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GaあるいはSnでドーピングされたバルク状マンガンシリサイド単結晶体あるいは多結晶体およびその製造方法 新技術説明会

国内特許コード P100000711
掲載日 2010年6月11日
出願番号 特願2010-075467
公開番号 特開2011-210845
登録番号 特許第5660528号
出願日 平成22年3月29日(2010.3.29)
公開日 平成23年10月20日(2011.10.20)
登録日 平成26年12月12日(2014.12.12)
発明者
  • 鵜殿 治彦
出願人
  • 国立大学法人茨城大学
発明の名称 GaあるいはSnでドーピングされたバルク状マンガンシリサイド単結晶体あるいは多結晶体およびその製造方法 新技術説明会
発明の概要 【課題】約300~600℃の中温で高い性能指数が期待できる熱電変換材料や光センサ、光学素子などとして有効利用できる安価なGaあるいはSnでドーピングされたバルク状マンガンシリサイド単結晶体あるいは多結晶体の提供および短時間でしかも安全に容易に製造できる製造方法の提供。
【解決手段】下式(1)あるいは下式(2)で表されることを特徴とするGaあるいはSnでドーピングされたバルク状マンガンシリサイド単結晶体あるいは多結晶体により課題を解決できる。
Mn11Si19-xGax 式(1)
[式(1)において、xは0を超え0.1以下である。]
Mn4 Si7-y Sny 式(2)
[式(2)において、yは0を超え0.1以下である。]
2 Si多結晶体により課題を解決できる。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


近年、省エネルギー社会に向けて、工場設備や発電設備などから生じる廃熱を利用した発電システムの開発が活発化している。特に、産業廃棄物の増加などに伴って、これらを焼却する際に生じる廃熱の有効利用が課題となっている。例えば、大型廃棄物焼却設備では、廃熱でボイラーを焚き、蒸気タービンにより発電するなどの廃熱回収が行われているが、大多数を占める中・小型廃棄物焼却設備では、スケールメルット依存性が高いためにタービンにより発電する方法が採れない。
従って、このような排熱を利用した発電方法としてスケールメリット依存性の無い、ゼーベック効果あるいはペルチェ効果を利用して可逆的に熱電変換を行う熱電変換材料を用いた熱電変換素子が提案されている。



熱電変換素子は、例えば、熱伝導率の小さいn型半導体、p型半導体をそれぞれn型熱電変換部、p型熱電変換部の熱電変換材料として用い、図5、図6に示すように、並置されたn型熱電変換部101、p型熱電変換部102の上端部および下端部にそれぞれ電極5,6が設けられ、各熱電変換部101,102の上端の電極5が接続されて一体化されるとともに、各熱電変換部101,102の下端の電極6,6は分離されて構成されている熱電変換素子を挙げることができる。
そして、電極5,6間に温度差を生じさせることで、電極5,6間に起電力を生じさせることができる。



一方、各熱電変換部101,102の下端の電極6,6間に直流電流を流すことで、各電極5,6において発熱作用や吸熱作用を生じさせるようになっている。



このような熱電変換部の熱電変換性能は、一般に下式(1)で表される性能指数Z(単位:K-1)によって評価される。
Z=α2/(κρ) ・・・(1)
式(1)において、α, κ,ρはそれぞれゼーベック係数(熱起電力)、熱伝導率、比抵抗を表わしている。
この性能指数Zに温度Tを乗じて無次元化した無次元性能指数ZTが、例えば0.5以上、好ましくは1以上となることが実用化の目安とされている。



つまり、優れた熱電変換性能を得るには、ゼーベック係数αが大きく、熱伝導率κおよび比抵抗ρの小さい材料を選定すればよい。



つまり、図5に示すように、電極5側を加熱しあるいは電極6側を放熱することで電極5,6間に正の温度差(Th-Tc)が生じると、熱励起されたキャリアによってp型熱電変換部102がn型熱電変換部101よりも高電位となり、左右の電極6,6間に負荷としての抵抗3を接続することで、p型熱電変換部102からn型熱電変換部101側へ電流が流れる。
一方、図6に示すように、直流電源4によってp型熱電変換部102からn型熱電変換部101に直流電流を流すことで、電極5,6にそれぞれ吸熱作用、発熱作用が生じる。
逆に、n型熱電変換部101からp型熱電変換部102に直流電流を流すことで、電極5,6にそれぞれ発熱作用、吸熱作用を生じさせることができる。



そこで熱電変換材料として資源量が豊富で無毒で、環境負荷が少ないMg2 Si(例えば、非特許文献1、2、3参照)が研究されており、Mg2 Siはn型熱電変換材料として適している。
そして、n型Mg2 Si熱電変換材料と相性のよいp型熱電変換材料としてMnSi1.7 (マンガンシリサイド)が注目され始めている。



しかし、従来の製法で製造されたMnSi1.7 は、熱電変換性能が悪いという問題があった。
すなわち、Mn、Siの融液からMnSi1.7 結晶を成長させる従来の製法では、原料としてSiとMnを使用し、結晶成長温度は1200℃と高く、状態図から必ずMnSi相(モノシリサイド相)と呼ばれる異相やSi単相が結晶内に析出するので、熱電変換性能が悪かった(非特許文献4参照)。
また、これに対して、化学気相法(非特許文献5参照)やMn、Siを原料とし、Ga、Sn、Pb、Cu融液を溶媒に使ってMnSi1.7 結晶を成長させる溶液法(非特許文献6参照)で単相のMnSi1.7 を得ることができるという報告があるが、最大でも平均直径0.1mm程度のものであり、また同じ粉末内にSiやMnSi相が析出しており、熱電変換材料として使用するには難がある上、結晶成長温度が1200℃と高かった。

産業上の利用分野


本発明は、GaあるいはSnでドーピングされたバルク状マンガンシリサイド単結晶体あるいは多結晶体およびその製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、高い性能指数が期待できるP型熱電変換材料や光センサ、光学素子などとして有効利用できる安価なGaあるいはSnでドーピングされたバルク状マンガンシリサイド単結晶体あるいは多結晶体およびその製造方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
下式(1)あるいは下式(2)で表されるとともにMnSiが含まれていないことを特徴とするGaあるいはSnでドーピングされたバルク状マンガンシリサイド単結晶体あるいは多結晶体。
Mn11Si19-xGax 式(1)
[式(1)において、xは0を超え0.1以下である。]
Mn4 Si7-y Sny 式(2)
[式(2)において、yは0を超え0.1以下である。]

【請求項2】
下記工程(1)~(6)を含み、真空中で製造することを特徴とする請求項1記載のGaあるいはSnでドーピングされたバルク状マンガンシリサイド単結晶体あるいは多結晶体の製造方法。
(1)Mn:Siの元素比が下式(3)から計算される元素比の、Mn粒子とSi粒子の混合物を焼結法などによってペレット状にしたもの、あるいはこれらを融点以上に融解して合金化したMnSi1.7合金からなる原料を準備する工程。
(2)反応容器中の底部を結晶析出部とし、前記反応容器中に所定量のGa粒子あるいはSn粒子を充填した後、前記反応容器をGaあるいはSnの融点以上に加熱して、Ga粒子あるいはSn粒子を融解して、GaあるいはSn融液からなる結晶成長部を形成する工程。
(3)工程(1)で準備した原料を、工程(2)で準備した前記反応容器中のGa融液あるいはSn融液の上面に接触させて充填して原料からなる原料部を形成する工程。
(4)前記反応容器をさらに加熱して、前記原料部の温度を少なくとも前記結晶成長部の温度より高く、かつ高くても1200℃以下の温度とし、前記結晶成長部を600~1150℃とするとともに、前記原料部から前記結晶析出部に至る間における温度勾配が5~100℃/cmとなるように設定する工程。
(5)前記反応容器を工程(4)で設定した状態に維持しつつ、前記結晶成長部で所定時間結晶を成長させて、前記結晶析出部にGaあるいはSnでドーピングされたバルク状マンガンシリサイド単結晶体あるいはバルク状マンガンシリサイド多結晶体を堆積する工程。
(6)結晶成長が終了した後、常温まで冷却し、GaあるいはSnでドーピングされたバルク状マンガンシリサイド単結晶体あるいは多結晶体を前記反応容器から取り出す。
MnSi1.75-x 式(3)
[式(3)において、xは0以上0.13以下である。]
産業区分
  • 半導体
  • 固体素子
  • 処理操作
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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