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農産物追跡システム 新技術説明会

国内特許コード P100001015
掲載日 2010年10月1日
出願番号 特願2004-335965
公開番号 特開2006-146570
登録番号 特許第4006536号
出願日 平成16年11月19日(2004.11.19)
公開日 平成18年6月8日(2006.6.8)
登録日 平成19年9月7日(2007.9.7)
発明者
  • 平 藤 雅 之
出願人
  • 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明の名称 農産物追跡システム 新技術説明会
発明の概要 【課題】栽培農産物が栽培地管理フィールド内の複数各地点における気象観測、栽培環境データを収集しモニタリングするために配設したフィールドサーバ群を用いて、収穫された農産物を追跡し、収穫された農産物と、購入した農産物とが同一であることを確認できる個体認証・追跡システムを提供する。
【解決手段】フィールドの各地点に配設したフィールドサーバ群を無線LAN送受信部により接続してネットワークを形成し、各地点で記録蓄積された更新データを自動的に順次隣接フィールドサーバに転送するようにし、一方農産物にはRF-IDを貼付して、所定距離範囲に入ればフィールドサーバが自動的に読取り書込みを実行するようにし、RF-ID貼付の農産物は自動的に最初に収穫されたときのデータ・画像データなどと自動的に比較照合し、その結果のパターン一致率が所定値以下なら表示警告させることにより追跡確認を行う。
【選択図】図2
従来技術、競合技術の概要


従来の個体認証技術は、対象となる物品または人にRF-IDなどの識別子を付与し、それを暗号化などの方法と組み合わせて同一性を認証するものであったが、識別子そのものが改変または交換されると機能しなくなるという問題があった。識別に指紋等を用いるバイオメトリクスによる認証方式は改変される 危険性は少ないが、指紋を読み取る装置に改変を加えられると脆弱であり、
また指紋と同じパターンを有する模擬物体を人工的に作ることで詐称できる可能性がある。



従来のトレーサビリティシステムは、農産物や食品等の生産物(以下、生産物)に何らかの瑕疵があったとき、その発生原因を迅速に究明するための遡及可能性を実現するシステムであり、悪意のある生産者、流通業者あるいは小売業者が巧妙に生産物の品質を偽ろうとした場合や梱包の内容物だけをすり替えた場合、それを見破ることは難しかった。消費者の手元に届いた製品が品質表示通りの品質と生産履歴を有していることを保証するためには、生産過程のスタートから消費者の手元に渡るまで、一瞬たりとも目を離すべきではないが、これを実現することは困難であった。



また、内容物を巧妙に作られた偽物にすり替えられた場合、それをパターンマッチング等の画像認識技術で100%正確に判別を行うことは難しい。あえて行おうとすれば、宝石のように専門家の目で視認・鑑定する必要がある。しかし、農産物のような大量かつ安価な生産物に対して専門家が鑑定することは事実上不可能であった。



また、無農薬野菜が真に無農薬栽培であったことあるいは栽培農産物が当該農場のフィールドで生産されたことを示して消費者に安心感を与えるためには、農場を常時、気象及び環境条件も含めてモニタリングし、その情報を包み隠さず消費者に見せる必要がある。また、そのような監視がなされていることを知ることで、消費者は生産者を信頼することができる。このような屋外における監視システムは、多数の計測装置や通信装置からなり、これを屋外及び流通過程に設置することは耐候性及びコストの面で困難であり、またこのような複雑なシステムを実際に運用することは困難であった。



フィールドサーバは、複数の環境計測センサと無線LAN等の通信手段を備えた装置であり、生産現場における環境情報をリアルタイムに取得することができる。しかし、従来のフィールドサーバは農産物に関する情報を取得し、生産現場から最終需要者までの移動を追跡する手段は備わっていなかった。



また、前記農産物が、前述のフィールド内で生産され収穫された後、その移動・搬送経路で、すり替えなどの偽装を防止する必要がある。このような問題に対しても対応可能なシステムは考えられていなかった。さらに従来の農場に使用する各種モニタリングを搭載した装置、それらの情報の通信ネットワークは、以下のような問題に対する対応が考慮されていなかった。



気象・生物・農産物・食品関連の計測では、作物に関しての計測や、土壌水分、植物体水分、葉の濡れなどのセンサがそれぞれ必要である。また、気象や環境に関しては、気温、湿度、風速・風向計、日射量センサ等も必要である。
さらに現場のモニタリングシステムとしてリアルタイムに画像を得るためのカメラ、通信機器、GPSなど多くの種類の計測機器を必要とする。従来、現場の情報を得るためには、このような、それぞれの機器を個別に設置していた。



従来の方法では、このような装置を設置するためには大型の装置とそれを設置するための広い面積が必要となり、設置のための工数が膨大となる。フィールドサーバはこのようなものを一つのモジュールにまとめて製造コストと設置コストを低減させるところに大きな特徴があるが、さらに農産物のトレーサビリティや認証に関する機能を盛り込むことで大きなコスト低減効果と、フィールドサーバが有する上記機能との組み合わせによる相乗効果が発生し、それぞれの装置を単独に用いた場合に実現し得ない新しい機能を実現することが出来る。
本発明で実現しようとする新しい機能は、従来のトレーサビリティシステムで実現できなかったすり替え及び詐称防止のための個体の真正性に関する情報取得とその開示方法を実現する農産物追跡システムである。



特許文献1には、農産物のトレーサビリティシステムとして、農産物の識別情報を農産物に付与する方法が示されている。
この場合の具体的な識別子としては、一般にはRF-IDまたはバーコードが用いられるが、RF-IDの読取書込装置やバーコードリーダを現場に設置する必要が生じる。



とくに農場においては精密機器の設置は防水・防塵・耐熱の面で、しかも機器の設置は農作業の障害物となる。また、機器間の配線に要するコストが大きく、設備が大きくなると周囲の景観を損ねるという問題もある。



特許文献2には、多数の対象物の設置環境を連続観測してデータを取得しそのデータを短時間に、低いコストで監視場所に集中させることにより、少数の監視場所による多数の対象物の監視を効率的に可能とする設置環境観測装置と、設置環境監視装置並びに通信ネットワークを経由して情報を伝送するシステムが開示されている。



この発明では、設置環境観測装置の連続観測手段で観測したデータを、一定の時間間隔で統計解析処理し、その観測統計データを本文に含む電子メールを通信ネットワークへ送出し、遠隔地に設けられた設置環境観測装置で受信して監視を行うものであった。



しかし、連続観測部に設けられた観測機器からの信号を設置環境観測装置のA/D変換器に接続する構成であり、多数の機器を設置、接続する架設が必要であった。また、それらのデータ統計処理などの加工が必要であった。



【特許文献1】
特開平10-302105号公報(第2、3頁、第図1)
【特許文献2】
特開平11-149595号公報(第2、3頁、4頁、第1図)

産業上の利用分野


本発明は、農産物の生産・加工・移動・貯蔵を行う各地点における環境・生育・保存状態・加工などの生産履歴情報及び農産物の識別・固有情報を収集するために配設したフィールドサーバ群を用いて、農産物の生産現場から最終需要者の手元まで情報収集及び農産物の追跡を行い、該地点で生産された農産物の同一性の検証・確認を行う農産物追跡システムに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
農場の複数個所に配設され、環境データ計測各種センサ、気象観測器、農産物のビデオ記録をするカメラ及びカメラ駆動機構を有する複数のフィールドサーバと;それらによる農産物管理情報データを記録するデータベースと;前記センサ、気象観測計器、カメラをアクセスまたは制御して、所定時点毎にそれら情報データを取得させ、データベースに時系列に蓄積させる手段を備えるアプリケーションサーバと、
さらに、それらフィールドサーバは遠隔地からその配設地点に対して農産物管理を行なうため、隣接フィールドサーバ間を無線中継回路で接続させ、前記農産物管理情報データを伝送させるように、各フィールドサーバに無線LAN送受信部と;隣接フィールドサーバ間で情報データを自動的に通信蓄積させる手段を備えるアプリケーションサーバと;を加えたシステムにおいて、
前記システムは、農場の農産物又はその格納ケース或いは包装資材にそれぞれ貼付させて、品名、シリアル番号を含む識別情報が付与された非接触型タグ(RF-ID)及び/又はバーコード識別子と;近距離送受信部からなるRF-ID読取書込装置と;を少なくとも備え、
前記農産物の生産・加工・移動・貯蔵を行なう各地点における環境・生育・保存状態・加工の生産履歴情報を、前記農産物管理情報データ及び前記RF-ID或いはバーコード識別子の識別情報データの取得と同時に所定時間毎に農産物各個体の傷などの生体情報を農産物固有情報として収集する手段と;それらを前記データベースに蓄積する手段と;前記農産物固有情報における生体情報或いは傷が時間と共に累積的に変化する物理的情報を時系列情報として記録する手段と;それらの手段で記録された情報を農産物を特定する同一性判定に利用する照合手段と;
前記各地点に収集された前記農産物固有情報は、前記所定時間毎に自動的に無線LANにより隣接フィールドサーバに伝送されデータベースに時系列に蓄積される更新データ隣接転送手段と;をアプリケーションサーバに備えることを特徴とする農産物追跡システム。

【請求項2】
任意のある地点のフィールドサーバの付近からRF-IDが貼付された農産物が搬送・移動された場合、その移動先のフィールドサーバがそのRF-IDデータを読取り、最初のフィールドサーバから転送され記録されたRF-IDの識別情報を検索し作業メモリー上でRF-IDデータ及び画像データを含む前記農産物情報データを照合するRF-ID照合手段と;特定の者がデータを閲覧できる認証手段と;をさらにアプリケーションサーバに備えることを特徴とする請求項1記載の農産物追跡システム

【請求項3】
前記RF-ID照合手段において、RF-IDデータ、画像データを照合し、一致すれば「すり替えなし」、もし不一致ならば「すり替えあり」の識別データを付してデータベースに記録すると共にRF-IDにも書込み、さらに不一致の際にはフィールドサーバの表示部に「すり替えあり」の警告表示又は/及び警告音を発する手段を含むことを特徴とする請求項2記載の農産物追跡システム。

【請求項4】
前記カメラは拡大画像を取得する顕微鏡部或いは紫外線や赤外線などの特定波長又は蛍光で撮影する機能を備え;さらに農産物の形状・模様を含む拡大画像を予め定めた拡大率で記録する拡大画像記録手段を備え;
前記RF-ID照合手段は、RF-IDの通信可能距離範囲内を移動し、収穫・集積された農産物又はその収納ケースに貼付されたRF-ID識別子が前記範囲内に入り、或いは通過した時は、自動的にそのデータを読取って、最初のフィールドサーバの拡大画像記録と照合することを特徴とする請求項1記載の農産物追跡システム。

【請求項5】
前記取得された拡大画像データとの同一性判定に利用する照合手段は、少なくとも予め定めたパターン認識プログラムで自動的に行なう判定手段と表示手段からなることを特徴とする請求項4記載の農産物追跡システム。

【請求項6】
前記フィールドサーバ群が形成する無線LANによるホットスポット(無線LANによってインターネット接続ができる空間)において、無線LANで接続するRF-IDを用いてデータの読取り書込みを行うことを特徴とする請求項1記載の農産物追跡システム

【請求項7】
前記フィールドサーバのRF-ID読取書込手段は、RF-IDとその中で通信するフィールドサーバの外部に敷設したループコイル又は農産物がくぐりぬけるゲート状コイルを備え、そのコイルの範囲内又は通過するRF-IDと通信することにより識別子を読取・記録し、農産物の移動を追跡可能としたことを特徴とする請求項1記載の農産物追跡システム

【請求項8】
前記フィールドサーバは農産物識別情報を取得後、農産物のすり替えの危険の生じない範囲の時間内に前記カメラを用いて農産物固有情報を取得し、遠隔地の記憶手段に記録され、農産物のすり替えが疑われる場合には、判定者は記憶手段に蓄積されている農産物識別情報から各地点で記録された農産物固有画像情報を引き出し、手元の農産物と照合することで農産物の「すり替え有りまたは無し」の識別を目視によって行い、農産物移動の最終地点まで農産物の信憑性を維持することを特徴とする請求項1記載の農産物追跡システム

【請求項9】
前記農産物固有画像情報の照合手段において、農産物固有情報の同一性判定を、予め定めたパターン認識プログラムで自動的に判定を行い、その表示手段では、パターン一致率が予め定めた率より低い画像のみが少なくとも表示され、その画像のみ肉眼目視による効率的な判定が可能になることを特徴とする請求項1記載の農産物追跡システム

【請求項10】
前記フィールドサーバは、少なくとも、
(1)生産履歴情報記録部
(2)農産物識別情報取得部
(3)農産物固有情報取得部
(4)無線LANまたはインターネット通信部
(5)電源部
を単一または複数の収納ケースに格納し、複数の収納ケースに格納した場合には地面に垂直方向に積層した構造とし、設置の容易さと設置面積が少ないことを特徴とする請求項1記載の農産物追跡システム

【請求項11】
前記フィールドサーバは、その表面上にフィールドサーバのURLまたは、
(1)前記生産履歴情報
(2)前記農産物識別情報
(3)前記農産物固有情報
に関する前記記憶手段の情報を表示するWebサーバのURLを記録したバーコード或は符号を添付して備え、
判定者は、前記バーコード又は符号のURLを解読できるプログラムを有する携帯電話等携帯端末を用いて、その場で前記生産履歴情報、前記農産物識別情報、前記農産物固有情報を取得し、判定を行うことを特徴とする請求項1記載の農産物追跡システム

【請求項12】
前記フィールドサーバに組み込まれる前記農産物固有情報読取書込手段のRF-IDに関しては、
第1のプログラム入力によって決められる周波数合成波形信号波を出力するデジタルシンセサイザと、
2つの入力電圧を入力し、その積を電圧として出力する乗算器と、
さらにそれらの定数と結線選択を第2のプログラム入力によって変更できる素子とからなるFPAA(フィールド・プログラマブル・アナログ・アレイ)と、
前記デジタルシンセサイザ、乗算器、FPAAも含めたすべてを制御するコンピュータ部とDA/ADコンバータを少なくとも有すると共に、
前記第1及び第2のプログラムをデジタルバスを介して指令信号として出力できるプログラマブル機能を有するFPGA(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)とを備えた4回路要素からなり、RF-IDの使用条件に対応して汎用性のある単一デバイスのプログラマブル・モジュールであって、
読取・書込対象である前記RF-IDとアンテナを介して送信信号を出力し、そのRF-IDからの応答信号をアンテナを介して受信入力する出力/入力端子を前記FPAAにさらに備え、
前記FPGAのコンピュータ部は、前記4回路要素間の必要とする配線を動的に組み替える手段を備え、
前記出力/入力端子とアンテナを介して前記RF-IDと通信可能とする条件に合致する前記第3のプログラムを前記コンピュータ部より起動して前記4回路要素間の配線を定め、
また前記コンピュータ部は、前記RF-IDとの通信に対応する搬送波を生成するため第1のプログラムを起動して、所定の搬送波をデジタルシンセサイザで生成し、次にFPGAのコンピュータ部の指令信号をDAコンバータにより変調電圧波として乗算器により変調させる搬送波生成手段・変調手段を備え、さらに前記コンピュータ部は第2のプログラムの起動により前記FPAAの各素子の結線と素子定数を前記搬送波の送受信回路に定めて、前記変調搬送波を送信すると共に、RF-IDからの搬送波を受信して検波し、その出力をFPGAの前記ADコンバータへ送り、RF-IDと通信するFPAAの定数・結線選択手段を備えることを特徴とする請求項1記載の農産物追跡システム

【請求項13】
前記フィールドサーバのホットスポット内に無人農産物販売所があり、利用者がある農産物を購入するとき、フィールドサーバは
(1)その場の環境情報
(2)購入する農産物の情報(農産物識別情報及び農産物固有情報)と、
3)さらに購買者が携帯するICカードまたは購買者が携帯する携帯電話等携帯端末に内蔵された情報によって課金情報または個人識別情報を取得し、
これらの情報を遠隔地にある記憶手段に記録することによって農産物購入課金手段を与えることを特徴とする請求項1又は2記載の農産物追跡システム

【請求項14】
前記フィールドサーバの農産物販売管理サーバは、前記利用者確認または農産物購入課金購入の手続きに関するプログラムの処理が正しく実行されず、且つ、前記無人農産物販売所にある農産物に貼付されたRF-IDの移動を検出し、その検出結果を前記管理サーバが受けたときは、警告表示及び警報音等警告信号を出力すると共に、インターネット経由で予め指定した警備会社又は通知先へ通知する無断農産物移動警報手段を備えることを特徴とする請求項13記載の農産物追跡システム
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2004335965thum.jpg
出願権利状態 登録


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