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コンクリート構造物の中性化深さ予測装置および中性化深さをコンピュータに計算させるためのプログラム 新技術説明会

国内特許コード P100001123
掲載日 2010年10月29日
出願番号 特願2010-130758
公開番号 特開2011-257212
登録番号 特許第5261740号
出願日 平成22年6月8日(2010.6.8)
公開日 平成23年12月22日(2011.12.22)
登録日 平成25年5月10日(2013.5.10)
発明者
  • 田坂 誠一
出願人
  • 独立行政法人国立高等専門学校機構
発明の名称 コンクリート構造物の中性化深さ予測装置および中性化深さをコンピュータに計算させるためのプログラム 新技術説明会
発明の概要

【課題】数式モデルの不確定な誤差を考慮しつつ中性化深さの経年進行を精度良く予測する。
【解決手段】中性化深さ予測装置100が実行する処理ステップは、構造物に用いられるコンクリートの中性化深さを予測するための統計的数式モデルを設定するステップ(S1)と、検査によって得られたコンクリートの中性化深さのデータ(構造物データ)をロードするステップ(S2)と、推定対象のパラメータ(中性化速度係数、経過年数のべき乗、および分散)の事前分布と尤度関数を設定してベイズの定理を適用するステップ(S3)と、MCMC(マルコフ連鎖モンテカルロ)法によって事後分布を数値的に生成するステップ(S4)と、事後分布から当該パラメータを推定するステップ(S5)とを含む。
【選択図】図1

従来技術、競合技術の概要


コンクリートは、強アルカリ性の建築材料であり、空気中の二酸化炭素との反応により、表面から内部に向けて経年的に中性化(carbonation)が進行し、内部の鉄筋の腐食の原因となる。従来、中性化深さの経年進行の予測は、フィック(Fick)の拡散モデルに基づく√t則(tは経過年)、すなわち中性化深さは√tに比例するという法則を用いて行われてきた。具体的な予測式には下記のようなものがあり、これらを利用した技術が、下記の特許文献に開示されている(特許文献1,2参照)。
C=A√t
C=A√t+B
C=A{√(t+R)-R}
ここで、Cは中性化深さ、Aは中性化速度係数、Bは実験係数、Rは表面仕上げ材の中性化抵抗を表す。



中性化の経年進行過程は、コンクリートの物理的性質に加えて構造物の周辺環境にも依存するため、不確定な因子が支配的であるが、従来のような確定的な予測方法では、予測に内在する不確定性を定量的に評価することができない。そこで、たとえば、特許文献3,4および非特許文献1は、ベイズの定理のような確率統計的推定方法を使用する技術を開示している。

産業上の利用分野


本発明は、コンクリート構造物の経年劣化に影響する中性化深さを予測する技術に関する。より特定的には、本発明は、中性化深さを表現する統計的数式モデルのパラメータを、ベイズの定理を適用して推定し、将来の中性化深さを予測する技術に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
コンクリート構造物の中性化深さを予測するために予め設定された数式モデルのパラメータを推定することにより、前記中性化深さを計算するための中性化深さ予測装置であって、
前記数式モデルにおいて、前記中性化深さは、中性化速度係数と、前記構造物の竣工後から検査までの経過時間と、前記経過時間のべき乗とによって規定されており、
前記数式モデルの誤差は、正規分布に従っており、
前記中性化深さ予測装置は、
構造物の検査によって得られた中性化深さの測定値と、当該検査時における前記構造物の竣工後の経過時間とを格納するための記憶装置と、
前記記憶装置に接続されたプロセッサとを備え、
前記プロセッサは、
推定対象のパラメータの事前分布を設定する処理を実行し、前記推定対象のパラメータは、前記中性化速度係数と、前記べき乗と、前記正規分布の分散(σ)とを含み、
前記プロセッサは、さらに、
前記測定値と、前記正規分布の標準偏差(σ)と、前記推定対象のパラメータとに基づいて尤度関数を設定し、
前記尤度関数に対してベイズの定理を適用することにより、前記推定対象のパラメータの事後分布を導出し、
マルコフ連鎖モンテカルロ法を前記事後分布に適用することにより、マルコフ乱数を生成し、
前記マルコフ乱数を用いて、前記中性化速度係数と、前記べき乗と、前記分散とを算出し、
算出した前記中性化速度係数と、前記べき乗と、前記分散とを、前記数式モデルに適用して、前記構造物の中性化深さを計算する、中性化深さ予測装置。

【請求項2】
前記数式モデルは、式(1)で表され、
C=At+ε ・・・・・・ (1)
ここで、
Cは、前記中性化深さを表しており、
Aは、前記中性化速度係数であり、
tは、前記経過時間であり、
Bは、前記経過時間のべき乗であり、
εは、前記数式モデルの誤差を表す確率変数であり、前記確率変数の平均値は零である、請求項1に記載の中性化深さ予測装置。

【請求項3】
前記数式モデルは、式(2)で表され、
lnC=lnA+Blnt+ε’ ・・・・・・ (2)
ここで、
Cは、前記中性化深さを表しており、
Aは、前記中性化速度係数であり、
tは、前記経過時間であり、
Bは、前記経過時間のべき乗であり、
ε’は、前記数式モデルの誤差を表す確率変数であり、前記確率変数の平均値は零である、請求項1に記載の中性化深さ予測装置。

【請求項4】
コンクリート構造物の中性化深さを予測するために予め設定された数式モデルのパラメータを推定することにより、前記中性化深さをコンピュータに計算させるためのプログラムであって、
前記数式モデルにおいて、前記中性化深さは、中性化速度係数と、前記構造物の竣工後から検査までの経過時間と、前記経過時間のべき乗とによって規定されており、
前記数式モデルの誤差は、正規分布に従っており、
前記プログラムは、前記コンピュータのプロセッサに、
構造物の検査によって得られた中性化深さの測定値と、当該検査時における前記構造物の竣工後の経過時間とをロードするステップと、
推定対象のパラメータの事前分布を設定するステップとを実行させ、前記推定対象のパラメータは、前記中性化速度係数と、前記べき乗と、前記正規分布の分散(σ)とを含み、
前記プログラムは、さらに、前記プロセッサに、
前記測定値と、前記正規分布の標準偏差(σ)と、前記推定対象のパラメータとに基づいて尤度関数を設定するステップと、
前記尤度関数に対してベイズの定理を適用することにより、前記推定対象のパラメータの事後分布を導出するステップと、
マルコフ連鎖モンテカルロ法を前記事後分布に適用することにより、マルコフ乱数を生成するステップと、
前記マルコフ乱数を用いて、前記中性化速度係数と、前記べき乗と、前記分散とを算出するステップと、
算出した前記中性化速度係数と、前記べき乗と、前記分散とを、前記数式モデルに適用して、前記構造物の中性化深さを計算するステップとを実行させる、プログラム。

【請求項5】
前記数式モデルは、式(1)で表され、
C=At+ε ・・・・・・ (1)
ここで、
Cは、前記中性化深さを表しており、
Aは、前記中性化速度係数であり、
tは、前記経過時間であり、
Bは、前記経過時間のべき乗であり、
εは、前記数式モデルの誤差を表す確率変数であり、前記確率変数の平均値は零である、請求項4に記載のプログラム。

【請求項6】
前記数式モデルは、式(2)で表され、
lnC=lnA+Blnt+ε’ ・・・・・・ (2)
ここで、
Cは、前記中性化深さを表しており、
Aは、前記中性化速度係数であり、
tは、前記経過時間であり、
Bは、前記経過時間のべき乗であり、
ε’は、前記数式モデルの誤差を表す確率変数であり、前記確率変数の平均値は零である、請求項4に記載のプログラム。
産業区分
  • 試験、検査
  • 窯業
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2010130758thum.jpg
出願権利状態 権利存続中


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