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ナノゲル-アパタイト複合体の調製

国内特許コード P100001129
掲載日 2010年11月4日
出願番号 特願2006-543144
登録番号 特許第5439650号
出願日 平成17年10月25日(2005.10.25)
登録日 平成25年12月27日(2013.12.27)
国際出願番号 JP2005019536
国際公開番号 WO2006049032
国際出願日 平成17年10月25日(2005.10.25)
国際公開日 平成18年5月11日(2006.5.11)
優先権データ
  • 特願2004-317713 (2004.11.1) JP
発明者
  • 秋吉 一成
  • 菅原 彩絵
出願人
  • 国立大学法人 東京医科歯科大学
発明の名称 ナノゲル-アパタイト複合体の調製
発明の概要 本発明の課題は、ナノゲルとアパタイト微粒子の複合体である、ナノゲル-アパタイトナノ微粒子の合成とその利用を達成することである。
本発明者らは、疎水化多糖ナノゲルについての知見をもとに、ナノゲルおよびその複合体をテンプレートとし、カルシウムイオンとリン酸イオンの交互添加法、またはCO2ガスを利用する新規な方法(pH-gradient法)により、比較的単分散なリン酸カルシウムナノ微粒子から様々なナノ構造制御された新規有機-無機ハイブリッドナノ微粒子(ナノゲル-アパタイトナノ微粒子)の合成が可能であることを見出し、本発明を完成した。
従来技術、競合技術の概要



リン酸カルシウムは哺乳類の硬組織を構成する無機成分である。その生体適合性ゆえに様々なリン酸カルシウム系バイオマテリアルが開発され、骨疾患の治療に利用されてきた。また、細胞への遺伝子導入にリン酸カルシウムを用いる手法は古くから行われている。





近年、リン酸カルシウム粒子をナノメートルサイズに制御することにより、バイオマテリアルの機能が向上することが見出されている。たとえば、Mozumdarらは粒径を約80nmに制御したプラスミドDNA/リン酸カルシウム(ヒドロキシアパタイト)複合体が、粒径を制御していない従来のリン酸カルシウム法よりも高いDNAトランスフェクション効率を示すことを報告した(非特許文献1)。





また、片岡らは、プラスミドDNA・ヒドロキシアパタイト・ポリエチレングリコール-ポリアスパラギン酸ブロック共重合体からなる粒径数百nmのハイブリッドミセルを構築し(非特許文献2)、トランスフェクション効率を調べている(非特許文献3)。このようなハイブリッドミセルはオリゴDNAやsiRNAの運搬にも効果的である(非特許文献4)。ヒドロキシアパタイトのナノ粒子にシスプラチンを吸着させ、徐放性のドラッグデリバリーシステム(DDS)に利用する試みもなされている(非特許文献5)。





リン酸カルシウムのナノ粒子の調製法には、高周波プラズマを用いる方法(非特許文献6)、結晶形成直後に溶液から分離する方法(非特許文献7および8)、ポリマーの結晶成長制御効果を利用する方法(非特許文献2-4、9)などが報告されている。また、マイクロエマルジョン(非特許文献1および10)やリポソーム(非特許文献11)をテンプレートとして用いた例もある。





一方、ナノ微粒子とゲルの特性を併せ持つナノメーターサイズ(特に100 nm以下)の高分子ゲル微粒子(ナノゲル)は、特にドラッグデリバリーシステムやナノテクノロジー分野で注目されるようになってきた。一般に化学架橋ナノゲルはマイクロエマルション重合法や高分子分子内での架橋反応により合成されてきた。本発明者らは、疎水化高分子の自己組織化による物理架橋ナノゲルの新規な調製法を報告した(非特許文献12)。すなわち、比較的疎水性の高い疎水基(コレステロール基)を部分的に導入した水溶性多糖類が、希薄水溶液中で自己組織的に会合し、疎水基の会合領域を架橋点とする単分散なナノゲルを形成することを見出した。発明者らの知る限り、物理架橋点を有する50nm以下のサイズの揃ったナノゲルとしては、初めての報告であった。





通常のナノ微粒子は、その表面の特性を利用した研究がほとんどであるが、ナノゲルはさらにその内部の空間に疎水性の薬物やタンパク質といった物質を取り込めるスペースを有することが最大の特色である。コレステロール置換プルラン(CHP)のナノゲルは、タンパク質と選択的に相互作用するホストとして機能し、ドラッグデリバリーシステムのキャリアーとして有効であることを報告している。さらに、ナノゲルはシクロデキストリンの添加により崩壊し、取り込んだ物質を放出することが可能である。





また、第2の利点は物理架橋点を有することから、架橋構造の動的構造制御が可能であることである。疎水基の構造を変えることでゲルネットワークの動的特性を制御しえることやシクロデキストリンとのホスト-ゲスト相互作用を利用することで、ナノゲルの生成と崩壊を動的に制御しえる。この性質を利用して、変性タンパク質の取り込みと放出を制御した人工分子シャペロンの開発に成功している。

【非特許文献1】

. Roy, S. Mitra, A. Maitra, S. Mozumdar, Int. J. Pharm. (2003) 250, 25-33.

【非特許文献2】

. Kakizawa, K. Kataoka, Langmuir (2002) 18, 4549-4543.

【非特許文献3】

. Kakizawa, K. Miyata, S. Furukawa, K. Kataoka, Adv. Mater.(2004)16, 699-702.

【非特許文献4】

. Kakizawa, S. Furukawa, K. Kataoka, J. Control. Release (2004)97,345-356.

【非特許文献5】

. Barroug, L. T. Kuhn, L. C. Gerstenfeld, M. J. Glimcher, J. Orthop.Res. (2004) 22, 703-708.

【非特許文献6】

. Kumar, P. Cheang, K. A. Khor, J. Mater. Pro. Technol. (2001) 113,456-462.

【非特許文献7】

. Tadic, F. Peters, M. Epple, Biomater. (2002) 23, 2553-2559.

【非特許文献8】

. Welzel, W. M.-Zaika,M. Epple, Chem. Commun. (2004) 1204-1205.

【非特許文献9】

. S. Ashamol, S. Padalkar, S. Radhakrishnan, Polymer (2001) 42,2255-2258.

【非特許文献10】

. K. Lim, J. Wang, S. C. Ng, C. H. Chew, L. M. Gan, Biomater.(1997) 18, 1433-1439.

【非特許文献11】

. T. Schmidt, A. E. Ostafin, Adv. Mater. (2002) 14, 532-535.

【非特許文献12】

kiyoshi, K. et. al., Macromolecules (1993) 26, 3062

産業上の利用分野



本発明は、ナノゲルおよびナノゲル複合体をテンプレートとするナノゲル-アパタイト複合体の調製方法およびその用途に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
カルシウムイオンとリン酸イオンとの以下の工程よりなる交互添加法によりアパタイトナノ微粒子を合成することを特徴とする、アパタイトナノ微粒子の調製方法;
アンモニア水溶液に対し、カルシウム水溶液を加え撹拌する操作とリン酸水溶液を加えて操作する操作を1サイクルとするサイクルを繰り返し、アパタイトナノ微粒子を合成する。

【請求項2】
中性pH(pH 7)条件下でカルシウムイオンとリン酸イオンとの以下の工程よりなる交互添加法が行われることを特徴とする、疎水化高分子からなるナノ粒子(以下ナノゲルという)またはナノゲル複合体(前記ナノゲルと蛋白質、核酸若しくは薬物との複合体を意味する)をテンプレートとしてナノゲル-アパタイトナノ微粒子を合成する、ナノゲル-アパタイトナノ微粒子の調製方法
前記テンプレートを分散させた水溶液に、アンモニア水溶液を加え、この溶液に、カルシウム水溶液を加え撹拌する操作とリン酸水溶液を加えて操作する操作を1サイクルとするサイクルを繰り返し、ナノゲル-アパタイトナノ微粒子を合成する。

【請求項3】
少なくとも以下の工程を含むことを特徴とする、疎水化高分子からなるナノ粒子(以下ナノゲルという)またはナノゲル複合体(前記ナノゲルと蛋白質、核酸若しくは薬物との複合体を意味する)をテンプレートとしてナノゲル-アパタイトナノ微粒子を合成する、ナノゲル-アパタイトナノ微粒子の調製方法;
1)リン酸カルシウム塩類の水溶液にCO2ガスを溶解させることにより、該水溶液のpHを弱酸性(pH 3-6)とする、
2)工程1)で調製したリン酸カルシウム塩類の水溶液と前記テンプレートを分散させた水溶液を混合し、pHを中性(pH 6-8)とする。

【請求項4】
バブリング法により、リン酸カルシウム塩類の水溶液にCO2ガスを溶解させることを特徴とする、請求項3に記載の調製方法。

【請求項5】
工程2)において、リン酸カルシウム塩類の水溶液とナノゲル水溶液の混合液を攪拌することにより、該混合液のpHを中性とすることを特徴とする、請求項4に記載の調製方法。

【請求項6】
ナノゲルがコレステロール導入プルラン(以下、CHP)またはCHP誘導体により形成されるナノゲルである、請求項2~5の何れか一に記載の調製方法。

【請求項7】
CHP誘導体がアミノ基またはカルボキシル基が導入されたCHP誘導体である、請求項6に記載の調製方法。

【請求項8】
ナノゲルが有機分子および/または分子集合体と複合体を形成していることを特徴とする、請求項4~7の何れか一に記載の調製方法。

【請求項9】
ナノゲルがリポソームと複合体を形成していることを特徴とする、請求項8に記載の調製方法。

【請求項10】
合成されるナノゲル-アパタイトナノ微粒子がナノゲル-アモルファスアパタイトナノ微粒子である、請求項~8の何れか一に記載の調製方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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