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イヌ精子の凍結保存剤および凍結保存方法 新技術説明会

国内特許コード P100000959
掲載日 2010年9月30日
出願番号 特願2007-188779
公開番号 特開2009-022214
登録番号 特許第5234896号
出願日 平成19年7月19日(2007.7.19)
公開日 平成21年2月5日(2009.2.5)
登録日 平成25年4月5日(2013.4.5)
発明者
  • 鈴木 宏志
  • 阿部 靖之
出願人
  • 国立大学法人帯広畜産大学
発明の名称 イヌ精子の凍結保存剤および凍結保存方法 新技術説明会
発明の概要

【課題】卵黄を用いずにイヌ精子凍結保存が可能な手段、具体的には、凍結保存剤と凍結保存方法を提供する。
【解決手段】糖とスキムミルクとを含有する水溶液Aおよび糖とスキムミルクとグリセロールを含有する水溶液Bとからなる、イヌ精子の凍結保存剤。糖とスキムミルクとを含む水溶液Aにイヌ精子を分散し、得られた分散液を0~8℃で保存した後、保存後の分散液を糖とスキムミルクとグリセロールを含む水溶液Bと混合し、得られた混合液を液体窒素温度において保存する、イヌ精子の凍結保存方法。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


イヌ精子の凍結保存は、外国など遠隔地からの精子輸送や世代を超えた繁殖を実現し、効率的な育種改良を可能とする技術である。凍結保存では、凍結障害から精子を保護する物質から構成される希釈液と精液を混和し凍結保存するが、これまで、卵黄を用いて多くの成功例が報告されてきた(非特許文献1、2)。しかし、世界的な鳥インフルエンザウィルスの流行により、ウィルスの国内流入を防ぐため、卵黄を用いて凍結保存した精子を外国から輸入することは困難となっている。そのため、卵黄を用いない精子の凍結保存法の開発が望まれているが、組成が明らかな希釈液では全て卵黄が用いられている。



卵黄に代わる物質としてスキムミルクがある。スキムミルクや数種の糖には、卵黄と同様な保護効果があり、マウス(非特許文献3~5)やウマ(非特許文献6)、イルカ精子(非特許文献7)の凍結保存において有効性が報告されている。イヌ精子においても、卵黄と組み合わせた希釈液を用いた凍結保存(非特許文献8)やスキムミルク液を用いた冷蔵保存(非特許文献9)では効果が報告されている。

【非特許文献1】Hori T, Odaka S, Oba H, Mizutani T, Kawakami E, Tsutsui T. Effects of liquid nitrogen vapor sensitization conditions on the quality of frozen-thawed dog spermatozoa. J Vet Med Sci 2006; 68: 1055-1061.

【非特許文献2】Martins-Bessa A, Rocha A, Mayenco-Aguirre A. Comparing ethylene glycol with glycerol for cryopreservation of canine semen in egg-yolk TRIS extenders. Theriogenology 2006; 66: 2047-2055.

【非特許文献3】Nakagata N. Cryopreservation of mouse spermatozoa. Mamm Genome 2000; 11: 572-576.

【非特許文献4】Kaneko T, Yamamura A, Ide Y, Ogi M, Yanagita T, Nakagata N. Long-term cryopreservation of mouse sperm. Theriogenology 2006; 66: 1098-1101.

【非特許文献5】Agca Y, Gilmore J, Byers M, Woods EJ, Liu J, Critser JK. Osmotic characteristics of mouse spermatozoa in the presence of extenders and sugars. Biol Reprod 2002; 67: 1493-1501.

【非特許文献6】Kareskoski AM, Reilas T, Andersson M, Katila T. Motility and plasma membrane integrity of spermatozoa in fractionated stallion ejaculates after storage. Reprod Domest Anim 2006; 41: 33-38.

【非特許文献7】Robeck TR, O'Brien JK. Effect of cryopreservation methods and precryopreservation storage on bottlenose dolphin (Tursiops truncatus) spermatozoa. Biol Reprod 2004; 70: 1340-1348.

【非特許文献8】Rota A, Frishling A, Vannozzi I, Camillo F, Romagnoli S. Effect of the inclusion of skimmed milk in freezing extenders on the viability of canine spermatozoa after thawing. J Reprod Fertil Suppl 2001; 57: 377-381.

【非特許文献9】Pinto CR, Paccamonti DL, Eilts BE. Fertility in bitches artificially inseminated with extended, chilled semen. Theriogenology 1999; 52: 609-616.

産業上の利用分野


本発明は、イヌ精子の凍結保存剤および凍結保存方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
糖とスキムミルクとを含有する水溶液Aおよび糖とスキムミルクとグリセロールを含有する水溶液Bとからなる、但し、水溶液Aおよび水溶液Bは卵黄を含有しない、イヌ精子の凍結保存剤。

【請求項2】
水溶液Aは、糖を0.1~1M含有し、スキムミルクを1~100mg/mlを含有する請求項1に記載の凍結保存剤。

【請求項3】
水溶液Bは、糖を0.1~1M含有し、スキムミルクを1~100mg/mlを含有し、グリセロールを1~30質量%含有する請求項1または2に記載の凍結保存剤。

【請求項4】
糖が、グルコース、フルクトース、シュクロース、ラフィノース、トレハロースおよびキシロースから成る群から選ばれる少なくとも1種の糖である請求項1~3のいずれかに記載の凍結保存剤。

【請求項5】
凍結保存が液体窒素温度における保存である請求項1~4のいずれかに記載の凍結保存剤。

【請求項6】
イヌ精子を水溶液Aと混合し、得られた分散液を0~8℃で保存した後に、水溶液Bと混合し、得られた分散液を液体窒素温度にすることで使用される請求項1~5のいずれかに記載の凍結保存剤。

【請求項7】
糖とスキムミルクとを含む水溶液Aにイヌ精子を分散し、得られた分散液を0~8℃で保存した後、保存後の分散液を糖とスキムミルクとグリセロールを含む水溶液Bと混合し、得られた混合液を液体窒素温度において保存する、但し、水溶液Aおよび水溶液Bは卵黄を含有しない、イヌ精子の凍結保存方法。

【請求項8】
水溶液Aは、糖を0.1~1M含有し、スキムミルクを1~100mg/mlを含有する請求項7に記載の方法。

【請求項9】
水溶液Bは、糖を0.1~1M含有し、スキムミルクを1~100mg/mlを含有し、グリセロールを1~30質量%含有する請求項に記載の方法。

【請求項10】
糖が、グルコース、フルクトース、シュクロース、ラフィノース、トレハロースおよびキシロースから成る群から選ばれる少なくとも1種の糖である請求項7~9のいずれかに記載の方法。
産業区分
  • 微生物工業
  • 畜産
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 権利存続中
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