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マイクロリアクターおよびマイクロリアクターの製造方法 コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P100000715
掲載日 2010年6月11日
出願番号 特願2009-117120
公開番号 特開2010-264370
登録番号 特許第5245164号
出願日 平成21年5月14日(2009.5.14)
公開日 平成22年11月25日(2010.11.25)
登録日 平成25年4月19日(2013.4.19)
発明者
  • 楊 明
  • 小林 隆一
出願人
  • 公立大学法人首都大学東京
発明の名称 マイクロリアクターおよびマイクロリアクターの製造方法 コモンズ 新技術説明会
発明の概要

【課題】マイクロチャンネルの比表面積を大きくすること。
【解決手段】転写基板(19)のチューブ生成面(19a)にカーボンナノチューブ(4)を生成し、被転写面(2a)に形成された溝(2c)を有する被転写基板(2)に対して、チューブ生成面(19a)と被転写面(2a)とを対向させた状態で転写基板(19)と被転写基板(2)とを接近させて、溝(2b)にカーボンナノチューブ(4)を転写し、被転写面(2a)と閉塞面(3a)とを対向させた状態で被転写基板(2)と閉塞基板(3)とを接合して溝(2b)の開口側を塞いでカーボンナノチューブ(4)と溝(2b)と閉塞面(3a)とによって囲まれた流路(7)を形成することを特徴とするマイクロリアクター(1)の製造方法。
【選択図】図2

従来技術、競合技術の概要


従来より、試料となる流体(マイクロ流体)が通過する数[μm]から数百[μm]の幅の流路(マイクロ流路、マイクロチャンネル)を有し、マイクロレベルの空間で化学反応やその測定等を行うLab-On-a-Chip(Laboratory on a Chip)やμTAS(Micro Total Analysis System)等の化学反応装置や化学分析システム、いわゆる、マイクロリアクター(マイクロチャンネルリアクター、マイクロ流体デバイス)についての技術が知られている。前記マイクロリアクターは、少量の試料を用いて反応・測定等を行うことができ、省資源化、省エネルギー化、高効率化、低コスト化等が可能であり、有害物質や危険物質を用いる際の安全性も高いと考えられている。このため、前記マイクロリアクターは、分析化学、合成化学、医療、環境測定等の各分野において有用であり、研究・開発等が盛んに行われている。



また、前記マイクロチャンネル内の空間は、容積あたりの内表面の表面積、いわゆる、比表面積が大きくなるため、比表面積が小さい場合に比べ、前記試料を保持可能な範囲が広くなり、化学反応の効率が高くなることが知られている。ここで、化学反応の効率をさらに高めるために、前記マイクロチャンネル内に、比表面積を大きくするための構造(化学分析用構造)を付与することが提案されている。前記マイクロチャンネル内に比表面積を大きくする構造を付与する技術として、下記の特許文献1および非特許文献1、2の技術が従来公知である。



特許文献1としての特開2008-284433号公報には、中空状マイクロチャンネル内表面に膜厚が200[nm]以下のメソポーラスシリカ薄膜が固定化されているマイクロリアクターについての技術が記載されている。すなわち、特許文献1では、規則性メソ細孔構造を有するシリカ薄膜を利用し、通常、担持が困難な触媒を容易に担持し、化学反応を効率化させる技術が記載されている。特許文献1では、まず、シリンジによって前記中空状マイクロチャンネルが内部に形成されたキャピラリーガラスに前記シリカ薄膜の前駆体溶液を流入させて浸透させる。次に、窒素ガスの吹き付けにより、前記中空状マイクロチャンネル内から過剰な前記前駆体溶液を除去する。そして、前記キャピラリーガラスを70℃で8時間乾燥した後、440℃で4時間焼結した結果、中空状マイクロチャンネル内表面に前記シリカ薄膜が固定化されると共に、前記シリカ薄膜に規則性メソ細孔構造が形成され、前記マイクロリアクターが作製される。



また、非特許文献1には、カーボンナノチューブ(CNTs:carbon nanotubes)を、マイクロ流路内に垂直配向したマイクロチップ(マイクロリアクター)についての技術が記載されている。非特許文献1では、シリコン基板に平坦且つ幅広なマイクロ流路(マイクロチャンネル)を作製した後、キシレンとフェロゼンを原料とした化学蒸着法(化学気相成長法、化学気相蒸着法、CVD:Chemical Vapor Deposition)により、垂直に配向した多層カーボンナノチューブを前記マイクロ流路内に位置選択的に作成した後、耐熱ガラスを接着して前記マイクロチップを作製している。
すなわち、非特許文献1には、マイクロチャンネルの底面となる平坦且つ幅広なマイクロ流路が作製されたシリコン基板に、前記化学蒸着法により、カーボンナノチューブを直接作成する技術が記載されている。



さらに、非特許文献2には、非特許文献1と同様に、マイクロチャンネル内で、前記化学蒸着法により、カーボンナノチューブを直接作成する技術が記載されている。非特許文献2には、まず、長さが15[mm]、幅が140[μm]、深さが20[μm]と25[μm]と30[μm]と35[μm]のソーダ石灰ガラス製の前記マイクロチャンネルを準備し、Fe-Si触媒の薄膜を底面に沈着・固着させる。そして、前記マイクロチャンネル内にメタンを注入した後、500[W]のマイクロ波を照射して、カーボンナノチューブを作成している。なお、非特許文献2には、メタンにマイクロ波を照射して化学蒸着させる上記の方法で、平坦な基板にカーボンナノチューブを作成した場合には、カーボンナノチューブの長さL[μm]が、作成時間t[min]の1.5乗に比例して成長するのに対して(L=k×t1.5)、前記マイクロチャンネル内でカーボンナノチューブを作成した場合には、カーボンナノチューブの長さL[μm]が、作成時間t[min]の0.5乗に比例して成長したことが記載されている(L=k×t0.5)。



なお、前記非特許文献1、2に記載の前記カーボンナノチューブは、直径が数[nm]から数十[nm]、長さが数[μm]から数[mm]のチューブ状の物質である。また、前記非特許文献1、2に記載の前記化学蒸着法等により、前記カーボンナノチューブどうしが数十[nm]から数百[nm]の間隔となり、代表寸法となる長さが数十[μm]となるように作成することも可能である。

産業上の利用分野


本発明は、マイクロリアクターおよびマイクロリアクターの製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
転写基板のチューブ生成面にカーボンナノチューブを生成するチューブ生成工程と、
被転写面と、前記被転写面に形成された溝と、を有する被転写基板に対して、前記チューブ生成面と前記被転写面とを対向させた状態で、前記転写基板と前記被転写基板とを接近させて、前記溝に前記チューブ生成面の前記カーボンナノチューブを転写するチューブ転写工程と、
閉塞面を有する閉塞基板に対して、前記被転写面と前記閉塞面とを対向させた状態で、前記被転写基板と前記閉塞基板とを接合して、前記溝の開口側を塞いで、前記カーボンナノチューブと前記溝と前記閉塞面とによって囲まれた空間としての流路を形成する流路形成工程と、
を備え、
前記流路内の比表面積を前記カーボンナノチューブによって大きくする
ことを特徴とするマイクロリアクターの製造方法であって、
さらに、
前記溝に転写された複数の前記カーボンナノチューブの少なくとも先端部に、複数の前記カーボンナノチューブどうしの間を連絡する液体を接触させ、前記液体を気化させて、複数の前記カーボンナノチューブを束ねたカーボンナノチューブ束を作成するチューブ束作成工程、
を備えたことを特徴とする前記マイクロリアクターの製造方法。

【請求項2】
転写基板のチューブ生成面にカーボンナノチューブを生成するチューブ生成工程と、
被転写面と、前記被転写面に形成された溝と、を有する被転写基板に対して、前記チューブ生成面と前記被転写面とを対向させた状態で、前記転写基板と前記被転写基板とを接近させて、前記溝に前記チューブ生成面の前記カーボンナノチューブを転写するチューブ転写工程と、
閉塞面を有する閉塞基板に対して、前記被転写面と前記閉塞面とを対向させた状態で、前記被転写基板と前記閉塞基板とを接合して、前記溝の開口側を塞いで、前記カーボンナノチューブと前記溝と前記閉塞面とによって囲まれた空間としての流路を形成する流路形成工程と、
を備え、
前記流路内の比表面積を前記カーボンナノチューブによって大きくする
ことを特徴とするマイクロリアクターの製造方法であって、
前記チューブ生成工程では、前記溝に応じて形成された前記転写基板の凸部に、前記凸部に対応するマスクの孔部が嵌まって、前記転写基板に前記マスクが装着され、前記チューブ生成面としての前記凸部の外表面に沿って前記マスクの外表面が配置された状態で、前記各外表面に前記カーボンナノチューブを生成した後で、前記転写基板に対して着脱可能な前記マスクを取り外して、前記凸部の外表面にのみ前記カーボンナノチューブを残した状態にすると共に、
前記チューブ転写工程では、前記溝に前記凸部の外表面の前記カーボンナノチューブを転写する
ことを特徴とする前記マイクロリアクターの製造方法。

【請求項3】
転写基板のチューブ生成面に、アルコール触媒CVD法により、カーボンナノチューブを生成するチューブ生成工程と、
被転写面と、前記被転写面に形成された溝と、を有する被転写基板に対して、前記チューブ生成面と前記被転写面とを対向させた状態で、前記転写基板と前記被転写基板とを接近させて、前記カーボンナノチューブの前記被転写面側の先端を前記被転写面に突き刺すことで、前記カーボンナノチューブの配向性を崩さずに、前記溝に前記チューブ生成面の前記カーボンナノチューブを転写するチューブ転写工程と、
閉塞面を有する閉塞基板に対して、前記被転写面と前記閉塞面とを対向させた状態で、前記被転写基板と前記閉塞基板とを接合して、前記溝の開口側を塞いで、前記カーボンナノチューブと前記溝と前記閉塞面とによって囲まれた空間としての流路を形成する流路形成工程と、
を備え、
前記流路内の比表面積を前記カーボンナノチューブによって大きくする
ことを特徴とするマイクロリアクターの製造方法。

【請求項4】
溝が形成された被転写面と、カーボンナノチューブがチューブ生成面に生成された転写基板の前記チューブ生成面と前記被転写面とが対向接近されて前記溝に転写された前記カーボンナノチューブと、を有する被転写基板と、
閉塞面を有し、前記被転写面と前記閉塞面とを対向させた状態で、前記被転写基板に接合されて前記溝の開口側を塞ぐ閉塞基板と、
前記カーボンナノチューブと前記溝と前記閉塞面とによって囲まれた空間としての流路と、
共通する前記被転写面に基端部が支持された複数の前記カーボンナノチューブの先端部が束ねられたカーボンナノチューブ束と、
を備えたことを特徴とするマイクロリアクター。

【請求項5】
ポリジメチルシロキサンにより構成された前記被転写面
を備えたことを特徴とする請求項4に記載のマイクロリアクター。
産業区分
  • 処理操作
  • その他機械要素
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2009117120thum.jpg
出願権利状態 権利存続中
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