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ヒドロキシラジカルによるリグニンの低分子化方法 新技術説明会 実績あり

国内特許コード P100000843
整理番号 KUTLO-2010-012
掲載日 2010年7月30日
出願番号 特願2010-143296
公開番号 特開2012-006857
登録番号 特許第4803684号
出願日 平成22年6月24日(2010.6.24)
公開日 平成24年1月12日(2012.1.12)
登録日 平成23年8月19日(2011.8.19)
発明者
  • 高橋 憲司
  • 比江嶋 祐介
  • 井口 真吾
出願人
  • 国立大学法人金沢大学
発明の名称 ヒドロキシラジカルによるリグニンの低分子化方法 新技術説明会 実績あり
発明の概要


【課題】大量に焼却されているリグニンの有効利用を図るため、強固なリグニン構造を光化学反応により破壊して、各種有用化学物質の原料として利用できる低分子化合物を製造する方法を提供する。
【解決手段】リグニンの低分子化物は溶解するがリグニンは溶解しない溶媒の共存在下で、リグニン粉末を亜硝酸ナトリウム水溶液中に懸濁させ、紫外線を照射して発生させたヒドロキシラジカルと反応させることを特徴とするリグニンの低分子化方法、及び低分子化合物の製造方法。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


リグニンは木質バイオマスの20~30%を占めている。しかし、フェノール系の物質が3次元で入り組んだ非常に複雑な構造を有するため、分解が困難で反応性に乏しいなどの特徴を持つ。そのため、同じ木質バイオマスの一つであるセルロースと比べると利用が進められておらず、現在国内だけで年間700万トンが焼却されている。また、木材を利用してバイオエタノールを大量に作ることが将来的に予想されるが、その際には、さらに大量のリグニンを焼却・処分することが予想され、その有効利用法の確立が求められている。



リグニンの分解・利用についての既存の研究としては超臨界水でのリグニンの低分子化(例えば、特開平11-292799号公報;特許文献1)、白色腐朽菌による分解(非特許文献1)、コンクリート減水材への利用(例えば、Amel Kamoun, Ahmed Jelidi, Moncef Chaabouni; Cement and Concrete Research, 33, 2003, 995-1003;非特許文献2)等が挙げられる。



特許文献1の超臨界水中でのリグニンの分解処理の研究は、374℃、22.1MPaの高温・高圧下で行われ、処理後得られる物質として、シリンガアルデヒド、シリンガ酸、バニリンなどが確認されている。高温高圧という非常に高いエネルギーを必要とする問題があるが、リグニン分解の効率は高い。しかし、まだ研究段階であり、工業的には実施されていない。



非特許文献1による白色腐朽菌によるリグニンの分解は、主に木質バイオマスのセルロースをリグニンから分離することを目的として研究されている。白色腐朽菌はリグニンのみを選択的に分解できるため、利用しやすいが、白色腐朽菌による分解反応は菌が産出したラジカルによりリグニンを分解するなど反応が複雑であり、反応過程の解明が難しく、菌の改良も困難であるという問題がある。これもまだ研究段階であり、工業的には実施されていない。



非特許文献2によるコンクリート減水材への利用は、リグニンを化学変性させたリグニンスルホン酸の優れたセメント分散性と適度の空気連行性を利用するものである。しかし、近年ではコンクリート材料に適する砂や砂利等が減少し、リグニンスルホン酸の性能では不十分な場合が生じてきた。そのため、リグニンスルホン酸にアミノスルホン酸系の縮合物を複合したものなどが使用されるようになってきており、リグニンのコンクリート減水材への使用量は減少している。
以上のように、リグニンの分解・利用については多くの研究がなされてはいるが、問題も多く、現実に利用されているのはコンクリート減水材への利用のみである。

産業上の利用分野


本発明は、ヒドロキシラジカルによるリグニンからの低分子化方法に関する。さらに詳しく言えば、本発明は、これまで大量に焼却処分されているリグニンの有効利用法を提供するものであって、光化学反応により選択的に生成させたヒドロキシルラジカルをリグニンと反応させることにより、強固なリグニン構造を破壊するリグニンの低分子化方法、及び低分子化合物の製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
水不溶性のリグニンを含むリグニン粉末を、リグニンの低分子化物が溶解しリグニンが溶解しない溶媒の共存下に亜硝酸ナトリウム水溶液中で懸濁させながら、紫外線、電子線、またはガンマ線を照射して発生させたヒドロキシルラジカルと反応させることを特徴とするリグニンの低分子化方法。

【請求項2】
溶媒が、エーテル、クロロホルム、ジクロロメタン、ヘキサン及び酢酸エチルから選択される請求項1に記載のリグニンの低分子化方法。

【請求項3】
水不溶性のリグニンを含むリグニン粉末を、リグニンの低分子化物が溶解しリグニンが溶解しない溶媒の共存下に亜硝酸ナトリウム水溶液中で懸濁させながら、紫外線、電子線、またはガンマ線を照射して発生させたヒドロキシルラジカルと反応させることを特徴とする低分子化合物の製造方法。

【請求項4】
溶媒が、エーテル、クロロホルム、ジクロロメタン、ヘキサン及び酢酸エチルから選択される請求項3に記載の低分子化合物の製造方法。
産業区分
  • 有機化合物
  • 高分子化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
(有)金沢大学ティ・エル・オーは、金沢大学の研究者の出願特許を産業界へ技術移転することを主目的として、金沢大学の教官の出資により設立された技術移転機関です。
ご興味のある方は、下記「問合せ先」へ整理番号と共にご連絡願います。
なお、既に活用のお申し込み・お打合わせ等の段階に入っている場合もございますので、予めご承知おきください。


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