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アルキルフェノールの製造方法 コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P100000913
掲載日 2010年9月28日
出願番号 特願2009-058224
公開番号 特開2010-209016
登録番号 特許第5212988号
出願日 平成21年3月11日(2009.3.11)
公開日 平成22年9月24日(2010.9.24)
登録日 平成25年3月8日(2013.3.8)
発明者
  • 國信 洋一郎
  • 松木 崇
  • 高井 和彦
出願人
  • 国立大学法人 岡山大学
発明の名称 アルキルフェノールの製造方法 コモンズ 新技術説明会
発明の概要

【課題】触媒量の金属化合物の存在する中性条件下においてフェノール化合物とオレフィンとを反応させて、フェノール化合物を高位置選択的にモノアルキル化することのできるアルキルフェノールの製造方法を提供する。
【解決手段】0価又は1価のレニウム化合物からなる触媒の存在下に、フェノール化合物とオレフィンとを反応させて、フェノール性水酸基のオルト位又はパラ位に1つのアルキル基を導入する。レニウムデカカルボニルなどの0価のレニウム錯体が、触媒として好適に用いられる。
【選択図】なし

従来技術、競合技術の概要


アルキルフェノールは、樹脂原料、医薬品、除草剤、殺虫剤、染料、香料、界面活性剤などとして重要である。フェノール化合物をアルキル化する方法としては、フェノール化合物と有機ハロゲン化物を用いたFriedel-Crafts反応が最も一般的である。しかしながら、当該反応においては、塩化鉄や塩化アルミニウムのようなルイス酸を量論量用いる必要がある上に、ハロゲン化水素が副生するという問題点を有していた。したがって、酸に敏感な置換基を有する原料を用いる場合には適用することができなかった。



非特許文献1には、フェノール化合物とオレフィンとを反応させて、フェノール性水酸基のオルト位に高選択的にアルキル基を導入する、アルキルフェノールの合成反応が記載されている。しかしながらこの合成反応は、湿気に不安定な塩化アルミニウムを化学量論量必要とする上に、収率が低い。また、ハロゲン系溶媒を使用する上に、抽出および乾燥といった後処理も必要である。



また、固体酸触媒を用いてフェノール化合物とオレフィンとを反応させて、フェノール化合物をアルキル化する方法も知られている。例えば、非特許文献2にはタングステンとジルコニウムからなる固体酸触媒を用いた例が、非特許文献3及び4にはゼオライト触媒を用いた例が、それぞれ記載されている。しかしながら、これらの方法においては、位置選択的にモノアルキル化体を合成することは必ずしも容易ではなかった。



さらに、遷移金属錯体触媒を用いてフェノール化合物とオレフィンとを反応させて、フェノール化合物をアルキル化する方法も知られている。例えば、非特許文献5及び6にはヘテロポリ酸触媒を用いた例が、非特許文献7にはルテニウム触媒を用いた例が、非特許文献8にはロジウム触媒を用いた例が、非特許文献9にはイリジウム触媒を用いた例が、それぞれ記載されている。しかしながら、これらの方法においても、さまざまなオレフィンを用いて位置選択的にフェノール化合物のモノアルキル化体を合成することは必ずしも容易ではなかった。

産業上の利用分野


本発明は、アルキルフェノールの製造方法に関する。特に、レニウム化合物からなる触媒の存在下に、フェノール化合物とオレフィンとを反応させて、フェノール性水酸基のオルト位又はパラ位に1つのアルキル基を導入するアルキルフェノールの製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
0価又は1価のレニウム化合物からなる触媒の存在下に、フェノール化合物とオレフィンとを反応させて、フェノール性水酸基のオルト位又はパラ位に1つのアルキル基を導入することを特徴とするアルキルフェノールの製造方法。

【請求項2】
0価又は1価のレニウム化合物からなる触媒の存在下に、下記式(I)
【化学式1】


[式中、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアリールアルキル基、置換基を有してもよいアリールアルケニル基、置換基を有してもよいアリールアルキニル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよい複素環基、保護されていてもよい水酸基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルデヒド基、保護されていてもよいカルボキシル基又はその塩、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキルカルボニロキシ基、アリールカルボニロキシ基、保護されていてもよいアミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基、アリールアンモニウム基、保護されていてもよいチオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、保護されていてもよいスルフィン酸基又はその塩、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、保護されていてもよいスルホン酸基又はその塩、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルアゾ基、アリールアゾ基、保護されていてもよいリン酸基又はその塩、保護されていてもよい亜リン酸基又はその塩、シアノ基、ニトロ基又はアジド基である。R、R及びRの少なくとも1つは水素原子である。R、R、R、R及びRは、相互に結合して環を形成してもよい。]
で表されるフェノール化合物と、下記式(II)
【化学式2】


[式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアリールアルキル基、置換基を有してもよいアリールアルケニル基、置換基を有してもよいアリールアルキニル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよい複素環基、保護されていてもよい水酸基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルデヒド基、保護されていてもよいカルボキシル基又はその塩、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキロキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、アルキルカルボニロキシ基、アリールカルボニロキシ基、保護されていてもよいアミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基、アリールアンモニウム基、保護されていてもよいチオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、保護されていてもよいスルフィン酸基又はその塩、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、保護されていてもよいスルホン酸基又はその塩、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルアゾ基、アリールアゾ基、保護されていてもよいリン酸基又はその塩、保護されていてもよい亜リン酸基又はその塩、シアノ基、ニトロ基又はアジド基である。R、R、R及びRは相互に結合して環を形成してもよい。]
で表されるオレフィンとを反応させて、フェノール性水酸基のオルト位又はパラ位に1つのアルキル基を導入する、下記式(III)
【化学式3】


[式中、R、R、R、R、R、R、R及びRは、上記式(I)及び(II)と同じ。R、R、R、R、R、R、R及びRは相互に結合して環を形成してもよい。]
又は下記式(IV)
【化学式4】


[式中、R、R、R、R、R、R、R及びRは、上記式(I)及び(II)と同じ。R、R、R、R、R、R、R及びRは相互に結合して環を形成してもよい。]
で表されるアルキルフェノールの製造方法。

【請求項3】
0価又は1価のレニウム化合物からなる触媒の存在下に、下記式(Ia)
【化学式5】


[式中、R、R及びRは、前記式(I)と同じ。]
で表されるフェノール化合物と、下記式(IIa)
【化学式6】


[式中、R及びRは、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアリールアルキル基、置換基を有してもよいアリールアルキニル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよい複素環基、保護されていてもよい水酸基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルデヒド基、保護されていてもよいカルボキシル基又はその塩、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキロキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、アルキルカルボニロキシ基、アリールカルボニロキシ基、保護されていてもよいアミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基、アリールアンモニウム基、保護されていてもよいチオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、保護されていてもよいスルフィン酸基又はその塩、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、保護されていてもよいスルホン酸基又はその塩、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルアゾ基、アリールアゾ基、保護されていてもよいリン酸基又はその塩、保護されていてもよい亜リン酸基又はその塩、シアノ基、ニトロ基又はアジド基である。R及びRは相互に結合して環を形成してもよい。]
で表されるオレフィンとを反応させて、フェノール性水酸基のオルト位に1つのアルキル基を導入して下記式(IIIa)
【化学式7】


[式中、R、R、R、R及びRは、前記式(I)及び(IIa)と同じ。R、R、R、R及びRは相互に結合して環を形成してもよい。]
で表されるアルキルフェノールを得る請求項2記載のアルキルフェノールの製造方法。

【請求項4】
が水素原子である請求項3記載のアルキルフェノールの製造方法。

【請求項5】
0価又は1価のレニウム化合物からなる触媒の存在下に、下記式(Ib)
【化学式8】


[式中、R、R、R及びRは、前記式(I)と同じ。]
で表されるフェノール化合物と、下記式(IIb)
【化学式9】


[式中、R及びRは、それぞれ独立してハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアリールアルキル基、置換基を有してもよいアリールアルケニル基、置換基を有してもよいアリールアルキニル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよい複素環基、保護されていてもよい水酸基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルデヒド基、保護されていてもよいカルボキシル基又はその塩、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキロキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、アルキルカルボニロキシ基、アリールカルボニロキシ基、保護されていてもよいアミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基、アリールアンモニウム基、保護されていてもよいチオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、保護されていてもよいスルフィン酸基又はその塩、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、保護されていてもよいスルホン酸基又はその塩、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルアゾ基、アリールアゾ基、保護されていてもよいリン酸基又はその塩、保護されていてもよい亜リン酸基又はその塩、シアノ基、ニトロ基又はアジド基である。R及びRは相互に結合して環を形成してもよい。]
で表されるオレフィンとを反応させて、フェノール性水酸基のパラ位に1つのアルキル基を導入して下記式(IVb)
【化学式10】


[式中、R、R、R、R、R及びRは、前記式(I)及び(IIb)と同じ。R、R、R、R、R及びRは相互に結合して環を形成してもよい。]
で表されるアルキルフェノールを得る請求項2記載のアルキルフェノールの製造方法。

【請求項6】
0価又は1価のレニウム化合物からなる触媒の存在下に、下記式(Ib)
【化学式11】


[式中、R、R、R及びRは、前記式(I)と同じ。]
で表されるフェノール化合物と、下記式(IIc)
【化学式12】


[式中、R10、R11、R12及びR13は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアリールアルキル基、置換基を有してもよいアリールアルケニル基、置換基を有してもよいアリールアルキニル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよい複素環基、保護されていてもよい水酸基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルデヒド基、保護されていてもよいカルボキシル基又はその塩、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキロキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、アルキルカルボニロキシ基、アリールカルボニロキシ基、保護されていてもよいアミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基、アリールアンモニウム基、保護されていてもよいチオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、保護されていてもよいスルフィン酸基又はその塩、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、保護されていてもよいスルホン酸基又はその塩、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルアゾ基、アリールアゾ基、保護されていてもよいリン酸基又はその塩、保護されていてもよい亜リン酸基又はその塩、シアノ基、ニトロ基又はアジド基である。R10、R11、R12及びR13は相互に結合して環を形成してもよい。]
で表されるオレフィンとを反応させて、フェノール性水酸基のパラ位に1つのアルキル基を導入して下記式(IVc)
【化学式13】


[式中、R、R、R、R、R10、R11、R12及びR13は、前記式(I)及び(IIc)と同じ。R、R、R、R、R10、R11、R12及びR13は相互に結合して環を形成してもよい。]
又は下記式(IVd)
【化学式14】


[式中、R、R、R、R、R10、R11、R12及びR13は、前記式(I)及び(IIc)と同じ。R、R、R、R、R10、R11、R12及びR13は相互に結合して環を形成してもよい。]
で表されるアルキルフェノールを得る請求項2記載のアルキルフェノールの製造方法。

【請求項7】
前記触媒が、0価のレニウム化合物からなる請求項1~6のいずれか記載のアルキルフェノールの製造方法。
産業区分
  • 有機化合物
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 権利存続中
特許内容に関しての問い合せ窓口は岡山大学連携機構知的財産部門です。

技術移転に関しては岡山TLOが窓口になります。


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