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アナベナセンサリーロドプシンを利用したタンパク質発現法

国内特許コード P100001095
整理番号 NU-0369
掲載日 2010年10月27日
出願番号 特願2010-181053
公開番号 特開2012-039885
登録番号 特許第5828422号
出願日 平成22年8月12日(2010.8.12)
公開日 平成24年3月1日(2012.3.1)
登録日 平成27年10月30日(2015.10.30)
発明者
  • 須藤 雄気
  • 本間 道夫
  • 入枝 泰樹
出願人
  • 国立大学法人名古屋大学
発明の名称 アナベナセンサリーロドプシンを利用したタンパク質発現法
発明の概要 【課題】発現量の正の制御(タンパク質量の増大)にも負の制御(タンパク質量の減少)にも利用できることに加え、発現量の時間的な制御も行え、しかも発現量の空間的な制御にも利用可能なタンパク質発現系及びその用途等を提供すること。
【解決手段】以下のステップ(1)及び(2)、即ち、(1)アナベナセンサリーロドプシン応答性の色素タンパク質プロモーター及びその制御下にある目的タンパク質遺伝子を含む発現コンストラクトと、遺伝子発現に必要な因子とを含み、且つその中でアナベナセンサリーロドプシンが発現している区画を用意するステップ;(2)前記アナベナセンサリーロドプシンを活性化可能な波長の光を前記区画内に照射するステップを含むタンパク質発現法が提供される。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


細胞の生理機能発現に直接関与しているのは多くのタンパク質分子である。遺伝情報から正確に転写、翻訳されたタンパク質は、高次な機能構造をとり、それぞれの機能部位へと輸送されることで細胞は様々な生理機能を発現する。特定のタンパク質の量を人為的に制御すること(例えば遺伝子破壊体や過剰発現体を作製すること)は、タンパク質の機能を知る手段として或いは創薬の手段として極めて有用である。



従来、タンパク質量を制御・操作する方法として、人為的に操作したプラスミドDNA(ベクターDNA)を用い、イソプロピル-β-チオガラクトピラノシド(IPTG)やアラビノースなどの化学物質によって、或いは温度変化により発現が調節されるプロモーター領域の下流に任意の目的タンパク質をプラスミド遺伝子上でつなげ、試薬や温度の変化を人為的に引き起こすことによってタンパク質量を増やすことが広く行われてきた(例えば非特許文献1を参照)。また、人工的に合成したRNAに相補的な配列を持つメッセンジャーRNA(mRNA)が細胞内で分解される特性を生かして標的タンパク質量を抑制する(減少させる)方法が広く一般に用いられてきた(RNAi法、例えば非特許文献2を参照)。

産業上の利用分野


本発明はタンパク質発現法に関する。詳しくは、藍藻(アナベナ)由来のレチナールを発色団とする膜タンパク質(アナベナセンサリーロドプシン)を用い、光によりタンパク質発現量の増減をコントロールする方法及びシステムに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
以下のステップ(1)及び(2)を含む、タンパク質発現法:
(1)フィコエリスリン色素オペロン又はフィコシアニン色素オペロンのプロモーターからなる、アナベナセンサリーロドプシン応答性を保持した色素タンパク質プロモーター及びその制御下にある目的タンパク質(但し、フィコエリスリン色素とフィコシアニン色素を除く)遺伝子を含む発現コンストラクトと、遺伝子発現に必要な因子とを含み、且つその中で、光受容体として機能するアナベナセンサリーロドプシンが発現している区画を用意するステップ;及び、
(2)前記アナベナセンサリーロドプシンを活性化可能な波長の光を前記区画内に照射し、前記目的タンパク質遺伝子の転写を開始、促進、停止又は抑制させるステップ。

【請求項2】
アナベナセンサリーロドプシン遺伝子を含む発現コンストラクトから前記アナベナセンサリーロドプシンが供給される、請求項1に記載のタンパク質発現法。

【請求項3】
前記区画が細胞からなる、請求項1又は2に記載のタンパク質発現法。

【請求項4】
前記細胞が大腸菌、バシラス属細菌又はアナベナ属藍藻である、請求項3に記載のタンパク質発現法。

【請求項5】
前記細胞のゲノム内にアナベナセンサリーロドプシン遺伝子が予め組み込まれており、該遺伝子が発現することによって前記アナベナセンサリーロドプシンが供給される、請求項3又は4に記載のタンパク質発現法。

【請求項6】
前記アナベナセンサリーロドプシン遺伝子が恒常的に発現している、請求項5に記載のタンパク質発現法。

【請求項7】
前記区画が、その中に無細胞合成系が形成された区画である、請求項1又は2に記載のタンパク質発現法。

【請求項8】
前記区画がリポソーム又はエマルジョンからなる、請求項1、2又は7に記載のタンパク質発現法。

【請求項9】
前記アナベナセンサリーロドプシンが配列番号5の配列を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のタンパク質発現法。

【請求項10】
前記アナベナセンサリーロドプシンが、天然型のアミノ酸配列の一部を改変して得られた変異型であり、その光学特性が天然型と異なる、請求項1~8のいずれか一項に記載のタンパク質発現法。

【請求項11】
前記変異型が波長485nm~575nmに吸収極大を有する、請求項10に記載のタンパク質発現法。

【請求項12】
前記発現コンストラクトが、二以上の目的タンパク質遺伝子を発現可能な状態で含む、請求項1~11のいずれか一項に記載のタンパク質発現法。

【請求項13】
目的タンパク質遺伝子が異なる二以上の発現コンストラクトが前記発現コンストラクトとして前記区画内に内包されている、請求項1~11のいずれか一項に記載のタンパク質発現法。

【請求項14】
前記色素タンパク質プロモーターが、アナベナ属由来のプロモーターである、請求項1~13のいずれか一項に記載のタンパク質発現法。

【請求項15】
前記色素タンパク質プロモーターが、配列番号1の配列又は配列番号2の配列を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載のタンパク質発現法。

【請求項16】
遺伝子発現に必要な因子と、
光受容体として機能するアナベナセンサリーロドプシン、又は恒常的若しくは一過性に発現可能な状態にある、光受容体として機能するアナベナセンサリーロドプシン遺伝子と、
フィコエリスリン色素オペロン又はフィコシアニン色素オペロンのプロモーターからなる、アナベナセンサリーロドプシン応答性を保持した色素タンパク質プロモーター及びその制御下にある目的タンパク質(但し、フィコエリスリン色素とフィコシアニン色素を除く)遺伝子を含む発現コンストラクトと、
を含む区画からなり、
前記アナベナセンサリーロドプシンを活性化可能な波長の光を前記区画内に照射することにより、目的タンパク質遺伝子の転写を開始、促進、停止又は抑制させる、タンパク質発現システム。

【請求項17】
前記色素タンパク質プロモーターが、配列番号1の配列又は配列番号2の配列を含む、請求項16に記載のタンパク質発現システム。

【請求項18】
前記アナベナセンサリーロドプシンが配列番号5の配列を含み、アナベナセンサリーロドプシン遺伝子が配列番号6の配列を含む、請求項17に記載のタンパク質発現システム。
産業区分
  • 微生物工業
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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