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抗ペンドリン抗体による甲状腺疾患の評価方法 コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P100000815
整理番号 H21-017
掲載日 2010年7月9日
出願番号 特願2009-215272
公開番号 特開2011-064564
登録番号 特許第5537876号
出願日 平成21年9月17日(2009.9.17)
公開日 平成23年3月31日(2011.3.31)
登録日 平成26年5月9日(2014.5.9)
発明者
  • 吉田 明雄
  • 久留 一郎
出願人
  • 国立大学法人鳥取大学
発明の名称 抗ペンドリン抗体による甲状腺疾患の評価方法 コモンズ 新技術説明会
発明の概要 【課題】甲状腺疾患のバイオマーカーとして利用されている抗TPO抗体または抗TG抗体が自己免疫性甲状腺疾患患者群と炎症性甲状腺疾患患者群のいずれにも測定され得る。対象における甲状腺疾患を評価する方法であって、対象が自己免疫性甲状腺疾患を有すると評価することを含む方法提供する。
【解決手段】抗ペンドリン抗体はほぼ自己免疫性甲状腺疾患患者群においてのみ測定され、炎症性甲状腺疾患患者群において測定されない。したがって、対象由来のサンプル中の抗ペンドリン抗体の有無を測定して、対象由来のサンプル中に抗ペンドリン抗体が存在するとき甲状腺疾患が自己免疫性甲状腺疾患であると評価する。
【選択図】図2
従来技術、競合技術の概要



グレーブス病(バセドウ病とも称される)および橋本甲状腺炎(橋本病とも称される)は、最も一般的な甲状腺の自己免疫疾患である。これらの疾患は、甲状腺において特異的または主として発現される自己抗原(膜タンパク質、分泌蛋白質など)に対する自己抗体が産生され、当該自己抗体によって自己の臓器、すなわち甲状腺が攻撃されることを特徴とする。これまでに存在が確認されている甲状腺の自己抗原は、甲状腺ペルオキシダーゼ(TPO)、サイログロブリン(TG)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)レセプター、ナトリウムヨード共輸送体(NIS)である。





TGのような抗原は血中に分泌され、免疫細胞と容易に接触する。従って当該抗原レベルの上昇は、甲状腺炎またはがんにおいて見られるような、甲状腺濾胞損傷の有用な指標であり、抗TG抗体は甲状腺炎、自己免疫性甲状腺炎、炎症性甲状腺炎の有用な指標である。他の甲状腺抗原、例えばTPOは甲状腺の濾胞内膜において発現する膜貫通タンパク質であり、循環系の免疫細胞に容易に接触することができない。しかし、組織損傷が生じたとき、当該抗原は免疫系によって速やかに認識されるため、抗TPO抗体もまた、自己免疫性甲状腺炎、炎症性甲状腺炎の有用な指標である。現在、グレーブス病の診断のために、抗THSレセプター抗体が使用され、橋本甲状腺炎の診断のために、抗TPO抗体または抗TG抗体が使用されている。例えば、橋本甲状腺炎を有する患者群において約80%が抗TPO抗体または抗TG抗体陽性であるため、現在これらの抗体の測定を組合せて橋本甲状腺炎を診断している。





しかしながら、自己免疫性ではなく炎症性の甲状腺疾患、例えば無痛性甲状腺炎または亜急性甲状腺炎を有する患者においても、抗TPO抗体または抗TG抗体が陽性を示すことがあり(無痛性甲状腺炎(回復期を含む)では80%程度、亜急性甲状腺炎では20~30%が陽性)、また臨床的所見も自己免疫性甲状腺疾患と共通するところが多い。したがって、患者の甲状腺疾患が自己免疫性甲状腺疾患であるのか、炎症性甲状腺疾患であるのかを、既存の抗体によっては、確度よく鑑別することができなかった。





一方、ペンドリンは、甲状腺、内耳、子宮、胎盤、肺、腎臓に存在が確認されている、ヨード輸送蛋白である。甲状腺など限られた臓器に発現していることから、臓器特異的自己免疫疾患の抗原として認識されることが知られており、例えばグレーブス病患者の84%、橋本甲状腺炎患者の98%にペンドリンに対する自己抗体が存在する(非特許文献1)。

産業上の利用分野



本発明は、抗ペンドリン抗体による甲状腺疾患の評価方法に関する。具体的には、本発明は、対象由来のサンプルにおける抗ペンドリン抗体の有無を測定して、抗ペンドリン抗体が存在する場合には対象が自己免疫性甲状腺疾患を有すると評価する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
対象における甲状腺疾患を区別する方法であって、対象由来のサンプル中の抗ペンドリン抗体の有無を測定して、対象由来のサンプル中に抗ペンドリン抗体が存在するとき対象が自己免疫性甲状腺疾患を有する可能性があるとし、対象由来のサンプル中に抗ペンドリン抗体が存在しないとき対象が炎症性甲状腺疾患を有する可能性があるとすることを含む方法。

【請求項2】
対象がヒトである、請求項1に記載の方法。

【請求項3】
サンプルが血清である、請求項1に記載の方法。

【請求項4】
対象由来のサンプル中の抗ペンドリン抗体の有無を、ウェスタンブロット法によって測定する、請求項1に記載の方法。

【請求項5】
ヒト対象における甲状腺疾患を区別する方法であって、ペンドリンを過剰発現させたCOS-7細胞から抽出した膜タンパク質を用いたウェスタンブロット法によってヒト血清中の抗ペンドリン抗体の有無を測定して、ヒト血清中に抗ペンドリン抗体が存在するとき対象が自己免疫性甲状腺疾患を有する可能性があるとし、対象由来のサンプル中に抗ペンドリン抗体が存在しないとき対象が炎症性甲状腺疾患を有する可能性があるとすることを含む方法。
国際特許分類(IPC)
画像

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JP2009215272thum.jpg
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) 抗ペンドリン抗体による甲状腺疾患の評価方法
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