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D-マンデル酸誘導体脱水素酵素 新技術説明会

国内特許コード P100000878
掲載日 2010年8月13日
出願番号 特願2009-203355
公開番号 特開2011-050336
登録番号 特許第5684464号
出願日 平成21年9月3日(2009.9.3)
公開日 平成23年3月17日(2011.3.17)
登録日 平成27年1月23日(2015.1.23)
発明者
  • 三井 亮司
  • 田中 三男
出願人
  • 学校法人加計学園
発明の名称 D-マンデル酸誘導体脱水素酵素 新技術説明会
発明の概要 【課題】本発明は、D-マンデル酸誘導体に対して特異的に作用する新規酵素を提供することを課題とする。さらには、本発明は当該新規酵素を用いたD-マンデル酸誘導体の簡易測定方法を提供することを課題とする。
【解決手段】D-マンデル酸誘導体資化性菌より分離される、D-マンデル酸誘導体の脱水素酵素による。さらには、本発明の脱水素酵素と検体を混合し、触媒反応により発せされるシグナル、例えば還元化補酵素や触媒反応により発せられる電流を検出することによりD-マンデル酸誘導体を測定することができる。
【選択図】図3
従来技術、競合技術の概要



副腎髄質や交換神経節で生成されるカテコールアミン(ノルアドレナリン、アドレナリン)は、通常、生体内で代謝を受け最終産物としてバニリルマンデル酸(バニルマンデル酸ともいわれる。以下、単に「VMA」という場合もある。)となる(図1参照)。最終産物として生成したVMAは尿へ排出される。副腎髄質や交換神経節から発生する腫瘍では、カテコールアミンが過剰に産生され、これが代謝されるために必然的にVMAが高値となる。このような病態は小児においては神経芽細胞腫があり、小児癌として白血病についで患者数が多く、小児癌全体の約1割を占め、およそ10万人に8~9人の割合で症状が出るといわれている。また、成人では褐色細胞腫が知られる。このことから尿中VMAは、これらの腫瘍マーカーとして測定されている。





現在のVMAの測定方法としては、主にHPLC(高速液体クロマトグラフィー)が用いられている(特許文献1)。他に、薄層クロマトグラフによる方法、VMAを9-アンスリルジアゾメタンで処理してアンスリルメチルエステルのようにVMAを誘導体化した後、蛍光検出する方法(特許文献2)、酢酸エチル抽出後比色定量する方法、ガスクロマトグラフによる方法などが知られている。しかし、これらの方法では、被検試料中にタンパク質が混在すると、カラムにタンパク質が吸着するなどにより測定に支障をきたすため、除タンパク処理の必要があった。このように、従来の方法は尿中タンパク質を除去するために、抽出処理やイオン交換樹脂で分離し、その一部を測定に用いるなど、煩雑でコストのかかる方法であった。さらに、上記方法の場合は、溶離液などの溶媒などを多量に必要とすることから、コストのみならず環境面に対する問題も考えられる。また、HPLCにおいて、紫外吸光度検出器(UV検出器)を用いて測定する場合には、酸性蓄尿する必要があるといわれている。これは、微生物の繁殖を防いだり、pH環境によりVMAの極大吸収にずれが生じたりすることにより、検出感度が変わるなどの問題が挙げられる。上記の方法では、処理が煩雑であり、多くの検体を処理することも困難である。





L-マンデル酸に対して、FMN(flavin mononucleotide)を補酵素とし、デヒドロゲナーゼ活性を有するRhodotorula graminis由来の酵素について報告がある(非特許文献1)。また、D-マンデル酸に対して、NAD(nicotinamide adenine dinucleotide)を補酵素とし、デヒドロゲナーゼ活性を有するRhodotorula graminis由来の酵素に関する報告がある(非特許文献2)。さらに、L-VMAデヒドロゲナーゼ活性を有するPseudomonas fluorescens A-312由来の酵素に関する報告もある(非特許文献3)。しかしながら、マンデル酸そのものはカテコールアミンの最終産物とはいえない。また、尿中に含有可能性のあるVMAは、D-VMAであり、L-VMAではない。D-VMAに作用する酵素は未だ報告されていない。従って、酵素反応を用いたD-VMAの簡易測定方法については未だ報告がない。

産業上の利用分野


本発明は、D-マンデル酸誘導体に対する新規脱水素酵素に関する。さらには、当該新規脱水素酵素を用いて測定するD-マンデル酸誘導体の簡易検出方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
SDS-PAGE法にて測定した分子量が40,000であり、ゲル濾過法にて測定した分子量が80,000であり;pH5-8及び40℃未満で安定性を示し;D-マンデル酸誘導体のうちジヒドロキシマンデル酸及びバニリルマンデル酸に対して脱水素酵素活性を有し、ノルエピネフリン、ノルメタネフリン及びホモバニリン酸に対しては酵素活性を有しないことを特徴とする、D-マンデル酸誘導体脱水素酵素。

【請求項2】
D-マンデル酸誘導体脱水素酵素が、D-マンデル酸誘導体資化性菌のうちロードスポリディウム(Rhodosporidium)属より分離される、請求項1に記載のD-マンデル酸誘導体脱水素酵素。

【請求項3】
以下の1)~4)の工程を含む、D-マンデル酸誘導体脱水素酵素の製造方法:
1)受託番号FERM P-21831で特定されるRhodosporidium paludigenum VMA4菌株を、バニリルマンデル酸又はマンデル酸を炭素源とする培地で培養する工程;
2)得られた培養物を破砕処理し、得られた上清液を粗酵素溶液として回収する工程;
3)前記粗酵素溶液を、疎水クロマトグラフィー、陰イオンクロマトグラフィー及びゲル濾過クロマトグラフィーに付す工程;
4)上記工程により回収した粗酵素溶液について、SDS-PAGEで単一バンドとして得られる画分を回収することにより、精製脱水素酵素を回収する工程。

【請求項4】
請求項3に記載のD-マンデル酸誘導体脱水素酵素の製造方法により製造され、以下のa)~c)の特質を有する、D-マンデル酸誘導体脱水素酵素:
a)SDS-PAGE法にて測定した分子量が40,000であり、ゲル濾過法にて測定した分子量が80,000であり;
b)pH5-8及び40℃未満で安定性を示し;
c)D-マンデル酸誘導体のうちジヒドロキシマンデル酸及びバニリルマンデル酸に対して脱水素酵素活性を有し、ノルエピネフリン、ノルメタネフリン及びホモバニリン酸に対しては酵素活性を有しない。

【請求項5】
以下の工程を含む検体中のジヒドロキシマンデル酸及びバニリルマンデル酸の測定方法:
1)請求項1、2又は4に記載のD-マンデル酸誘導体脱水素酵素と検体を混合する工程;
2)検体に含有されるジヒドロキシマンデル酸及びバニリルマンデル酸の酸化により発せされるシグナルを検出する工程。

【請求項6】
ジヒドロキシマンデル酸及びバニリルマンデル酸の酸化により発せされるシグナルが、触媒反応により産生される還元化補酵素又は触媒反応により検出される電流である請求項5に記載の測定方法。

【請求項7】
請求項1、2又は4に記載のD-マンデル酸誘導体脱水素酵素を含む、ジヒドロキシマンデル酸及びバニリルマンデル酸の検査用試薬。

【請求項8】
少なくとも請求項7に記載のジヒドロキシマンデル酸及びバニリルマンデル酸の検査用試薬を含み、さらに検査用緩衝液及び/又は補酵素を含むジヒドロキシマンデル酸及びバニリルマンデル酸の検査用試薬キット。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2009203355thum.jpg
出願権利状態 登録
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