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物質の構造解析方法

国内特許コード P100000907
整理番号 E100P01
掲載日 2010年9月16日
出願番号 特願2010-199676
公開番号 特開2012-058002
登録番号 特許第5441064号
出願日 平成22年9月7日(2010.9.7)
公開日 平成24年3月22日(2012.3.22)
登録日 平成25年12月27日(2013.12.27)
発明者
  • 蟹江 治
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 物質の構造解析方法
発明の概要 【課題】三連四重極質量分析法(TQ-MS)を用いた物質の構造解析方法。
【解決手段】目的物質について、CIDエネルギーの値を変化させてTQ-MS測定を行い、各CIDエネルギーの値において、プレカーサーイオン量の総イオン量に対する百分率と、特定のm/zのプロダクトイオン量の総イオン量に対する百分率とを求め、プレカーサーイオン量の総イオン量に対する百分率の各値を与えるCIDエネルギーの各値における、前記特定のm/zのプロダクトイオン量の総イオン量に対する百分率の各値を抽出し、前記特定のm/zのプロダクトイオン量の総イオン量に対する百分率の各値について、全ての組合せの和を求め、プレカーサーイオン量の総イオン量に対する百分率の値をxとし、かつ前記求めた各組合せの和の値をyとする関数のうち直線近似できるものを選択し、選択した各関数を与えるプロダクトイオンのm/z値から目的物質の構造を解析する。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


三連四重極質量分析法(triple-quadrupole mass spectrometry;TQ-MS)は、エレクトロスプレイイオン化(electrospray ionization;ESI)法と統合した高速液体クロマトグラフィー(HPLC)と組合せて、頻繁に使用される(非特許文献1~5参照)。このような液体クロマトグラフ質量分析(LC-MS)システムは、衝突誘起解離(collision-induced dissociation;CID)条件下においてイオンの断片化の分析を容易とすることから、構造情報を得るために用いることができる。さらに、クロマトグラフィーカラムにおける所定の種の保持時間から、HPLCにおいて用いられる固定相に対する種の親和性を決定でき、構造情報を得ることができる。しかし、この技術は、MS/MS情報しか提供しないという問題がある。また、四重極イオントラップ型質量分析法(quadrupole ion trap mass spectrometry;QIT-MS)によれば、綿密な構造情報を提供するマルチステージMS/MS分析が可能となる(非特許文献3,4,6~9を参照)。しかし、HPLC分析における化合物の溶出期間中にマルチステージMS/MS実験を行うことは、実際上は、困難である。したがって、HPLC分析に必要とされる時間内において構造情報について新たな洞察を得るためには、連続の質量スペクトル解析(MS)が可能ではないというTQ-MSの欠点を解消することが重要である。



これまで、複雑なグリカンの構造及びグリコシド結合の形態を解明するための方法を開発するために、QIT-MSを用いたエネルギー分解質量分析(energy-resolved mass spectrometry;ERMS)が調査されている。ほとんどの場合、様々なオリゴ糖のナトリウム化イオンについて得られたERMSスペクトルは、プレカーサーイオン及び複数のプロダクトイオンに対応する一連のピークを含むものであり、単純なものである。これらのピークは、ボルツマン・シグモイド方程式(Boltzmann sigmoidal equations)によって解析され、近似処理される(非特許文献10~13参照)。まれに、より複雑なERMSスペクトルが得られることもある。グリカンの気相反応を解明する過程において、複雑なスペクトルが得られ、MSスペクトルは、QIT-MSのCID工程では通常得られないプロダクトイオンの断片化反応に関する情報(MSn+1の情報)を含んでいることが明らかにされている。しかし、QIT-MS装置はMS実験を実施するために利用できるので、このような情報は、QIT-MS分析には余り重要ではないと考えられる。その一方、TQ-MS装置は、MS実験に用いることができないことから、上述のMSn+1の情報は、TQ-MS分析にとって極めて重要になる。また、構造の解明のために、TQ-MS法がHPLCと組合せて用いられる場合、このようなMSn+1情報は有用となる。

産業上の利用分野


本発明は、目的物質について、三連四重極質量分析法による測定を行い、得られたデータについて所定のデコンボリューション処理を行うことにより目的物質の構造を解析する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
(a)目的物質について、CIDエネルギーの値を変化させて三連四重極質量分析(TQ-MS)測定を行い、
(b)各CIDエネルギーの値において、プレカーサーイオン量の総イオン量に対する百分率と、特定のm/zのプロダクトイオン量の総イオン量に対する百分率とを求め、
(c)工程(b)において求めたプレカーサーイオン量の総イオン量に対する百分率の各値を与えるCIDエネルギーの各値における、前記特定のm/zのプロダクトイオン量の総イオン量に対する百分率の各値を抽出し、
(d)工程(c)において抽出した前記特定のm/zのプロダクトイオン量の総イオン量に対する百分率の各値について、全ての組合せの和を求め、
(e)プレカーサーイオン量の総イオン量に対する百分率の値をxとし、かつ前記求めた各組合せの和の値をyとする関数のうち直線近似できるものを選択し、選択した関数の間で各関数を与えるプロダクトイオンの組合せを比較し、かつプロダクトイオンのm/z値を比較することにより目的物質の構造を解析することを含む、
物質の構造解析方法であって、
工程(e)において、MS情報を取得する、方法

【請求項2】
工程(b)において、CIDエネルギーの値をX軸とし、かつ百分率の値をY軸として、プレカーサーイオン量の総イオン量に対する百分率と、特定のm/zのプロダクトイオン量の総イオン量に対する百分率とをプロットしてグラフを作成する、請求項1に記載の方法。

【請求項3】
工程(c)において、プレカーサーイオン量の総イオン量に対する百分率をX軸として、前記特定のm/zのプロダクトイオン量の総イオン量に対する各百分率をY軸方向にプロットしてグラフを作成する、請求項1又は2に記載の方法。

【請求項4】
工程(d)において、プレカーサーイオン量の総イオン量に対する百分率をX軸として、前記求めた各組合せの和の値をY軸方向にプロットしてグラフを作成する、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。

【請求項5】
工程(e)における直線近似を以下の式(4)を用いて行う、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法:
【化1】


式中、Syxは、線形回帰曲線の残差を示し、xj及びyjは、データjの座標要素を示し、aj及びbjは、回帰曲線の座標要素を示し、n-2は、自由度である。

【請求項6】
前記目的物質が糖鎖である、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
産業区分
  • 試験、検査
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2010199676thum.jpg
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) ERATO 伊藤グライコトリロジー 領域
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