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複合粒子を含む粉体及びその製造方法 新技術説明会

国内特許コード P100000938
掲載日 2010年9月28日
出願番号 特願2009-111897
公開番号 特開2010-260935
登録番号 特許第5622140号
出願日 平成21年5月1日(2009.5.1)
公開日 平成22年11月18日(2010.11.18)
登録日 平成26年10月3日(2014.10.3)
発明者
  • 福原 実
  • 小村 俊介
  • 草野 圭弘
出願人
  • 学校法人加計学園
発明の名称 複合粒子を含む粉体及びその製造方法 新技術説明会
発明の概要 【課題】高温条件下でもヘマタイト結晶の成長が起こりにくい複合粒子を含む粉体を提供するとともに、高温条件下での変色が起こりにくく、多様な色彩と光沢を有する顔料を提供する。
【解決手段】鉄元素を含有する溶融無機ガラス中に結晶性核粒子であるコランダム粒子を分散させ、引き続き冷却して固化させてから粉砕して、コランダム粒子の表面にヘマタイト結晶が形成された複合結晶が無機ガラス中に分散している複合粒子を含む粉体を製造する。このとき、コランダム粒子の表面にヘマタイト結晶がエピタキシャル成長によって形成される。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要



酸化鉄を着色成分とする無機顔料は、通常は暗赤色を呈するが、使用原料、形状や製造法などの相違から黄味赤色、橙色、赤色、黒味赤色など様々な色を呈する顔料が作られており、道路面表示、道路標識の表示、建材、乗り物、陶磁器などの着色材として塗料などに配合され、使用されている。また高級感を訴える用途などには光沢を有する顔料も使用されている。様々な色彩を有する塗料は、複数の顔料をその性状に応じて配合して調製する必要があり、製造上も、管理上も煩雑となっている。したがって、一種類の顔料のみを用いることで様々な色彩を表現できることが求められている。





特許文献1及び特許文献2には、板状の酸化鉄粒子の表面をアルミナで被覆した、黄味赤色から黒味赤色に至る様々な色を有する顔料が開示されている。これらの文献には、酸化鉄被覆板状粒子層の厚みとアルミニウム化合物被膜層の厚みとを調整して光の干渉を利用することにより、橙色から青赤色までの彩度の高い色調を有し、しかも安定性に優れた赤色系顔料が得られると記載されている。





しかし、これらの方法には次のような欠点がある。まず、多彩な色彩を光の干渉により発現するために、酸化鉄板状粒子層とアルミニウム層の厚みを数百ナノメートルのオーダーで調整する必要があるが、中和反応により板状粒子層上に沈殿させてから熱収縮率を見込んで加熱するために、沈殿させる物質量を制御する必要があり、相当に複雑で精巧な制御を必要とする。また、沈殿を加熱して結晶化するときに結晶核が多数できるので多結晶質となり、光の散乱がおき、色調に悪影響を及ぼす。顔料の製造方法はいずれも水分散系での中和反応による沈積法であり、廃液処理が大きな負担となる。さらに、焼成は900℃以下で行っているが、これ以上の高温では焼成後に黒色に近い暗赤色に容易に変色し、焼成前の色彩を保つことができない。従って900℃以上の高温焼成を行うと焼成前の色彩を有する製品を提供することができない。





特許文献3には、ヘマタイト型構造を有する核とスピネル型構造を有する外層とから構成されるアルミニウム含有酸化鉄からなる小板状二層顔料が記載されている。当該顔料は、多数の色合いに調整することの可能なものであるとされている。しかしながら、水性懸濁液中で還元剤を作用させてから濾過、乾燥させて製造する必要があり、廃液処理の問題を有している。特許文献4には、鉄化合物とアルミニウム化合物の混合物にクエン酸及びエチレングリコールを添加してゲルを生成させてから熱分解させて焼成するアルミニウム置換ヘマタイトの製造方法が記載されている。こうして得られるアルミニウム置換ヘマタイトは、高温加熱しても粒子成長が起こりにくく、安定して鮮明な色を示すとされている。しかしながら、水や有機物を比較的大量に使用して、それを乾燥あるいは分解除去しなければならず、エネルギー的にもコスト的にも問題を有していた。





特許文献5には、シリカ系粒子を核とし、その表面にヘマタイト粒子層が形成されている赤色複合顔料が記載されていて、ヘマタイト粒径を小さく保って赤色を呈しながらも、シリカと複合させることによって複合粒子としての粒径を大きくして分散性を改善している。シリカ系粒子とヘマタイト粒子をメカノケミカル反応によって結合させて乾式で製造することもできるし、アルカリ水溶液中においてシリカ系粒子とヘマタイト粒子を攪拌して湿式で製造することもできる。しかしながら、こうして得られる複合顔料は、高温下での結晶成長を抑制することができず、高温で使用する用途では色調の変化が避けられなかった。





非特許文献1では、本発明者らによる備前焼模様「緋襷」の材料科学的研究がなされていて、備前焼を焼成する際に稲藁に触れている部分で赤色に発色する現象の仕組みが明らかにされている。それによれば、備前焼の焼成中に、稲藁に含まれるカリウムの影響によって表面にガラス相が形成され、その中でコランダム粒子が形成され、引き続きそのコランダム粒子上でヘマタイト結晶がエピタキシャル成長していることが確認されている。

産業上の利用分野



本発明は、ヘマタイト結晶を含む粉体及びその製造方法に関する。またそのような粉体からなる顔料に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
酸化アルミニウムからなる結晶性核粒子の表面にヘマタイト結晶がエピタキシャル成長によって形成された複合結晶が無機ガラス中に分散している複合粒子を含む粉体。

【請求項2】
無機ガラス中に含まれるナトリウム元素の含有量が、2~20重量%である請求項1記載の粉体。

【請求項3】
請求項1又は2記載の粉体からなる顔料。

【請求項4】
鉄元素を含有する溶融無機ガラス中に酸化アルミニウムからなる結晶性核粒子を分散させ、引き続き冷却して固化させてから粉砕する、結晶性核粒子の表面にヘマタイト結晶が形成された複合結晶が無機ガラス中に分散している複合粒子を含む粉体の製造方法。

【請求項5】
結晶性核粒子の表面にヘマタイト結晶がエピタキシャル成長によって形成された請求項記載の粉体の製造方法。

【請求項6】
ヘマタイト結晶が形成される前の溶融無機ガラス中に含まれる鉄元素の含有量が、0.5~20重量%である請求項4又は5記載の粉体の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2009111897thum.jpg
出願権利状態 登録
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