、R11~R18はそのE12~E19の各々に結合する置換基を示し、R11~R18はそれぞれ独立に水素原子、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、メチル基、および水酸基から選ばれるいずれかの基を示す。E12~E19のいずれかが窒素原子の場合、この窒素原子に結合する置換基R11~R18は存在しない。)で表されるいずれかの2価の芳香族基を示す。)で表されるリチウム試薬と、下記式(V):
【化学式16】


(式中、E1はケイ素原子を示す。nは6~12の整数を示す。)で表されるトリ(ω-アルケニル)シランのハロゲン置換体とを、有機溶媒中で反応させ、次いで加水分解し、下記式(VII):
【化学式17】


(式中、E1、A、およびnは前記と同義である。)で表されるビス(トリ(ω-アルケニル)シリル)アリール化合物を合成することを特徴とするビス(トリ(ω-アルケニル)シリル)アリール化合物の製造方法。

【請求項5】
下記式(VII):
【化学式18】


(式中、E1はケイ素原子を示す。Aは下記式(i)~(iii):
【化学式19】


(式中、E2~E5はそれぞれ独立に炭素原子または窒素原子を示し、窒素原子は合計で2つ以下である。E2~E5のうち炭素原子であるものについては、R1~R4はそのE2~E5の各々に結合する置換基を示し、R1~R4はそれぞれ独立に水素原子、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、メチル基、および水酸基から選ばれるいずれかの基を示す。E2~E5のいずれかが窒素原子の場合、この窒素原子に結合する置換基R1~R4は存在しない。
【化学式20】


(式中、E6~E11はそれぞれ独立に炭素原子または窒素原子を示し、窒素原子は1つの六員環あたり合計で2つ以下である。E6~E11のうち炭素原子であるものについては、R5~R10はそのE6~E11の各々に結合する置換基を示し、R5~R10はそれぞれ独立に水素原子、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、メチル基、および水酸基から選ばれるいずれかの基を示す。E6~E11のいずれかが窒素原子の場合、この窒素原子に結合する置換基R5~R10は存在しない。
【化学式21】


(式中、E12~E19はそれぞれ独立に炭素原子または窒素原子を示し、窒素原子は1つの六員環あたり合計で2つ以下である。E12~E19のうち炭素原子であるものについては、R11~R18はそのE12~E19の各々に結合する置換基を示し、R11~R18はそれぞれ独立に水素原子、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、メチル基、および水酸基から選ばれるいずれかの基を示す。E12~E19のいずれかが窒素原子の場合、この窒素原子に結合する置換基R11~R18は存在しない。)で表されるいずれかの2価の芳香族基を示す。nは6~12の整数を示す。)で表されるビス(トリ(ω-アルケニル)シリル)アリール化合物を有機溶媒中において触媒の存在下に閉環メタセシス反応させ、下記式(II):
【化学式22】


(式中、E1、A、およびnは前記と同義である。)で表わされる分子コマを合成することを特徴とする分子コマの製造方法。

【請求項6】
下記式(II):
【化学式23】


(式中、E1はケイ素原子を示す。Aは下記式(i)~(iii):
【化学式24】


(式中、E2~E5はそれぞれ独立に炭素原子または窒素原子を示し、窒素原子は合計で2つ以下である。E2~E5のうち炭素原子であるものについては、R1~R4はそのE2~E5の各々に結合する置換基を示し、R1~R4はそれぞれ独立に水素原子、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、メチル基、および水酸基から選ばれるいずれかの基を示す。E2~E5のいずれかが窒素原子の場合、この窒素原子に結合する置換基R1~R4は存在しない。
【化学式25】


(式中、E6~E11はそれぞれ独立に炭素原子または窒素原子を示し、窒素原子は1つの六員環あたり合計で2つ以下である。E6~E11のうち炭素原子であるものについては、R5~R10はそのE6~E11の各々に結合する置換基を示し、R5~R10はそれぞれ独立に水素原子、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、メチル基、および水酸基から選ばれるいずれかの基を示す。E6~E11のいずれかが窒素原子の場合、この窒素原子に結合する置換基R5~R10は存在しない。
【化学式26】


(式中、E12~E19はそれぞれ独立に炭素原子または窒素原子を示し、窒素原子は1つの六員環あたり合計で2つ以下である。E12~E19のうち炭素原子であるものについては、R11~R18はそのE12~E19の各々に結合する置換基を示し、R11~R18はそれぞれ独立に水素原子、重水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、メチル基、および水酸基から選ばれるいずれかの基を示す。E12~E19のいずれかが窒素原子の場合、この窒素原子に結合する置換基R11~R18は存在しない。)で表されるいずれかの2価の芳香族基を示す。nは6~12の整数を示す。)で表わされる分子コマを水素の存在下に接触還元し、下記式(I):
【化学式27】


(式中、E1、A、およびnは前記と同義である。)で表わされる分子コマを合成することを特徴とする分子コマの製造方法。
産業区分
  • 有機化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
参考情報 (研究プロジェクト等) さきがけ 物質と光作用 領域
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